宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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リサイクル作戦

「ドズル中将、提案した俺が言うのもなんですが……今のジオンにおいて黄金より貴重な空母を派遣していただいてよかったのですか?」

 

「うむ、問題ない」

 

独立作戦艦隊に補充兵を派遣してもらったのは事前の予定通りであったが、なんと戦時改装空母……俺がアナハイムに発注して受領した交易船を改装したモビルスーツ母艦を1隻派遣してもらったのである。

 

リキール重工作艦と同じくらいの大きさであり、内容量を削れば工廠を設置できるだけのスペースがある。

 

モビルスーツも今の状態でも60機ほど運用することができる。

 

「補充兵の数を増やしたのはその為でもある。レビルによって短期決戦はご破産となったからな。そうなると地球から資源を採掘する為に地球侵攻をしなければならなくなったが……軍艦の再建には資材が足りない」

 

「よってフジワラが提案したリサイクル作戦は理にかなっているわけだ」

 

リサイクル作戦……ルナツーとサイド7以外の制宙権をジオン公国が握った事で、各サイドの宙域を支配下に置いた。

 

よってサイド5宙域の激戦区だった場所で連邦軍の壊れた艦艇の回収、整備、使える物は使えるようにして連邦艦艇の技術習得や修復艦によって戦力増強を目指した作戦であった。

 

その為パイロットの他にも工兵を結構な人数融通してもらった。

 

「正直連邦艦艇と比べるとジオンの艦艇は技術力で少し遅れている。連邦艦艇の技術解析ができれば……と思っていてな」

 

ドズル中将もソロモン要塞の強化や地球侵攻作戦の地球近くでの制宙権確保で忙しいのに……ありがたい限りだ。

 

「必ず成果を上げてまいります!」

 

「頼んだぞ」

 

「は!」

 

 

 

 

 

 

「宝の山ですね」

 

「やっぱりか……」

 

ルウム戦域には大量のデブリが漂っていたが、艦橋だけが破壊されている船だったり、その後の作戦でサイド5のコロニーも破壊されていたのがあったが、比較的損傷が少ない工業コロニーや一部生きている農業コロニーも存在し、更にジオン側の住民が多く、唯一無傷のテキサスコロニーなんかもあり、補給状態も比較的良好であった。

 

「モビルスーツ部隊は損傷の少ない艦艇の回収。工兵達はモビルワーカーを使って工業コロニーや農業コロニーの修復、またテキサスコロニーで協力的な民にも配給や物資の融通をアメとして修復作業に従事してもらおう」

 

デラーズ・フリートがサイド5の暗礁宙域で茨の園を作れたから、ある程度何かあるだろうと思っていたが、十二分のスクラップが漂っていた。

 

(使える物は使わせてもらうぞ)

 

「……ヒデヨシさん」

 

「軍務中はフジワラ准将と呼んでくれカガリ。どうした?」

 

「無傷のセイバーフィッシュと……実験機と思われるミノフスキー型核融合炉装備の戦闘機を回収できました……機体名称はコア・ファイター」

 

「コア・ファイターだと!」

 

「何かご存知で?」

 

「いや、噂だけは聞いたことがあったが……もう完成していたとは」

 

コア・ファイター……初代ガンダムを観ていた人ならお馴染みのガンダムのコックピット部分にもなる戦闘機である。

 

ジークアクスだとだいぶ形が変わっていたが……。

 

今回鹵獲したのは旧作の戦闘機型に近い。

 

これの利点は推進力が既存の戦闘機より高いのに燃料効率も良く、将来的にはビーム兵器が運用できるだけのエネルギーゲインがある点である。

 

正直欠陥品だったものの出力が凄かったヅダの木星エンジンよりも高い出力を出すことができる。

 

「出力は測ったか?」

 

「……現在計測中だけど木星エンジンより出力が高い」

 

後で数値を見せてもらったが、ザクⅡの出力が976kw、ヅダがカタログスペックだと1150kwだったのに対して、コア・ファイターが出した出力は1380kwであった。

 

宇宙戦闘機として明らかにオーバースペックであるが、注目する点はこんな大出力なのに爆発しない動力源の頑強さである。

 

「セイバーフィッシュは技術を吸い取ったら直ぐに本国に送って地球侵攻軍の地上兵器にフィードバックしてやれ。航空力学を無視した馬鹿みたいな兵器の開発がこれで止まるはずだ」

 

「カガリはマーズと協力して、コア・ファイターの動力源を研究し、モビルスーツの動力に複製するようにしてくれ」

 

「……はい」

 

(思ったよりも早く新型をロールアウトすることができそうだな……)

 

 

 

 

 

 

 

「オーライ、オーライ!」

 

壊れたサイド5にあったコロニーのうち、宇宙艦艇を修復できるドックを早期に修復し、テキサスコロニーの親ジオン派の住民を徴用し、連邦軍の艦艇の修理を行なっていた。

 

「フジワラ准将、現状では損傷の少なかったサラミス級巡洋艦を4隻を修理する事が出来そうです」

 

「そうか、マゼラン級戦艦はどうだ?」

 

「現在サルベージしておりますが、修復には時間がかかると言わざるを得ません。上位技術も使われてますので、修復したとしても性能低下は拭えません」

 

「それは仕方がない。ただマゼラン級程の艦であればモビルスーツ運用性能を付属させることができると思うからな」

 

「ええ、一部装備を外せば10機程度のモビルスーツは運用できるかと。ただモビルスーツ運用に関してはサラミス級の方が適しているかもしれません」

 

理由を聞くとマゼラン級よりもサラミス級の方が艦の設計としては最新かつ、長期運用をできるように拡張性を持たせている設計のため、モビルスーツ運用能力を持たせる事は比較的容易らしい。

 

(確か史実でも軽空母型に改修されたり、艦外に固定する形で戦闘時には整備することができていた映像があったはず……艦内に搭載型だと搭載モビルスーツ数は少なくなるだろうが)

 

国力の劣るジオン軍は単艦の火力を上げたり、無理にモビルスーツ運用能力を付与していたので、拡張性に乏しい。

 

無理くり改修すれば第一次ネオ・ジオンのエンドラ級軽巡洋艦までは発展させることができるが、それ以上になると新造艦を造るしか無い。

 

第二次ネオ・ジオンのムサカ級もムサイ級の進化系と言われているが、あれは全部新造艦だったはず……。

 

(長く使うんだったらサラミス級に限るんだよな……改修込みでも0150年でも現役だったらしいから、上手く使えば80年以上使えるはずだし……)

 

しかもサラミス級の良い点は建造も比較的容易である点である。

 

国力が違うとはいえ、火力マシマシのムサイ級と同程度のコストで建造できるのも良い点である。

 

(正直今家で抱えているムサイ級をドズル中将に返して、修復したサラミス級を抱えた方が将来的には良いんだよな……。ドズル中将的に鹵獲兵器を最前線で使うとは思わねぇし)

 

「技術班的に3ヶ月で何隻修復できるか?」

 

「そうですね……軌道に乗れば10隻は修復できるかと」

 

「7月までに15隻修復することを頑張ってくれ。マゼラン級の修復は本国に技術検証をする1隻だけで良いから」

 

「は!」

 

本当にリサイクルだな……。

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