宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
制宙権を握ったジオン軍は月のマスドライバーによって地上へ隕石を降らす攻撃を行った後に地球侵攻作戦を3月1日より開始。
第一次降下部隊が地球へと降下を開始した。
一方でリサイクル作戦を行なっていた俺達の方でも連邦軍との小規模な遭遇戦が発生していた。
「フジワラ閣下、連邦の工作部隊がまたルウム宙域に侵入したためこれを拿捕致しました」
「ここはゴキブリを捕まえる罠ではないのだがな」
「ハッハッハ……連邦軍はルウムに漂うモビルスーツの回収をしたかった様ですが」
「逆に船ごと拿捕されているんだから……ままならんな」
アベリー少佐が報告してくれたが、ルウム宙域で何とかしてモビルスーツの技術を奪おうと連邦艦と交戦が2度行われ、サラミス級含めて何隻かの拿捕に成功していた。
「捕虜は本国に丁重に送ってくれ。捕虜交換ができるかもしれないからな」
「は!」
「マーズ、連邦の工作艦の解析を頼む。カガリは引き続きコア・ファイターの解析を」
「フジワラ准将〜、コア・ファイターの解析はもう終わってるわよ」
「うん、今はそのデータを本国に送ったから……壊れた連邦艦艇から使えそうな資材引っこ抜いて、新型の動力を作ってる」
「早いな……まだ2週間もかかってないんじゃないか?」
「今の私達なら2週間あれば十分だし!」
「頼もしい限りだ」
成長補正かけているので一番成長しているの技術班かもしれない。
工廠フル稼働させてガンガン成長しているし。
「う、うぷ……」
「ホフマン少佐お疲れ」
「な、なんで小官までモビルスーツの訓練をしているのでしょうか……」
「万が一艦から逃げる必要があった時にモビルスーツか小型艦艇は動かせるようになっておかねーと」
「そうですが……」
少佐らしく、参謀としては優秀だけど、パイロットとしてはダメだな……ジオン軍人としては脂肪を蓄えた体をしていたし……。
少しはダイエットを兼ねて頑張ってもらおう。
「工兵班、コロニーの修復はどうだ?」
「生きているコロニーを接続させて、2基を1基にしたり……ですかね。殆どのコロニーの中が全滅していたのが幸いでした……」
激戦だったサイド5はルウム戦役を生き残ったコロニーもガルマや地球侵攻作戦に参加する将兵の訓練も兼ねて、コロニー内に浸透し、砲撃や射撃で親連邦派の住民を虐殺。
それによって30基以上あったサイド5のコロニーはテキサスコロニーを除き本当の意味で壊滅。
なお、南極で決まった南極条約によりテキサスコロニーは両軍により非武装、中立地域に指定された為、うちの艦艇がテキサスコロニーに駐留するのは問題になるのだが、テキサスコロニー以外で工兵達によって一部コロニーの修復が成功し、その中で艦艇の修理が行えるようになったので、テキサスコロニーは兵士達が休む為の場所となっていた。
「即席の工業コロニーを稼働させて艦艇の修理は順調に行えております。マゼラン級もフジワラ准将が仰られた様に修理が完了し、数日後に本国に送る予定になります」
「大変な中よくやってくれた……農業コロニーの稼働率はどうだ?」
「問題ありません。テキサスコロニーの住民も協力してくれたお陰で、テキサスコロニーだけでなく余剰食料の供給も出来そうです」
「ふう……住民の暴動が起こらなそうで何よりだ」
サイド5宙域は他のサイドに比べるとジオン本国に近く、ジオン占領下の月にも近い。
その為補給に関してはマシな部類ではあるものの、地球との交易が途絶し、各コロニーの多くの農業用コロニーも破壊されてしまったので、スペースノイド全体に食糧危機が迫っていた。
サイド3や月も自分の食い扶持を作るだけで精一杯なので、テキサスコロニー近くの農業用コロニーが復旧できないと、テキサスコロニーでも暴動が起こる可能性を秘めていた。
それを回避できたことでホッとしたのである。
「食料は今後どんどん高くなっていくだろうから、復旧できる農業用コロニーは多く復旧させてくれ。食料生産にテキサスコロニーの住民を働かせても軍務には当てはまらないだろうからな」
「は!」
地球への降下が進む中、サイド5の復旧した密閉式コロニー内にてカガリとマーズ達技術班が複製及びモビルスーツ用にチューニングした新型動力源を搭載したザクⅡの実験が行われていた。
「既存のザクⅡも出力が大幅に向上、機動性の向上を確認」
「これならば更に重装甲化もできるかと」
「生産性にも問題なく、新型モビルスーツの弾みにもなるかと」
地球降下作戦に合わせて地上用モビルスーツとしてグフが開発された事はこちらにも情報が回ってきていたが、それを上回る機体の開発も求められていた。
特にジオニックやツィマッドの本社は地球で活動するモビルスーツ開発を求められており、更には水陸両用モビルスーツの開発も求められると、迷走の兆しを見せていた。
一方で本社の影響から切り離された状態であるうちの工廠では、ザクⅡを更に強化した試作高機動ザクⅡとも言える機体が出来つつあった。
「マーズとカガリ的にはどうなんだ? 正直、ここまで中身を変えるんだったら新型の開発した方が良いんじゃないか?」
「それもあるけど……コックピットが既存のだと機体の反応に耐えられないから、コックピットを改修する必要が出てきた。正直コックピットはコア・ファイターの配置が理に適っていたから、参考にしようと思う」
「駆動系も流体パルス駆動じゃなくてモーター駆動の方が良いかも……」
ブツブツと2人は言っているが、まだザクは改造出来そうである。
もしかしたら後期量産型のザクが早期に出来る可能性が出てきた。
「これだけ出力があればビーム兵器も運用できるんじゃないか?」
「ビーム兵器……確かに……ビーム兵器の運用が出来るかも」
「連邦のサラミス級が新型のメガ粒子砲を運用していたから……それをザクで運用できる大きさまで縮小できれば……」
「あれ? できる感じ?」
「できる……と思う。いや、できる!」
「これだけの出力があれば胴体から動力を……いや、メガ粒子に必要なミノフスキー粒子をチャージするのまでザクで賄うのは足りないか?」
なんかビーム兵器も早期実現できるかも?