宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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早期に生まれるゲルググ

 5月に入り、地球の電撃的な侵攻の効果が薄まってきたが、北米の連邦の大規模生産拠点であるキャリフォルニアベースが稼働を始めたことと、各地でザクの現地改修ができる改修キットを宇宙より降下させて行き渡らせた事で、地球環境に適合した陸戦用ザクことザクⅡJ型が大量生産されることになり、月面各工業都市やジオン本国でも陸戦型ザクの量産が急ピッチで進められていた。

 

 更にオデッサの各鉱山から大量の鉱物資源が宇宙に打ち上げられ、ドズル中将配下の第二機動艦隊が回収を担当し、その資源を月や本国に輸送し、更に兵器開発の資材に当てるというサイクルが完成。

 

 宇宙では貴重な水資源も打ち上げられ、僅か2週間でジオン公国及び宇宙各地で必要とされる水資源5年分を確保したとギレン総帥が演説をしていた。

 

 水は宇宙で過ごすのに必要な酸素の供給にも使われる為、とても重要な資源なのである。

 

 そんな各種資源をセコセコ宇宙に上げて継戦能力を高めているジオン軍であったが、うちの独立作戦艦隊はと言うと……。

 

「試験砲発射用意……発射!」

 

 バシュン

 

「目標デブリ貫通を確認。冷却装置稼働……銃身摩耗2%」

 

 MIP社から新たに派遣された技術尉官のメイ少尉が中心となりマーズとカガリの2人と共にビーム兵器の開発を行なっていた。

 

 ちなみにメイ少尉はドズル中将にムサイ級4隻を返却した代りに追加人員を強請って派遣された徴兵された人員でもある。

 

 元々MIP社に勤めていた兵器開発の人員であったが、徴兵により整備兵に回され、技術を買われて配置転換でうちの独立作戦艦隊に引っ張ってきた。

 

 年齢は20歳ながら飛び級で18歳の時に工科大学を卒業している才女でもある。

 

 マーズしかり、優秀な人材は転がっているんだよな……ジオンにも。

 

 ……まんまメイもポケモンのブラホワ2の女主人公とそっくりな容姿をしていた。

 

 ポケモン主人公がジオンの軍服着ているの違和感が半端ない。

 

 ただ開発主任を任せられる人員が増えたことで機体フレーム系のマーズ、推進及び動力系のカガリ、そして兵器系のメイと開発ラインを3つに分けることができた。

 

 まぁMIP社は元々ジオン老舗の戦艦の建造や小惑星採掘用機材の開発等の技術を応用してモビルスーツの武器開発にも参加していたので、艦砲に使われているメガ粒子砲技術からビーム開発に移行するには適した会社であった。

 

「ふふん、モビルスーツ用ビーム兵器……手順を踏めば今年度中には開発できると思いますよ!」

 

 メイは自信満々にそう言ったが、実際彼女がビーム兵器開発チームに加わって開発速度は加速。

 

 更に連邦の艦砲……サラミス級巡洋艦の主砲や副砲のメガ粒子砲を解析し、コア・ファイターの動力でメガ粒子砲を発射できる動力を抽出できるという確証実験は成功した。

 

 そしてメガ粒子砲を用いた固定砲台を開発した。

 

 完全に要塞砲であり、運用するのにもモビルスーツが必要とモビルスーツの機動性を完全に殺してしまっている欠陥兵器であるが、徐々に小型化していっているのは成功している。

 

 このまま改善していけばゴッグロールアウトと同時期くらいに空冷式ビーム兵器の開発にも成功しそうである。

 

「メイ少尉、将来的にはモビルスーツに携行可能なビーム兵器にすることは可能か?」

 

「うーん、現時点ではブレイクスルーが起きないと難しいかもしれません。現状の技術力で兵器にするとしたらこんな物でしょうか?」

 

 メイが出してきた設計図にはビート板ことサブフライトシステムの上に前後左右にある程度動かすことができる宇宙空間用移動砲台という代物であった。

 

 既存のサブフライトシステムの動力をモビルスーツ用動力に換装することで、ビーム兵器の動力に引っ張れる出力を抽出する……という案であった。

 

「仮名ですが私はスキウレという開発名称を与えてます。これの良い点は既存のザクⅡでも砲手としてビーム兵器を運用できる様になる点です。ただ欠点はモビルスーツ特有の小回りが効かなくなり、ビーム兵器の運用できる小型艦艇みたいな感じになってしまうんですよね……」

 

 確かに、これだと携行ビーム兵器とは言えない。

 

「これを応用した武装プラットフォームはできないか? 人型のモビルスーツの上に更にパワードスーツを着込む様な」

 

「武装プラットフォーム……ですか……考えてみることにします」

 

 ガンダムシリーズでも滅茶苦茶かっこいいと思うデンドロビウム……0083年の技術であるが、それよりも小型の武装プラットフォームくらいならできないかと思う。

 

 武装プラットフォームであれば大きささえ気をつければ、旧式でも一定の火力を与えられるようになるのが大きい。

 

「今の技術ならできると思うんだけどなぁ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フジワラ准将! できました!」

 

「できました? 何が?」

 

「新型ですよ! ザクⅡを超える機体を完成させたわよ!」

 

「マジ?」

 

「マジマジ! カガリと一緒に完成させたの!」

 

 マーズが新しく新型を完成させたと言ってきたので、その機体を見てみるとドムであった。

 

 いや、宇宙用だからリック・ドムか? 

 

「地上用に開発されたグフのデータを元に宇宙用に改修した機体で、ツィマッド色が強いですが、ザクⅡを上回る機動力を持っています」

 

「……これで満足しているのか?」

 

「え?」

 

「マーズは満足しているのかって聞いているんだ」

 

 俺はマーズが不満を持っているんじゃないかと聞くと、案の定不満を持っていた。

 

 ニュータイプの勘ってやつかな? 

 

「正直に言うと機体強度がまだ足りずにザクⅡよりは性能が高くなったけど、ザクⅡをこねくり回せばまだ性能を上げられると思うの。それに高機動ザクことザクⅡB型に比べると、全体的に性能は上がっているけど、目に見えて高いかって言われると微妙」

 

「地上の事は考えなくて良い。この機体は一応地上での活動を考慮しているんだろうけど、宇宙専用機で良いからな」

 

「……となると腹案なんだけど」

 

 マーズは別の設計図を見せてきた。

 

「私とカガリが考え抜いて設計した新型モビルスーツ……開発コードはゲルググ……将来のビーム兵器搭載を目的とした新型だよ」

 

 俺はニヤリと笑う。

 

「ゲルググか、いい名前じゃないか。それの開発にはどれぐらいかかる?」

 

「7月までには完了させる」

 

「本国でも7月下旬に次期主力モビルスーツ選定試験が行われると通達があった。リキール工廠から試作品を出してやれ」

 

「はい!」

 

 こうして早期にゲルググが完成するかもしれなくなるのだった。

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