宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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キシリア少将

 うちのモビルスーツ部隊が鹵獲した超電磁砲艦は直ぐに本国に曳航され、プロパガンダとして活用された。

 

 連邦が条約違反をしてまでジオンを叩こうとしているのは明白、正義は我らジオンにあり……と。

 

 良くもまあコロニー落としをした身分でそれを言うよ……。

 

「重力戦線でも動きがあったらしいな」

 

 ジオン地球方面軍ではトライデント作戦とジャベリン作戦が開始された。

 

 両作戦は主に地中海も北アフリカ沿岸での作戦であり、アレクサンドリアとエルサレムを占領する作戦であったが、結構な損害を出しながらも10日未満で占領を完了、ジオン軍はオデッサへの縦深を広げるためと東南アジア戦線との連結をするために中東への進出を画策するようになるのだった。

 

 一方で、ルウム遭遇戦とは別に地球軌道上にてドズル中将の艦隊と連邦の宇宙軍が会敵し、大規模戦闘が発生。

 

 ルウムに来た部隊が別働隊で本命だったらしいが、陽動作戦であるヘリオン作戦が開始、結果はモビルスーツを用いたジオン側の勝利であった。

 

 また初期生産型のリキール・ドムとリック・ドムが戦場でお披露目となり、十分な戦果を挙げたと報告があった。

 

(戦局自体はこちらが十分に勝っている……ただ今回の遭遇戦でルウム宙域に俺達が滞在していることもバレただろうから……作戦は早めに切り上げた方が良いな)

 

「本艦隊が連邦に居場所が露呈してしまった為、本日をもってリサイクル作戦を中止とし、サルベージ途中の艦は曳航して月面グラナダ方面へ移動。本艦隊はグラナダを経由し、サイド1宙域へと進出する」

 

「「「は!」」」

 

 6月1日、リサイクル作戦早期打ち切り。

 

 目標のサラミス級15隻には届かなかったものの、11隻及び修理途中3隻という形になり、修理が完了すれば14隻は運用可能となる。

 

 運用可能モビルスーツ数は138機……まあ予備機もあるため120機程度になるが、それでも凄い数である。

 

 ルウム宙域からは6月3日から離れ、翌6月4日に月面都市グラナダに到着。

 

 借りていた改装空母はそのまま突撃機動軍へと引き渡され、俺はキシリア閣下と面会をすることになった。

 

(面と向かってキシリア少将と話すのは初めてだな……派閥の関係でギレン総帥に近かったから一方的に警戒されていたよな……)

 

「フジワラ准将入ります」

 

「入れ」

 

 扉を開けると、口元を隠し、紫ババアの格好で座っていた。

 

 口元を隠すということは信用していない証しである。

 

(ジークアクスみたいに毒殺は勘弁してくれよ)

 

「こうして1対1で話すのは初めてだったなフジワラ准将」

 

「は! キシリア閣下もご健康そうでなによりです」

 

「世辞は良い。今日准将を呼んだのは新しく創設した特殊機関に付いてだ」

 

「特殊機関……ですか?」

 

「フラナガン機関……ニュータイプの可能性を探る機関だ」

 

「はぁ……」

 

「貴官の部下にもその素養がある人物が多数居ると報告を受けている。ジオンの為に協力してくれるな?」

 

(こ、こいつぅ……)

 

「対象に投薬等をしないと約束してくれるのであれば……彼ら彼女達はうちの貴重な戦力なので」

 

「うむ……それはそうだな。約束しよう」

 

(本当ならニュータイプ研究所なんか関わらせたくないんだよ……フラナガン機関はまだ比較的まともか?)

 

「派遣して欲しい人物のリストだ」

 

「拝見します……」

 

(シーマとアベリー以外のエース級ほぼ全員か……身に危険が及ぶようなら拒否できるようにしておくか)

 

「分かりました。ただ長期間拘束されると困るのですが……」

 

「うむ、3ヶ月程拘束させてもらう」

 

(3ヶ月……となると9月上旬には戻ってこれるか……アムロがガンダムに乗ったのが確か……9月か10月だったから、間に合うとは思うが……)

 

 こうしてパイロットのうち約10名がフラナガン機関に派遣されることになるのだった。

 

 

 

 

 

 せっかく月に来たということで、俺はフォン・ブラウンへ向かった。

 

「戦中ということでなかなか会えずに悪かったなシャル」

 

「いえ、ヒデヨシさんが忙しいのはわかっているので」

 

 現在シャルはアナハイム社に籍を置きながらも、俺の資産運用を任せていた。

 

 主に月面都市とサイド6で運用していたので戦争特需によって株価は上がり続けており、結構な利益が出ていた。

 

「でもよかったのですか? ジオン系列の会社に投資していればもっと儲けられたと思うのだけど……」

 

「ジオンが負ければ紙くずになるからな。それだったら安全な月の企業と中立のサイド6に流しておくのが賢明だと思わないか?」

 

「あん……胸を揉まれながらだと感じちゃう……」

 

「それに俺が資産運用をしているのがギレン総帥にバレれば粛清されてしまうかもしれないからな。引き続きシャルの会社に資産運用は任せるよ」

 

「任せてください!」

 

 久しぶりに見たシャルは魅力と運営、それに政治の能力が上がっており、戦前に補正をかけたのが効いているように見える。

 

「でも地球の重工業の企業に投資ですか? ジオン占領下の北米では無く?」

 

「理由は聞かないでくれ……ただ儲かる情報をキャッチしたから投資しておいてくれ」

 

(今地球の企業はジオンに負け続けて安くなっているからな……まあこのまま行くとV作戦とビンソン計画が始まる……、いや、既に始まっているか? となると地球の企業群が活性化するからな……ジオンが負ければ価値は一気に上がるだろうし……こういうのもインサイダー取引に当たるのか?)

 

 まぁジオンが勝てば損失分を地球からぶんどれば良いし、宇宙で回している利益で十分食っては行けるけど……。

 

「さて、今日は寝かせないからな」

 

「きゃ!」

 

 シャルは別に孕んでも問題無い為、避妊はせずにやりまくるのだった。

 

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