宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
シャア少佐が捨て身の作戦でルナツーを奇襲し、数日前にも海兵隊によって強襲されていたルナツーは防御力が低下しており、運よく内部に侵入し、V作戦の秘匿データの一部の回収に成功する。
そのデータと、実際に戦闘したシャア少佐の意見によると、シャア少佐と戦闘したのはガンダムタイプと呼ばれる機体らしく、そのガンダムを運用しているホワイトベースと呼ばれる連邦軍の新造艦にはガンダムタイプ3機の他にガンキャノン3機、ガンタンク3機の系9機が搭載されているらしい。
報告書を読むと、新兵だったジーン兵長が偵察任務にも関わらず、功を焦りサイド7、1バンチコロニーの連邦軍基地を攻撃。
連邦軍に多数の死傷者を出すものの、組み立てられていた連邦製モビルスーツの破壊に手間取り、その間にガンダムタイプのモビルスーツが動き出し、ジーン兵長のリック・ドムはビーム・サーベルによって撃破され、更に立て続けにデニム曹長機も撃破されてしまう。
コロニーに被害は軽微であり、穴は空いていないらしい。
その後シャアは部下を率いて、ゲルググを用いてガンダムタイプに攻撃するが、こちらの攻撃は一切効かず、推進剤切れで撤退に追い込まれたとのこと。
この報告書を見るに
(うわ……考えうる限り最悪引いた可能性が高い。基地に被害出てるってことは天パ乗ってるし、それでいてテストパイロットの一部が生き残ってガンダムを動かしているし、コロニーに穴が空いてないからテム・レイ博士も生きてるんじゃね?)
(それでいてジーン……機体壊せなかったのかよ……)
予備パーツもあるだろうし、ホワイトベースには史実と違い、完全体で襲いかかってくる可能性を秘めていた。
(それが教育型コンピューターで逐一機体データが連邦軍にフィードバックされるとなれば……うわ……ジオンは酷いことになるぞ)
その予想は当たっており、しかも相手はビーム兵器の小型化に成功していた為、対抗手段が開発されるまで無双が続く。
シャアの機転によりホワイトベースは史実通り北米に降り立ったが、北米で防衛線を食い破り、甚大な被害を2週間で出し、10月4日にはガルマ・ザビが戦死。
北米の失陥は免れたものの、地球方面軍司令かつ軍民両方から人気のあったガルマ・ザビの死は地球方面軍の士気を低下させるには十分だった。
地球ではガンダムタイプだけでなくガンキャノンタイプにも散々モビルスーツが撃墜され、現場からはドムでは連邦の新型に対抗できないと悲鳴が宇宙にも届いていた。
これを受けてランバ・ラルの部隊がシャア少佐と協力してホワイトベース討伐任務に従事し、なんとかガンキャノンタイプを2機撃破したものの、パイロットには脱出されてしまうわ、ランバ・ラルの部隊は行方不明になるわで、ホワイトベース討伐は失敗。
更に重力戦線では各地で連邦製モビルスーツが確認されるようになったが、性能はドムより劣っており、装甲もガンダムより脆かった為に、ザク・マシンガンで撃破可能と報告が上がっていた。
更にそのモビルスーツから鹵獲したビーム兵器は直ぐ様宇宙に上げられて技術検証が行われるのであった。
「メイ少尉、大丈夫か?」
「ビーム兵器の小型化……まさか連邦に遅れを取るとは思いませんでした。てっきりジオンのどこかがライバルになると思っていて……」
「仕方がない……で、データは上がってきているのだろ?」
「はい、複製だけなら11月から製造が始められますが、ゲルググに適したビーム兵器となると12月までもつれ込むかもしれません」
「近接兵器であるビーム・サーベルはどうだ?」
「あちらは11月中にコピーが生産できます。候補として薙刀タイプを作る案も出ていますが」
「それは破棄しておけ、普通にサーベルタイプで十分だ」
「分かりました」
ガルマの葬式という時報も終えて、地球でのミリタリーバランスは連邦が圧倒的に有利になりつつあった。
しかも北米がホワイトベースに荒らされまくった結果、ジャブロー攻略作戦は史実では第一次、第二次の2回行われたが、そんな余裕は無いとキャンセルされ、早期に宇宙への撤退が真剣に議論されるようになる。
勿論アプサラスの開発も打ち切りとなり、キレた開発者が周りを毒殺してジャブローに特攻を仕掛けようと画策したが、妹の手により殺害されて失敗に終わる。
アプサラスを開発していた技術者達は即座に宇宙へと帰還し、アプサラス計画で得た技術をビグ・ザム開発にフィードバック。
ビグ・ザムの開発が数週間前倒しになるのだった。
各所でブレイクスルーが起こっているなか、ジオンは連邦軍がオデッサを攻略するために部隊を再編していると情報を掴み、マ・クベ大佐はオデッサからの早期撤退を指示。
地球上の制宙権は宇宙攻撃軍が俺の部隊合わせて3個艦隊を出撃して確保。
途中で連邦軍のモビルポッドのボールの部隊が強襲を仕掛けてきたが、こちらのモビルスーツ部隊が全機撃破し、オデッサ方面に展開していた約100万人の将兵の地上からの脱出に成功。
レビル大将のオデッサ作戦は不発に終わる。
時は11月、なんとか技術解析を終えたビーム・スプレーガンの製造が始まるし、マ・クベ大佐が生きて帰ってきたお陰で統合整備計画が始動。
宇宙用の新造機体はゲルググで統一されることになる。
まぁキシリア少将はグラナダ工廠を使って別プロジェクトを行なっているっぽいが……。
一方で鹵獲された連邦軍の技術データを元にマーズとカガリも頑張っており、連邦製のモビルスーツはセミ・モノコック構造であり、こちらには新技術である、マグネットコーティングという駆動系をよりスムーズに動かすことができる技術を搭載する事が可能と判明し、うちの部隊のエース達は機体反応が遅いとボヤいていたので、ゲルググを大幅に大改造。
これにより他のゲルググと互換性が著しく低下してしまった為、エース専用ゲルググまたはリキール・ゲルググと呼ばれるようになる。
各種性能はこんな感じである。
全高 19m
機体重量 40.5トン
全備重量 80.6トン
主動力 天王星エンジン(熱核融合式)
ジェネレーター出力 1690kw
推進力 178500kg
装甲材質 チタン・セラミック複合材
センサー有効半径 6300m
通常ゲルググとの違いはジェネレーター出力と推進力。
新型の天王星エンジンをモビルスーツに搭載したのはこの機体が初。
これにより通常ゲルググの出力が1440kwに比べて大幅に向上しており、更に推進力は61500kgと桁が違っていた。
その分強力なGに耐えられなければならない為、完全にニュータイプ専用機である。
比較として連邦量産機ジムの出力が1250kwに出力55500kg、武装もビーム・スプレーガン同士となれば……ねえ。
リキール・ゲルググは合計20機が生産され、うちの部隊のエース達に10機、キシリア少将に5機、ドズル中将配下のエースに5機回され、シャアにもそのうちの1機が渡ることになる。
あとシャアは今は突撃機動軍所属になっていて、フラナガン機関に出入りしているとも聞いていた。
この調子だとジオングは出来そうである。