宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
11月半ばには、地球に残されていたジオン将兵達は次々に撤退していくが、占領地が大幅に広がっていたこと、マ・クベ大佐並みに撤退計画を入念に準備していたわけではなかったジオン軍は連邦地上軍の猛攻により多大な出血を強いられ、重力戦線で戦っていた兵300万のうち、宇宙に撤退できたのは125万人程度であった。
その間にも戦局はどんどん動いており、撤退戦に従事していた黒い三連星がホワイトベースに捕捉されて殲滅され、そのまま宇宙へと進出してくる。
この時点でホワイトベース部隊のモビルスーツ撃破数は150機にも及んでいた。
彼らは一度ルナツーに寄港するらしく、更にジャブローが攻撃されなかった事で、連邦宇宙軍の艦が次々にジャブロー基地から宇宙へと発射され、12月が始まる頃には戦前以上の戦力を連邦宇宙軍は有する事となる。
俺的には圧力強まるソロモンから撤退したかったのだが許されず、連邦のソロモン攻略作戦でバチバチにやり合う事が確定。
更にパトロール中のコンスコン少将の艦隊がホワイトベースに殲滅される事件を皮切りに、ソロモン宙域にホワイトベースの出没情報が寄せられるようになる。
こうなるとドズル中将も重工作艦を失いたくないので、ソロモン後方に俺の艦隊を留め置くこととなり、他の将校からソロモン留守番艦隊と馬鹿にされることが多くなっていた。
独立作戦艦隊所属の兵達はフラストレーションを溜めていたが、ここでようやくメイがビーム・マシンガンの開発に成功し、ビーム・サーベルの改良にも成功。
大型ビーム・マシンガンとも称される単発火力、精密性、連射性をガンダムの持つビーム・ライフルを上回る兵器であった。
モビルスーツ追加武装であるミーティアもこの大型ビーム・マシンガンの技術を流用し、ミーティア改と呼ばれるタイプに換装。
大型ビーム・マシンガンの装弾数はエネルギーCAP1個当たり50発とガンダムの15発から多くなっており、予備CAPもゲルググのシールドの後ろに3個携行可能となっていた。
ミーティア改では動力からエネルギーを抽出する事が可能であり、最大装弾数は片側100発の合計200発。
銃身冷却時間中にエネルギーも回復するため、銃身の交換基準である3000発までは継続射撃が可能とだいぶぶっ壊れの性能をしていた。
連邦軍の星一号作戦開始までに、独立作戦艦隊はモビルスーツ140機、4機1小隊のモビルスーツ小隊が35部隊、鹵獲サラミス級改装軽空母14隻、リキール重工作艦1隻。
モビルスーツ部隊は基本量産型ゲルググ及びミーティア改装備。
シーマ大尉とアベリー大尉、他中隊長格には指揮官型ゲルググ(アンテナを増設し、通信改善型)が配備され、更にエース達にはリキール・ゲルググが配備された。
一方でソロモンに配備されたジオン軍の兵力は
ドロス級宇宙空母ドロワ1隻
グワジン級3隻
チベ級14隻
ムサイ級40隻(戦時量産型多数)
ザクⅡ(各種)500機
リック・ドム(及びリキールドム)2000機
ゲルググ1000機
となっていた。
しかし、連邦軍の兵力はその数倍あった。
マゼラン級戦艦24隻
サラミス級126隻
モビルスーツ約7500機
モビルポッド5000機
他補助艦多数
しかも連邦軍はこれの半数以上の艦隊をグラナダ方面に牽制として派遣しており、連邦の底力を常々感じてしまう。
一応アプサラスのデータフィードバックによりビグ・ザムが量産され、ソロモンに2機配備されていたが……どうなることやら……。
12月24日、連邦軍、ソロモン宙域に進出。
パブリク宇宙艇によるビーム撹乱膜を展開し、決戦の火蓋は切って落とされた。
「第三防衛ラインビーム撹乱膜により機能不全、第二防衛ラインに後退」
「本部隊担当宙域に敵艦隊侵入、第五艦隊と思われます」
「リキール重工作艦Iフィールド稼働、モビルスーツ部隊、連邦第五艦隊への攻撃を開始」
「作戦宙域に展開中のモビルスーツ部隊に連絡、迎撃開始を指示」
さて、史実では星一号作戦のソロモン攻略戦のチェンバロ作戦が開始されたことになる。
ホワイトベース部隊は反対の宙域で確認されているので、問題は無いはずである。
「さて、どうなるか」
ソロモン攻略戦において連邦軍で損害が大きかったのは陽動を務めた第五艦隊であった。
第五艦隊はジム300機にボール200機を有する大部隊であったが、ジムの急造により粗悪品が多数生まれており、カタログスペック通りに動かない機体が多数存在していた。
更に主兵装のビーム・スプレーガンの射程が災いし、その倍以上の射程を誇るジオン軍独立作戦艦隊のミーティア改により、射程外から次々に撃墜されてしまったのである。
更にミーティア改の威力は艦砲のメガ粒子砲と同等とされるガンダムのビーム・ライフルを上回る威力を誇り、次々と艦にも被害が及ぶ。
独立作戦艦隊のモビルスーツ部隊では機動力を生かした一撃離脱戦法が確立されており、ジムより高いゲルググのセンサー有効半径を生かし、早期発見、先制攻撃、先制離脱の戦術が、高機動、高火力のミーティア改との相性が良く、その戦術が遺憾無く発揮された戦いであった。
ジオン軍全体がモビルスーツによる近接格闘戦に注力する中、明確な対連邦に対する艦隊及びモビルスーツの集団戦術を一年戦争中に確立したのはフジワラ准将率いる本艦隊だけであった。
この戦術を考案したのはホフマン少佐であったとされ、ソロモン宙域戦役における戦功により、ホフマン少佐は2階級昇進して大佐へとなっていた。
連邦の第五艦隊が壊滅的な被害を被る中、ソーラ・システムを作動させ、ソロモンに照射。
ドズル中将は事前にフジワラ准将から連邦が太陽光パネルを用いた戦略兵器を使用してくる可能性を聞いていた為、連邦の主力である第二連合艦隊が不穏な動きをしていることを察知し、太陽光パネル破壊作戦を実施したが、ビーム兵器はパブリク宇宙艇によるビーム撹乱膜によって無力化され、ソロモン宙域に展開中の衛星防衛システムによる破壊はサイド1の残骸によって効果が薄く、しかもミノフスキー粒子の散布により通信状況の悪化で、衛星防衛システムの稼働は不十分であった。
しかし照射予定地点を割り出したソロモン要塞参謀達は、照射予定地点の武器弾薬を移動させ、ソーラ・システム照射によるダメージを最小限にすることに成功する。
ソーラ・システムによりソロモン要塞が致命傷を受けなかった事を確認した連邦軍はあろうことか第2射を数分後に照射。
クールタイムがあると思っていたソロモン要塞では一部区画に退避していたモビルスーツや弾薬に誘爆し、基地機能が著しく低下する。
それを確認した連邦軍は第二連合艦隊を進出させ、掃討戦へと移行する。
ソロモンの基地機能が低下したことにより、要塞の維持は困難と判断したドズル中将は撤退を選択。
なおドズル中将本人が殿を行うと通信が入り、俺は階級が高かった事もあり撤退の支援を行いながら兵を吸収していく。
ドズル中将及びビグ・ザム2機が暴れまわってくれたお陰で比較的撤退はスムーズに進み、ドロワやグワジン級戦艦2隻、チベとムサイ級も半数を失うだけで済んだのだが、モビルスーツのパイロット達はドズル中将の敵討ちだと盛り上がってしまい、エース級含めて撤退できたのは900機を割り込んでしまった。
なおソロモンの悪夢ことガトーもこの戦役で活躍し、巡洋艦及び戦艦を8隻沈める大戦果を上げるのであった。