宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「この設計の艦でありましたら改修することは可能ですよ」
「本当ですか……良かった……」
シャルに連れられて、アナハイムの宇宙艦の部署にバルキリー巡洋艦の改修案を提示すると、予想通りアナハイムの技術でも改修は可能と提示された。
「しかしあれですか……連邦軍がセイバーフィッシュ……多目的戦闘機の運用するのに触発された感じですか?ジオン軍にも宇宙戦闘機の搭載を?」
まぁ突っ込まれるだろうなとは思っていたが重工作艦なんて艦種と艦内に工作機械を多数携えて兵器を艦内で製造するというのは随分と思い切ったと担当者は思った事だろう。
まぁアナハイムに担当してもらうのは艦の外装部分で、内装の核となるモビルスーツの製造整備設備に関してはジオニックとMIP、ツィマッド等のモビルスーツ開発に携わっている企業に発注するつもりなので、そこはアナハイムに頼ることは無い。
「基礎設計はできているので、改修期間は0075年までにこちらに引き渡してくだされば幸いですが」
「それは可能ですが……」
まぁ旧式艦の改修1件受けるのだと旨味は少ないだろう。
勿論アナハイム側にも旨味を与えるつもりである。
俺的にはこの重工作艦が本命であるが、上層部には別の艦の製造依頼を認めさせ、予算を出させていた。
ジオン軍……いや、ザビ家や上層部が連邦軍との戦争を前提として動いているのはザビ家と繋がりがある俺の耳にも届いていたし、史実知識でも理解していた為、戦時に輸送艦もしくはモビルスーツ運用艦として活用できる輸送艦の設計を提出していたのである。
史実大日本帝国がよくやっていた戦時改装空母のモビルスーツ版。
それにジオンは今後戦時に向けて物資備蓄をしなければならないので輸送艦の量を増やすだろうなって考え、提案したら見事に通ったのである。
これはなんと10隻分もの予算がついた。
「ほお……貿易用大型船の大規模発注ですか!」
「ええ、設計はジオン基準になりますが、アナハイム社側でも貿易船であればノウハウも蓄積していますし、工期も早く、質もよいと噂になっていますので……こちらが提示できるアナハイム側へのメリットになりますが」
「ええ!ええ!これならば十分に利益になりますよ!いやぁ!重工作艦をあの予算でとはジオンさんも無理をおっしゃると思いましたが、これならば十分ですよ。いやぁフジワラ少佐は話の分かる方でよかった」
「設計開発部門なので予算やコストについては何時も頭を悩ませていますから……それに人も居ないので設計開発なのに企業への営業までさせられて……」
「はは、ジオンさんも苦しいのはよーくわかっていますよ。地球からの経済制裁で月への資源発注や地球からの資材の横流しでジオンさんと関わった月面企業……特にグラナダとかは利益が凄かったですからな」
「お陰でジオンの財布はカツカツですよ……」
担当者と談笑しながら取引は成立し、後々改修予定のバルキリー巡洋艦の引き渡しの日程調整と正確な金額についての返答があると言われた。
「シャル、フォン・ブラウンに少佐がいる間はよろしく頼むよ」
「はい、フジワラ少佐は面白い話を沢山知っていて……接待側なのに楽しんでしまって!」
「シャルさんが美人で話が合うからですよ」
「やだ……お上手なんですから!」
その後はフォン・ブラウン市にあるドック案内やアナハイム社の重役との会食なんかをした後、時間を見つけてシャルさんに案内してもらうついでにデートをしたりして楽しんだ。
まぁシャルさんはハニートラップ要員なのは分かっているため、気をつけながら楽しみ、最終的に肉体関係まで発展した。
勿論避妊はしてもらったが、ステータスの成長率500%にしているおかげかどんどんシャルさんの気持ちいいところを開発し、最後の数日はシャルさん乱れまくっていて
「こ、こんなはずじゃぁ……♡」
って腰砕けになっていたからな。
シャルさんにかけた好感度上昇率500%のお陰で逆に攻め落とすことができたわ。
若い美女とヤれるって最高だわ……。
そんな美味しい経験をしてサイド3に戻るのだった。
サイド3に戻った俺は、モビルスーツの操作に慣れる為のシミュレーター開発に手を出した。
モビルスーツの基礎研究はどんどん進んでいるが、ギレン総帥や軍上層部がモビルスーツの運用できる人員を開戦までに予備人員含めて3500人揃えたいと通達が来ていたため、各部署が人員を出し合って育成方法を考え出た案が戦闘用シミュレーション施設の開発だった。
俺もモビルスーツの知識を得るために企画に参加して、シミュレーターの開発やモビルスーツのコックピットの配置で人間工学を活かして改善案を出していった。
そもそもモビルスーツ開発に従事しているパイロット達に聞き込みをしたり、俺自身シミュレーターであるが操作した感想はモビルスーツの長時間の運転は身体への負荷が凄まじいというのを理解した。
「そりゃこの衝撃に耐えられる強化人間を各勢力は作ろうとするわけだ……」
パイロット達は口を揃えて兵器としてのモビルスーツを最悪の乗り心地と評価していたし、兵種転換で航空機パイロットでも転換に失敗する事がある理由がよーく分かった。
(だから史実の一年戦争後のモビルスーツでは全天周囲モニターとリニアシートが導入された訳ね……)
既存のコックピットでは全天周囲モニターは不可能……いや、やろうと思えばVRゴーグルを用いた擬似的な全天周囲モニター化は既存技術でも可能だろう。
西暦の各国の軍でVRゴーグルと視覚センサーを共有した360度見える技術は導入されていたから宇宙世紀の今できないことはないだろう。
それであれば今のモビルスーツのコックピットでも運用は可能……。
(でも絵面がやべぇな……全員シャアみたいなゴーグルを被っていることになるんだろ?)
アニメや漫画で顔が出せない、パイロット皆ゴーグル着けているというのは致命的である。
それに乗り心地はなんとかして改善しないと継戦能力に影響する。
一応史実のジオンでも末期に作られたジオングはコックピットブロックを分離できたので、コックピットの面積に余裕があったから乗り心地は比較的マシだっただろうが、それ以前……特に映像媒体を見る限りザク系列はコックピットが狭かった記憶があるし、試作モビルスーツを見ると狭い。
アレだ、ソ連の戦車みたいに性能の代わりに居住性を犠牲にしている。
(これ宇宙で活動するとしても、緊急時にパイロットを脱出できるガンダムみたいな機構を備えないとただでさえ初期モビルスーツは扱える人材が少ないのに、より数が減ることになるぞ……)
一応設計と予算を計算してみたが、現状コストが跳ね上がってしまうので無理であると判明。
上司とも協議してみたが。
「これは上層部でも取り合わないと思うぞ……ただVRゴーグルを組み込んだ視覚センサーの改善案……これは通るだろう。上が好きそうな戦闘力の上がる案だからな」
「……」
改めてジオンの兵器って糞だわ……と思うのであった。