宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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アナハイムとの裏取引

 宇宙世紀0080年、2月。

 

 グラナダで終戦条約が締結され、これにてジオン公国と地球連邦との戦争が本当の意味で終結する。

 

 またジオン軍将兵が降伏したものの、多くのジオン軍はカラマポイントに集結し、デラーズ率いる艦隊は地球圏に残ることを決め、多くはアクシズへと撤退していくのであった。

 

 一方で俺率いるフジワラ艦隊では各艦艇の外装を変更し、民間船に見えるようにした上で一部将兵を連れて月面都市フォン・ブラウンへと訪れた。

 

「ヒデヨシさん、よくご無事で!」

 

「シャルも無事で良かった。悪いな急に押しかけてしまって」

 

「いえ、連絡がなかなかつかなかったのでア・バオア・クー戦役か戦犯として連邦に捕らえられているのかと思いまして」

 

「はは、それは大丈夫さ、艦の入港の手引き助かった」

 

 シャルが手回ししてくれたお陰で、フォン・ブラウン市近くの宇宙港に入港する事ができた。

 

「連邦軍はジオンとの戦闘で艦艇の大多数を消失して、月面各都市に駐留艦隊を送る余力も無いようなので……」

 

「なるほど、それは頑張った甲斐があったということか」

 

 俺はシャルと一緒にフォン・ブラウンのアナハイム社にて関係を持っていた部署へと訪れる。

 

 これもシャルが手回ししてくれていた様でスムーズに面会にこぎ着けた。

 

「敗戦の将であるフジワラ少将ではないですか……通報されるとは思わないので?」

 

「君がそんな事をする気は無いだろう。ビジネスの時間だ」

 

 俺の手元にある札は付いてきてくれたジオン将兵達と軍艦、それに幾つかの兵器群である。

 

「まずアナハイム社がモビルスーツの製造事業をしようとしていることは耳にしていますし、ジオンの賠償金をほぼ無しにする代わりにジオン系各種企業の買収を進めているのは知っています」

 

 なので俺からの提案としてジオンでもリキール工廠製モビルスーツはドム、ゲルググ含めて幾つか正規採用されたりもしていて、高い技術力を誇るため、それをアナハイム社は欲しくは無いか……と取引を持ちかけた。

 

「確かに欲しいですが、リキール重工作艦はジオンや連邦でも有名ですので使えませんよ?」

 

「ええ、それは勿論」

 

 なのでリキール重工作艦はアナハイムに売却する代わりに別の拠点を与えてはくれないかと提案した。

 

「なに、私はアナハイムの子会社として動きたいと提案しているのだよ。私達の将兵をジオン系企業として扱い、買収することで資金譲渡、その金を使ってサイド5から幾つかコロニーを租借して拠点化しよう……という寸法さ。今は難しいが、サイド5もそのうち復興されることだろう。それにジオン残党になりうる勢力を平和裏に懐柔できるなら安いんじゃないか?」

 

 アナハイムの専務は、それは魅力的な提案であると言い、その後の事について聞いてきた。

 

「ジオンの残党としてではなく、独自陣営として動くと?」

 

「そうですね。まぁ最初は1企業としてアナハイムの子会社もしくは業務提携をしながらジャンク屋でもやりましょうか。サイド5の復興事業に噛めれば利益も見込めますからね」

 

「ちなみに今どれぐらいの人数を抱えているんですか?」

 

 俺は専務に将兵のリストを見せる。

 

 その数約8000人である。

 

「確かにこれだけの人数が居れば、1勢力として動けるでしょう。ではリキール重工作艦と……そうですねぇ、リキール工廠で開発していた試作兵器やモビルスーツを幾つか譲ってもらいましょうか。その代わりにアナハイム側からはラビアンローズをお譲りしましょう」

 

「ラビアンローズ?」

 

「失礼、大型の自走ドックですよ。そこを新しい拠点としてお使いください」

 

「助かります。では今のリストの将兵は別の戸籍の用意を」

 

「ええ、今戸籍は自由に手に入る状態ですからね。それと最初の仕事としてアナハイムに発注された連邦軍の艦艇の製造業を一部委託しましょう」

 

「よろしいのですか?」

 

「その代わり、ちゃんと連邦の脅威になりうる勢力に成長してくださいね。私としては宇宙自治を目指せる勢力が増えることは喜ばしいことなので」

 

「約束しましょう」

 

 こうしてアナハイムの専務の1人と秘密取引を行い、俺達は苦楽を共にしたリキール重工作艦を失う代わりに新しい拠点としてラビアンローズという自走ドックを手に入れることになるのだった。

 

(魅力上げていたお陰だろ、俺もスラスラよく言えたな……)

 

 シャルに聞いたところ、うちの家はザビ家に繋がっていたとして戦犯指定され、フジワラ一族は俺以外は連邦及びジオン共和国に逮捕され政治犯として裁かれる事になったらしい。

 

 悪いが手出しすれば巻き込まれるので見捨てることにする。

 

 

 

 

 

 

 

 一年戦争が終結したことで、各パイロット達の戦績が露わになった。

 

 元からうちに所属していた部隊はシャアと協力してホワイトベース撃沈に貢献。

 

 中にはガンダムタイプを撃破した猛者まで現れていた。

 

 戦績1位はユウダチでMS撃破数123機、軍艦9隻撃沈。

 

 以下MS撃破数では他10名が。

 

 コンゴウ 117機

 エリーカ 102機

 オイゲン 89機

 イチノセ 62機

 アベリー 58機

 シーマ  54機

 シャーロット 48機

 ハンナ  45機

 ミーナ  31機

 ゲルトルート 25機

 

 となっており、シーマとアベリーはニュータイプ研究所に行ってなかったが、他は行ったメンバー達及びリキールゲルググに乗っていたメンバーで占められていた。

 

 ちなみに他にも5機以上のモビルスーツを撃破したモビルスーツエースはソロモンとア・バオア・クーの2戦だけでうちの部隊から35人も生まれており、フジワラ艦隊だけで964機のモビルスーツを撃墜していた。

 

 それとシャル経由で連邦の損害も判明したが、連邦が動員したモビルスーツの数は1万機がソロモンとア・バオア・クーで投入され、ソロモンで約3000機、ソーラ・レイで2000機、ア・バオア・クーで4000機のモビルスーツが撃破され、残ったモビルスーツも半数が大破していたらしく、現状宇宙で稼働できるモビルスーツは500機を割っているらしい。

 

 艦艇に関してもソーラ・レイとア・バオア・クー攻防戦で7割が損傷しており、せっかく再編した艦隊の殆どを消失。

 

 連邦宇宙軍の戦力はルウム戦役で大敗した時と同じくらいまで低下してしまっているらしい。

 

(これ、デラーズ逃げなければ勝てたのでは?)

 

 正味モビルスーツだけならジオン残党及びサイド3とグラナダに残してあった戦力かき集めれば1500機くらいにはなるので、連邦のモビルスーツ戦力を上回るし、なんならうちで保有しているモビルスーツ350機近くあるので、連邦と1戦やったら勝てるかもしれない……。

 

(とりあえずアクシズに逃げるよりいい手を打てたと思うから、起業に向けて動くとしよう)

 

 

 

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