宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
アナハイムとの取引は無事に成立し、宇宙世紀0080年3月半ば、リキール重工作艦は月面近くの宙域で受け渡しが行われ、リキール重工作艦で作られていたモビルスーツや兵器のデータ、それに現物を送り、対してラビアンローズという自走宇宙ドックを受領。
サイド5の宙域へと移動させた。
連邦政府はジオン共和国の武装解除を目的として、モビルスーツをモビルワーカーへの改修を行った。
また、モビルスーツは原点回帰した作業用重機として利用されることになるが、あまりに高性能なゲルググは軍事転用される恐れがあるからと、本国に大量に余っていたザクⅡを吐き出させて、デブリの回収やコロニーの修復に使われることになる。
で、学徒兵やサイド3に戻れる人員約2000名は俺の元から離れて、サイド5経由で本国に帰還。
これで社員は約6000人となり、ザップコンシェルがサイド5で創業。
テキサスコロニーの市長と取引をして戦時に作り上げた工業コロニーの1つを借用させてもらうこと、社員のテキサスコロニーへの居住を条件に、テキサスコロニーの復興資金を支払い、連邦の捜査の目を掻い潜る事になる。
ちなみにラビアンローズ工廠にも2000人の人員が居住できる区画があるため、大手を振ってテキサスコロニーに行けない戦犯指定されている人達も安心して暮らすことができた。
ザップコンシェルの事業としては、デブリ回収事業、宇宙船建造事業、モビルワーカー製造事業の3種類になる。
表向きは。
宇宙船建造で軍用艦を建造し、モビルワーカー製造事業でモビルスーツを開発する気満々である。
「ふぅ……」
ニュータイプのキラキラ見ながらセックスするのは実に良いものだ。
コンゴウと性行為するとそう思えて実に満足した。
「さてと、仕事に取り掛かるか」
俺は少将から社長へと転身し、身分もフジワラの苗字は同じであるが、サイド3出身では無く、壊滅したコロニーの生き残りということになっている。
他の社員も似たり寄ったりである。
開発室に向かうと早速マーズ、カガリ、メイの3人が設計図をこねくり回していた。
「悪いな、最初の仕事として汎用モビルスーツの開発になってしまって」
うちの会社は表向きアナハイムの下請けということになっているため、アナハイムから言われた仕事はこなす必要がある。
3人が作っていたのは連邦技術を盛り込んだモノアイ……ザクヘッドの汎用モビルスーツである。
連邦軍は一応敵対勢力が消失したことで地上軍は軍縮に舵を切ったものの、宇宙軍は早急な立て直しを求められていた。
その為、ジオンから鹵獲したゲルググが駆り出されることになったが、連邦との操作に互換性が無く、運用に苦労しているらしいので、ゲルググ以上の性能かつジムのコックピット、ザクヘッドという機体要求が届いていた。
アナハイムに発注されたものの、各ジオン系企業の吸収再編に時間がかかっており、リキールドムで連邦系コックピットを採用した実績のあるこっちに投げられたのである。
「連邦の技術ベースにアクセスできるようになったから色々開発できるようになったけど……あれだけボコボコにされていたジムはカタログスペックはそこそこ良いのよね」
「戦時量産型の不良品だったって聞いているけど」
「それだと私達のリキールゲルググも戦時量産型になるから一部機能はオミットされていたけど」
設計図を描き殴りながら、彼女達は色々言っているが、テム・レイ博士が開発したガンダムについても触れてくれた。
「戦時最強の機体は連邦のガンダムタイプのアレックスって機体だったわね」
「新型コックピットのリニアシートに全天周囲モニターといった新技術が盛り込まれていたよね」
「今回の量産型にはこの2つの技術が盛り込んでほしいと要望が届いているから、ジムのコックピットを改修していきましょう」
「それでこうして」
彼女達が力を合わせた結果、15日という短期間で試作品が完成し、細かい調整を行って20日後にはフォン・ブラウン市のアナハイム本社に送られた。
この新型モビルスーツはハイ・ザクと命名されて、うちに300機もの発注が行われることになる。
で、この技術を本物のザクに組み込んで試作型ラビアン・ザクが完成。
性能はゲルググに及ばないものの、ビーム兵器や全天周囲モニター、リニアシートを搭載し、マグネットコーティングを施したザクであり、操縦のしやすさや細かい動きはリキールゲルググ以上に仕上がっていた。
またゲルググは軍用品に指定されてしまったため、ゲルググの頭や体をザクⅡに見せる改修を行い、Gザク(ゲルググザク)が誕生。
モビルスーツパイロット達はデブリ回収をしてもらいながら、腕が鈍らないように戦闘訓練も行い、旧学徒兵でもソーラ・レイに改修されて故郷が無くなってしまった者や帰国を拒否した者にはちゃんとしたモビルスーツの訓練が施されていった。
促成教育ではなく、ちゃんとモビルスーツの教育を時間をかけて行っていった者達は、連邦の正規兵以上の戦闘能力を有していくことになり、中にはエース級に活躍するパイロットも生まれていくことになるのだった。
アナハイムと取引を増やす傍ら、諜報部の創設を急いだ。
グラナダにはキシリアの本拠地があったことで、キシリア機関と呼ばれる諜報組織があり、俺は終戦により俺やダイクン派を監視する任務の為に潜り込んでいた工員や兵から逆に引っ張り、グラナダで空中分裂しかかっていたキシリア機関の一部を吸収。
俺がギレン派と目されていた為、多くが拒否もしくは通報されそうになったが、なんとか揉み消して、1部署として稼働できるくらいの人員は集めた。
彼ら彼女らは月面で活動してもらい、連邦高官とのコネクションを作るために頑張ってもらうとする。
一方シャルに任せていた資産は1年戦争でだいぶ上昇しており、その金をザップコンシェルの運転資金に充てたり、機材購入資金へと充てることになった。
まぁ1個人での資金はこんなもんだなと思いながらも、アナハイムにIフィールド技術を売ったりして融資を引き出したりしながら宇宙世紀0080年は過ぎていくことになるのだった。