宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「水天の涙作戦?」
「ええ、社長の耳にも入れておいた方がよろしいかと思いまして」
諜報部が月面で何やらジオン残党が動いていることを察知したらしく、作戦名と作戦の目標が、ジオンが占領していた月面マスドライバーから地球に質量攻撃をしてまだジオンは継戦能力を保有していることを証明するという戦略的にほぼ無意味な作戦であると俺は断言した。
「となると支援はしないと?」
「しないどころか連邦に恩を売るために作戦をリークする。月面でジオン残党の動きがあると仕事がやりにくくて仕方がない」
俺は即座にアナハイム経由で情報をリークすることを選択。
ジオン残党として仲間とも言えなくは無いが、こちらは連邦と協調路線を取っている。
方針の違いでこちらの戦略が崩れるのは阻止したい。
そもそも一部部隊の暴走でサイド3のジオン共和国からしてもよい迷惑だろう。
情報提供したことにより連邦軍はなんとか新型のハイザクを集めた精鋭部隊を送り込み、マスドライバー占領を狙ったジオン残党を撃破。
その連邦軍部隊もモビルスーツがだいぶ消耗してしまったが、残党が諦めてないことを知った俺は、個人的に連邦軍にラビアンローズ製のハイザクを譲り、戦力補強が出来た連邦軍は第二次水天の涙作戦のマスドライバー侵攻作戦をも撃破したのだった。
月のジオン残党はほぼ壊滅。
そしてこの時に連邦と協力した事で、連邦軍上層部とのチャンネルを得ることができたのだった。
「まさか貴方程の方から接触があるとは思いませんでしたよ……グリーン・ワイアット大将」
「ジオンの無敗将軍と言われた貴公がアナハイムの下請けをしていたとは……いやはや、敗軍の将とは哀れだな」
アナハイムがセッティングし、フォン・ブラウン市のとある施設で行われた密談により、俺は連邦軍保守派の大物であるワイアット大将と面識を得ることに成功したのだった。
「しかし、よく隠れられたものだ。貴公は敵中突破をして大部隊を率いて行方を晦ませていたからな。上も下も大騒ぎであったよ」
「ええ、こちらも連邦軍に見つかるわけにはいかなかったのでね。でも連邦軍にとって都合が良かったのではないですか? 私の部隊ほどの規模のジオン軍残党が宇宙の何処かに潜んでいる……というのは宇宙軍再建の口実になりうるので」
「まぁそういうわけだ。人口が減って、政府は戦争が終わったからと軍縮一辺倒。それは我々や軍需品を生産に力を入れているアナハイムにとってもよろしくない。我々はコントロールできる敵対勢力を求めている」
「まぁジオン残党が程よいでしょうねぇ……うちとしてはその扱いで構いませんよ。連邦軍が軍拡してくれれば下請けのうちにも利益がありますし。まぁ将来的にはサイドの1つでも実質的な運営を任せてもらえれば最高ですがね。おたくも残党よりは仮想敵国の方が軍拡はしやすいんじゃないですかね?」
「それもそうだ。我々は良きヒール役を求めている。役に徹している間はそれなりに利益は渡そうではないか」
「大将とは良き関係を築けそうです」
「ああ、こちらも君のような話がわかる者の方が扱いやすい」
こうして俺はグリーン・ワイアット大将と水天の涙作戦を通じて繋がりを持つことに成功するのだった。
「ふう、おっさんとの会話の後は若い女性達を抱くに限る」
「そうよ! まだ大学生の年齢の私とか良いでしょ!」
「それを言ったら私も大学生だよ!」
「……私だけ年増し……」
ラビアンローズの居住区にて、俺の部屋の中でマーズ、カガリ、メイの3人が俺の肉棒を囲んでキャットファイトしていた。
勿論全員突き刺すが。
「悪いがうちはお前ら3人に支えられているから、妊娠は勘弁してくれな」
「仕方がないなー……その代わり体外成育はして子供は作るからね!」
「それは別に良いが」
「言質とった!」
ベーゼを酷使しまくった結果、クローン技術に関しても、大きく技術的進歩が起こっており、各女性の細胞から作った人工子宮を用い、そこで採取した卵子と精子を受胎させる事で、試験管ベイビーとも言える体外成育が可能となっていた。
完全にSFの領域であるが、ジオンでは優生人類学を元に本気で実用化するところまで進めており、今回は妊娠するわけにはいかない俺の女達が体外育成で子供を作るようになっていた。
まぁ女性達は妊娠中に交われない時間のほうが苦痛らしいので、これで良い。
悪いが、まだうちにはそこまで余裕が無いからな……。
「そう言えば、新型また作っているって言ってたが、今度は何を作っているんだ?」
「ガンダムタイプの技術を手に入れることができたから、技術試験型ガンダムを作っているよ。それが完成したらサイコミュ搭載型試作機を作って……最後にニュータイプ専用型ガンダムタイプを作れればと思っているけど……あとはIフィールドをより小型化してミーティアⅡを更に性能向上させたり、サイコミュ兵器を携行できたりできないかと思っているよ」
彼女達も色々考えているらしい。
「0082年初頭にはプロトタイプができるくらいまで持っていければと思ってます」
「うん、頑張ってくれ」
「「「はい!」」」
10月に地球連邦では連邦軍再建計画が議会を通過し、承認され、本格的に宇宙軍の再建が始まろうとしていた。
ザップコンシェルにもアナハイム経由で宇宙艦の大量発注があり、大忙しになっていて、工員の増強の為、サイド5の住民を中心に新規雇用を行った。
年齢の下限を中卒以上にしたので、サイド5に流入していた戦災孤児達も生きるために応募してくる人が多く、彼ら彼女らの多くはモビルワーカーのパイロットに充てることになる。
勿論工員も増加され、約半年の技術講習の末に現場に投入され、現場で更に技術を磨くことになるのであった。
そんな中、連邦軍再建計画の一端として、アナハイム社はガンダム開発計画に参加することとなり、プロトタイプの0号機から各種状況別最強機をコンセプトにした試作機を作り、それを踏まえて量産機を作るという計画になっていた。
アナハイムの子会社のザップコンシェルも勿論参加し、4号機の開発が任されることになる。
ただ数ヶ月後に4号機のコンセプトが1号機と重複している部分が多いとされ、結局没になるのであるがザップ社内の技術試験機として開発が続けられ、他所から5歩くらい先に進んでいるサイコミュの搭載が行われ、史実とは全く違うニュータイプ専用ガンダム……ガーベラが誕生することになるのだった。