宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
「ガンダム……この系列がジオンを恐怖に陥れたのか……」
宇宙世紀0082年1月、建造されたガンダム試作4号機ガーベラであるが、スペックは正直リキール・ゲルググと大きく変わっては無い。
アムロ・レイが終盤に乗っていたアレックスという機体もスペックを見てみるとリキール・ゲルググよりも劣っていた。
ただ技術試験機としての役目は十二分に全うし、サイコミュ兵器の試験や新型のビーム兵器であるロング・レンジ・ライフルの運用にも理解を深めることに成功し、ザップコンシェルのモビルスーツの基礎として以後のモビルスーツはガーベラの技術が何かしら使われることになるのだった。
で、うちの諜報部がハゲことデラーズが地球圏にいる事を突き止めて、通信回線を繋ぐ事に成功する。
デラーズは俺がア・バオア・クーの方面司令官であったのに、許可無く撤退したことで、敵前逃亡の罪が当てはめられそうだったが、ギレン・ザビ暗殺による司令部の混乱や指揮を引き継いだキシリアも戦死したことで、うやむやになってしまったし、俺自身はジオン残党ではあるが、他の残党を裏切り、地球連邦と繋がった事でデラーズに命令できる立場でも無くなっていた。
「久しいなデラーズ」
『久しいですなぁ……フジワラ少将、いやジオン内では大将扱いになっておりますが』
「俺二階級級特進扱いかよ……まぁ良い、どうせお前のことだからギレン閣下の考えを元に暗躍しているのではないかと思ってな」
『フジワラ閣下、小官と共にスペースノイド自立の為、連邦に打撃を与える策に協力してはくれませぬか』
「……正直に言っておくぞ、私はギレン閣下の人類を間引きする形によるスペースノイドの自立に賛同しかねる。私は私のやり方でスペースノイド自立の為に戦っていく所存だ。デラーズ……貴様の様に連邦へ戦うのではなく、協調していくことで、話の分かる連邦上層部と改革をしていくべきだと思うが」
『な! 連邦から恐れられた閣下のお言葉とは思えぬ発言ですな! それに小官が崇拝しているギレン総帥を愚弄するとは!』
「どう受け取っても構わないが、貴様が武力を用いてスペースノイド自立の策を考えるのであれば、こちらにも考えがある。デラーズ、私が抱えている元将兵達は貴様が敵前逃亡をしたことに恨みを持つ者も多いからな!」
『……失礼する!』
通信は切れ、デラーズを煽るだけ煽っておくのと、明確に決別を表明しておいた。
「今の通信ログをワイアット大将に送っておいてくれ」
俺は近くに居た右腕のホフマンに頼む。
「閣下、デラーズは動きますかね」
「ああ、動くであろう。デラーズが地球圏で活動しているのは何処かしらの協力があるはずだ。恐らくアナハイムの別部署だろうが……デラーズの事だ。作戦立案に関してはジオン1であるから、我々を出し抜く作戦を考えてくる可能性が高い。連邦を過剰に刺激すればスペースノイドの弾圧に動く可能性すらある。それだけは避けなければならない」
「それではデラーズを連邦より先に見つけて潰すと?」
「いや、こちらも積極的に動けば連邦に見つかる。ワイアット大将がもみ消せる範囲で戦力向上をさせていくに留める。まぁ受け身であるな」
「なるほど……では私から即応で動ける母艦と部隊の設立を求めます」
「デラーズの動きに直ぐ対応できる部隊か……いいだろう。予算は抽出する。艦の規模はどうする?」
「できれば連邦勝利の立役者である木馬と呼ばれたペガサス級強襲艦の様な12機運用できる艦であればよいのですが……」
「……となるとサラミス級をより航行能力を上げたタイプの方がいいだろう」
俺は建造中の船の写真を見せる。
「今工業コロニーで作っているサラミスをH型に連結させた実験艦をホフマンに任せる……名前の希望はあるか?」
「艦の名前に偉人の名前を付けることがあるらしいので、我々の場合は……ダイクンではないですかね?」
「ジオン・ズム・ダイクンの名を冠した艦か……社員からの受けもいいだろう。今年中に運用できるように進めておく。人員は最精鋭にするぞ」
「分かりました」
ガーベラ完成から3ヶ月後、なんかスタイリッシュになったガンダムが作られていた。
「現状うちの持てる技術を使って作られたガンダムタイプのモビルスーツです! 開発コード、ジークアクスになります!」
俺それ聞いて爆笑してしまったが、正史ガンダムデザインのジークアクスがそこにあった。
いや、正確には耳飾りに2つのファンネル・ビットが搭載されており、どちらかと言うとジフレドの方が近かった。
というかカラーリングが紫色なので、ジークアクスって名前になっているがジフレドまんまである。
機体のスペックについてはこんな感じ。
全高 18.2メートル
全備重量 49.1トン
動力 海王星熱核融合エンジン(海王星エンジン)
ジェネレーター出力 2080kw
推進力 225000kg
装甲材質 ガンダリウムβ合金
センサー有効半径 8000m
武装
・エスビット(小型ビット)×2
・ビーム・サーベル×2
・ロング・レンジ・ライフル
・シールド
こんな感じになっており、ジェネレーター出力と推進力はリキール・ゲルググから順当に進化しており、ガンダム開発計画で開発されている他のガンダムに比べても特殊機体である3号機のデンドロビウムを除き、単機として完成度の高い機体になっていた。
推進力もリニアシートの採用によりGの軽減ができるようになった為にリキール・ゲルググ以上にすることに成功していた。
更に特筆すべきは全備重量であり、ゲルググから比べて30トン近く軽量化することに成功したので、重量比に対する機動力は10年先を行く機体と開発陣は太鼓判を押していた。
ただ開発陣からはセミ・モノコック構造の限界機体であると言われており、これより優れた機体を作るには構造を変更する必要があると言われていた。
あとは装甲材質にガンダリウムβという高価なガンダリウムαに比べて安価かつ柔軟な装甲材を採用し、初期ガンダムのルナチタニウム合金と同程度の強度を確保していた。
ただサイコミュが載っているのもあって機体コストは中々の物となってしまった為、大量に量産するには向いてなかった為、現在量産性の高いガンダムに対するジムのような廉価タイプの製造を検討していた。
まぁミーティアⅡの新型の開発が進んでいたので、それが完成すれば戦力が向上すると思うが……はてさてどうなるか……。