宇宙世紀ガンダム世界で生存戦略   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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星の屑作戦 1

『地球連邦軍、並びにジオンの戦士諸君に告ぐ……我々はデラーズ・フリート!』

 

 宇宙世紀0083年10月31日……デラーズによる地球圏の電波をジャックし、放送が行われた。

 

 後のデラーズ宣言である。

 

「敵前逃亡のハゲ大佐が! 何がデラーズ・フリートだ!」

 

 うちで働いている社員達の多くは、その宣言を聞いて憤りを露わにしていた。

 

「閣下!」

 

 俺が部屋に入ると、皆敬礼してくる。

 

 「もう閣下ではなく社長なんだがな……言っても変わらんか。

 

 万が一に備え、警戒レベルを上げろ。デラーズがこちらを攻撃してくる可能性もある。」

 

「は!」

 

(頼んだぞホフマン……デラーズの野望を止めてくれよ)

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはりフジワラ閣下の予測が当たっていたか」

 

 デラーズ宣言から10日後、コロニー輸送を遠くから監視していた小官の眼下では、デラーズ・フリートに参加していると思われるモビルスーツ達が、コロニー公社と連邦軍の護衛艦隊に襲撃を始めていた。

 

「よし、スクランブルだ! モビルスーツ部隊全機出撃! コロニー落としなんかさせるな!」

 

「「「「了解」」」」

 

 タイクーンに乗っているパイロット達は次々にモビルスーツに飛び乗り、ミーティアⅢと連結させてから、艦外に射出されていく。

 

「同胞達よ、恨むなよ」

 

 

 

 

 

 

『オキタ中佐、連邦の奴ら拍子抜けするほど雑魚ばっかりでしたね』

 

『ああ、これでデラーズ閣下がおっしゃっていた星の屑作戦に移れる』

 

 デラーズ閣下に従い、ア・バオア・クーの激戦を逃れたパイロット達はデラーズのカリスマに心酔していた。

 

 デラーズ閣下はア・バオア・クーで友軍を見捨てたとアクシズに逃亡しようとする友軍から罵りを受けたが、デラーズ閣下の指揮系統は方面司令ではなくギレン総帥にあった。

 

 総帥が戦死された時点で指揮系統はデラーズ閣下が上になっていたはずであり、更に殺したのがキシリアだった事を思えば、デラーズ閣下の考えは間違っていなかったと付き従っている者達は思っている。

 

『星の屑……連邦が先に核という南極条約違反をしたんだ。ならば我々がスペースノイドの地位向上の為に動くのは当たり前である! 大義は我らにあり!』

 

『オキタ中佐! 高速飛行物体接近! 方向北東120度!』

 

『なに!』

 

 モニターを確認すると、遠方から近づく影が見える。

 

 すると、次の瞬間横に居た仲間のモビルスーツが爆散する。

 

『狙撃! ランダム回避!』

 

 部隊長である俺が周りのリック・ドムやゲルググの兵に指示を出すが、遠方からの狙撃は次々に味方のモビルスーツを貫いていく。

 

『生き残ったのは何機だ!』

 

『ジャック生きてるっす! 味方は俺含め残り5機!』

 

 16機居た俺達の部隊が一瞬で10機以上撃墜だと! 

 

 すると俺達の横を高速で機体が通り過ぎていった。

 

『ミーティアだ! 敵はミーティアを使っている!』

 

『中佐! ミーティアはあんな速くはないです!』

 

『馬鹿! 新型を出してきたってことだ!』

 

 すると横を通り過ぎたと思った敵機からチェスの駒みたいなのが分離してこちらに近づいてきた。

 

『う、うわぁ!』

 

『ジャック! ……ビット兵器だと!』

 

 チェスの駒みたいなのからビームが放たれ、一瞬で3機が爆散、残りは俺含めて2機。

 

『中佐! 母艦が!』

 

『な!』

 

 通り過ぎた敵は俺達の母艦を沈めると、再びこちらに向かってくる。

 

『くそ! 当たれぇ!』

 

 ミーティアは直線的な移動は速いが、細かな動きは遅かった事を思い出し、突っ込んでくる射線に照準を合わせる。

 

『もらった!』

 

 ビームマシンガンを発射するが、敵機は半回転しながら俺の射撃を避け、逆にビーム砲で俺のモビルスーツの手を融解させてきた。

 

『ぐぉぉ!』

 

 機体からエラーの表示と警告音が鳴り響くが、俺が脱出しようとした瞬間にモニターにチェスの駒みたいなビット兵器が見えた。

 

『くそったれ!』

 

 その瞬間俺は永遠の眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

 

「パーフェクトゲームだったな」

 

『ホフマン! こっちは殲滅したっぽい! 司令にちゃんと伝えるっぽい!』

 

「モビルスーツ隊よくやった。これでデラーズの作戦の初動はへし折ったが、絶対にこれで終わらない。次はデラーズの本隊が近づいてくるだろう。補給後にデラーズ本隊を叩くぞ」

 

『『『『了解』』』』

 

 ホフマンは自分がコロニー落としの作戦を限られた戦力で実行するのであれば、核パルスエンジンを使って輸送中のコロニーをまずジャックすることと、コロニーの軌道を修正するために2基あるコロニーのうち、片方にぶつけて、地球軌道にコロニーを移動させる必要があると考えていた。

 

 その為、初動の動きが失敗した時点で、作戦修整の為に本隊が出てくると踏んでいた。

 

「ホフマン艦長! 遠方に邪悪な思念を持つ艦多数……連邦艦ではないかと!」

 

「ニュータイプの直感か?」

 

「はい! 私にはわかります! 距離……5000キロ」

 

 サイコミュによりニュータイプの脳波を増幅しているが、ミノフスキー粒子を散布されている状況下で、敵艦を先に見つけられるのはニュータイプの特権である。

 

「本当、うちは人材には恵まれましたね……一年戦争時にもエルメスというMAに乗っていたニュータイプが長距離狙撃を成功させていたらしいですが……お陰でレーダーよりも先に発見できます……」

 

 デラーズ率いる30隻近くの艦艇がコロニーに近づいてくると報告を受けた。

 

「ミーティアⅢでは行きと帰りでギリギリか……」

 

 するとパイロットの1人であるエリカが

 

「ミーティアは最悪投棄してしまっていいだろう。ミーティアで初撃を与え、敵艦艇に打撃を与える。連邦軍も無能では無いからコロニーが襲われているのは通信が入っているんじゃないのか?」

 

「ああ、それは私が通報を入れた。ただ連邦軍は混乱しているらしく、通信が混線してしまっていたがな」

 

「……連邦は来ない事を考えた方がいいな……一撃離脱で母艦を沈め、撤退するでいい?」

 

「ああ、できればグワジン級が居ると思われるからそれを潰してくれ」

 

「了解……コンゴウに伝えてくるわ」

 

「頼んだぞ」

 

 星の屑第二幕が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

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