後悔はしていない。
〈主人公視点〉
猛スピードで歩道を爆走する車。
それが、俺が見た最後の光景だった。
死ぬ。
なんて考える暇もなく、俺は死んだ。
そのはずだったのに。
何故か俺は、薄暗い部屋で不気味な集団に囲まれて突っ立っていた。
理解が追いつかない。
なんだこれは。
助かった……のか?
いや、それにしてはおかしい。
そもそも、ここに居る不気味な集団は何だ?
まさか、怪しげな魔術とかで復活したとか?
と、そんなことを考えていると、ふと気付いた。
服が変わっている。
いや、それ以前にこの体に違和感がある。
まるで、自分の体ではないかのような。
手を見ると、どこか硬い印象を受ける。
まるで剣道とかをしていたかのような手。
おかしいな。
俺は運動なんて全然しないし、手もこんなに硬くないはず……まさか……憑依転生!?
だとしたらまずい。
この体が誰のものか全く分からない!!!!!
せめて名前さえ知らなければ……万が一漫画かなんかの登場キャラだったら取り返し付かなくなる!!!!!
どこかに名前……名前は……あ、財布があった!!!
急いで中を確認すると、何と学生証を発見した!!!!!
さてさて名前は……
誰だ?
知らんぞ!?
いや、でもやけにアニメとか漫画っぽい造形の顔だな。
どうやら何かしらのキャラへの憑依は確定……いや、待てよこの顔写真…………糸目キャラじゃないか!!!!!
まずい…まずいぞ!!!
糸目キャラは大体強キャラ!!!
そして裏で何かしらやってる暗躍キャラ!!!
そう、相場が決まってる!!!!!
そして、この場所!!!
足元にあるのはどう見ても何かしらの魔法陣!!!
なおかつ俺を囲んでいるこいつらは魔術師のような姿!!!!!
ここから導き出される答え……それは、ここは異世界ファンタジー作品!!!
そうなるとやっぱり非常にまずい!!!
暗躍キャラが暗躍しないなんてことになったら主人公が強化されずに物語が途中で詰みかねない!!!
差し当たっての目標は……主人公を見つける!!!
そしてその主人公にいい感じに成長するように困難をあてがい続けるのだ!!!!!
主人公補正というのはバカにできないものだからな!
うんうん。
「そろそろ良いか?」
考えを纏めたところで、爺さんが話しかけてきた。
ふむ。
貫禄のある老人。
師匠キャラか?
いや、すぐに判断すべきではないな。
「今、お主は混乱している事じゃろう。故、簡潔に説明してやる。ここはファルムス王国。お主は、兵器として召喚された異世界人じゃ。異世界人は世界を渡る時、強力なスキルを得る。それ故、兵器となるのだ。ああ、この召喚には支配の魔法も組み込まれている故、お主の命はこちらが握っている。反抗するでないぞ?」
結構説明してくれたな。
なるほどなるほど、だがおかしいな。
糸目キャラがそんな簡単に支配される?
あり得ない!!!
何かしらの方法で支配の魔法を無効化しているはず!!!
そうに違いない!!!
何せ、糸目キャラが支配されるなんて聞いたこともないからだ!!!!!
〈確認しました。個体名・橘恭弥がユニークスキル『
ほらね?
よく分かんねえけど多分これはこのキャラが持つべきスキルだ。
間違いない。
というか、どっちかっていうと、支配する側じゃないか?
そう、糸目キャラなんだから、誰かに従うふりをしておきながらその主を支配……なんてこともあり得るはず!!!!!
〈確認しました。個体名・橘恭弥がユニークスキル『
なんか知らんがめちゃくちゃスキルゲットできる!!!
これが強キャラクオリティか!!!!!
これで暗躍できるかな!?
いや、でもあれだな。
頭が足りないな。
俺は自慢じゃないが頭が弱い。
こんなんで暗躍できるわけがない!!!
何かないか…そう、たとえば頭が良くなるスキルとか!!!!!
〈確認しました。個体名・橘恭弥がユニークスキル『
何だ、あんじゃん。
これで勝てる!!!!!
いける!!!!!
待ってろよ主人公!!!!!
俺が強くしてやっからなーーー!!!!!
勘違いに勘違いを重ねたこの
一発ネタです。
ノリで書きました。
反響あったら続くかもしれませんが現状プロットも何もない!!!!!