異世界の王城探索!!!
見たこともない装飾や豪華な絵画などなど、面白いものばかり!!!
なんだけど………ここどこぉ?
絶賛迷子である!!!!!
自信満々に言うことじゃないって?
それはそう!!!!!
さて……本当にどこだ?
糸目キャラが迷子なんて格好つかないんだけど……。
とりあえず開けた場所に出るか……。
お、中庭見ーっけ!!!
いそいそと中庭に出て、建物を観察する。
やっぱり豪華だなー。
……いや、そんなこと考えてる場合じゃないんだ!!!
真っ先に見つけなければないないもの……それは自室!!!
そろそろ眠い!!!
寝なければ!!!
これでも結構生活リズムには気を遣って生きてきたのだ!!!
……待てよ?
『魔力感知』があるじゃん!!!
あれで俺の部屋の近くの部屋にいた2人を感知してそこに向かえば解決じゃん!!!
さーて、魔力感知魔力感知……と…
うわぁ!!!!!
突如として氷の槍が飛んできた。
なんだこれ?
魔法?
魔法だよな。
危なかったー。
偶然『魔力感知』で捉えられたから良かったけど、『魔力感知』発動させてなきゃ死んでたな。
人がいそうな時にだけ『魔力感知』するんじゃなくて、常時発動にしとこ。
うん、それが良い。
さて、この氷の槍を放ってきたのは……
「不審者がおると思うたら、今日召喚した異世界人ではないか。どうしてここに……いや、どうやってここに来た?部屋には結界が張っていたはずじゃがのう?それになりより、部屋から出るなと言ったじゃろ。あれは命令として機能するはずなんじゃが…」
おお、師匠ポジかもしれない爺さんか!!!
なんか部屋に案内されるまでに自己紹介をし合った気がするけど……名前忘れちゃった!!!
……これはまたとない強キャラムーブチャンスなのでは!?!?!?
魔法使いというのも良い!!!
魔法であれば、『理解者』でコピー出来るからな!!!!!
よし、やるぞ!!!
一人称は……『僕』にしよう!!!
このキャラに合ってる気がする。
〈三人称視点〉
師匠ポジっぽい爺さん……ラーゼンがそれを見つけたのは偶然だった。
偶然中庭を眺めていたその時に、人影が中庭に出たのだ。
この時間帯、この中庭を利用する人間はいない。
ごく稀に王族が気分転換に訪れることはあるが、今中庭にいるのはどう見ても王族には見えなかった。
それ故に、即座に『
しかし、それは避けられてしまった。
意識外から攻撃に成功していたと思っていたラーゼンは、警戒度を高め、その人間に近づいた。
ここで、その人間が今日召喚した異世界人である『橘恭弥』であることが分かった。
それは、ラーゼンにとって理解し難いことだった。
橘恭弥を入れた部屋には結界を張ったし、何より召喚時に仕込まれる支配の魔法により、部屋から出ることを禁じていたはず。
それなのに、橘恭弥はそこにいた。
ふと、橘恭弥が口を開く。
「何を言うかと思えば……結界に支配とは……少々僕を甘く見過ぎだね。いや、僕を甘く見てるんじゃなくて、自分の力に驕っているのかな?まあ、どちらも変わらないけどさ」
見下すようにそう告げた。
それにラーゼンは我慢ならなかった。
師匠ほどではないが、自身はこの世界で上位に位置する魔法使いであると言うラーゼンの驕りが、自尊心がそれを認めなかった。
「なるほど、不具合でもあったのだろうな。あの召喚陣も長く使い続けている故、支配の魔法に綻びが生じたのかもしれぬ。結界も、まあ最近働き詰めであったし、儂のミスだな。でなければ、魔法のまの字も知らず、スキルも手にしたばかりの小童に破られる訳がない!!!!!」
ラーゼンの激昂に、恭弥は冷めた目でそれに応える。
「まあ、君がどう思うかは勝手だけどさ」
「ぬかせ!!!支配し直し、今度は独房に入れてやろう!!!あの部屋は慈悲なのだぞ?兵器である貴様らへのせめてもの慈悲!!!それを蹴ったのだ、今度は独房でも文句はあるまい」
そう言うと共に、ラーゼンは魔法を発動させる。
「『
大量の氷の散弾が恭弥を襲う。
しかし、恭弥は笑った。
「無知は、いや、驕りは罪だよ。『水氷大魔散弾』」
恭弥は瞬時に同じ魔法を発動し、相殺した……いや、恭弥の放った散弾の方が数が多く、相殺の後に余った散弾がそのままラーゼンに殺到した。
「なっ!?!?!?儂より精度の高い『水氷大魔散弾』じゃと!?!?!?」
驚きながらも、ラーゼンは結界を張り、迫り来る『水氷大魔散弾』から身を守る。
恭弥の方が精度が高い……わけではなく、単純に2回発動しただけである。
『詠唱破棄』によって放たれるそれは、1つの魔法のように誤認させるのだ。
普段のラーゼンであれば、そんなことはすぐに理解できるだろう。
しかし、このイレギュラーな事態に混乱していることもあり、それを見抜くことは出来なかった。
ここに、『強キャラムーブがしたいバカ』と『ファルムス王国王宮魔術師長』の戦いの幕が上がった。