転生したら糸目キャラだった件   作:朝昼晩昼夜逆転

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第4話

〈三人称視点〉

 

 幾度となく、魔法の応酬は続いていた。

 

「あまり儂を舐めるな!!!不可視の風に斬り裂かれるが良い!!!『風切大魔斬(ウィンドカッター)』!!!」

 

 目に見えるから相殺される。

 

 そう判断したラーゼンは、風という不可視の攻撃をもって恭弥を制圧しようとした。

 

 けれど、それは無意味である。

 

 恭弥は『魔力感知』で全て見えている。

 

 よく考えれば分かることだ。

 

 ラーゼンもまた、『魔力感知』は持っているのだから。

 

 けれど、未だ続く混乱と、目の前の人間が召喚されたばかりだという事実が、ラーゼンをその考えに至らせない。

 

「不可視かぁ、でも意味ないよ『風切大魔斬』」

 

 またしても相殺され、そして2発目の『風切大魔斬』がラーゼンへと降り注ぐ。

 

「チィッ!!!なんなのだ!!!貴様は!!!」

 

 『風切大魔斬』を防ぎながらラーゼンが叫ぶ。

 

 それに、恭弥は不敵に笑う。

 

「そんなこと、今関係あるのかい?今君、今際の際にいるんだよ?」

 

 その声と共に、大量の魔法陣が出現した。

 

 その全てが、今放たれる。

 

「魔法をね、ちょっと改造してみたんだ」

 

「何を……」

 

「『水氷大魔槍天雨(アイシクルレイン)』」

 

 大量の氷の槍が降り注ぐ。

 

 『理解者』によって可能とした魔法の改造。

 

 その1つ。

 

 ラーゼンの結界は、数撃は耐えた。

 

 しかし、降り注ぎ続ける氷の槍に結界は傷付き、そして割れた。

 

 無防備となったラーゼンに氷の槍が降り注いだ。

 

 血飛沫が舞い、砕けた氷が霧となってその場に満ちた。

 

「この程度で死ぬ……なんてあり得ないよね」

 

「ああ!!!その通りだとも!!!いくら貴様とて、これは防げぬ!!!死ぬが良い!!!『熱収束砲(ニュークリアカノン)』!!!!!」

 

 霧の先から現れた傷だらけのラーゼンは、既に攻撃態勢に入っていた。

 

 放たれるは核撃魔法。

 

 ラーゼンにとって最上位の攻撃魔法。

 

 それを恭弥は受けた。

 

 回避する間もなく。

 

 ラーゼンは確信する。

 

 これで勝てたと。

 

 強大な戦力を失うのは痛いが、不確定要素の多い恭弥を生かしておく方がこの国にとって損害があると思ったが故の核撃魔法だった。

 

 しかし……

 

 『熱収束砲』をまともに受けた恭弥は、無傷であった。

 

「何っ!?!?!?」

 

「ああ、ごめん。ずっと相殺してたから、当たれば効くと、ダメージを受けると、勘違いさせちゃったかな?フフッ、意味ないよ。君の攻撃は、どれも僕には意味がない」

 

「ふ……ざけるな……儂は……最高峰の……魔法使い……」

 

 呆然と呟くラーゼンに恭弥は語る。

 

「最高峰…最高峰ね。それってこの街で?この国で?それともこの世界で?ま、どうでも良いことじゃないかい?それは。だってここにあるのは、君の魔法は僕に効かない。ただその事実だけなんだからさ」

 

 何かが折れた音が、ラーゼンに聞こえた気がした。

 

 目の前にいる者には決して勝てないと、そう理解し、心が折れた。

 

「ん?ああ、やっと理解してくれたんだ。でも、殺さないよ。君はこれから僕の駒だからさ『征服者』」

 

 勝てない。

 

 そう思ってしまったが故に、この日、ラーゼンは恭弥の手に落ちた。

 

 

 

 

〈恭弥視点〉

 

 あー、緊張したーーー!!!

 

 ちゃんと強キャラっぽさ出てたかな!?!?!?

 

 いや、でもこの爺さんの心は折れたんだから、出来てたはず!!!

 

 いやー、初戦にしては良かったのでは!?

 

 『熱収束砲』を受けたのは我ながら良い判断だった!!!

 

 何せ俺には『不従者』があるのだから!!!

 

 この魔法の『効果』に『従わない』。

 

 そう思って発動するだけで無効化できるのだ!!!

 

 やっぱり糸目キャラたるもの、『お前の攻撃効かないぞ』はやりたかったからね!!!

 

 いやー、糸目キャラのスキルヤバすぎるぜ!!!

 

 絶対あの魔法やばいやつだったもんな。

 

 最高峰の魔法使いってのもあながち間違いじゃないのかもしれない!!!

 

 まあ良いや、それよりこれからどうしようかな?

 

 ……いっそのこと国王も支配するか。

 

 うん!!!

 

 それが良い!!!

 

 なんなら召喚初日にやっておかなきゃダメだろ!!!

 

 糸目キャラなんだから!!!

 

「よし、国王の部屋まで案内してもらおうか」

 

「はっ!」

 

 よしよし、ちゃんと支配出来てる!!!

 

 『征服者』の支配は、単純に忠誠心の植え付けである。

 

 この忠誠心の度合いは結構自由にコントロール出来、今この爺さんには俺の言う全てを迷いなく全うするぐらいの忠誠心を植え付けたのだ。

 

 さて、いざ王の部屋まで!!!!!

 

 一気にこの国を支配下に置いてしまおう!!!!!

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