作品のタイトル通り、男主がハリポタ世界で小説という形でFateシリーズを布教する話。
ちなみに、男主はトム・リドルの先輩なんだとか。
読みたい人だけ寄っといで。
目が覚めたらハリポタ世界に魔法族として転生していた。
オーマイガー、何てこった。
まさか、世界一有名な児童文学の世界に転生するとは思わなかったな。
もしかして、ハリー・ポッターに会えるのかな?
いやでも、ヴォルデモートを筆頭にした
とか何とか転生した当初は思ってたけど……それなりの年頃に成長するにつれて、我が家が如何にビンボーであるかということを思い知らされることになった。
俺の実家…もとい、ブラムリー家は聖28一族には属してはいないものの、数十年前までは名門一族として知られていた。
ただ、それはあくまで数十年前の話。
当時のブラムリー家の当主であった爺ちゃんは、ひょんなことから知り合いに騙された末に多額の借金を背負う羽目になり、我が家はあっという間に没落することとなった。
そんな生活に耐えかねた叔父さんは、俺が生まれてから間もない頃に置き手紙を置いて実家から逃亡。
叔母さんは借金返済のために働きまくった結果、体を壊してそのままこの世を去った。
親父も親父で叔母さんと同じように働きまくった末に体を壊し、屋敷しもべ妖精のテレサの介護無しでは生活ができないため、今現在は母さんと兄さん達が借金返済のためにせっせと働いている。
……うん、まさにハードモードだな。
それに加えて、俺の転生した時代は第二次世界大戦前なのでどう足掻いてもハリー・ポッターと出会えるかどうかもわからない。
まぁ、親父達がホグワーツ用の諸々の費用を貯めておいてくれて助かったけど。
まぁ、ホグワーツに進学したのは良いよ。
でも、振り分けられたのがまさかまさかのスリザリンだとは思わないじゃん。
そのスリザリン寮内にて、カースト最下位の立場になるとは思わなかったじゃん。
しかも、後輩がトム・リドルというオマケ付き。
あぁ、これぞまさしく前途多難ですな。
でもまぁ、だからと言って俺が苦境に立たされていると言うわけでもなかった。
スリザリン寮内にも俺みたいにビンボーな奴は居るから、別に孤独ってわけでもない。
何だったら、寮内でのカースト最下位というポジションなのも相まって、他寮(特にハッフルパフ)の生徒達と仲良くなれたから、結果オーライってやつだな。
あと、ホグワーツの部活動の一つである文学クラブに所属していることもあってか、仲間と共にマグルの世界の文学やら魔法界の文学やらの話題で盛り上がる時間が何より楽しい。
あと、文学クラブのメンバーの大半がオタクだから話しやすいのもあるけど。
やっぱ、部活って楽しいな。
という感じでホグワーツ生活を満喫していたのは良いものの、俺が三年生に進級する頃になると一つの問題が出てきた。
そう、お小遣いが足りない問題である。
これは我が家がビンボーなのが大きく影響しているが、ホグズミード村に行けるような学年になった身としては、どうしてもハニーデュークスのお菓子とかを買い食いしたいという欲望。
あるいは、仲間と共にホグズミード村で古本を買うことがどうしても出来ないため、俺が歯痒い思いをしていたのは言うまでもない。
「コックス、ハニーデュークスでお菓子を買ってきたけど……食うか?」
「食う」
「即答だな」
なので、俺はルームメイト兼カースト最下位仲間の友人であるエドガー経由でお菓子を買ってもらうことが多く……そのお菓子代の代わりとして、趣味として書いている自作小説をエドガーに読ませているのだ。
ちなみに、エドガーは俺の小説のファン一号を名乗っているからか、たまに文学マーケットに本を出さないか?と勧誘されているが、俺はあくまで趣味の範囲でやってるため、その誘いをいつも断っているのだ。
なお、エドガーもまた文学クラブに所属しているものの、マグルが書く小説……もとい、マグル文学オタクなのはここだけの話だ。
「で、今日は何を買ってきたんだ?」
「百味ビーンズ」
「出たよ百味ビーンズ。お前本当にそれ好きだよな〜」
「百味ビーンズのあの味は唯一無二だから良いんだよ」
俺の軽口に対し、そうボヤきつつも百味ビーンズを手渡すエドガー。
確か、百味ビーンズって随分と前からあるけど……一体何年前からあるんだろうか?
そう考えつつ、口の中に百味ビーンズを入れる俺。
そして、それを噛んだ瞬間に広がるのは....何とも言えない石鹸の風味だったため、俺は思わず顔を顰めていた。
「その様子だと、ハズレの味を引いたっぽいな」
「あぁ、今のは石鹸味だな」
そう言った後、お口直しとばかりにカボチャジュースを流し込んだ後、自作小説の原稿をエドガーに手渡す俺。
その原稿を受け取ったエドガーは、ゆっくりとした様子で原稿の隅々まで文字を読むと一言
「……お前やっぱ天才だわ」
信じられないという様子でそう呟いていた。
……俺が?天才?
そんな馬鹿なと俺は言いかけたものの、エドガーの目がガチだったのでその言葉が本気だと察した俺は、思わずこう声を漏らした。
「マジかよ」
俺の書いている小説は、自己満足と現実逃避の延長線としてやっていることであって、あくまでそういうイベントに出すようなものではないと思っていた。
だが、友人であるエドガーの反応を見るに………ガチのマジで俺の小説はクオリティが高いらしい。
けどまぁ、エドガーの言わんとしていることは分からんでもない。
魔法界なだけに、この世界の文学作品は魔法使いが活躍するのが多いからか、そのジャンルがマグル文学と違って狭くて少ないのだ。
そのため、俺やエドガーのようにマグル文学にハマる奴は割と少なくないようで、結果として文学マーケットというイベントが開催されるに至っているのである。
「おいコックス、お前金欠って言ってたよな」
「ま、まぁ、そうだけども…」
俺がそう言ったところ、エドガーは真っ直ぐとした瞳でこちらを見つめると、まるで今この時こそ才能を使うべきだという様子になると、俺に向けてこんなことを言った。
「だったら、それでお金を稼げば良いんじゃね?」
……そうか、その手があったのか。
そんな言葉が口から漏れる程に、エドガーの言葉を受け入れる俺。
金が無いのなら、その才能を活かして金を作れば良い。
そうすれば、小遣いどころか実家の借金もチャラになるかもしれない。
そう考えた俺は、早速ノートにアイデアを書き始めた。
どうせ、ここは俺の生きた世界とは別の世界……つまりは異世界だ。
前世の世界の著作権なんて無いにも等しいモノだし、だったら
だって、ここは魔法の世界だし。
何より……
「……エドガー」
「ん?どした?」
「俺、ちょっと頑張ってみるわ」
俺がそう言ったところ、その言葉を聞いたエドガーはニッと笑ったかと思えば、エールを送るかのように俺にチョコを差し出していた。
俺はそのチョコを口に入れると、早速執筆活動を始めたのだった。
「ところで、その肝心の小説はどんな話なんだよ」
「ん〜……そうだな、願いが叶う願望器を求めて争う魔術師と英霊達の物語だよ」
これは、俺が金を稼ぐためにFateシリーズを小説として執筆する物語。
あるいは、その作品が魔法界に大きな影響を与える物語なのだが....当の俺がそんなことになるなんて予想していなかったのは、言うまでもないことだ。
コックス・ブラムリー
本作の主人公。
色々あって実家がビンボーなため、常に金欠。
しかも、家柄を重視する傾向の強いスリザリン寮に振り分けられたので、結果としてカースト最下位のポジションに落ち着いてしまう。
ただし、本人的にはそれなりに楽しんでいる模様。
前世は物書き系オタクだったが故に、執筆活動はお手のものだとか。
なので、部活動としては文学クラブに所属している。
スリザリン寮の友人であるエドガーの一言により、自分の書いた小説で諸々のお金を稼ぐことを決めたらしく、魔法界で受け入れられやすい題材であるFateシリーズを執筆することにしたらしい。