【Fateシリーズ】ってさ....愛されるクズとか男装ヒロインを含めた数々の性癖を生み出す反面、主人公・ラスボス問わずドン引きどころか理解できないタイプの異常者を描くのが上手だよね。
あと、妖精國みたいに言葉にするのも悍ましい悪意はもちろんのこと、地獄は善意で舗装されている的な展開もあるから、定期的にメンタルがやられるんだよなぁ。
特に二部六章とか最終章とかさ(遠い目)
ホグワーツ生の一人であるオリオン・ブラックは、いわゆる名家の令息である。
皆さんご存知、本作でのFateファンことトムやマートルとは同学年の同級生なのだが、彼自身は今まさにホグワーツ内で流行っている伝奇小説、【Fate/stay night】に関してはノータッチでいた。
と言うのも、オリオン自身は【Fate/stay night】の存在は知っていたとは言え、どうせこの流行は一時的なものだと思っていたらしく、それ故にホグワーツ内でのFateブームとは距離を置いていたのである。
現に、彼のようにFateブームに対して冷笑気味な生徒はそれなりに居たようで、何だったらファンクラブに属する生徒に対して陰口を叩く生徒も居た。
ただ、オリオンは冷笑や嘲笑などの行為はしなかったものの、それでもこの流行りはもうすぐ終わるだろうと思っていた。
....少なくとも、【Fate/stay night】のリンルートこと【Unlimited Blade Works】が発売され、更にその熱が高まるまでは。
その結果、いつの間にかオリオンは同級生達との話をついていけなくなったためか、当の本人はどうしたもんかと思い始めていた。
【Fate/stay night】が生み出した興奮という名の熱は、結果として冷めることはなかった。
それどころか、【Fate/stay night】の最新作である【Unlimited Blade Works】の出版によって、ますます作品としての人気が高まっていったため、そのことにオリオンは自然と興味を示していた。
だがしかし、それと同時に距離を置いていた自分が今更飛び込んでも良いのだろうか?とも思ったようで、それがキッカケで中々一歩踏み出せずにいたのだが
「オリオン、今度の休みの日に一緒に本屋に行かない?」
婚約者であるヴァルブルガのそんな一言もあってか、オリオンはこれ幸いにとばかりに本屋へと足を運び、【Fate/stay night】のセイバールートである【Fate】、リンルートこと【Unlimited Blade Works】を含めて購入していた。
そして、上下巻込みでセイバールート・リンルートを読んだ彼はこう思った。
どうして今の今まで、この物語と距離を置いていたのだろうか?と。
物語の舞台が日本とは言え、自分達の世界とはまた別の魔法や魔術に対する独自の解釈に加え、世界史における英雄を使い魔として召喚するという設定も相まって、オリオンはすっかり【Fate/stay night】のその世界観にどっぷりハマっていた。
それはまるで、今まで距離を取っていた分を取り返すように。
特に彼の印象に残ったのは、アーチャーの英雄としての生き様であった。
オリオン自身、アーチャーの正体を知った際の衝撃は半端ではなかったようで、実際にその展開を読んだ時は声は上げなかったものの、驚きのあまり静かに震えていた。
なお、イリヤの退場シーンに至っては感情がグチャグチャになったようで、分かりやすく机の上に突っ伏していた。
その様子を見たFateファンではない生徒達は普通に心配していたが、Fateファンの生徒達は彼がそうなった理由を察したようで、心の中でそうなるわなとボヤいていた模様。
だがしかし、彼が【Fate/stay night】という作品にハマればハマる程に新たな悩みが浮上していた。
そう、自分がファンクラブに加入しても良いか問題である。
と言うのも、彼自身は最初こそは傍観者としてこの流れを見守っていたものの、いざ読んでみるとあっという間にハマった身であるためか、そんな自分がファンクラブに入ったとしても、除け者にされるのではないかと不安になっていたのだ。
更に言えば、自分の生半可な気持ちではファンクラブに加入するに値しないと真面目に思っていたようで、それもあってオリオンはファンクラブに入る勇気を持てなかった。
そんなある日、オリオンが【Fate/stay night】を読み返していた際.......【Unlimited Blade Works】の終盤まで読み進めていたのだが、その際に目が入ったランサーのセリフに目を見開いていた。
終盤にて、致命傷を負いつつもキレイ・コトミネを倒したランサーが言い放った言葉で、英雄はいつだって理不尽な命令で死ぬという事実を受け入れた上で潔く散っていく彼に対し、オリオンは衝撃を受けていた。
それと同時に、名家の息子として様々な伝説を教養として学んでいたオリオンは、魔法界でもその名を轟かせている神話の英雄であるランサーの最期を知っているだけに、その発言にいい意味で震えたようで....これこそが英雄だとばかりに脳を焼かれたようで、その日のオリオンが寝れなかったのは言うまでもない。
それから数日後、本という形でランサーという英雄の生き様を見たオリオンは、どんな結果になったとしても後悔しないぞという気持ちでファンクラブを開催している部屋へと向かったところ....そこに広がっていたのは、温かくも和気藹々とした時間が流れる空間であった。
ある者はファンアートを見せ合い、ある者は二次創作(小説)を読み合い、ある者は【Fate/stay night】の感想を吐き出すかのように喋る。
まさにほのぼのと言っても過言ではないその光景を見たオリオンは、何で変に身構えていたのだろう?と思いつつ、本を片手にそのまま部屋の中に入ったのだった。
「オリオン!!来てくれたんだね!!」
優しく出迎えるようにトムがそう言うと、いらっしゃいとばかりに手を振る生徒達。
その様子を見つつ、トムの隣の椅子に座ったオリオンはスゥッと息を吸うと、自分を落ち着かせるようにゆっくりと息を吐いていた。
それから数分後、彼は勇気を出してたまに向けてこう言った。
「あぁ、ここでは【Fate/stay night】について存分に語れると聞いたんだが.....その、ランサーの話をしても良いか?」
オリオンの言葉を聞いた生徒達は、ランサー推しなのか!!と言う声や仲間が居た!!などの声で溢れかえっていて、中にはランサーはカッコいいもんなぁ....と腕組みをしながら語る生徒も居たため、それを見た彼は自分の好きが受け入れられたと思ったのか、徐々に笑顔になっていた。
その結果、更に数分後になると彼はファンクラブのメンバーとして溶け込んでいたようで、ランサー推しの生徒と共にその背中のカッコ良さについて語り合っていた。
純血の一族の跡取りとは言え、オリオンにとってファンクラブという場所は心の拠り所となったのか、寮・学年関係なくランサーへの愛を話していた。
「俺が思うに、ランサーはマスター運がもっと高ければ聖杯戦争に勝ち残る可能性はあると思うんだが.....どう思う?」
「それ思った!!」
「あと、異国の地での知名度とかも含めて弱体化してるっていうことも考えられるよな」
「そっか。国によっての英雄の知名度って違うもんな」
お互いの知識を擦り合わせ、推しへの想いや考察を吐き出すうちに絆が深まっていったのか、オリオンは次第に推しトークをするのが楽しいと思い始めていたようで、この時間がもっと長く続けば良いのになと思っていた。
それは、トムも同じだったようで.....同じ寮の友人が自身の好きな作品にハマったことが嬉しかったのか、思わずニコニコと笑っていた。
その様子を見ていたマートルは、こういう風に好きな話が出来るのって凄いことなんだなと再認識していた。
そんな二人を尻目に、オリオンは好きな作品に纏わる話に夢中になっていたようで
「ケルト神話繋がりだと....ディルムッド・オディナもサーヴァント化しそうだな」
「あ〜....確かにあり得るかも」
「クラス的にはセイバー、もしくはランサーの可能性が高そうだな」
「ディルムッドがサーヴァント化するのなら、黒子の逸話とかはどうなるんだろ?」
高貴な家柄故にそういった話を出来る仲間が出来て嬉しかったのか、気が合うファンクラブのメンバーと共に、サーヴァント化しそうな英雄の考察合戦していたのだった。
今度は、自分だけじゃなくて婚約者であるヴァルブルガも連れて行こうかな?
仲間達と楽しげに会話をしている彼の脳裏には、そんな想いが浮かんでいたのはまた別の話である。
そういうわけで、【Fate/stay night】にハマった末にファンクラブに入ったオリオンは、後にファンクラブに入ったヴァルブルガと共に推し活を楽しんでいた。
また、名門一族の子であるオリオンやヴァルブルカの加入により、自分もファンクラブに入って良いんだ!!と思い立ち、ファンクラブに加入する貴族令嬢・令息が増えていき、ファンクラブの日常が更に彩られていったのだった。
「ホッホッホ、これもまた一期一会....じゃな」
ちなみにこれは余談だが、ダンブルドアもまた【Unlimited Blade Works】を読んだらしいのだが、アーチャーの正体が正体なだけにこんがりどころか脳内が焦げたらしい。
オリオン・ブラック
何故かハリポタ二次創作で人気のキャラ。
最初こそは距離を取っていたものの、ヴァルブルガとのデートという大義名分で【Fate/stay night】に手を出した結果、分かりやすくどハマりことになる。
推しはランサー(クー・フーリン)で、ファンクラブ内のランサー推しと共に日々槍ニキのカッコよさを語り合っている。
ファンクラブ加入後はヴァルブルガと共に推し活をしているらしく、最近はランサー推しのためのイベントがあれば良いのにと思っているとか。
なお、オリ主のことは没落している一族の令息だと認識している模様。