某魔法界でFateを布教する奴   作:爆裂ハンター

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副題:エロゲ?いいえノベルゲーです

Fateシリーズって、諸事情によってエロゲからスタートしたのにも関わらず、声優界にもオタク界にも多大なる影響を与え続けているトンデモコンテンツな気がする。
だって、某声優だって課金は飲み物だって言ってるしね。


メディアミックス作品だからね仕方ない

スリザリンの寮監であるスラグホーン先生は、良くも悪くも生徒の才能を見抜くのが得意な人だ。

なので、そういった生徒達をよく集めては健全な方の集会.....スラグ・クラブという社交クラブ的なやつをよく行なっている。

つまり、スラグホーン先生は俺みたいに変な純血主義に染まっていない方のスリザリン生なのだ。

ただまぁ、自分の興味関心の無い人の対応がアレだけども。

 

そういうわけで、俺は庶民派なスリザリン生からの信頼が厚いスラグホーン先生に対し、一か八かで小説執筆のことで相談したわけなのだ。

いくらスラグホーン先生が優しいとはいえ、そういったことになると厳しい態度を取りそうだな....なんてことを思いながら、完成したセイバールートの原稿を見せたところ

 

「ブラムリーくん.....読了代は一体どのぐらいかかるんだ?」

 

エドガーやステファンと同じような反応になっていた。

いや、アンタもかよ。

魔法族的にはちょっとだけ賛否両論な内容だけども、何でそこまでガリオン単位で払いたがるんだ?

まぁ、タダと言っても過言では無い状態で高クオリティなコンテンツを触れたのなら、そう感じる心理は分からなくも無いけど。

 

と言うか、読んだ奴らが全員ガリオンを払いたがるとは思わなかったな。

流石はエロゲから生まれた芸術作品こと、Fateシリーズだな。

頭の片隅でそう考えながら、俺はスラグホーン先生に向けてこう言った。

 

「先生、原稿を読んだだけでお金は取りませんよ....」

「おや、そうなのか?」

 

キョトンとしながらも、お茶目な様子でそう言うスラグホーン先生。

どうやら、この様子を見るに俺の原稿に書き起こした(セイバールート)の内容は、スラグホーン先生にとってはとても面白い作品だと認知したようで、まるで子供のように目を輝かせていた。

 

いや〜.......エドガー達の反応を見た時はまさかとは思ったけど、この世界でもFateシリーズがウケるとはなぁ。

でも、その気持ちは分からんでもないけど。

Fateシリーズ=世界観でブン殴りに来ているメディアミックス作品だから、そういう反応になるのも仕方ないよな。

それに、作中では宝具とか真名とかの心の厨ニ病を刺激する要素もあるからこそ、スラグホーン先生は夢中になって読んでいたのかもしれない。

 

「魔術師が英雄を使い魔として召喚し、そして聖杯を求めて戦う......か。こんなにも面白くて素晴らしい物語がこの世に存在すること自体が信じられないよ」

「は、はぁ.......」

 

スラグホーン先生はそう言った後、原稿を読んだ一人の読者としてワクワクとした顔になっていたので、俺は思わずクスッと笑っていた。

.......とりあえずは第一関門は突破ってところか?

そう考えたある俺の様子を見たスラグホーン先生は、我に帰るかのようにハッとした顔になると、教師としての意見を述べるようにこう言った。

 

「あと、アーサー王伝説にギリシャ神話.......ケルト神話やメソポタミア神話に加えて、マグル史の要素も入っているとは思わなかったが、それがまたこの物語を引き立てているのも良いね」

 

スラグホーン先生は原稿を手に持ちながらそう言った後、俺に向けてニコッと笑うと......更に言葉を付け加えるようにこんなことを言った。

 

「それに加えて、主人公のシロウが暮らしているマグル界の描写も中々新鮮で面白かったよ」

 

分かりやすいベタ褒めですね分かります。

あと、マグル界の描写とかがどうなのかが気になっていたけど......この様子だと何とかなりそうだな。

どうやら、スラグホーン先生は作中のマグル界云々よりも世界観や設定に惚れ込んでいるみたいだ。

 

スラグホーン先生.......その気持ちは凄く分かるよ。

Fateシリーズはストーリーも魅力的だけども、特に独特の世界観や設定もズバ抜けて良いよな。

これだから、Fateシリーズを推すのをやめられないというか何というか。

 

「....そうですかね?」

「そうだとも、もし仮にこれを魔法史のビンズ先生に見せたら.......間違いなく興奮するかもしれないな」

 

え、そうなの?

そんな感情を思わず顔に出したところ、スラグホーン先生は無自覚だったのかと言わんばかりの様子になった後、そのまま苦笑いの表情を浮かべていた。

ただまぁ、スラグホーン先生の言う通りかもしれない。

だって、ビンズ先生はゴーストだけども一応は魔法史担当だし、何よりそういう要素にはかなり興奮する可能性が高そうだもんなぁ。

 

.......ん?ちょっと待てよ?

Fateシリーズって、一般魔法族ピーポーはともかく....魔法史オタク系魔法族にも色んな意味でクリティカルなんじゃね?

そう考えながら、目の前に居るスラグホーン先生との会話を続けている俺。

いずれにしても、今はスラグホーン先生の大人兼教師としての意見を聞くことに集中するか。

 

「ところで....学業の方はどうするつもりなのだね?」

「とりあえずは学業を疎かにしない程度で頑張るつもりですが、徹夜や夜更かしはしない方向性で執筆しようかと思っています」

 

俺がそう言うと、その方が良いのかもしれないとばかりに頷くスラグホーン先生。

どうやら、俺が作家として活動する際のことをスラグホーン先生も考えていたようで、教師として教え子の夢を応援するようにこう言った。

 

「あぁ、その方が良いんだろうね」

 

そう言った後、スラグホーン先生はセイバールートの原稿を俺に渡すと、出来る限りのサポートをしてくれることを約束してくれた。

何でも、今の今まで俺みたいなスリザリン生を見ていたこともあってか、改めて才能ある若者をここで終わらせてたまるか!!的な感じになったらしい。

........多分、こんな感じでトムもクラブに勧誘したのかもしれないな。

だからこそ、トムがヴォルデモートになった時はより一層後悔したのかもしれないけど。

 

「それで、この小説について質問したいんだが.....良いかな?」

「あ、はい。大丈夫ですよ」

 

スラグホーン先生の言葉に対し、背筋を伸ばしてそう答える俺。

質問.....かぁ、なるべくなら際どい質問以外が良いな。

俺はあくまで、前世の世界の創作物を著作権フル無視で書いているだけだし。

あと、いくらオタク的にFateシリーズが好きとは言えども、人間だからその知識量に限度があるしな。

 

色々とそう考えたからか、次第に緊張し始める俺。

そんな俺を尻目に、スラグホーン先生はニコッと笑いながらこんなことを言った。

 

「その......英雄王ギルガメッシュは前からコトミネ神父のサーヴァントだったのかい?」

 

スラグホーン先生がそう尋ねてきたので、変に緊張してきた俺はホッと肩の力を抜くと、その質問に対してしっかりと受け答えをするようにこう答えた。

 

「いえ、ギルガメッシュ自身はリンのお父さんに召喚されたサーヴァントだったんです。ですが、色々あって今はキレイ・コトミネと契約しています」

「な、何だと!?」

 

俺の言葉に対し、分かりやすく驚くスラグホーン先生。

まぁ、そこら辺のことは【Fate/stay night】よりかは【Fate/Zero】で描かれていたしな。

....【Fate/stay night】の全ルートが書けたら、今度は【Fate/Zero】でも書こうかな?

 

そう考えつつ、俺はスラグホーン先生に対してこう言った。

 

「あと、一応リンがヒロインの話とサクラがヒロインの話も考えているんですけど、その話はこの話が出版してから書こうかなと思っています」

「何!?セイバーの他にリンやサクラと結ばれる話も書くつもりなのか!?」

 

俺がそう言った瞬間、スラグホーン先生は驚きのあまり目を見開きつつそんな言葉を叫んだ後、部屋から出ていった.....かと思えば、その手にガリオンが入っているであろう財布を持ったまま、目の前に居る俺に向けてこう言った。

 

「いくら払えば良いんだ?」

「先生、だから何でガリオン単位で払う前提になってるんですか」

 

何はともあれ、これでスラグホーン先生の許可は降りた。

ただ、許可が降りたと言うことは.....俺が本格的に作家としての道を歩むことを、一筋縄では行かない道を行くことを意味していた。

ただ、そんなことはもう既に覚悟している。

オタクの行動力を舐めるなよ。




ホラス・スラグホーン
主人公のコックスの理解者であり、作家としてのパトロンの一人。
前々から彼に小説を書く才能があることを知っており、彼をスラグ・クラブに勧誘しようかと思っていた時、そのコックス本人から小説に関する話を切り出されたため、彼のパトロンとしてサポートすることを決意する。
教え子であるエドガー達と同じく、彼の書いた小説(セイバールート)を読んだ瞬間にどハマりしていて、本気でガリオンを払おうとしていた。
なお、コックス本人の口から凛ルートや桜ルートの存在を知ったことにより、更にガリオンを払おうとしたとか。
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