コメント欄を読み返してみて改めて思うのは、UBWルートで描かれる正義の味方についての描写によって、大火傷どころか消し炭になる魔法族とかが続出しそうだなと思う今日この頃。
あと、アーチャーやランサーの男前具合にハマる魔法族は一体何人いるんだろう?
スラグホーン先生はかなり口が固い。
なので、俺達のようなスリザリン生や一部の生徒達からの信頼が厚く、良い先生として認識されている。
それに、才能がある生徒を支援しようとする性格もあってか、今の俺がグラミー・シードとして活動しているのも、スラグホーン先生がパトロンとして支援してくれているおかげなのだが
「................」
「あの〜、スラグホーン先生?」
そんなスラグホーン先生でも凛ルートの....UBWルートのアーチャーの正体やその最後、その他諸々の展開がかなり重かったようで、片手に原稿を持ちながら、もう片方の手で顔を覆っていた。
.....うん、まぁ、そうなるよね。
UBWルートは前世の世界でも結構重めな話として扱われていたし、アーチャーの正体とその結末に情緒がやられる人が続出したもんね。
むしろ、あの展開を見て情緒がかき乱されないのがおかしいと言うかなんというか。
とりあえず、南無三。
「.....ブラムリーくん」
「あ、はい。何ですか?」
「この話には一体何g」
「だからなんでガリオン単位で払う前提なんですか」
俺がそう思っていた時、スラグホーン先生が徐ろに財布を取り出しながらそう言ったため、俺は呆れながらそう言葉を返したのだった。
スラグホーン先生.....その気持ちは凄く分かるよ。
でも、そのお金は俺じゃなくて某菌糸類に寄付した方が良いと思うけどな。
というか、あんなにパンパンになってる財布は初めて見たかも。
.....もしかして、ガリオン単位で払うために銀行で直に下ろしたのか?
いや、確かにスラグホーン先生ならやりかねないな。
「......まさか、アーチャーの正体が彼だったとはな」
そう呟きながら原稿を俺に返すスラグホーン先生の顔には、正義の味方であるアーチャーの正体を知ってしまったからか、あるいはシロウが辿る結末に気がついてしまったのか、泣くのを堪えるような顔になっていた。
スラグホーン先生.....それがFateシリーズってやつですよ。
そう思いながら、【Fate/stay night】の凛ルートの原稿を受け取る俺。
やっぱり、この時代の魔法族相手にUBWルートは刺激が強すぎたのか?
これでも一応、R18要素は抜いたんだけどなぁ。
「この【UNLIMITED BLADE WORKS】という物語の主役はもちろんリンとシロウだが、アーチャーという英霊の物語としても描き切るとは.....ブラムリーくん、こんなにも心が震える物語を書いてくれてありがとう」
色々と考えている俺に対し、目を逸らすことなくそう声を掛けるスラグホーン先生の顔は、正義について深く考えさせられたとばかりの顔になっていたため、俺はUBWルートの破壊力が如何に凄いのかを再認識していた。
まぁ、UBWルート自体がキャスターが葛木と契約した経緯とか、終盤で男前なランサーとかの姿が見れるから、より一層興奮したのかもしれないな。
そう考えつつ、スラグホーン先生の評価を内心嬉しく感じる俺。
「いえ、自分は自分が好きだと思った話を書いているだけで.....」
俺がそう言った瞬間、スラグホーン先生は好きなことを貫けることは素晴らしい才能だと褒めたので、その言葉に俺が恥ずかしそうに照れたのはここだけの話だ。
というか、スラグホーン先生って褒め言葉にセンスがあるんだよな。
流石はスラグクラブの主催者なだけはありますな。
.....今なら、あの話が出来るかもな。
「スラグホーン先生、一つだけ相談したいことがあるのですが....良いですか?」
俺がそう言ったところ、スラグホーン先生はその相談事に興味を示したようで、一瞬だけ目をキラッと光らせていた。
いやもう、分霊箱のことや諸々のことを抜いたとして、スラグホーン先生って本当にそういうところに関する才能はありまくりなんだよな。
てか、本当に頼りになる先生だから信用度が高めなのも納得だな。
「ほぅ?その相談事というのはどんなことなのかね?」
「えっと.....その、凛ルートと桜ルートを出版した後のことなんですけども、各ルートの小説を読んでいる時に先の展開を選べる感じの本とかを出版したいな〜.....って思ったんですけど?無理、ですよね?」
俺の相談事と言うのは、いわゆる各ルートのノベライズ版が出版された後、本家本元の【Fate/stay night】と同じように読者がどの展開にするのかを選べる仕様の本を、自らの手で結末を目指すタイプの本を出版したいという内容で、最初は断られるかと思っていたものの
「ブラムリーくん.....それはとても面白いアイデアだね!!」
意外にもスラグホーン先生は好意的な反応を見せたため、俺がホッと一安心したのは言うまでもない。
そりゃまぁ魔法の世界だし、出来なくはないよな。
.....心なしかスラグホーン先生の目が輝いているのは気のせい、なのか?
うん、気のせいだな。
そのスラグホーン先生によれば、特殊な魔法ではあるものの可能ではあることなので、俺は内心ガッツポーズをしたのだった。
「あと、ついでに魔法を使ってキャラクター達のフルボイス化もしたいんですけど.....難しいですよね?」
ついで感覚でそう尋ねると、スラグホーン先生はニヤッと笑ったかと思えば、その質問に対して魔法に不可能は無いと答えていた。
いや、小説のキャラクターをフルボイス化出来る魔法界の凄さよ.....
「あ、ちなみにその本は選択次第ではバッドエンドになった後にタイガー道場に直行します」
「た、タイガー道場?」
「いわゆる、オマケコーナー的なやつです」
俺の言葉に対し、スラグホーン先生は困惑しつつもその話を真剣に聞いていて、次第に面白そうだとばかりの顔になっていた。
....この人のツテなら、こーゆー本が製本・出版されてもおかしくはないんだよなぁ。
だからこそ、相談した節はあるんだけども。
そういうわけで、そのままノベルゲーっぽい本に関する話し合いは進んでいき.....とりあえず、凛ルートや桜ルートが発売されてしばらく経った後に出版するという形で落ち着くことに。
うん、まぁ、むしろ連チャンで出版で魔法族の情緒が壊れそうだしな。
これぞまさしく、ナイス判断ってやつだな。
「そういえば........君の後輩であるトム・リドルくんがこの【Fate/stay night】にハマったみたいでね、ファンクラブに入ったらしい」
「ファッ!?」
......え?
あのトム・リドルが?Fateシリーズに?ハマった?
嘘だろ?嘘だよな?これ確実に嘘だよな?
なんてことを脳内でグルグルと思いながら、スラグホーン先生の顔を見ると....その顔にはニコニコ笑顔が映っていたため、俺はその言葉が事実だと理解したのだった。
あの時、トムが何でセイバールートの本を持っているんだろうと思っていたけど、もう既に【Fate/stay night】にハマっていたのからこそ、セイバールートの上下巻を持っていたのか.....
てか、闇の帝王ですらハマるFateシリーズの恐ろしさよ。
「へ、へぇ、そうなんですか.......」
「それに、最近は【Fate/stay night】を通じてレイブンクロー生であるマートルくんとも仲が良いらしい」
「.......」
原作改変ですね分かります!!原作死亡キャラ生存ですね分かります!!
というか、この話の流れだと.....マートル、生存ルートに入ったんじゃね?
もしかして俺、とんでもないことをやらかしたんじゃね?
そう思い始めた途端、冷や汗がブワッと吹き出す俺。
.....これ、後々歴史が変わるよな?原作崩壊になりかねないよな?
「でもまぁ、その気持ちは私も分かるよ。何せ、この物語は素晴らしい物語だからね!!」
「ア、ハイ。ソウデスネ」
そんなことを考えながら、スラグホーン先生に対して返事をする俺。
この様子だと、ZeroやApocryphaも中々にヤバそうな予感がするなぁ。
.....まぁ、その時はその時で考えよう。
うん、それが良いな。
「ブラムリーくん、私は君のことをとても賢明な生徒だと思っているよ」
「そ、そうですかね?」
「そうだとも、それに.....そういうことを思い切って相談できることは何より凄いことだ。だからこそ、私は教師として君の覚悟に応えるつもりだよ」
スラグホーン先生がそう言った瞬間、内心頼もしすぎる!!と思うのと同時に、スラグホーン先生がパトロンで良かったとも思う俺。
こーゆー人のおかげでやる気が出るし、自分の好きな作品に対する布教のやりがいがあるんだよな。
こんな暗黒時代にも正義の味方ならぬ生徒達の味方が居ると思うと、頑張るしかないよな。
.....後で、文学マーケット用のFateシリーズ作品について相談しようかな?
「あ、ありがとうございます!!」
そんなスラグホーン先生の言葉に対し、嬉しそうな様子で頭を下げる俺。
その後、今後のことについて更にスラグホーン先生と話し合った結果、とりあえず【Fate/stay night】シリーズが落ち着いたら特殊仕様の【Fate/stay night】の発売、そして文学マーケットの参戦が決定したのだった。
オリ主くん、UBWルートについて相談するついでに今後の展開について相談するってよ。
魔法界のことだから、魔法パワーとかを使えば本家本元と同じように今後の展開を選択できる小説とかが作れるんじゃね?と思う今日この頃。
あと、一応説明しておくと.....文学マーケットはいわゆる魔法界におけるコミケ的な立ち位置のイベントですが、コミケと違って一次・二次創作の小説オンリーなので、イギリス中の魔法族が集まるイベントとして認識されているとか。