よくよく考えてみれば、エミヤってオタクどころか魔法族の情緒を焼き尽くす存在じゃね?
というか、UBWルートでこんがり焼ける魔法族が続出するんじゃね?
あと、UBWルートをプレイした時に曇ったオタクは一体何人いるのやら。
今でこそFGOとかの影響でオカン扱いされてるけども、某ゲームでのコラボとかを観ているとやっぱカッコいいんだよね。
特にあの詠唱とかがバチクソカッコいい上にロマンの塊だし。
....アレ?てことはエミヤって厨二病の塊じゃね?
ホグワーツ内で【Fate/stay night】が流行ってからしばらく経過し、魔法界の他の本屋でノベライズ版【Fate/stay night】が発売され始めた頃、ホグズミード村の本屋ではその【Fate/stay night】の新作が発売されていた。
新作と言っても、原作者であるグラミー・シード曰く『あくまで原作を再構成した話の一つ』ということなのだが、いずれにしてもあの【Fate/stay night】の新作なだけあってか、ホグワーツの生徒達は列を成してまでその新作を買いに行っていた。
それは、【Fate/stay night】のセイバールートを読んでその世界観にどハマりしたトムや、彼と同じくFateという作品にハマったマートルも同じだったようで
「ついに.....ついに買えた!!」
二人とも本屋の長い列に並び続けた末に、念願だった【Fate/stay night】の最新作を...【Unlimited Blade Works】を手に入れていた。
二人が待ちに待っていた【Fate/stay night】の最新作、ノベライズ版凛ルートこと【Unlimited Blade Works】という本は、セイバーが物語上のヒロインであった第一部とは違い、赤を基調とした表紙となっていた。
そして、そこに凛やアーチャーの姿が金の装飾として描かれていたため、トムとマートルはこの本が凛とアーチャーが主役の本なのだとすぐさま理解したのか、その胸の高鳴りはより一層強くなっていた。
「早い時間帯に並んだ甲斐があったね」
「あぁ、そうだね」
そんな言葉を交わした後、二人はホグズミード内にあるパブの一つである三本の箒へと向かうと、そのまま本を汚さないように丁寧に【Fate/stay night】の物語に浸り始めていた。
この【Unlimited Blade Works】という物語は、前作のセイバールートと同じようにシロウという少年が戦いに巻き込まれ、セイバーを召喚するところから始まった。
しかし、前作と違うのは今作でのシロウはセイバーとの関係性は発展せず、逆にリンとの関係性が発展していく展開が差し込まれていて、この展開をリアルタイムで読んだトムとマートルは、これからシロウとリンの物語が始まるのだと思ったのか、ワクワクとした面持ちになっていた。
だが....二人は本を読み進めていくうちに、予想を良い意味でも悪い意味でも裏切るような展開が次々とやって来たため、色んな意味で困惑していた。
まず、セイバールートではあまり触れられていなかったであろうサーヴァントの一騎にして、強敵の一人であったキャスターとそのマスターであるソウイチロウの出会い。
それから、そのキャスターによって行われたセイバーの強奪。
更には、キャスター戦の最中にリンとセイバーが契約するという怒涛の展開に触れた二人は、あの時と同じようにこんな物語があるのだと衝撃を受けていた。
そして、それ以上に彼らが驚いたのは.....リンのサーヴァントであるアーチャーの正体と真実であった。
アーチャーの正体、それは英霊召喚というシステムによって召喚された未来の世界の自分、つまりはシロウ・エミヤ本人であること。
それに付け加えるならば、アーチャーは正義の味方に憧れ続けたシロウの成れの果てだったことが判明し、この展開のインパクトがあまりにも強すぎたのか、当たり前だがトムとマートルは言葉を失っていた。
二人がそうなるのも無理はなく....何しろ、一応は英霊であるアーチャーの真名が判明したのは、ギルガメッシュの襲撃によってアインツベルン組が脱落した後であったため、怒涛の展開ラッシュとも言える描写をこの目で読んでしまったからか、二人の情緒が曇るどころかこんがりと焦げたのは仕方のないことだった。
そんな二人を尻目に、物語は進んでいき.....ランサーによってコトミネ神父が倒されたのは良いものの、今度はギルガメッシュの企みを阻止することになったシロウは、イリヤの心臓を埋め込まれた影響で異形と化したシンジのことをリンに頼み、ギルガメッシュとの最終決戦を迎えることに。
なお、このランサーの活躍にマートルは思わず惚れていたとか。
そして、ギルガメッシュの宝具である〈
限りなく本物に似た偽物の剣を使い、ギルガメッシュを圧倒していき.....彼の片腕を切り落とすものの、あと一歩届く前に力尽きてしまう。
だが、聖杯の穴によって飲み込まれかけたギルガメッシュにより、シロウは道連れにされそうになったが.....そこに一本の剣が飛んできたかと思えば、その剣は結果としてギルガメッシュにトドメを刺したようで、シロウは何とか助かるのだった。
それと同じ頃、シンジを助けた末にセイバーの宝具を使う形で異形の怪物を倒したリンは、セイバーとの別れの末にアーチャーと再会する。
アーチャーは座に戻る直前、シロウと同じような笑顔を浮かべると....大丈夫だと言わんばかりに微笑んだため、リンは彼との別れを心の底から惜しんでいた。
それからしばらくの期間が過ぎた頃、リンは時計塔と呼ばれるホグワーツに似た学園に向かうことになったのだが、その際にリンは弟子を一人連れて行けることをシロウに告げると、彼がそれを了承する場面でこの物語は幕を閉じた。
それはまるで、未来に向けて一歩ずつ進むかのように。
【Unlimited Blade Works】というこの物語に読み終わったトムとマートルは、前作と引けを取らない程の壮大な世界観と登場人物達の群像劇。
正義の味方に憧れるシロウと正義の味方の成れの果てであるアーチャーの結末に対し、情緒が強火で焼かれつつもその胸には一作目を読んだ時以上の感動を感じたのか、改めて自分達はFateという作品が好きなんだと自覚していた。
「はぁ.....やっぱり、Fateって良い作品だよね.......」
「それは思った」
二人はそう言葉を交わした後、【Fate/stay night】の最新作である【Unlimited Blade Works】について語り合った後、喉が渇いたのかオタトークの潤滑油代わりとしてバタービールを注文した。
そして、甘いバタービールで喉を潤しつつ二人が語るのは、アーチャーとランサーのカッコよさと、最強といっても過言ではない程のギルガメッシュの強さ。
この【Fate/stay night】という作品に触れて以降、すっかりオタク化してしまったトムとマートルは、自分の好きな作品を語り合えるという幸福と共に、どこか心の隙間が満ち足りたような気分になっていて、お互いの孤独という感情をFateという作品を通して埋めていた。
あぁ、自分の好きな作品を友人に共有できるのがこんなにも楽しいんだ。
そう感じた二人の顔には、鬱屈した感情や生い立ちに関するコンプレックスはどこへやら、心の底からFateという作品を楽しんでいる年頃のオタクの姿があった。
そんなことを考えている二人を尻目に、ドアベルの音と共に店内に入ってきたのは....トムと同じスリザリン寮の生徒にして、その同級生であるオリオン・ブラックだったため、その姿を見たトムとマートルは珍しいなと思ったとか。
一方、それはオリオンも同じだったようで
「おや、君達は.....?」
トムとマートルという珍しい組み合わせに対し、思わずそう声を漏らしていた。
その直後、オリオンは視線を二人の座っているテーブルに移すと....そこに置いてあった【Fate/stay night】の最新作こと、【Unlimited Blade Works】が目に入ったからか、その瞳を大きく見開いていた。
「....これは?」
「【Fate/stay night】という小説の最新作で、君もきっと面白いと思うよ」
そう柔らかい様子で語るトムと、ニコニコ笑顔のマートルの姿を見たオリオンは、不思議そうな顔をしつつトムの隣に座ったかと思えば、その顔を見ながらこう思った。
トムとマートルって、前からこんなにも仲が良かったのか.....?と。
そう考えているオリオンを尻目に、二人はバタービールを飲みながら和気藹々と話をしていて、その姿を見たオリオンは自分が知らない同級生の一面を見れたからか、少しだけ【Fate/stay night】という作品に興味を示していた。
そういうわけで、無事に【Fate/stay night】の新作ことUBWルートが発売されたわけだが.....案の定、それを読んだファンクラブの面々の情緒がおかしくなり、ダンブルドアの頭がこんがりどころか焦げてしまったのは言うまでもない。
ちなみに、その元凶とも言える原作者ことブラムリー・コックスはというと、自身が書き上げたUBWルートが出版されたことに安堵したのか、友人であるエドガーと共に自分へのご褒美としてハニーデュークスでお菓子を買いまくっていた模様。
【速報】
UBWルート、ついに出版されるってよ。
本当にさぁ....某菌糸類がサブカル界隈に与えた影響って計り知れないよね。
あの人が居なかったら、型月作品という重厚な世界観の作品が爆誕していなかった上に、何より色んな業界人にとってのバイブル的な存在になっているから、本当にFateの与えた影響ってヤバいよね?
....もしかして、Fateって曇らせの金字塔的な感じなのかな?