禪院家に強術式の男として生まれても詰むことあるんだ…… 作:ある日の残り香
来い、出来損ない。
「直哉殿、普段新幹線に乗る機会はあるか?」
「ないで、普段なら術式で走って帰れるしな。」
「ならば、窓の外の景色を眺めると良い。横浜から京都までの景色はなかなか見応えがある。」
高専を出た吾輩たちは、どちらも呪力がすっからかんなこともあり、新幹線を使って禪院家へ帰ることにした。
「はぁ、焦ったいわ。なんで俺がこんな座席に座って大人しくしとかなあかんねん。」
「子供ではないのだから、落ち着きなされ。ゆっくり休むのも大事であるぞ。」
「一樹くん、俺のこと舐めとるやろ。」
このように、仲良く二人で禪院家を目指すのであった。
京都駅に着くと、禪院家の者が車で迎えに来ていた。
「おや、直哉殿。迎えが来ているぞ。貴殿が呼んだのか?」
「俺は呼んどらんで。」
「む?では誰が……。」
「──俺だ。」
迎えの車の助手席から降りてきたのは筋骨隆々な男。無精髭を生やした清潔感の薄い、野生味あふれる男。
「おお、甚壱殿!お久しぶりであるな!」
「……直哉、こいつが?」
「ああ、一樹くんやで。中身もなぁんも変わっとらんかった。強いて言えば、筋肉と体重が減って膂力が落ちたくらいや。」
「──本当に負けたのか?」
「やから戻ってきたんや。パパに文句言うためにな。」
「そうか。」
この間、甚壱殿は一度も吾輩と目を合わせなかった。
「それで、一樹。なぜ姿を隠していた。」
「そんなのは分かりきっておろう。女になったなどと知れれば、吾輩の禪院家での立場が悪くなるのは目に見えておった。故に、元の姿に戻れるまでは姿を眩まそうと、な。」
「五条悟の付き人をやっていたのは?」
「高専で真希の世話になっていたところ、五条悟と出くわしてな……黙ってやるから力を貸せと脅されてしもうた。これに関しては素直に禪院の恥であるな。申し訳ない。」
「……。」
車内の空気は張り詰めていた。甚壱殿は、吾輩を疑っておるようだった。五条家と手を組んだのではないかと。
「ところで、だ。長らく専属で吾輩の窓をしてくれておったあの子が間者だったというのはまことか?」
「ああ。お前は嵌められたんだ。あの日の任務のすべて。」
「……堪えるなァ、あの子とは仲良くやれていたと自負していたのだが。」
「一樹くん、ハニトラとかに引っかかりそうやな。やっぱ当主向いとらんとちゃう?」
「直哉殿が縛りを忘れて吾輩に負けたから今このような事態になっておるのだぞ。直哉殿こそ当主になるには、計画性や記憶力に問題があるのではあるまいか?」
「あ゛ぁ?」
「おーん?」
「やめろ、ガキじゃないんだからこんなことで喧嘩するな。みっともない。」
危うく直哉殿との喧嘩になるところであったが、甚壱殿が叱りつけたため、お互い舌打ちをして手を引いた。
「そうだ、甚壱殿。」
「なんだ。」
「直哉殿の反応が思いのほか受容的であったが故に感覚が麻痺しておったのだが、禪院家の者たちの反応はどうなのだ。吾輩が、このような姿に……なってしまった事に対して。」
甚壱殿は答えない。一瞬こちらをチラリと見たが、それ以降黙りこくってしまった。
「ま、覚悟はしとき。特に蘭太くんとかな。アイツとかは純粋な分、一樹くんにはダメージ大きいと思うで。」
「……嫌であるなァ。」
そして、車は禪院家の前で止まる。吾輩たちは、下車し歩き始めた。
文化とは、ある一定の集団の間で共通認識となった概念であり、道徳であり、風俗である。そこで生まれ育ち、そこで死ぬ者たちにとって、それこそが"普通"であり、常識となる。
たとえ、それが他の文化圏において倫理的でなかったとしても、あるいは革新的であったとしても、他の文化を知らぬ者にとってはそれに気づくことはできない。
一度自分の文化を抱えたまま他の文化に触れ、比較し差異(この場合の差異は、良し悪しや上等劣等などではなく、文字通りの差異を指す)を見つけて自分の文化を見つめ直すことで……文化人類学における文化相対主義的考え方に則って初めて、人は自らが生きる文化圏の特色を知ることができる。
故に、その文化が世界的に見て異常であったとして、誰も気づくことはない。
禪院家もまた一つの家であり、一つの文化圏であった。
視点:禪院直哉
「しょぼくれとるわ、こいつ。」
「だっ、だって……元気に挨拶してくれておった躯倶留隊の若人たちが……吾輩の挨拶を、む、無視して……そ、その上舌打ち……」
「しゃーないやろ。」
「そうだ諦めろ、一樹。」
禪院家に足を踏み入れてすぐ、一樹くんには禪院の洗礼が待っとった。女に挨拶なんてせえへんし、むしろ声をかけてきた事に対して不快感を隠さず舌打ちする。俺と甚壱くんがそばにいたから折檻しにこなかっただけで、俺らがおらへんかったら殴りかかってきたんちゃうか?流石に推定客人にんなアホな真似はせえへんか。
まあ、この辺はこれが一樹くんやと気づいてないが故の反応もあるやろ。俺のツレの女が怖いもの知らずにも挨拶してきたくらいに思っとるんちゃうか?
「気張りや、これからパパと論戦するかもしれんのやで。弱みを見せたら丸め込まれて終いや。」
その言葉に、一樹くんはしょぼくれた表情を練り直し、よそ行きの真剣な表情に戻った。
「……にしても、髪型整えて軽く化粧しただけで、だいぶ印象変わるんやな。」
「吾輩としては化粧をしたことで、もう戻れなくなってしまったことを実感してとても心苦しかったのだがな。」
「にしては、随分と小慣れた手つきやったやん。」
「……ふむ、言われてみると初めてだというのに、そうとは思えないほど自然にできた。」
「ま、普段ずっと絵を描いてるからちゃうか?札の上か面の上かの違いはあっても、絵を描くようなもんやろ。」
「吾輩は絵を描く時、墨しか使わぬぞ。その理屈は通らぬ。」
「無駄口を叩けるほどの余裕が戻ってきたようだな。一樹。」
甚壱くんは振り向かへん。俺らの前を歩いて先導する。
それから、大広間に俺らを案内した。襖開けた途端、中にいた全員がこちらを見た。部屋の中には、両端に立つ躯倶留隊の面々、そんでその前には等間隔に座布団敷いて正座する炳と灯たち。その面々らの中に扇のおっちゃんは居らへんけど。
そして、部屋の中心には、座布団が二つ置かれておって、その前には酒飲んでるパパが居った。
甚壱くんは、俺らから離れて他の炳たちと同じように正座した。
「──座れ、直哉。それから一樹。」
パパと目が合う。ほんと、面倒な舞台を用意してくれたわ。
視点:禪院一樹
吾輩と直哉は、用意されていた座布団の上に正座する。炳と灯や躯倶留隊が吾輩を見てコソコソと何かを言っているのが聞こえた。
そのどれもが、吾輩の心に少なからずダメージを蓄積していく。
「──して直哉、一樹。何か話があるから戻ってきたのだろう?」
「てか、そもそもなんで俺らが戻るってわかったねん。」
「お前たちは戻ってくるという確信があった──それだけでは足らんか?」
「相変わらず、当主殿は不思議な御仁であるな。」
当主殿……禪院直毘人は、よくわからない人物だ。禪院家という術師至上主義かつ男尊女卑という醜悪の煮凝りの中、禪院家で呪力を持たない女なんていう真希にも当主になるチャンスを与えるだけでなく、渋谷事変ではその命を守りもしている。
だが決して善人というわけではない。ただの善人が、呪術界を渡れるわけがないのだ。当主殿はただ、面白いこと、面白い人間が好きなのだろう。もっと言えば、見どころのある人間のことが。
「じゃ、これ以上雑談してもしょうがないから切り出すで。一樹くんとの婚約、なかった事にしたいねん。」
「吾輩も男と結婚はしたくないのであるが、縛りを結んでしまったのであろう?状況を把握したい。」
「縛りを破れば、それ相応のデメリットが発生する。それを理解しているか、直哉。」
「そういや、どんなデメリットが起こるん?」
「さぁな。他者との縛りが破られた時、何が起こるかわからん。」
そう吐き捨てると、当主殿は酒をあおる。
「まあ、内容が内容だ。直哉のチ●コがもげるくらいで済むんじゃないか?」
「なるほど、それなら問題ないであろう。直哉殿、縛りなんか無視してしまえ。」
「あかんやろ。なめとんのか。」
「吾輩も呪霊に玉取られたのだ、直哉殿も失え。」
「ざけんなや!」
「静まれ。」
今にも喧嘩を始めそうな吾輩たちを当主殿が一喝する。
「そもそも、まだ婚姻の条件は達していないだろう。禪院一樹が当主になるにあたって必要である二つ目の条件がな。」
「……せや、一樹くん。当主になること諦めてくれへん?俺のチ●チンのためにも。」
「直哉殿には悪いが、吾輩は当主になる。必ずな。」
「──ま、ここで諦めたら一樹くんちゃうよなぁ。チッ……。」
吾輩が放った当主になるという宣言に対して、左右の躯倶留隊と炳・灯から野次が飛ぶ。「女になったお前が当主になれるわけがない」だのなんだのと。
「……いや、なるとも。魔虚羅かそれに類する奥の手だろう。それくらい、身につけてみせる。」
吾輩は強く言い切った。
「そも、吾輩がこの家で一番強いのだから、吾輩が継がずして誰が継ぐというのだ。そんなのは、直毘人殿を押しのけて扇殿が当主になるのと同程度におかしい事だと気づけぬのか?」
あ、今数人笑った。ここで流れを作る──
「術式の格、強さ……この二つを今最も兼ね備えておるのは吾輩だ。次点は直哉殿で、その次となると甚壱殿と伏黒坊くらいなものであろう。そのような状況で、ただ女になったからという理由で吾輩が当主になることを認めない癖に──吾輩よりも優れていると証明して当主を勝ち取ろうなどという度胸もない者たちに、如何に禪院家当主という重責が務められようか!!」
一度掴んだのなら、吾輩の世界に引き摺り込むまでよ。吾輩は立ち上がり、まるで舞台上の俳優のように舞う。
「直哉殿を見たまえ!直哉殿は吾輩と正々堂々戦い、吾輩の実力を証明するとともに吾輩を認めた!!戦う気概すらないというのに、まるで負け犬のように吠えることしかできぬお前たちとは違って、である!!」
「でもチ●チンもぐのは勘弁な。」
身振り手振り、強弱による強調。すべてを使って演説を行う。
「もしも、吾輩が条件を満たした時──それを認めぬ者がいるというのなら、その時は相手しよう。捻り潰して、認めさせてやる。男気で吾輩に負けておる者たちが、吾輩の見た目だけで侮るなど……笑止千万である!!この玉無しども!!」
そう言い終え、当主殿を見下ろす。これは演出的意図である。吾輩という存在が、今や当主殿より格の高い存在であると錯覚させるための。
だがしかし、当主殿はただ笑った。本物の格の高さは、演出では作れない。当主殿の纏う全ての空気が、彼を隔絶した存在として空間に描き出す。
「──ブワッハハハ!!!!良い、それではこうしよう!"禪院一樹が当主になる条件を満たした時、異議のある者は決闘を申込み、これに勝利した場合はその者が当主の資格を得るものとする"と!!!」
「なるほど、そん時に俺が一樹くんに勝てば婚約の件も白紙に──」
「そして!!一樹よ、その時当主の資格を失ったお前は負けた相手と結婚しろ。それでどうだ。」
「──なっ!?んなの、負けても直哉勝っても直哉ではないか!!」
「そうやで!!そんなん認めへん!!」
「ではここにいる炳と灯及び躯倶留隊の面々に問おう。これを承認するか否か、承認する者は拍手を。」
──流れをあちらに奪われた。
広間を埋め尽くす拍手。直毘人のふざけた条件は承認された。
「ふざけ──」
「一樹、俺の義娘になった暁には毎月美味い酒を買ってやるぞ。」
「なっ……わ、吾輩がそんなか、甘言に……甘言、にぃ……っ!!」
「なんで押し切られそうになっとんねん!!」
危ないところだった。一度ならず二度までも酒で身を滅ぼすところであった。だが、吾輩も学習する生き物である。
「そもそも、吾輩は戸籍上は男であろう。男同士で結婚は法的に──」
「ああ、それならもう修正を終えている。呪術界舐めんな、若造。」
「……は?」
「一樹、お前は今戸籍上も女だ。」
「うわぁ……パパの執念キッショ……」
目の前が真っ暗になった。
「一樹くん、どうすんの?」
「現状、縛りを結んでおるのは直哉殿だ。吾輩が当主になった時、直哉殿が玉に別れを告げる覚悟さえあれば、婚姻は回避できる。」
「ざけんなや!まだ使いたりないわ!!」
「一度も使えずに失った吾輩の前でそれを言うのか?」
吾輩と直哉殿は直毘人への怒りに身を震わせながら廊下を早足で歩く。
「で、今どこに向かっとるん?」
「吾輩の部屋であるな。甚壱殿の話では、まだ片付けられておらずに残っておるようだ。そこに隠してある秘蔵の呪具を回収する。この身体なのでな、ステゴロには限界がある。そも、吾輩の術式は呪具との相性も悪くはない。使わぬ方が不合理だ。」
「へえ、秘蔵の呪具なんて持ってたんや。なんで今まで使わなかったん?」
「誰かさんのせいであるが?」
足を止める。吾輩の部屋の前についたのだ。
「……懐かしさを覚えるの。そこまで久しいわけでもないのだが。」
「ほんじゃ、俺はここらで部屋戻るわ。流石にさっきのアレもあって、もう一樹くんに舐めた態度取る奴はおらんやろしな。」
「ああ、またな。直哉殿。」
そうして直哉と別れてから襖を開けると──
「──禪院家の恥晒しめ。」
禪院家のパッとしないオッサン代表、禪院扇。それが、刀を抜いていた。
「禪院家の名誉を守るため、禪院一樹。貴様を誅殺する。」
「は?」
貫かれた胸が、熱く、痛み始める。
視点:禪院甚壱
禪院一樹の姿は、本当に女になっていた。声も、何もかもが。だが、直哉が言うように……あの大広間での演説でわかるように、奴は何も変わっていない。
あれだけの演説ができるのならば、他家に舐められる心配も少ない。そして、そこに魔虚羅に相応する式神という手札が揃えば五条家が相手であっても、もしやすると対等に渡り合えるかもしれない。
だからこそ、判断に迷っている。
「甚壱さんはどう思いますか。一樹のこと。」
「……オマエはどう思った。蘭太。」
禪院蘭太。この家の中では上澄の善人であり、人格者。それでも俺たちと同じ禪院家であり、男尊女卑は思想の基盤として染み付いている。そんな男は、今の一樹をどう評価するのか。
「……わかりません。ただ、あの一樹と一樹さんが重なる瞬間があったのも事実です。身体が女であることと、精神が男であること、どちらを元に一樹を見ればいいのかわかりません。」
「では、性別を抜きにして考えたらどう判断する。当主に相応しいと思うか?」
「……正直に言うと、相応しくないと思います。」
「ほう。理由は?」
蘭太の目を見つめる。その答えを出した理由が気になって。
「だって──酒の誘惑に負けそうだったじゃないですか!あんな痛い目を見たのに!」
「それは……そうだな。」
それは、そうだな。
「でも、直毘人さんが出した条件を考えると、"その時"の一樹に禪院家の術師が勝てるとは思えません。勝てるとすれば、一樹の戦闘のクセを知り尽くしている直哉か、本物の魔虚羅を使役できる伏黒恵か……そういう次元でしょう。」
「……ああ。」
「ですから条件が満たされれば、当主は確定かと。策があるとすれば──」
その時、カンカンカンという音が禪院家に響いた。何事か聞けば、躯倶留隊の隊員が答える。
「扇が乱心した!!一樹を襲撃している!!」
「……それなら瞬殺だろう。」
「いや、今の一樹は何故か呪力切れの状態にあり、扇に押されている!」
「……逆になんで扇はそれで勝てないんだ。」
扇を取り押さえようと、数人の躯倶留隊が走っていく。それ以外、現場へ向かおうという者はいない。
「──先走ったな、扇。」
誰にも聞こえない中、俺は呟いた。
視点:???
オガミ婆の術式で、彼女の孫に禪院家の人間の肉体情報を降ろし、禪院扇に接触させた。その際、禪院一樹は五条悟と内通して禪院家を陥れようとしているとかなんだと、くだらない陰謀論を吹き込ませた。
しかし、それでも効果は覿面。禪院扇は禪院一樹を襲撃した。禪院一樹が呪力切れを引き起こしているというこのチャンスを逃すほど、私は怠惰ではない。
禪院一樹を残しておくことは、五条悟の封印とその先の私の計画に不要な変数を与えかねない。それも、退屈な方向で。だから、可能であれば取り除きたかった。
若いとはいえ、禪院一樹の実力は一級術師、特別一級術師の中でも上位の実力を持つ。その上、日下部篤也のような職務怠慢も起こさなければ、冥冥のように打算的でもない。さらに、頭も良くないくせにまるで未来でも見てきたかのような勘の鋭さを見せることがある。
強すぎるわけではない。ただ、鬱陶しすぎるのだ。書道に興じているのに、足に墨汁をつけた猫があたりを歩き回っているのと同じくらい気分が悪い。
「……しかし、嫌な予感がするんだよね。なんか、これでもしれっと生き残ってきそうな予感が。」
「夏油もそう思う?俺も!」
「だがこれ以上リソースを割くわけにも行かない。ここでリソースを切ったせいで五条悟の封印に影響したら困る。」
まあ、ここで仮に殺せなかったとしても禪院家に亀裂を入れることはできるだろう。私はただ、自分のすべきことを進める。
作中三位の炎使い、動く。
[直毘人は語る]
一樹はな……ちっちゃい頃は可愛かったんだぞ?
術式が初めて発言した時なんか、【玉犬】を自慢した後に【円鹿】を召喚して、「みて、しかさんも出せたよ!わたし凄いでしょ!」とか言ったりもしてな。女の子と見分けがつかなかった。
それが歳を経るたびに目つきも悪くなって、禪院の男って感じに育ってしまった。それが悲しくて悲しくて……一緒に酒を飲めたのは嬉しかったのだがな。酔うと昔の口調に戻るのだが、今の顔で言われても可愛くなんぞない。むしろ少し気持ち悪い。
それが今はどうだ、なんの運命の悪戯か女の子になって戻ってきた。
直哉、逃すな。お前の嫁にしろ。
[パパ樹は語る]
生きていてくれてよかった。それが一番最初の感想だった。
当主にはもう成れないのかという失望。それが二番目の感想だった。
だが、アイツは諦めてなかった。
目が覚めたよ。俺は、アイツの親父だ。
息子でも、娘でもおれの大事な子だ。
……直哉の嫁にされる?そんなのは断じて許さん。
せめて甚壱だ。甚壱にしろ。
しれっとサブタイを変更する。
騒乱を誤用していましたね。騒動に変更です。
相変わらずプロットも何も用意してない行き当たりばったりなので、しばしば「展開を探していた(死語かも)」が発生する。