禪院家に強術式の男として生まれても詰むことあるんだ……   作:ある日の残り香

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例の縛りについての描写を忘れてたので。
時系列的には、櫛名田編の翌日ごろです。
短めの番外編。


(下ネタ多めの回です。苦手な人は飛ばしてください。)
















番外編【ざけんなや(閲覧注意)】

 

視点:禪院直哉

 

「ところでな、一樹くん。」

「……なんであるか。深刻な顔をして。」

「これ、見て欲しいんやけど──」

 

 パサっと俺が袴を脱ぐと、一樹くんは酷く軽蔑した目を俺に向けてきた。ちゃうねん。そういう趣味とかじゃないねん。

 

「……直哉殿、貴殿は猿なのか?身体が女ならば吾輩でも良いと言うのか?縫い目が何だなどと言いながら、吾輩のことをそんな目で見ておったのか?」

「ちゃうねん!よう見ろや!!」

「やめたまえ、吾輩の尊顔にそのような気持ち悪くてグロテスクなものをずいっと押し付けるのは……む?」

 

 一樹くんも気づいたみたいやね。

 

「直哉殿のチ●ポ、なくなってるではないか〜!ひ〜っ!ふふっ!!」

「笑いごとちゃうねんけど。」

 

 

 

「──なるほど、件の縛りが発動したのであろうな。お陰で、憂鬱な気分が少しはマシになった。要件は以上か?」

「以上なわけないやろ。何とかしてくれへん?」

「吾輩がどうこうできる問題だと思っておるのか?それに、今はそれどころでは……」

「何とかしてくれへんなら真依ちゃん捜索の件、俺はなにも手伝わへんで?」

「……下衆が。」

「酷い言い草やなぁ?おち●ちんのうなった俺の心の傷に少しは寄り添って欲しいんやけど。」

 

 こうしてみると、表情は少なくとも一樹くんのままやな。この表情は俺が真希ちゃん虐めてて、一樹くんに初めて負けた日と同じ顔や。

 

「……なくなったのならば、生やすしかなかろう。」

「できんの?」

「真希と真依のためなら吾輩は何でもするのでな。失敗しても恨むでないぞ。」

 

 一樹くんは絵を描き始めた。

 

 

 

「……これでよかろう。」

「なんやこれ、芋虫?」

「直哉殿のチ●ポであるが?」

 

 どう見ても芋虫やないかい!

 

「まさか、これを術式で出してくっつけるとか言わへんよな?」

「そのまさかであるが。」

「ざけんなや。」

 

 流石に頭に来たので一樹くんの髪の毛を掴んで引っ張った。

 

「もっと真剣にやってくれへんか、この下手くそ!これだからち●こしゃぶったこともない奴は……!」

「しゃぶっ……!?そんな経験あるわけなかろう……!気が狂ったか?!」

 

 が、ちょうどその時──

 

「一樹、お前の夫の遺体の件だ…が……。」

 

 甚壱くんが究極に間が悪いタイミングで部屋に入って来おった。

 部屋の中には下半身を露出した俺と、髪の毛を引っ張られてる一樹くん……絵面がアカンわ。

 

「甚壱くん、ちゃうんや。」

「……お前ら、やっぱりそういう仲か。」

「ちゃうねん。」

「甚壱殿、ちょうどいいところに来た。手伝ってくれぬか?」

「何をだ??」

 

 甚壱くん、苦虫噛み潰したみたいな顔しとるやん。どうすんの、これ。

 

 

 

 

 

 

 

視点:禪院甚壱

 

「──つまり、直毘人との縛りが破られたことで直哉のイチモツが消し飛んだから、それを式神で再現する……と。」

「うむ、しっかり機能するようにするためにも、認識の共通化のプロセスは完璧にしておきたいのである。あと二名ほどいれば良いのだが……。」

「出来れば俺のお●んちんの形知っとる奴がええ。でもなきゃ、一樹くんが正しく描けへん。てか、なんで20年間男やってて正確に描けへんのや。」

「普通、自分のソレをまじまじと観察したことがあるか?ないであろう。もはや覚えておらぬわ。」

 

 最悪な事に巻き込まれた自覚はある。控えめに言って最悪だ。

 

「直哉、お前が抱いたことある女はわかるか?」

「覚えとらんね。女は胸とケツしか見とらんから。」

「最低であるな。」

 

 結局、蘭太と信朗が呼ばれた。

 

 

 

「最悪です。」

「クソ、何が楽しくてこんなこと……」

「当主権限である。逃亡は許さぬぞ。時間はかけたくない、早急にことを済ませよう。」

 

 まったく、こんなくだらないことに時間を使ってる暇があるのか?

 

「一樹!今はこんなことしてる場合じゃないでしょう!直哉のち、ち●ちん……なんて放っておいて、真依を探すべきなんじゃないんですか!」

「そうであるな。正直直哉殿のチ●ポなどはどうでもいい。だが、不服ではあるが真依の捜索には直哉殿の力が必要になるのだ。今の真依は、特級に近いレベルの術師が受肉しておるからな。速さと強さ、それから領域展開を兼ね備えておる直哉殿の協力は必須である。」

「……直哉、どうでもいいじゃないですか!あなたのモノなんて!くだらない私情で当主を困らせないでくださいよ!」

「うっさいねん。蘭太くん、俺にとっちゃ世界が滅ぶかどうかと同じくらい大事なことやねんで?」

 

 一樹が歯をギリギリと鳴らしているし、蘭太も胃痛で倒れそうだ。信朗は遠くを見て現実逃避している。

 

「……まず、だ。直哉殿のチ●ポの形を各々説明してくれたまえ。描く上で参考とする。」

「デカくて硬いで。」

「短くて小さいな。」

「皮被ってそうじゃねえか?」

「知らないですよ!」

「うむ。」

「うむ、やないんやけど?」

 

 そうして出来上がったのは、相変わらず芋虫だった。何でそうなるんだ。おかしいだろ。

 

「……もう実物のお●んちん見せた方がええやろ、これ。」

「最低な提案であるが、手早く済ませるならばそれが良いだろうな。」

「甚壱くんのは不細工そうやし、信朗くんも歳がアカンわ……蘭太くん、一樹くんに見せたれや。」

「はぁ!?」

「ほれ、早くしろや。今こんなことしとる場合やないんやろ?当主サマのこと困らせるんか?」

「……すまぬが蘭太、当主命令だ。脱げ。」

 

 一樹は非常に申し訳なさそうな表情で蘭太に目をやった。が、口から吐かれる言葉はその表情とは裏腹に冷徹で、有無を言わせない。蘭太は目を瞑って眉間をかいていたが、やがて自棄になったように叫んだ。

 

「っ!わ、わかりましたよ!見せればいいんでしょ、見せれば!!」

 

 

 

 

 

 

視点:禪院蘭太

 

 これほどの仕打ちを受けるようなことを、自分は何かしでかしただろうか。いや、絶対にしてない。そう断言できる。

 

「蘭太、動くでない。」

「殺してください……。」

 

 一樹がじっくりと観察しながら、サラサラと紙に筆を走らせる。その表情は真剣そのもので、余計に羞恥心を逆撫でる。直哉の新たな相棒が先程までの芋虫とは違い、写実的に描かれていく。もうお婿にいけない。

 

 

 

「──描き終わった、すまなかったな。直哉殿の我儘のせいで。」

「でも当主権限で命令したのは一樹くんやで。」

「……。」

「もう服を着ても良いぞ。蘭太。」

「……すまんな、蘭太。」

「蘭太、立派だったぜ。」

 

 一樹は出来上がった呪符を手に持つと、全員の前に見せつけた。どこまでこの羞恥プレイは続くのだろうか。

 

「今から、各々がコレ……つまりは直哉殿のチ●ポの機能や何やらについて認識を共有することで、式神として成立させる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

視点:禪院直哉

 

「お?おお!成功やな!しっかり生えとるわ!」

「蘭太……本当にすまなかった、この恩は忘れぬ。どこかで埋め合わせはしよう。」

「一樹のことは許します。効率を考えてのことだったでしょうし。しかし、直哉のことは許しません。」

 

 一樹くんが術式で呪符から式神を召喚すると、俺の股間にしっかりとソレは生えてきた。コレで一件落着や。

 

「予備はないのでな、式神が破壊されたらもう次は作らぬ。それと、顕在を持続させるための縛りとして、貴殿は吾輩のことをこれから"当主様"と呼ぶように。」

「変な縛りつけるんやない!」

「それと【構築術式】で作ったモノではないが故に、非術師には見えぬ。そして──」

 

 一樹くんが俺のを掴むと、俺のことを強く睨みつけた。

 

「──今後吾輩に逆らったり、吾輩に不快な思いをさせたら……術式反転でコレを消し去る。それを、ゆめゆめ忘れるでないぞ。」

「……二つの意味でタマを握られてしもうたってわけか。」

「わかったらさっさと真依を探しに行け。生かして捕えるのだぞ。」

 

 一樹くんのこと、初めてちょっと怖いと思ったで。

 

 

 

 

 

 

 

 

視点:禪院甚壱

 

「……クソみたいな時間であったな。申し訳ない。」

「まあ、これで直哉の奴もお前には逆らえない。ちょうどよかったんじゃないか?」

「それはそうであるが、時間の浪費であったことには間違いない。吾輩が舐められていたが故の損失だ。」

「……直哉とお揃いと考えると、無性に切り落としたくなりますね。コレ。」

「早まるな。」

 

 直哉が屋敷を飛び出してから、一樹が俺たちに頭を下げた。その表情は氷のようだが、僅かな眉の動きから、本当に申し訳なく思ってるのは伝わってきた。

 

「繰り返すが、本当に時間の浪費であった──が、得るものはあった。」

「「「?」」」

 

 一樹は狡猾な笑みを浮かべると、筆をとった。

 

「新しく作る式神の術式や特性を、先程の手法を取ればある程度コントロールできるではないか。それこそ、内輪のネタで外部への初見殺しも編むことができる。」

「……まさか。」

「直哉殿が真依を連れて帰るまで、しばし付き合え。これからの戦いに備えて戦力増強である。これも当主命令だ、従え。」

 

 その日はもう、休む時間がなかった。暇していた長寿郎を呼び込んで一樹が次々に挙げる新しい式神のアイデアや設定に対して、あーでもないこーでもないと意見して、一日中を費やした。

 

 その日の深夜、直哉がボロボロになりながらも真依を連れて帰って来るまで、この式神制作会は続いた。





直哉回。

一樹くん(?)が【鳥獣戯画法術】の拡張をする話。
羂索戦では【八岐大蛇】が初見殺しにならなくて痛い目を見たからね。






【直哉の陰茎】
消費呪力:非常に軽微(なお、精神的には疲弊する)
 一般的な成人男性についているソレと同等の機能を有する装着式の式神。肉体と接続されることによって、しっかりと生殖機能も持つ。
 縛りにより永続的に顕現するが、一樹の術式が何らかの要因で解除された時は道連れに消滅する。
 認識共通化作業中の信朗の悪ふざけのせいで、暗闇の中で薄ぼんやりと光るという性質が付与されているが、誰もまだ気づいていない。

禪院蘭太レビュー
 自分のと同じ形をしたモノがあるって、こんなにも嫌な気持ちになるんですね。0.0.点。

禪院甚壱レビュー
 直哉のソレはもっと小さくて短かった。0.0点。

禪院信朗レビュー
 びっくらぽんだぜ。0.0点。

禪院直哉レビュー
 大きさも形も申し分ない、完璧や。一樹くんの機嫌次第で失う可能性があるのは減点ポイントやけどね。6.5点や。
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