モブはAクラスにいっきまーす!!   作:軽井沢に冷水かけたい龍園そこ変われ

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初期綾小路って、ロボットが頑張って感情を理解して振る舞っているようで笑えます。感情はプログラムされてないんでね。結局再現できなくて、最新の綾小路がありますね。
感情がプログラムされていたら軽井沢振るわけねーんだよ。天使だろ。泣いてる姿可哀想可愛い。
おのれ綾小路



3.敵対

 

 

7月1日は待ちに待った私の、プライベートポイント!!の振り込み日。

私は増えたポイントの桁を見たり、数を数えたりして、スマホの周囲を回りながら小躍りするという儀式をいつも通り粛々と行うはずだった。

 

 

「はー、まじ萎えるんだけど」

 

「なんだっけ?Dクラスの須藤?」

 

「どうしようもない落ちこぼれのゴミの集団なくせに、私たちに迷惑かけてくんなんてないわー」

 

「左に同じく」

 

 

 

何故、ここまでDクラスを、貶すのか。

普段から割とこうなのだが、最近はそれが顕著だった。Cクラスのどこからも須藤や、Dクラスへの悪口が聞こえてくる。

別に理由が無いのに、Dクラスに暴言を吐いているわけではないとだけ言っておく。ちゃんとこれには山よりも高く海よりも深い理由があるのだ。

 

私たちは、月の始めだというのに、ポイントが端末に振り込まれていないことに、疑問を抱きながらも学校へとその日は登校してきていた。

そして、朝のホームルームで坂上先生はいつもと変わらない表情で、学校側の不手際で一週間ほどプライベートポイントを振り込むのが遅くなる。という謝罪と伝達を行なった。

私は軽くぶち切れそうになったが(最近怒ってばかりのように感じる)、龍園が気持ち悪いぐらいニヤついた視線で坂上先生と、石崎を見ていたので、ホモかなと思い。すんと思考がクリアになった。

しかし、石崎の腫れた顔を見てホモの痴情のもつれとも思えなかったので、多分龍園がなんかしたんだなぁとぼんやりとだが確信を持って、そう認識した。

龍園とこの頃会話した記憶を頭の中から引っ張り出し、今の状況と照らし合わせてみる。

「今は他のことで手がいっぱいというわけだ。」

詳細は全くもって知らないが、手がいっぱいとは、多分これの話だったのだろう。だが、私の足りない想像力では、龍園が石崎殴ったのかな?程度の関連性しか思いうかばず、考えるだけ無駄だと思い思考を放棄したのであった。

 

 

次の日になれば、プライベートポイントが貰えない理由が見えてきた。噂というのはすぐに広まるものだ。

「CクラスとDクラスとの暴力事件」

Cクラスの石崎その他2人と、Dクラスの須藤が喧嘩をしたらしい。どうやら、その喧嘩が行われた場所が監視カメラ外だったので、事件の全貌を学校側が掴みかねている、と。

どちらが呼び出したのか、どちらが先に殴ったのか、噂なので真実はわからないが、事実としてあるのは、石崎は怪我をして、須藤という生徒は素行が悪いということだ。

有罪(ギルティ)

で良いと思う。私のお金を早くくれ

いつまでこの金欠状態が続くのやら、学校側は事件を起こした両者の間に入って解決するだとか、なんだと言いプライベートポイントは振り込まれない日々。

自ずとCクラスがDクラス全体に不満を持つのは仕方ないことだった。

ただでさえCクラスは他クラスと仲が悪いのだが(なんでだろ)、それに拍手がかかっているのをひしひしと感じた。

3年間クラス対抗イベントみたいなものだから、仕方ないよね。学校の方針に文句言え。私たちに仲良くする道なんてねえ

 

 

「まじてさー、落ちこぼれ足引っ張んないで欲しいっていうかー。石崎マジかわいそー」

 

「ほんとに、慰謝料払えっていうかあ(笑)」

 

「ぎゃははは」

 

汚い笑い声だ。

自分はオタクに優しい系ギャルを目指していたのだが、ただのチンピラみたくなっているのが実際の話であった。ギャル難しい

性格をまず治さないと、ギャルの道には進めないのだろうか

 

「Cクラスが、Dクラスを訴えてるって形らしいよー…」

 

「え、ウチら訴えた覚え無いんだけどお」

 

「石崎が訴えてんの」

 

「あー、理解理解。なんか生徒会で話すとか言ってたようなあ。」

 

「私たちに慰謝料ってことでクラスポイント入んないかな」

 

「そんな上手い話あるかッての(笑)」

 

自分たちもクラスポイントをみれば別に上位じゃない。というか、Dクラスがなければ私たちが底辺だ。だからこそDクラスを貶すのかもしれない。劣等感というやつだろうか。

自分たちより下がいると余裕が生まれ、そしてそれを貶すと優越感が得られる。そんなところだろうか。

まあ、よくわからないがCクラスは全体的にそんな雰囲気だ。その雰囲気が特に強いのが私たちの仲良し4人グループだったりする。私たちの空気が数ヶ月を経て、そして今回の出来事で、濃くCクラス全体に伝染している。

まあ、ハッキリいって治安は最悪だ。

 

 

「「「「とりあえず、金欲しいわー」」」」

 

 

珍しく、私、志保、沙希、菜々美4人の心が通じた瞬間であった。

私たちは約3か月で団結力を持ちつつある。私たち仲良し4人グループは、元々志保がほぼリーダーみたいな立ち位置であった。最初の頃はかなり志保の主張が激しかったが、今は4人で上手くパワーバランスが保たれているように感じる。上下の意識はあまり感じない。沙希も菜々美もあまり志保の顔を伺うのをやめ、辛口を言うことも増えたし、菜々美が志保のグチを裏垢で言うのもメッキリ減った。私は特定厨だった。さらっと恐らしいよな女子って。

私、なんか嫌なことあったら、本人に直接言うタイプだから、それはそれでトラブったりするものであるが。何事も限度というものがあるんだよね。

私たちのことをトリマキとしか思ってなさそうだった傲慢な志保は、相変わらず威張った態度は健在だが、少し丸くなった。体型ではない。

まあ、4人とも良い方向に成長したのだ。

 

Dクラスのせいでイラッとするが、なんだか4人でいるとそんなの関係ないと言わんばかりに私は楽しくなって、会話が弾む。口がペラペラと回った。

 

「そいえばさー、Dクラスのゴミで思い出したけど、志保が言ってたーあの、なんだっけ?平田くんに色目使ってる女…なんか、平田くんと付き合ってるらしいよ。なんか、サッカー部の元カレが言ってた」

 

「は?」

 

「平田くんはあんまり公言してないらしいけど、えっと……そうそう軽井沢だっけ名前。その子はよく自慢してるって」

 

「「ちょ、倫」」

 

「まあ、かれぴと別れたから、今は知らないけど。今のかれぴ文化部で上級生だから、詳しくなさそー。バンドマン?は恋愛はロック?とか言ってたけど、わかんねー」

 

なんか、志保の顔。すごいイラついている。今にも爆発しそう。

私、もしかしていらんこと言ったか?

 

なんか、沙希と菜々美の2人が、お前バカ、だから志保には黙ってたのに、みたいな表情でこちらに訴えかけている。

あ、ごめん。

2人は気遣いができる子だったね。私無理だわ

 

「…なに、それ、聞いてないんだけど」

 

ここで、平田以外にもイケメンなんてたくさんいるよ!なんて言えば殴られるし、平田のことなんて忘れちまえ!なんて言えば殴られるし、平田のどこがカッコいいの?なんて言えば殴られた上に、絶好されるだろう。

恋愛で、友情は崩れさるんだ。特に女子はね。なんでだろうね。

私のこと遊びだったの?

 

「とりあえず、次移動教室だから。移動しようか」

 

「ッ、ばが!!」

 

涙目の志保に殴られた。私は選択を間違えたらしい。

沙希と菜々美に睨まれた。

気を遣うってこんなに難しいことだったんだね。無理だ。

 

まあまあと志保を猫撫で声で宥めつつ、次の授業の教室へと向かう私たちであった。途中でDクラスの連中とすれ違った。Dクラスのこちらを見る目は鋭いものだったが、私は志保のご機嫌取りで精一杯だったので、気には止めなかった。

 

 

 

 

授業中、私はホワイトボードをノートに書き写しながら、なぜCクラスは他クラスと、仲が悪いのだろうか。と答えが出ない問題に挑戦していた。

それは難問で、授業が終わっても、私は解くことができなかった。

 


 

 

 

「めっちゃウケるわーw落ちこぼれクラスが勉強してんだけど」

 

「ちょッ、聞こえるって」

 

「志保ー、ここ解き方違うよ。」「えっ、」

 

「ナイスー倫」

 

「沙希も違う」

 

「えーー」

 

 

テストまであと一週間、残りわずがの勉強会だ。図書館を見渡すと、他クラスの生徒たちもテストに向けて勉強をしているようだった。本を読んでいる生徒は少ない。

オレ綾小路は、櫛田に頼まれて堀北主導の勉強会に参加していた。

最初の頃は、堀北と須藤の相性が悪すぎて勉強会どころでは無く、どうなることかと思ったが、この様子だと、まあなんとか良い形でテストを迎えることができそうだ。

櫛田に鼻の下を伸ばして勉強にイマイチ集中できていなかった山内や、池もテスト一週間前にでもなれば、真面目に取り組むようになっている。

 

「お前…あと一週間でテストだっていうのに余裕そうだな。綾小路、案外頭良いのか?」

 

須藤たちを横目で眺めながら、赤ペンで答案の丸付けしていると、山内は集中が切れたのか、そんなことを言ってきた。

 

「いや、特に得意でもないぞ。こう見えても焦っている。」

 

「お前ほんと無表情だよなー」

 

山内は、思ったことを特に考えずにすぐ言うタイプの生徒だ。

 

「山内言い過ぎだっての」

 

池がオレをチラチラ気にしながら、軽い口調で山内の肩をぽんぽんと叩く。

山内は注意されたのを感じたのか、わかりやすく不満気な表情をした。

 

「なんだよ池。本当のこと言ってるだけだろ、お前も前言ってただろーが」

 

「な、き、気にすんなよな綾小路」

 

「ああ」

 

池は気まずそうに勉強に戻り、山内も「だーりぃー」といいながら勉強を再会したので、櫛田がいる手前、勉強を続ける気持ちはあるようだった。

 

 

 

「おい、お前らDクラスか?」

 

一週間ほど前から感じていた視線の1つ

ようやく、接触してきたようだ。

 

「は、なんだよ」

 

声を掛けてきたのは、平均よりも体格の良い男子生徒だった

強気な言葉はそういう見た目も要因なのだろうか。

 

山内は喧嘩を売られたと思ったのか、口調は荒く喧嘩腰になる。…普段からも男子生徒にはこんな感じだったかもしれない

女子生徒になると態度が急変するのだ。

 

「というかなあ。フランシス・ベーコンだか盛り上がっているところ悪いが、テスト範囲外の勉強してなんになんだ?そんなだから、落ちこぼれなんだよ」

 

男子生徒はオレたちを心底バカにしたように嘲笑う

 

「…それは、どういうことかしら」

 

流石に黙って聞いていた堀北にもその言葉は聞き捨てならなかったのだろう。なにせ、テストで好成績を取るためにテスト範囲の勉強は鈴音にとって重要なものだからだ。

 

男子生徒は堀北の質問に一瞬困惑するが、すぐに納得した表情をみせ、一段と声を張った。

 

「あ?テスト範囲が変わったの知らねーのかよ。それとも覚えるオツムがねぇーのかね?ッはは、馬鹿はやっぱ記憶力がなくて困る」

 

「んだとテメ」

 

須藤がカバと言われて男子生徒に掴みかかりそうになる

 

「馬鹿はお前だ」

 

「このやろッ」

 

男子生徒の後ろから低い声がした。だが、須藤は男子生徒が再度馬鹿にしてきたと思い、殴りかかった。まずいな

騒ぎが起きれば勉強どころではなくなる。それにもっと大きな問題になり得る。

 

「ちょい待ちたまえよ。それ以上やったら怒るよ?私はキホン優しいけど、馬鹿は許さないから」

 

胸ぐらを掴まれた男子生徒と須藤の間に割り込んできた人物は派手な女子生徒だった。Dクラスでいうところの、軽井沢みたいな感じの雰囲気を纏っている。ギャルだ。

 

「あ?だれが馬鹿だっ………鈴木、さん

 

男子生徒は知り合いなのだろう。見たところ、同じクラスだろうか?

 

「あれ?小宮くんじゃん♡同じ雇い主を持つ者同士、苗字じゃなくてバイトリーダーって呼んでくれるかな?キモいんだよ。マジお前ぇーうるさいのね。わかるかなあ?私のプライベートポイント引かれるのーーー……騒ぎ起こすなや、

 

女子生徒はにこりと笑いながら、男子生徒の肩に腕をまわし、顔を耳元に近づける。なにも状況を知らずに見れば、思春期の身からすると羨ましい距離感である。された男子生徒の表情は硬いが、

 

女子生徒は聞こえないように耳元での発言だったのだろうが、まあ……オレの耳は脅しているとしか思えないセリフを聴き取ったので、羨ましいとは感じ無かった。

女子というのは、ああいった低い声も出せるのかと少し感心した。

 

「うわー倫怒らせたー」

 

「こわーい」

 

「てか、なにDクラスに情報渡してんの小宮?アホかよ。使えな」

 

「大丈夫だいじょぶ。Dクラス範囲わかったところで、覚える頭ないもーん(笑)」

 

 

りん、と呼ばれた女子生徒はどうやら友達と図書館に来ていたようで、女子3人が揶揄うように、会話に参戦してきた。

…このクラスは、口が悪いものが多いのだろうか

一般的に、全て褒められた発言ではなかった。それに思うところがあったのか、女子生徒は露骨に顔を顰める反応をみせた

言葉の親しさから友達のように思えるが、仲が良くないのだろうか?

 

 

「わ・た・し・のプライベートポイント引かれるから、やめよ?監視カメラがないところで貶せばよくない?トイレとかさあ、陰口スポットやん。場所考えて楽しもうよ。」

 

「「「ごめんって」」」

 

オレはこの4人は仲が良いかはわからないが、似たような人間同士だということを理解した。

 

「わかってくれたならいいよ。Dクラスの人たちごめんね。じゃ、テストお互いに頑張ろうね。小宮くんもさ、ね?チクっちゃうぞー」

 

「小宮乙。じゃばいばーい」

 

「ちゃお」

 

「お腹減ったー、カフェいこ」

 

「いいよ。カフェ監視カメラないし」

 

「やさしー倫」

 

 

女子4人は言いたいことをひと通り言って満足したのか、ひらひらと手を振ってもともと自分たちが勉強していた机へと帰っていった。

 

「……落ち、……せいぜい、頑張れよな」

 

残された小宮という男子生徒は先程言われたことを思いだしたのか、暴言を言うのを躊躇った後、よくわからない捨て台詞を吐いて、図書館から出て行った。

 

それを見届けた後に、堀北は大きな溜息を吐いた。

 

「……どういうことかしら」

 

声からも、表情からも焦りがみえた。苛立ちもあるようだ。

まあ…あれだけ、貶されれば無理もないか

 

「ちょおい、テスト範囲が違うってどういうことだよ」

 

「それ、本当ならヤバイって!!てか今まで勉強したの意味ないじゃん!!」

 

状況がやっと飲み込めたのか、山内と池が本領発揮とばかりにぎゃあぎゃあと騒ぎだす。

堀北がこめかみをおさえる。

先程、倫という女子生徒が丁寧に監視カメラのことを説明してくれたのを忘れてしまったのだろうか。そして2人が騒いだことで、司書の人が注意をしに来て、オレはポイントが引かれることを確信した。

節約生活しないとな

 

 

「綾小路くん、先生に聞きに、職員室にいくわよ。」

 

「もし本当なら、みんなに伝えなきゃっ!!」

 

山内と池の2人は司書の人に本当に悪いと思っているのかと思うような謝罪を行い、堀北と櫛田の2人はというと、テスト範囲の変更について、いち早く知りたいようだ。

 

そして、オレはというと

 

 

「うちー、ラテ飲みたあい」

 

「確かなんか今、期間限定の苺のケーキ売ってるって、スマホでみた。あ、これこれ見て…ちょーマジ可愛くない?」

 

「え、ピンクやばー」

 

「倫はなにするー?」

 

「ん?志保と一緒のにするー」

 

 

自分たちが使っていた机を片付け、筆記用具やノートを持って楽しそうに図書館から出ていく4人の女子生徒の後ろ姿をオレはみていた。

 

 

男子生徒が鈴木と言っていたので、苗字は鈴木。下の名前は()()()()()()()()が、りん。

……鈴木()()

 

他クラスとはいえ同じ学年ならば、3年間で一度くらいは関わる機会があるはずだ

 

覚えておいて損はないだろう。

 

 

 

 


 

 

そして、すぐにその時の判断はただしかったことが証明される出来事が訪れる。

 

須藤とCクラスの暴力事件のために生徒会が設けた場所に、鈴木()はいた。

初めて会った時と変わらず気怠さをはらんだ目、表情。

ただ違うのは、口が弧を描いていることだ。

 

「んー、須藤ギルティで良いと思いまーす。石崎は馬鹿だけどー殴ることはないじゃん?暴力は振るった方が負けなんだじぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慰謝料払えよ

 

 

 

 

オレの想定だと、今回の暴力行為の訴えは、訴えたCクラス側によって取り下げられ、この場での落とし所を決める話しあいはキャンセルになるはずだったのだが……

 

いま、こうして机を挟んで向かい合っているのが現実だ。

対石崎用に行ったハリボテ監視カメラはどうやら、鈴木の介入により失敗したようだった。

 

さて、ここから鈴木はどうでてくるか

 

 





綾小路に目をつけられた時点で詰みだ
綾小路の性能おかしいですよ。誰だよ作ったやつパパああ!!
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