モブはAクラスにいっきまーす!!   作:軽井沢に冷水かけたい龍園そこ変われ

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相変わらず忙しいのですが、まだ、なにひとつ試験を書いていないことに気づいたので投稿です。
今回全く進まないし、オリ主は性格悪い


6.不安

 

 

 

無人島へのバカンスが目と鼻の先にいよいよ近づきつつあった。

私は憤りを隠せない。

 

「マジ暑すぎ」

 

「………」

 

 

最近とっても暑いのだ。

 

学校にいても暑いというのに、無人島に行って太陽の下に晒されるなんて、あってはならないことである。

だがこの学校、蓋を開けてみれば、悲しいかな。あってはならないようなことがてんこ盛りであることが現実であった。

 

坂上Tが言っていた()()島へのバカンスというワード。

 

バカンスと言われたら、聞こえがいい。

私も最初はテンション上げだった。

 

「ねえ、話聞いてるー???」

 

 

だか、バカンスの前の無人島という装飾でもう駄目だ。どうにもきな臭い匂いがする。

国が管理してんだろうけど、どこの島よ。無人ってなんだよ。人いろよ。いてくれ。

 

無人ってことは、人が住んでないことになるわけで、設備とか無いような気がする。

 

すると、もしかしなくても、こんなことが起こる。

 

人がいないんですよー無人なんでプライベート空間!!あ、人いないんで施設の管理は難しいので、屋根ある場所はないですね。あ、エアコン?ないない。

 

おい、サバイバルかよ。

 

 

「聞いてる、聞いてる。…マジヤバくねー、ありえないんだけど」

 

無人島という言葉からは、涼しいとかいう概念存在しなさそうに感じるのは、私だけですか?

 

これはこの学校がゴミだと仮定したときの最悪の想定である。

 

そして、この学校はゴミだ

 

どうしよう。マジで私の予想外れてくれ

 

夏にサバイバルはやだ。キャンプどころの規模じゃねぇ

 

 

 

船もあたおか案件である。暑さで汗だくになった肌に海の潮がくっつくあのなんともいえない不快感。

最悪とまでは言わなくても、嫌だと思うのが普通だ。

 

「はーまじさいあくなんだけど」

 

「言い過ぎだってw」

 

 

最近の若者は最悪という言葉を軽視している。なので、私はここぞというときが来たときにしか使わないようにしていたりする。いや、最悪な出来事なんてない方がいいのだけれど。

というか、週一で使っている気もする。なんなら今し方使ったような気もする。女子高生には「最悪」は基本的な日常会話なのだ。言葉の引き出しが少ないよね。

 

なんでもかんでもヤバいで済ますのマジヤバくねって思う。

 

 

「マジ死ねっていうかーw」

 

これ、普通の会話なんだぜ?ヤバくね?志保が普通じゃないのか?もうよくわからない。

 

でも、冷静に考えて、普通の会話をしてたのに殺意がわくのは情緒がおかしいと思うんだ。

 

「志保言い過ぎだって」

 

「え、ヤバー」

 

私もかなり毒されてしまった。私も案外口にしているのかもしれない。

志保のことを悪くは言えない。

 

志保は口悪いし、性格良くない。ソレと友達の私もまた、性格は悪いのだろう。

 

ヤバ過ぎて草生える

 

 

「椎名……お高くとまりやがって」

 

 

え?ごめん話聞いてなかったんだけど、なんかみんな顔怖いよ。え、こわ

 

 

「倫もそう思うよね」

 

「あ、うん」

 

え、こわいんだけど。あ、いつもこんな感じだった気がする

 

 

なーんだ。

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、図書館は異様な雰囲気でいつもと違う空気をしていた。

どこか、落ち着かなく、どこかうるさかった。

 

普段の図書館は落ち着いた、それでいて澄んだ空気をしている。呼吸をすれば、紙の匂い。静かだった。

 

図書館の中心には、見えない神聖な領域が存在し、そこには天使が降臨していた。

 

それが、今日はいつもとは違う。

 

そう、ギャルが降臨していた。

なんちゃってギャルであった。

 

滅多に来ない図書館に、鈴木倫は来ていた。

 

奇しくも座っている椅子は、いつも天使が降臨する場所である。

 

天使をいつも見守っている男子生徒たちは、ギャルを怪訝な顔で遠目から観察していた。

少しの敵意と、興味を添えて

敵意が混じっているのは、ギャルの隣にいる人物が原因であったりする。

鈴木倫の隣には、メガネをかけた男子生徒がいた。

 

 

「で、ここの天使様可愛いよなw」

 

「わわ、わかります!!僕本当にこのシーン好きでッ」

 

 

ギャルの手元には、文庫があった

ブックカバーがしてあるのを見るに、私物なのだろうか。

 

「この、庇護欲をそそられる容姿と、儚くも力強い精神。いいよね」

 

「そばにいて守りたいけど、頑張っている姿がまた凛々しくて……それでっ」

 

遠目から見ても、かなり会話が盛り上がっていることがわかる。

ギャルの楽しそうな笑い声が上がるたびに、遠目から観察する視線は鋭くなった。

 

いいな。俺も話したい。それが視線に込められた思いだった。

 

 

コツコツコツ

 

小刻みで、それでいて軽い音。ローファーの音だか、普通とは違う音。

彼らには特別な音。

ギャルから、その音を出している人物に視線が動いた

 

天使が図書館に降臨した

 

軽い心地よい音が規則正しく図書館に響く。

が、天使はいつも自分が座る椅子に人がいることに気がついたため、音が止まった。

 

天使はその人間に興味が出たのか、またいつもの椅子に歩みを進める。

規則正しい音が再開され、また止まった。

 

どうやら天使は人間に話しかけることにしたらしい

 

 

「鈴木さん。こんにちは」

 

「ひゃ、は、、い……し、椎名さん」

 

天使の名前は椎名ひより

図書館に通う男子生徒が神聖視している女子生徒であった。

 

彼女は神聖視されているので、誰も関わらない。話しかけない。

なので、彼女が言葉を発する機会はカウンターでの司書との少しの会話のみであり、天使の声に彼らは脳処理のキャパオーバーを起こした。

 

ギャルの隣にいた男子生徒にもそれは当てはまるようであった。

声をかけられてもいないというのに、返事をしてしまう。

 

 

「こんにちは」

 

椎名は別段そのことに気を悪くすることもなく、何も感じず。ただ、返事をした男子生徒の方をみて、ふふっと微笑み、挨拶をした。

 

その微笑みが、天使のようであり、ミステリアスな雰囲気が、神秘的さを際立たせていた。

 

 

男子生徒は脳の処理が限界を超えて、完全に機能を停止してしまった。

 

そんな、男子生徒の様子に気づいていないのか、それとも興味が無いのか、椎名は、鈴木の方に改めて向き直った。

 

 

「鈴木さん。珍しいですね、なにを読まれているんですか?」

 

最初の会話は、本だった。

流石、毎日図書館通いをしているだけある。

 

「んー?ああ、椎名ちゃん。やほー」

 

2度目の呼びかけでギャルは本から椎名の方に視線を移した。

状況を整理するために、男子生徒を横目でチラっと見ると、男子生徒は椎名の方を見たまま固まっていた。

 

ギャルは、鈴木は、全てを察した。

 

鈴木は、男子生徒と会話をしていた時とは違う、面白くなさそうな目で椎名をみた。

 

面倒なやつに絡まれた、とその目は語っていた。

 

 

「…ああー、これね。[図書館の天使様が俺のことずっと見てるんだが]って本。ラノベだね。」

 

「このヒロインの子がね。天使なんだけど、ふわふわしてて高嶺の花みたいな子でちょー可愛いんよ。」

 

「でね、主人公のことを何故か好きなんだよ。…一途なんだよねこれがまた可愛いくてさ。」

 

声からは少し気怠さが感じられるが、その本が好きなのか、案外登場人物を熱く語った。

 

「恋愛ものですか。」

 

「ま、そんな感じね。ちょっとコメディー寄りだからー……ジャンルはなんて言うんだっけ」

 

「私はあまり見ませんが、ラブコメ?というものでしょうか」

 

「そう、それ。」

 

「サクサク読めるから、好きなんよね。ウチと違って椎名ちゃんは相変わらず難しそうな本読んでるね」

 

 

鈴木はやはり面倒くさいのか、話を終わらせようと思ったのか、椎名の手にある小説を指差した。

それは、椎名が最近特に熱中している本だった。

その行動はまずかった。

 

 

その日ギャルは地獄をみた。

図書館にはもう来ないと誓い、椎名にほんのちょっと苦手意識を持った。

 

 

実はいうと、普段椎名が図書館で会話をしている様子が見れないのは、生徒からの神聖視以外にも理由があったりする。

 

天使は本の話になると、止まらない

 

 

 

私あいつ嫌いカモ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴木が椎名への好感度がマイナスになってから数日。

食堂でいつものようにグループの女子でご飯を食べていた時だ。

「水を取りいってくるー」と言い、席を立ち1人になると、見覚えのあるようなないような男子生徒が突然話しかけてきた。

 

 

「鈴木さんッ、!あの、もし……そのよかったら、またラノベ一緒に読みませんか!」

 

図書館で一度話した男子生徒だった。

 

男子生徒は、ギャルと会話をしたあの日以来、図書館の居心地があまり良くないようになった。

前までは、自分に注目されるような視線を感じなかったのだが、ギャルと喋ったことで少し目立ってしまうようになってしまった。

 

それは、ほんの些細なことであるように思える。実際そうなのだが、男子生徒からすると、0が1になっただけでも、違うのであった。

 

 

そこで、彼は、なぜがまたギャルと喋りたくなった。

彼女は、Cクラスの生徒であることを知った。いや、もともとなんとなくは知ってはいた。顔が可愛いとクラスの生徒が話しているのをチラッと耳にしたことがあったからだ。

 

彼女のことを自分なりに調べてみた。調べると言っても、可愛い女子のことに詳しい同級生の男子に聞くだけだが。

 

そこで、出てくる出てくる陽な噂。

彼氏持ち、しかもバンドマン、Cクラスの一軍女子グループ、学年テスト成績上位、複数人の男子とショッピングモールで遊んでいる目撃情報、週一でカラオケに行っている、ビッチ、などなど

 

同じ学校にいるというのに、自分とは似ても似つかない日常を聞き、男子生徒はひよってしまった。

 

が、食堂で彼女を見て、あら大変。

何故か、自分の足は勝手にギャルの方へと向かっていたという。

そして、すぐにその衝動的な行動に後悔することになった

いや、ある意味当然の結果だったと言える

 

「ん、ああ?えっと、私天使ちゃんアンチ勢だから……話合わないと思うよ」

 

「え?」

 

 

勇気を出して、誘った。断られる覚悟は多少はしていたつもりであったのだが。

が、まさかの断られ方に目を丸くして、思わず疑問が口から漏れてしまった。

 

ギャルは何故か男子生徒に優しかった。

適当にあしらうわけでもなく、ちゃんと丁寧に説明してくれるようだった。

 

「天使ちゃん好きなんでしょ?見たらわかるよ。ごめんねーアンチ。つまり敵サイドなんだよ」

 

 

突然のカミングアウト。この前楽しく小説について語り合ったあの時間はなんだったのだろうか。

楽しんでいたのは自分だけであったのか。

 

男子生徒はショックを受けてしまう。それと同時に、では、アンチなのに何故あの小説を持っていて、あそこまで話すことができたのだろうかと、また新たな疑問が浮かんできた。

 

「あ、

 

 

が、男子生徒が疑問を口から出すことは突然の乱入者によって叶うことはなかった。

 

 

「ちょっとー!!倫!なにしてんの!?水、取り行くのに時間かけすぎーーー!!!そんなメガネと話してないでさ、甘いもの食べよー」

 

 

言葉の1つひとつに棘を感じる女子生徒であった。

それは男子生徒が苦手とするタイプの人間だった。初対面だというのに、「そんなメガネ」と言われ、印象は最悪だった。

 

そんな印象最悪な女子生徒とギャルの優しい鈴木さんはどうやら友達らしい。

会話や距離感からわかってしまい、その事実を男子生徒は信じたくはなかった。

 

 

「はいはい。おけまる。ってことでばいばいだよメガネくん?」

 

「…あの、」

 

「メガネしつけぇんだよ。」

 

 

印象最悪な女子が毒を吐く。

男子生徒は、ストレートにここまで言われたのは初めての経験だった。

いよいよ、男子生徒はギャルに声をかけたことを本気で後悔し始める。

 

「よしよーし。発作だねぇ」

 

「なにソレ」

 

「ん?志保には糖分が足りてないんだよ。はやく甘い物食べよう。」

 

「誤魔化された気もするけど…まあ、いいや。行こ」

 

 

 

「メガネくんごめんちゃい⭐︎」

 

 

ギャルは刺々しい友達の背中を強引に押して、男子生徒の方に顔を向けて本気で悪いと思っているのかという謝りをした。

まあ、悪いとは微塵も思っていないだろう。

 

グイグイと勢いよく押して去っていった。

 

 

取り残された男子生徒は数分その場に立ちつくした

 

何故か、なぜかはわからないが、男子生徒は鈴木に話しかけるために情報を集めていたときのことを突然思い出した。

今思えば、馬鹿なことをしていたと思う。

合計1000円くらいの情報料を払ったのだが、そのなかにこんなものがあった。なぜ、今それが頭に浮かんだのかはわからないが

 

 

「鈴木倫の情報をもっと知りたい?追加で菓子ひとつ分な。

 

 

 

……んー、これは、不確かな情報なんだけどな

 

 

 

 

 

中学時代にいじめの加害者だった。とか、どうよ

 

 

あ?そんなことするような人じゃない?

まあ、確かにそうだよなあ。優しいもんな鈴木さん。俺も喋った時めっちゃ印象良かったし、まあ、根も歯もない噂だな。

 

仕方ない…じゃあ、お詫びとサービスだよ。持ってけ泥棒!

鈴木さんのカップはおそらく…」

 

 

 

 

 

 

Cクラスで椎名が完全に孤立した。

 

もともと、本ばかり読んでいて会話をしないので、余計に孤立化は速く、完璧だった。

 

本人も特には気にしてなさそうだ。

そういうスタンスで普段行動しているのだろうし、まあ、孤立化するよねという感じである。

逆にあんなので、友達ができるわけがない。

アレで友達になってくれるのは、友達いないやつか、お人好し、もしくはワンチャン狙っているやつだけである。趣味わる

 

監視カメラがあるので、直接的な嫌がらせ。物を隠す、壊すだったりはしていない。ただ、あいつオモンナイから関わらんとこ。みたいな。

 

まあ、私はクラスポイントが減らないならなんでもいいよ

ほどほどにしてよね、志保。まあ、やるなら尻拭いはしてあげる

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「鈴木!!恥を忍んで頼む!俺を強くしてくれ!!」

 

石崎が、ウインクして顔の目の前で手を合わせている。

なんかの、儀式ですか?女子がやったら、可愛いポーズだと思うよ。断じてお前に需要はねえよ。あるのは一部の層だけだ。

 

「頼む!一生のお願いだ」

 

一生のお願いは一生のお願いではないことが世の常である。

信用ならないし、面倒ごとに巻き込まれるのはごめんだ。

 

「俺が出来ることは()()()()やる!!だから頼むこの通りだ。」

 

なんでも、これは危険な言葉だ。私がホモだったらお前に襲いかかっているところだぞ。こういう、危なっかしいところが可愛いいんだよ知らんけど。

お前…よく見たら可愛い顔してんじゃねえか、こういうことである。

言質取ったかんな

 

「お前の貞操を守ってやるよ。人肌脱いでやろう」

 

「て、ていそう?なんで今そんな話になるんだ?」

 

「馬鹿と純粋のダブルコンボは最悪だぞ。もうそれは悪だ。」

 

「は?さっきから何言ってるかわかんねーんだが」

 

「はあ、私もわかんねーよ」

 

コイツと喋っていると疲れる。話が進まないし、馬鹿だから理解もできない。まあ、怒って言語を放棄するわけではないので、マシと思うことにする。

案外、こういう馬鹿には拳で語り合うという基本装備があるのかもしれない。やってみるか。

 

とりあえず、殴る。

言語を放棄して暴力に訴えかける本当の馬鹿は私かもしれない。

まあ、殴るが。

 

「いってえええな!!急に何すんだよ」

 

「お前が喧嘩したいって私に言ったんだろ?」

 

「違う、強くして欲しいって言ったんだ」

 

いや、アルベルトか龍園にでも聞くことだろそれは。私に言ったとて仕方がないだろうよ。私は喧嘩のけの字もしらない乙女なんだからな。

 

「お前、龍園さんとタメはれるってアルベルトから聞いたんだ」

 

お前はなにを阿呆なことを。雇用者と労働者の間には大きな差というものがあってだな

 

「だから、喧嘩を教わるにはお前が最適だって言われて…アルベルトは元々のスペックあっての強さらしいし……龍園さんにはちょっと、な。頼めねえっていうか……」

 

石崎は恥ずかしそうに頬を掻く。なに?私のこと好きなの?

アルベルトもアルベルトだ。どうなったら、こんな二の腕の脂肪が最近の悩みな女子高生にそんな信頼があるのだというのか。

これが、人望というやつか。

……もう少しまともな人からの人望が欲しかった。喧嘩……まあ、教えるか?いや、なにを教えればいいのよ

刃牙を読めばいいんだ。ああ、一件落着

 

「改めて、頼む!!教えてくれ師匠!!」

 

あ、もうお前の師匠になったんだ。へー、なにか今までの会話で凄い役立つようなこと言ってたんだ凄、私天才やん。知らん間に、才能開花

 

「真剣な話、いや、喧嘩に真剣もクソもないんだけどさ。コツとかそんなもんねえよ」

 

喧嘩は、思考を停止させてするものだから、そこにコツとかは存在しない。フィジカルと、あとはセンスだ。

まあ……龍園とかは常に思考を途切らせずに喧嘩してそうだけど、なんかインテリ系不良だよな。テストの点数悪いけど、テストの点数悪いけど。大事なことなので2回言いました。

クラスポイント減るんですよ。つまり私のプライベートポイント減るんですよ。な?勉強会しよ?数学やろ?とりあえず公式覚えようか

 

「そんなことよりさ、勉強しようよ」

 

「は」

 

コイツは龍園より馬鹿だ。公式ろくに覚えてねーだろう。な?お前も勉強しよう。喧嘩したって、クラスポイント減るだけだ。喧嘩よくない、校則に書いてあるんだなこれが

ちなみに常識ね。

 

「茶化すなよ。俺は、真剣に言ってんだよ」

 

喧嘩に茶化すもなにもねーんだよ。

はあ……監視カメラがないところで喧嘩しろよな

 

「お前がカバだってことがわかったよ。でもな、マジで私がお前に、喧嘩について教えられるようなことは無い。」

 

ごめんね。は言わない。

何度も言うようだが、喧嘩にはごめんもクソもねぇ。喧嘩は喧嘩で。暴力でしかないんや

 

「まあとりあえずさ、茶でも出すわ」

 

「なんか、わりぃな」

 

改めて、正面の石崎を見た。

少し落ち着きがなく、ソワソワしている。なんとなく、その理由は察せた。だって、今いる場所。女子寮、私の部屋。

 

ショッピングモールから帰宅すると、私の部屋のドアの前にガタイのいい男が立ってる状況は普通に恐怖だった。

「お前なにしてんの。ストーカー?」「いや、ちょっとお願いがあってさ……」石崎がいつになく真剣な顔で大事な話があるなんて言うものだから、つい部屋に上げちまったよ。今更だが、女子としての危機感ねぇなおい。

 

「ごめーん。お茶ないわ。水かオレンジジュースで」

 

「じゃあ、オレンジジュース」

 

なんか、腹たってきた。

よく考えれば、図々しいやつだな。押しかけて、部屋上がって、オレンジジュース飲むなんてよお。水道水飲めや

 

まあ、いいけどさ

 

「なんか食べる?はっぴーなお菓子あるよ」

 

「ん?懐かしいなソレ」

 

もう、ここまできたら、親戚のおばちゃんくらい甘やかしてやらあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「………」」

 

 

ゴクッ

 

バリバリ

 

オレンジジュースを飲む音と、咀嚼音だけが部屋に虚しく響いていた。

さっきまで普通だったのに、突如として気まずくなるアレ。

 

 

 

「あー、ゴミ箱どこだ?」

 

流石の石崎も、気まずい空気にぎこちない言葉で話す。

 

「ああーこれね、はい」

 

私もぎこちない動作でそれに返す。

 

丸いゴミ箱を渡した。石崎が、食べ終わったお菓子の包み紙を捨てる。

こういう細かい行動は好感度上がるポイントだな。わかってるやん

 

私の中で石崎の評価が少し上がった。

 

「?なあ、なんでゴミ箱に本入ってんだ?」

 

そしてまた、評価を下げた。

人の家のゴミ箱の中についてとやかく言うのは駄目だろうよ。

やっぱカバだな

 

 

「そんなのゴミだからゴミ箱に入れてんの。それ以上も以下もないよ。」

 

「もう、この本読まねえのか?」

 

「うん。いらないかなあ」

 

「へえ、お前本読むんだな。[図書館の天使様が俺のことずっと見てるんだが]ふーん。マジか、以外だな。真鍋みたいに雑誌ばっかり読んでいるんだと思ってたわ、俺」

 

「ん、まあね。ファッション雑誌は一応チェックはしてるよ」

 

「この本面白いのか?」

 

 

 

「うーん…石崎だからいいか。

ネタバレになるんだけどね。いろいろあって天使様が堕天するシーンがあるんだけど、それがもう痛快でね。可哀想なんだよ」

 

「可哀想なのが、痛快?」

 

「そう!!愉しいの!!」

 

「よく、わかんねぇな。でも楽しいのに、捨てちまうのか」

 

「うーん、まあ……うん。志保とかこういうの好きじゃないし。バレたらあー、みたいな」

 

「…お前って、いつも真鍋に合わせてるよな。それ楽しいのか?」

 

「グループってそんなもん。石崎も龍園のイエスマンでしょ?龍園が言ったことに逆らえる?」

 

「…龍園さんは怖いし、頭が良いから俺が考えたことよりも龍園さんの方が正しいから…逆らわねぇ」

 

「ね、そういうこと」

 

「お前は真鍋よりも頭良いだろう。」

 

「んふっ、それは女子だからね。志保の方が影響力が強いんだよ。」

 

「よくわからねぇ…」

 

「それずっといってんね」

 

「「…………」」

 

 

 

 

沈黙がまた続いた。

 

 

 

 

 

沈黙を破るのはいつだって阿保だ。

 

 

「なんか、思ってたよりも普通の部屋だよな。」

 

 

 

 

 

は?

 

沈黙が辛くなったのか、石崎がぼそっと声を出した。

喋るのは良い。むしろ気まずいのは嫌なのでウェルカムだ。その内容に問題があるだけで

 

余計に黙って無表情になってしまった私を察したのかは知らないが、石崎は慌てて言葉を続ける。

 

 

「いや、普段派手だしよ、部屋も派手なんだろうなって」

 

 

……ここで、高校デビューの弊害が出てしまった。やべ、ギャルは部屋も派手か、そうか。まあ、もう諦めたからいいけど。自然体が楽よねやっぱ。

いまだに、見た目はギャルなんだけど…

やめるにやめれないよね、もう。

…中身というか実態が伴ってないから充分詐欺なんだよなぁ……

ちょっと騙してるみたいで、引けるよね

 

 

「学校では真鍋に合わせてんのかなって、この部屋みてそう思っちまって……これが、本来の鈴木なのかなって。なんていうか、普段の派手な鈴木も、もちろん良いんだけどよ」

 

 

「俺は、派手じゃない鈴木も好きだぜ」

 

 

 

うん。わかった。お前のこと今回でよくわかったわ。

もう、帰れ。自分の部屋に帰れ。そして二度とくるな

 

よくもそんな恥ずかしいセリフを面と向かって言えるな。

お前今日おかしいぞ。酔ってんのか?シラフだとは思えない。未成年飲酒で学校に突き出してやる。

 

教室で大勢がいる中で冗談で言うならばわかるけど、2人きりの時に、しかも彼氏いるやつに、そのセリフはわからんよ。マジで

 

顔をみるからに、無自覚だよな。

いや、無自覚じゃないと逆に困るんだけど。彼氏持ちにそのセリフはないわ(2度目)

コイツ、やっぱ馬鹿で純粋すぎる。(2度目)

 

「帰れ」

 

「は、いやまだ喧嘩について教えて貰って」

 

私はアルベルトを電話で召喚し、石崎を回収させた。

いやー持つべきものはアルベルトだな。

 

アルベルトにBOSSって親しまれている(?)龍園のことを少し羨ましく感じる出来事であった。

 

 

 

 

 

 

「鈴木、昨日の夜は悪かった!!俺……突然お前の部屋に押しかけちまって…それで……」

 

 

「は?」

 

次の日の朝、なにトチ狂ったのか、石崎が教室でそんなことを言ってくるので、志保たちに変な疑いをかけられて、事情聴取ごっこをするハメになった。

 

このノリキッツイ

グループ抜けたい。

 

 

 

 

 

抜けれないよ

 

石崎を1日パシリにした。普段龍園のパシリをしているから、このくらいどうってことないよな?あ?なんか文句あんのか

 

 

 

それはそうと、志保が最近酷く荒れているんですが、誰か心当たりあります?

 

 

 

 




こんな内容になるはずではなかった。
そして、なぜか長くなった。

原作でも椎名は女子から浮いてると思いますよ。真鍋が女子の中心でいる限り治安は悪いですよ。ハブられるのは当然ですね。あ、伊吹も
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