これは…岡部倫太郎が椎名まゆりを救う為に、ラボメン以外にも協力を要請する友人が居たとしたら。というありえたかもしれない世界線の話だ。
「はあ…はあ…はあ…はあ」
「待って~オカリン、まゆしぃのかいちゅー壊れちゃったのです。」
まただ…またこの台詞が出てしまった。この台詞の後、必ずまゆりは死んでしまう。最初はラウンダーの襲撃で桐生萌郁に撃たれて、まゆりを外に連れ出しても追跡者に捕まり殺される。逃げ切ったと思ったら車に轢かれる。まるで【世界】がまゆりの死は決定事項だと定めているかの様に…
「まゆりお姉ちゃ~ん!」
ドンッ
「あ…」
シスターブラウン、天王寺綯がまゆりにいつもの様に抱きつこうとして躓き、まゆりを押した。油断していたまゆりは軽々と、まるで体重がゼロになったみたいに…ふわりと、飛んでいった。タイミングよく到着したバスの前に
「ああ…あああああ…ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
衝突音とバシャっと窓ガラスに広がる真紅の花。コンクリートの道路に倒れているまゆりだった物。そして傍らには破損した懐中時計
そして俺はラボに戻ってタイムリープマシンを起動するのだ。もう何回戻ったのか、覚えていない。
いつもの様に意識が覚醒すると、目の前にはこちらを不思議そうに見つめる男が居た。
「岡部くん。どうした?顔が真っ青だが」
慌てて周囲を見渡すとまゆりがいつも死んでしまう時間よりもかなり早い。何故時間がズレたのかはわからない。しかし、結末は変わらいだろう…どうしたら
「岡部くん!」
「あ…あぁ」
突然目の前の男が肩を掴んできた。
「岡部くん。いいか。僕の目をしっかり見て」
「……」
「ん。そしたら、ゆっくり息を吸って、吸って、吸って…吐いて。」
男の言う通りに深呼吸をする。不思議と精神が落ち着いた気がする
「うん。落ち着いたみたいだね。それで、何かあったんだろ?話してみないか?ってまともに話したのは初めてか。僕は秋山透、宜しくな。岡部くん」
「あぁ…秋山…実は」
俺は今までの出来事、未来ガジェット研究所…いわゆるラボの事に始まり、研究中に偶然、過去にメールを送る事に成功した事、優秀な助手の加入により、タイムマシン(仮)と名付けたが助手いわく、タイムリープマシンらしいが完成した矢先に謎の集団に襲撃を受け、幼馴染の椎名まゆりが殺されてしまう。タイムリープを繰り返し、やり直してもまゆりが死んでしまう事まで全て話してしまった。
「なるほど…何度やり直しても…か、なぁ岡部くん。君一人でタイムリープ?したのかい?さぞ、辛かっただろう。何度も何度も彼女の死を見てしまったんだな。最初の顔色の悪さの理由が分かったよ。その上で言わせてもらうが良いかな?」
「…構わない」
秋山は真剣な表情で一呼吸おいて口を開く
「岡部くん。仲間を頼れ」
「なか…ま?」
「君の言う、ラボメン。スーパーハカーくん?優秀な助手?どちらでも良い。相談してみると良い。門外漢な僕でも分かるよ。はっきり言って君一人では無理だ。」
そうだ…俺なんかでは無理だ。しかし、ダルや助手なら何かの突破口が開けるかもしれない。
「さっきまでとは表情が違う。進むべき道が開けたって顔だ」
「ああ!すまない。秋山、俺は行かなければならない!」
「うん。全部上手くいったら、君のラボメン達に会わせてくれよな」
「約束しよう!この狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真の名に賭けてな!!」
「狂気の…?鳳凰院?ま、まぁ頑張れ」
俺はラボに向かって走り出した。これはまゆりを救うために足掻き続ける、プロローグだ!
はい。シュタインズ・ゲートを見た。プレイした方々は話の展開を知っていると仮定した進め方になります。内容は少し変えていますが、基本的には岡部倫太郎を軸に主人公はサポートに回ります。そして岡部くんは紅莉栖と結ばれます。つまり主人公はヒロイン選び放題(笑)となるわけです。作者的に岡部倫太郎×牧瀬紅莉栖のカップリングが噛み合いすぎて間に入れる展開が想像出来なかっただけなのだが(笑)