バイオロイドサーヴァント   作:fuu349ari

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第43話「配信の波紋と、揺らぐオルド」

コレクター部隊の初陣から一夜。

ナイア邸の食堂では、昨日の配信の話題で持ちきりだった。

兄弟たちは端末を手に、コメント欄を次々と読み上げている。

「『よくやった!』って書かれてます!」

「『あのお偉いさんの顔、覚えたぞ』とも!」

バイトは静かに頷き、笑みを浮かべた。

「……感謝されるというのは、暖かいものですね。」

 

ナナミがジュースを飲みながら笑う。

「これで町の人たちも、うちらのこと、もっと見直すんじゃない?」

ハイネも頷き、パンをかじる。

「……それでも、簡単に終わるわけじゃない。奴ら、黙ってないだろうしな。」

その言葉にリラリが静かに寄り添う。

「ハイネ様、私たちがいます。……そして兄弟たちも。」

 

―――

 

一方その頃、オルドの会議室。

怒号が飛び交っていた。

「なんだあの配信は! 全世界に垂れ流しだぞ!」

「現場はどうなっている! 奴らを止めろ!」

「……貴様らこそ情報を漏洩させたんだろう!」

責任の擦り付け合いが続く。

「こんなだから我々は……!」

大人げない罵り合いの最中、別の幹部が冷ややかに言った。

「……子供たちにやられておいて、よく言う。」

 その言葉は会議室を静まり返らせた。

 

―――

 

その日の午後、ナイア邸では再び兄弟たちが集まっていた。

バイトは相談役として、いつものように兄弟の言葉に耳を傾ける。

「……私、昨日の戦い、怖かったです。」

「なら、戦わなくていいです。家事を極めてください。私たちを支えるのも立派な役割です。」

「……はい。」

 

別の兄弟が手を挙げる。

「ナイア様、またサバゲーをしたいです!」

「よし、いいぞ。次の時間割に入れておくからな!」

ナイアはホワイトボードに新たな枠を書き込み、にやりと笑った。

 

タイチとレントは少し離れた場所でまた作戦会議をしている。

「昨日の舞台、データは全部抜けたか?」

「……抜けた。けど、これで終わりじゃない。」

「だろうな。……次はどう動く?」

 レントが顎に手を当てて考え込み、タイチが口元を引き締める。

 

学園に戻れば、校長が穏やかに出迎えてくれた。

「君たち、よくやったな。学びの場は、いつでも君たちを歓迎する。」

その言葉が、ハイネたちの胸にじんわりと染み入った。

 

――だが、嵐はまだ去ってはいない。

次の戦いの足音が、確かに近づいていた。

 

学園の中庭は、昼休みとは思えないほどの熱気に包まれていた。

「昨日の配信、見たぞ!」

「ハートシールド、すげえな!」

生徒たちがハイネたちを囲み、次々に声をかける。

中には町からわざわざ訪れた人の姿もあった。

「先日はうちの子を守ってくれて、ありがとう。」

「配信見て感動した。俺もできることがあれば協力する。」

そんな言葉と共に、差し入れや小さな寄付金が集まってくる。

兄弟たちはそれを見て、目を丸くした。

「……これが、感謝……?」

「はい、そうです。大事にしましょう。」

バイトは優しく答え、仲間たちと共に頭を下げた。

 

―――

 

しかし、オルド側も動いていた。

地下の会議室で、再び声が飛ぶ。

「これ以上好き勝手にはさせん……」

「だが奴ら、思ったよりも強い。どうする?」

別の幹部が低く笑った。

「……ならば次は、本物を送ろう。かつてサイトが改造していた“コレクション”ではなく、我々が隠してきた試作兵を――」

その言葉に、会議室はざわめきに包まれた。

 

―――

 

夕暮れ、ナイア邸。

「よし、お前ら、聞け!」

ナイアがホワイトボードに新たな時間割を書き加える。

『応用戦術Ⅰ』『狙撃連携特訓』『サバゲー模擬戦』――びっしりと並んだ文字に、兄弟たちが目を輝かせた。

「参加は自由だ、でもやれるときにやっとけよ? 次が来たとき、後悔したくないだろ!」

ナイアの声に、兄弟たちは一斉に頷いた。

 

ハイネはその様子を見つめながら、リラリに小声で話しかける。

「……なんか、俺たちの方が学ばされてる気がするな。」

リラリは小さく微笑んだ。

「そうですね。ですが、それもまた“愉快”なのでは?」

その言葉に、ハイネはふっと笑った。

 

――広がる支援の輪と、迫りくる新たな脅威。

だが今ならば、仲間と共に前を向ける。

ハートシールドとコレクター部隊は、また次の戦いへと備えを始めるのだった。

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