バイオロイドサーヴァント   作:fuu349ari

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第65話「末っ子はみんなの“お兄ちゃん”」

ナイア邸リビングには、今日も笑顔があふれていた。

兄弟たちが庭に打ち水をしていると、近所の子どもたちが遊びに来ては無邪気な声を響かせる。

 

「ねえねえ、お兄ちゃん、末っ子だったの?」

「お兄ちゃんみたいだから、ぜんぜんわからなかったよ!」

そんな質問が飛び交いながら、子どもたちは嬉しそうにシグマの顔を見つめる。

 

シグマは照れたように笑いながら、微笑みかけた。

「うん、末っ子だけど……大好きな兄弟がいっぱいいるよ!」

その言葉に、子どもたちは笑顔で頷きながら、「大好き!」を返していた。

 

―――

 

一方、レントは市場を巡りながら商談に勤しんでいた。新会社設立の準備が着々と進行中だという。

その会社は「人とバイオロイドの絆を深めるアタッチメント開発」がテーマで、事業計画書をしっかり練り上げていた。

 

ナイアがちらりとレントの様子を見ながらつぶやく。

「機械とももっと、絆を深めたいな~」

レントは軽く顔を上げて、柔らかく微笑んだ。

「……検討しよう。」

その一言にナイアは察し、大きく目を輝かせた。 「よっしゃ! 出資会議も近いな!」

兄弟たちはにこにこと期待に胸を膨らませていた。

 

―――

 

そして、ハートシールドの活動経費からそれぞれ念願の自分へのご褒美を購入することになった。

 

ハイネは細く光るハイヒールを手にして、心が躍るような気持ちでそれを持ち帰った。

リラリが傍らでスニーカーの箱を持っている。

「リラリも……?」ハイネが少し驚いて軽く聞くと、

リラリは照れたように首を傾げて答えた。

「いいえ、これはハイネ様に……」

まるで心が通じているような二人の間には、不思議な微笑みが交わされていた。

 

仲間たちが「わあ、素敵!」と賑やかに言いながら、小さな祝福ムードが部屋に漂った。

 

―――

 

夜には玄関先に全員が集まり、リラリのスニーカーとハイネのヒールの箱が並んでいた。

「いつか、おそろいで履こうな!」

ハイネがにこりと言うと、リラリは静かに頷いた。

「はい、ハイネ様と一緒ならば、それが一番嬉しいです。」

 

―――

 

その夜、ナイア邸は穏やかな温もりが満ちていた。

末っ子はみんなの“お兄ちゃん”であり、これからも兄弟の中心で、ちょっぴり頼られながら大切にされていくだろう。

 

―――

 

夜、ナイア邸の会議室には、開発ドキュメントや試作品が並んでいた。

小さなキーチェーン型のアクセサリー――それは、お互いの位置情報を共有できる、鍵が二つ揃わないと開かない“絆の錠前”だった。

「試作品、概ね好評だったぞ! 使いやすいと大好評!」

ナイアがにっこり報告する。

「しかも、販路交渉も目処が付きつつある。学校、小売、ネット販売…」とレントが続けた。

 

―――

 

次に、高スペックの兄弟向けグッズ案の検討に移るが――

「兄弟の数が10以上いるのは想定外だ……」

レントが思わず愚痴る。

「おまえの兄弟は多すぎる」

「いいだろ?大家族で」

ナイアは胸を張った。

 

「普通にドッグタグとかでいいんだよ。考えすぎだって」

 

するとナイアはさっとポケットから取り出した何枚かの小さなタグをパッと配り始める。

「新作だ。これは個別データを内蔵したドッグタグだ。決済機能もついてる。各自ひとつ、おいで」

「お財布携帯機能までついてんのかよ!?」

レントは驚きと困惑が混じって叫んだ。

 

―――

 

シグマやバイト、兄弟たちが嬉しそうにタグを手に取る。

「これでお互いの居場所もすぐわかるし、データも共有できる」

ナイアが説明すると、ハートシールドメンバーの目が輝いた。

 

シグマは照れながらも指でタグをさす。

「これで僕も、もっと兄弟たちを守れますね」

 

バイトは静かに頷いた。

「家族として一体感が強まります」

 

ナナミとミミミはタグをお揃いでつけて見せ合う。

「かわいい…!」と大はしゃぎしている様子だった。

 

―――

 

レントは最後にもう一度つぶやいた。

「昔からナイアには、どうしようもなく振り回されるよな……」

 

ナイアは肩をすくめて笑った。

「それが幼馴染みってもんだろ?」

 

兄弟たちもみな笑顔で頷いた。

「私たちの“形”が、また一つ増えた」

そんな温かい雰囲気に包まれて、ナイア邸の夜は更けていった。

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