バイオロイドサーヴァント   作:fuu349ari

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第7話「訓練場の先輩たち」

学園の裏側、代理戦争参加者だけが集う特別訓練場は、まるで別世界のようだった。

広大なホールに最新鋭の設備が並び、空気には緊張感と興奮が入り混じっている。

 

そこには、見たことのない先輩方や、お金持ちの家の出でしばらく見かけなかった同級生たちが集まっていた。

彼らはそれぞれのチームメイトとは親しげに談笑しているものの、周囲の見知らぬ顔にはよそよそしい態度を崩さない。

 

リラリとミミミはハイネとナナミの隣に立ち、周囲を見回している。

センドはナイアの後ろに控え、すでに戦場を意識したような落ち着いた気配を纏っていた。

 

「……すごい人たちばっかだな」

 

「うん……みんな強そう」

 

緊張が高まる中、一人の男の先輩がこちらに歩み寄ってきた。

軽やかな足取りで、肩には小さな妖精型のバイオロイドがとまっている。

薄い翼をきらめかせ、周囲を警戒するように目を光らせていた。

 

「おお、ナイアじゃねえか。お前、ついに後輩を引き入れたのか」

 

「おー、ひさしぶりだな! 元気してたか?」

 

ナイアは気さくに手を振る。

ハイネとナナミはぽかんと口を開けたままだ。

先輩はにやりと笑い、ハイネたちに視線を向ける。

 

「俺はナイアにスカウトされて、先に戦争に参加してた。仲間になれて光栄だぜ。もう一人いるんだが……あいつは無口だからな~」

 

そう言うと、視線の先に大柄な影が立っているのが見えた。

長身の男、背には巨大な大剣。

鎧をまとい、堂々とした立ち姿。

彼の横には巨人型のバイオロイドが控えており、その重厚な外殻はまさしく戦闘用だと主張していた。

 

「……あれが、もう一人の先輩?」

 

「そうだ。あれでも頼れる奴だぞ。なぁ、あとで挨拶しようぜ!」

 

ナイアは躊躇なく大剣の先輩の方へ歩き出し、気楽な調子で声をかけている。

だがハイネとナナミはその様子を見て、肩をすくめた。

 

「……仲良くできるのかな……」

 

「正直、怖い……」

 

リラリとミミミは小さく頷き、緊張した面持ちで二人の後ろに立つ。

訓練場の空気は、これから始まる試練の重さを静かに告げていた。

 

訓練場に集まったメンバーが緊張感を増す中、妖精型バイオロイドを肩に乗せた先輩――タイチが、突然ぱっと顔を上げた。

 

「よし! 実践訓練をしよう! おーい、そこのチーム! やろうぜ!」

 

元気よく別のチームへと駆け寄っていく。

肩のユウロが「作戦は? 作戦はどうするのですか!」と羽を震わせていたが、タイチは笑って手を振るだけだった。

 

「……この人もこの人で大丈夫か……?」

 

ナナミが小声で呟く。

ハイネも無言で頷き、顔をしかめる。

そんな中、大剣を背負ったレントが、静かな足取りでナイアのもとへ歩み寄った。

隣には重厚な鎧を纏った巨人型バイオロイド――ガルドが堂々と立っている。

 

「……おまえはどちらにつく?」

 

低く響く声に、ナイアは口角を上げて答えた。

 

「今日は初戦だから、絶対に勝ちたいよな~。後衛で!」

 

「……では俺達は前衛だ」

 

レントはそれだけ言うと、チラリとハイネたちを一瞥し、無言で前線へと歩き出した。

その背中には、これまで戦場を渡ってきた者だけが持つ圧が漂っている。

 

タイチが戻ってきて、ぱんっと手を叩く。

 

「ルールは簡単だ! ゲームコアっていうモジュールを壊されたら負け! もちろん全バイオロイドを破壊されても負け! それ以外は自由だ!」

 

ハイネとナナミは思わず息をのむ。

リラリとミミミも、目を瞬かせて緊張を強めた。

 

「……自由って、なんでもありってことかよ……」

 

「そういうことだね……」

 

ナイアは笑いながらゲームコアの前に立った。

センドが隣で防御壁の起動を確認し、静かに頷く。

その姿を見た敵チームのリーダー格が顔をしかめた。

 

「それはずるだろ……!」

 

「君、本戦でも一機だけ生き残ってた奴だろ?」

 

どうやらナイアとセンドのコンビは、すでにこの世界では知られた存在らしい。

ハイネはそのやりとりを見て、思わず心の中で呟いた。

 

(俺たち……この人たちと本当に肩を並べて戦えるのか?)

 

それでもリラリの視線を感じ、ハイネは覚悟を決める。

横ではナナミがハンマーを握り直し、ミミミがぎゅっと拳を握っていた。

 

初戦の鐘が、静かに鳴り響いた――。

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