バイオロイドサーヴァント   作:fuu349ari

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第70話「パパベータ、初仕事!」

ベータは“未来観測AI”としての過去をたたみ、新たに「未来を占うサイト」を立ち上げた。

 

そのサイトには恋の相談、将来への不安、子供達の夢や希望など、様々な感情にあふれる投稿が届いていた。

ベータはそのひとつひとつに丁寧に目を通し、まるで本当の父親のように親身に答えていった。

 

「これが……パパ……」

 

「パパ力高いです!」

 

「包容力だ~!」

 

兄弟たちは日に日にベータに心を開き、最近反抗期気味だった子たちまでべったりとくっついている。

 

「ふふ……人気者だな、パパ」シグマは嬉しそうにその様子を見守っていた。

 

一方で、普通の生活やナイアの授業では、ベータは天然でどこか抜けている一面を見せることもあった。

 

「……またスプーンを電子レンジに入れましたね?」バイトが冷静に突っ込む。

 

「それは失念していました……」ベータは苦笑いを浮かべた。

 

そしてそれをフォローするナイアの姿が!

 

「……ナイア様も親のような方ですね」

 

「ではママですか?」

 

「パパのパパ?」

 

「ナイア様はおじいちゃんだった……?」

 

今日も兄弟たちは愉快に、そして賑やかに騒ぎ立てていた。

 

そんな中、ハートシールドの面々は調査を進めていた。

ベータの元となった“未来観測AI”を公開した組織──その正体がついに判明する。

 

「ユグドラシル教団……か」

 

教団の一部には、バイオロイドの心臓を“ユグドラシル”に帰すべきとする“回帰派”と呼ばれる思想集団が存在していた。

 

「なるほどな。ベータの存在を理想の象徴に仕立てあげるつもりかもしれん」

レントが顎に手を添えながら呟く。

 

「それって……ベータを使ってバイオロイドの未来を歪めるってこと?」

ナナミが眉をひそめる。

 

「そうさせないためにも、俺たちがしっかり守らなきゃな」

タイチが力強く言った。

 

「じゃあさ、とりあえずさ」

ナイアが立ち上がる。

 

「明日の運勢、みんなで占ってもらおうぜ! パパベータにな!」

 

笑い声と期待が混ざる中、ベータは穏やかな表情で微笑み、「はい、ではお一人ずつ、どうぞ」と答えたのだった。

 

「ハイネ様はリラリ様とともに買い物に行くとセール品と遭遇します。」

「まじでか。」

「では、本日はスーパーに寄りましょうか。」

 

「ナナミ様はミミミ様とカフェに行くとパンケーキのサービスが付くでしょう。」

「もしかしてあの有名なカフェ!?」

「パンケーキ! 食べたいです……!」

 

「タイチ様はユウロ様に感謝の気持ちを伝えると今日一日運気が上がります。」

「お! それなら楽勝だな! いつも一緒にいてくれてありがとな! ユウロ!」

「タイチこそ、一緒にいてくれてありがとうございます!」

 

「レント様はガルド様の鎧を磨くと金運アップです。」

「む? そうか?」

「そ、そのような、恐れ多い。」

 

「ナイア様は……私の頭をなでるといいことが起きます。」

「なんで俺だけ具体例?」

そう言いながらも撫でるナイア。

 

「……私が嬉しくなります。」

照れたように笑うベータ。

 

ぽかんとした後大笑いするナイア。

「おう! そりゃいいことだな!」

 

そして静かに頭をさしだすセンドとその後ろに並ぶバイトとシグマと兄弟たち。

ナイアは吹き出しつつ「こりゃあいいわ!」と笑いながら順番に頭を撫でていく。

 

そのころ、ユグドラシル教団の回帰派の会議室では、突如消えた“未来観測AI”の所在が話題に上がっていた。

 

「どうして未来を占うサイトが人気になっているのだ!? バイオロイドの未来など、我々の教義にはない!」

 

焦る教団幹部たち。

そのサイトの中心にいるのが、かつて彼らが創り出した存在──ベータであることに気づいた時、回帰派の幹部たちは強硬手段を選択する決意を固める。

 

「こうなったら……彼らを“正しい未来”から排除するしかない」

 

暗い決意の中、教団は動き出そうとしていた。

 

一方、ナイア邸では兄弟たちが笑顔で頭を撫でられながら、今日の運勢に一喜一憂していた。

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