バイオロイドサーヴァント   作:fuu349ari

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第73話「ゲームが創る平和の形」

ハートシールドが開発した仮想戦争ゲームが世界中に公開されると、瞬く間に話題となった。

このゲームは、リアルな戦闘を模した競技でありながら、誰一人傷つかないという革新的なアイデアで注目を浴びた。

 

「いよいよ、世界の反応が来るぞ……。」

ナイアは自室のモニターの前で身構えていた。

 

公開からわずか一時間足らずで、各国のメディアが特集を組み、政治家や軍関係者までもがコメントを出し始めていた。

 

「予想より……反応がいいな。」

レントが報告書を見ながらうなる。

「ただし、戦争を失った権力者たちがどう出るか、だ。」

 

「そこが肝だな」ナイアも同意しつつ、ちらりと視線をモニターに戻す。

 

ハートシールドの仮想戦争ゲームは、プレイヤーが仮想世界に意識を転送し、戦場で競い合う形式。ポイント制で勝敗を決め、フィールドや装備も多彩に設定できるようになっている。

 

「さて……第一回公開対戦、始めようか。」

ナイアの宣言で、世界各国から選ばれた代表者たちによる試験戦が始まった。

 

それは、世界の未来を左右する、新たなステージの幕開けだった。

 

一方、町では……

「リラリ、装備のチェックを頼む。」

「了解、ハイネ様。今回は特に準備万端です。」

 

「ミミミ~この銃かっこよくない?」

「ナナミ、やっぱりピンクでかわいいのがいいです~。」

 

「タイチ、私の操作補助をお願いします!」

「任せとけ! 絶対勝とうな、ユウロ!」

 

「うむ、これが我が初陣だな。」

「ガルド様、レント様の戦術を守りましょう!」

 

それぞれのペアが仮想戦場にログインし、試合開始を待ち構える。

 

その中心には、相変わらずニコニコしているシグマと、少しおっとりとした笑みを浮かべるベータの姿もあった。

「さて、僕ら兄弟の活躍、見せてやろうか!」

 

そして、画面が切り替わる。

世界中が注目する中、仮想戦場の第一幕が静かに開かれた。

 

―――

 

仮想戦争ゲーム『ハートシールド・コンバット』の初戦は、世界中から選ばれた参加者たちによる熱戦となった。

 

「フィールド展開、エリア制圧戦開始!」

司会AIのコールとともに、仮想世界に色鮮やかな戦場が広がる。都市部、砂漠、森林、廃墟……プレイヤーの戦術と装備によって様々な戦略が展開された。

 

ナイアとレントは開発者モードでフィールド全体を見渡す。

「これが……世界の戦争を代替するってことか。」

「バイオロイドの心臓を止めずに、力を競い合う。お前の発明、世界を変えるぞ。」

 

その言葉に、ナイアは小さく笑う。

「でもさ、やっぱり楽しいのが一番だよな。」

 

その頃、仮想フィールドでは兄弟たちの活躍が光っていた。

 

「エイト、左から!」「了解、援護射撃!」

「ヒイト、陣形崩さないでね!」「任せろ、ナナミ様!」

「ミミミ、回復頼んだー!」「はーい、ミミミは癒し担当~。」

 

それぞれがチームとなり、楽しみながら勝負に挑んでいる。

 

そして、観客席では、仮想世界にログインできない兄弟たちが大型モニターの前で応援していた。

「がんばれお兄ちゃん!」「エイト兄ちゃんが一番かっこいい!」

 

その光景をモニター越しに見たベータは、ぽつりと呟く。

「……こうして、笑っていられる未来が続くといいですね。」

 

シグマも頷く。

「うん。戦うなら、こうやって。誰も傷つかない戦いで。」

 

そして、第一回大会は幕を閉じた。

各国の政治家たちはこぞって「新時代の平和的手段」として高評価を出し、世界中のメディアがそれを取り上げた。

 

だが、ナイアは浮かれた様子を見せない。

「……このゲームが代替になった瞬間、本当の意味で俺たちは一歩進むんだ。」

 

その言葉に、ハイネがふっと笑って言った。

「大丈夫、ナイア。お前の願いは、ちゃんと届いてるよ。」

 

こうして、ハートシールドが作り出した「戦争のない競技」は、世界の未来に向けて、新たな一歩を踏み出したのだった。

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