魔界魔「早く投稿できたー」
=ルウィー・地下牢=
前回、ホワイトハートとの決着をつけた上条御一行だったが、七賢人アクダイジーンの罠に嵌ってしまい地下牢に
閉じ込められる羽目になってしまった。
「……まったく、どうしてこうなったのかしらね」
ノワールが吐き捨てる。機嫌も相当悪いようで、下手に話しかけると当り散らされそうだ。
「…まあまあノワール、なっちゃったもんはしゃうがないって!!元気だしなよ!!」
「別に…元気がないわけじゃないし、少し黙っててよ、私はちょっとイライラしてんの!!」
「ちょっと~二人共喧嘩は駄目だってぇ~」
プルルートが制止に入るが、二人がめずらしく本気で険悪になっている。
「……これから、どうするかな」
かくいう俺は騒ぎに混ざる気もなく、一人でうなだれていた。
女神化すると疲れるのもあったしさっきはざっとあの広い城の中を探索しまくっていたので体力がヘトヘトなのもある
それに武器も取り上げられてしまったので牢屋を壊すなんてこともできない
「……そこにいる誰かさんは、ずっと黙ってるし、大ベテランの女神様は新米の私達にごめんなさいもいえないのかしらね」
ノワールが痛烈な皮肉を飛ばす。まあ、実際巻き込まれているわけだから文句言われても仕方ないのだが
そしてその誰かさんことブランは隅っこで一人静かに座っていた。
「………。」
ノワールの言葉にも何の反応も示さない。
「ちょっとノワール、本当にノワールってのは加減ってモンを知らないよね~」
さっきの発言をネプテューヌが非難し、また喧騒が始まる。
対してプルルートは隅っこで一人座るブランを見かねたのか
「ブランちゃん、大丈夫~?」
と手を伸ばそうとすると……
「…っ、触らないで!!」
パンッ、と差し伸べられた手を払いのける。
プルルートは驚く、それと同時に結構ショックを受けているみたいだった。
「……ちょっと、プルルート大丈夫?」
「うん、気にしないでぇ~」
ノワールは心配する。問題無かったが
ノワールがブランに視線を向けるが、さっきまで皮肉を無視していたブランがついに折れたのか言葉を口から出した
その声は、いつもの強気の声とは違う。泣きそうな少女のか細い声だった。
「グスッ…私は…私は、国を一人で守ってきた。なのに…信頼していた部下に裏切られて……あんた達にも負けて…私は……一体何が……どうして…どうして……」
…吐き出された言葉はブランの抱え込んできた感情だろう。
今まで一人でがんばってきて吐き出すことを許されなかった心情。すべてを失いそれが遂に外に吐き出される。
「突然、望まないまま女神になって……誰も…教えてくれる相手もいなくて……ずっと、一人で何とかしてきた…なのに……全部、何もかも……失っ、て……」
ブランが泣きそうになりながら声を絞りだす。
それを見てネプテューヌが
「…ブラン、もしかして、ずっと寂しかったの…?」
ネプテューヌの言葉にブランは返事もしない、泣くのを堪えるので精一杯みたいだ
「……ずっと頼る相手もいなくて、一人でがんばっていたんだな」
その姿だとだとブランはまだ物心つく前に女神になったのだろう。
望まないまま女神になってしまい国を守る義務を理不尽に押し付けられ、頼る相手もいない、何もかも一人でがんばってきたんだろう
そんな重荷をまだ物心つく前の少女が背負うにはとても大きなものだ。正直俺なら重荷に潰されてしまうだろう。
けれどブランは誰にもすがらず一人で逃げずに国を守ってきた。
「………すげえな、一人で国を守っていくなんて、誰にも頼れずに…ずっと孤独で」
ずっと孤独だった。一人だけこんな苦労を背負いこんで
「だからブランは、仲良しこよしで国を治めている俺たちをとことん敵視してたんだな」
一人で今まで国を治め孤独だったブランからすると俺達の姿はとても憎たらしいものに思えただろう。
今までの自分の苦労を否定されたように思えて
「……そうよ」
ブランは肯定する。気がつけば涙は止んでいた。
「スッキリしただろ」
「えっ……」
「押し殺していたものを吐き出せてスッキリしただろ?」
「………」
ブランは何も言わない。だけど顔から見るに内心ではそう思っているんじゃないだろうか
「今からでも遅くないと思うぞ」
「……何がなの」
「……俺達と友達になって一緒に国を治めていくことだよ」
俺の言葉に、ブランとノワールが「えっ…」なんて言ってきた。
驚いているようだが、俺は本気だぞ。
「友達になればもう一人じゃないだろ、頼れる相手さえ入ればもう一人じゃないだろ、今まで一人でやってきた矢先こんなこと言われて「はい」なんて即座には言えないだろうけどな」
「あ、当たり前だろ、てめー!!馬鹿にしてんのか!?」
「してねえよ」
俺ははっきりと言った。
友達になろうだなんてからかって言えることじゃないだろ。
それに…ネプテューヌとプルルートは賛成みたいだった。
「ブランちゃんも~友達になろうよぉ~」
「私は最初っからブランは友達だよ~」
俺とネプテューヌはブランだけじゃなく、女神全員と友達だ、勿論ここの女神全員だって例外じゃない
「そんな……馬鹿な…こと」
ブランは上手く言葉にできないみたいだった。
「一人で国を治めてきたやり方は急には変われないだろうけど……頼れる友達が入れば、世界がきっと…変わると思うぜ」
一人で駄目なら、信頼できる相手と一緒に作っていけばいい
この世界のノワールは、補佐官である俺に友達であるネプテューヌとプルルートがいた。
他の二人も同じだ。
「本当に、いいの…私なんかで…」
「勿論、悪いわけねーだろ、みんなもそうだろ」
ネプテューヌとプルルートは、迷いなく頷く、対してノワールは…
「ま、まあ……本当は嫌だけど、二人がいうなら……」
ノワールも何とか納得してくれたみたいだ
「よし、とりあえずこの牢から出ないと」
まずここから出ないと何も始まらない。
「でも、どうやって出るのよ?武器は取り上げられちゃったし…」
「ここから出るには、……鍵がないと…」
ブランの言葉に、俺はあることを思い出した。
そういえば管理室で俺が持ってきたあの鍵って……
「その鍵って……これか?」
俺はブランに鍵を見せる。「地下牢」とタグが付いた鍵だ
「……間違いないわ、あなたがどうしてそれを?」
「……さっき別行動で訪れた管理室で見つけてな」
「ナイスだよ!!当麻」
ネプテューヌは褒めてくれるが、ノワールは「何で言わなかったのよ」といいたげな顔だ。まあ、忘れてた俺に非があるから仕方ない。
「けど……ここから出てどうするの……国はもう…」
ブランが言うと、ノワールがこう返した。
「私達が捕まってから3時間くらい後に政見放送するって言ってたわよあの大臣、ありがたくそれを利用させてもらえばいいんじゃない」
それだな、放送中にあの大臣の悪行を暴いてぶっ飛ばせばすべてがひっくり返る。
「それじゃあ、早くここから出て行こうよ!!国取りにさ!!」
ネプテューヌが、早く早くと言って催促する。少し待てって
「そうだな、新たな友達の為にがんばらねーとな!!」
鍵を開けてみんなが外に出る。何にせよ先に武器を取替えさないとな、なんて考えていると…
「………。」
チョンと背中に指で突かれたと思ったら、後ろにブランがいた。
「……ありがとう。私の為に」
さっきまでいがみ合っていたブランがお礼を言ってきた。
「気にするなよ、俺達みんな友達の為にやっているだけだからな」
なんて自分でもちょっとかっこつけて先へ進む。
あの中年をぶっ飛ばして、国を取り返さないとな
そんな決意を胸に俺達は地下牢を後にした。