<ルウィー・城=最上階>
「いつまでやってるっチュか!!もう政見放送始まるっチュよ!!」
「まあ、待て…今、髪を整えておるのだ…身だしなみくらいキチンとしないと…」
「中年の身だしなみなんて誰も気にしないっチュよ!!早く始めるっチュ!!」
アクダイジーンが髪を整えている。
そしてそれを見て文句をぶーぶー言うワレチュー
実は、ワレチューはあれから残されてパシリをさせられていた。
「早く、するっチュ……今もこうしている間にあの女神共が来ると思うと……」
「それは…ありえんよ、あの檻は特別製……いくら女神といえど武器がなければどうにもならんよ…」
アクダイジーンが高笑いしながら余裕シャクシャクで言っていると。
「それ、フラグじゃないのか?」
「何を言って……、え……」
カメラの準備を終えたアクダイジーンとワレチューの前に女神4人御一行が現れた。
「貴様等、…どうやってあの牢を……」
驚くアクダイジーンにある物を見せる。「地下牢」とタグが付いた鍵を
「……管理室から地下牢の鍵が無くなったと思ったら、貴様らの仕業だったのか…」
「取られたことに気付かなかった、あんたの抜けた部下のお陰でな」
あれから、ルウィーの城を廻り武器などの取られたものを取り返し、更に4人でアクダイジーンの情報ややってきた事を無理やり(脅して)聞き出しタイミングの良い時間にここに来れた。
ブランのお陰で特にあちこち行っても迷うことなく、効率良く回ることができた。
「…大臣」
ブランは言う、裏切られてなお大臣と呼んでいた。
少なくともそれなりの信頼はあった事が頷ける。
「これは、これはブラン様……、先ほどいがみ合っていた相手と組むなんて、節操が無い事で…」
アクダイジーンはブランを小馬鹿にする。
「………。」
ブランは何も言い返さなかった。たしかにさっきまではいがみあっていたが
「私達は、もう友達なんだよ~、そんないがみあってた事なんかもう忘れちゃったもんね!!」
ネプテューヌが言う。…こんなことを迷い無く言えるのがネプテューヌらしい
「友達…か、くだらん」
しかしアクダイジーンは吐き捨てる。
まるでくだらないものを見るかのようでこっちを見ていた。
「友達がいるから強くなれるなんて、くだらないことでもぬかす気か?女神はそんな幼稚な考えしか持てないのか?」
「……別に、あなたには理解してもらおうなんて思ってないわよ」
ノワールが剣を構えて言う。
ぼっ……友達が少ないノワールからしたら今の発言は多少頭にきたのだろう。
友達がいれば強くなる。友達がいれば、一緒に戦うことができる。
それは強さに繋がる。
孤独だと絶対に得られない強さに
信頼しているからこそ、託すことができる。信じることができる。
友達がいれば人は強くなる。乗り越えていく強さを得られる。
「さて、とっとと始めようぜ……あんたぶっ飛ばして、あんたがやった事、全世界の人達にさらけ出してやるよ」
俺は女神化する。……女神化はあんまりしたくないが友達を守る為ならいくらでもしてやるし友達の頼みならいくらでもこれで未来を切り開いてやる。
今やる事は、あの中年を叩き潰して国を取り戻すことだ
「ほらほら、他の三人も早く女神化しちゃってよ」
「……当麻から女神化を催促されるなんてかなりめずらしいよね~」
「……否定はできないかな」
そう言ってネプテューヌも女神化した。
「……早くあの男を叩き潰して、国を取り返してあげないとね」
パープルハートが刀剣を構える。
「私は、あいつのことなんてどうでもいいけど、仕方ないから協力してあげるわ」
いつの間にかノワールも女神化していた。
「それじゃあ~私もしていいのぉ~?」
「………いいわよ」
一瞬迷ったが、まあ今回ばかりはいいかなと思って許可した。
プルルートも光に包まれた。
現れたのは、濃い紫のロングヘアーにとても鋭い目、ドSの申し子…
「早くやっちゃいましょうよお、私我慢の限界よぉ」
……相当溜まっているのか、早く相手を倒してストレス発散でもしたいような顔をしている。ていうか間違いなくそうだ
「あいつ倒したら、好きにしていいわよ」
「いいのぉ~?ゾクゾクしちゃうわあ…」
アイリスハートが興奮に体を震わせる。
……政見放送中に叩き潰すのにアイリスハートのアレ見せて大丈夫なの?
「……知らないからね、ノワール」
私はこれには無関係とばかりに言い放つ。
「女神化を催促したのは当麻じゃない、文句が来たら当麻も連帯責任よ」
「…それもそうね」
まあ、仕方ないか
友達を助ける為に始末書何枚か書かされるくらいならとっても安いモンだ
「……勇敢で結構だが、一人女神になれない人間がおるぞ」
女神化した私達を見てアクダイジーンが言う。
中年の視線はブランに向いていた…
「どうしたの、早く女神化しなさいよ」
「………なんで、女神化…できない…」
ブランが絶望したような顔になる。いくらやっても変身できないようだった。
「それはできないだろうなあ…、先ほどの中継でコテンパンに叩き潰されてこんなかっこ悪い女神を信仰しようだなんて物好きはいないだろうよ」
アクダイジーンが馬鹿にしたような言葉で言う。
しかし言っている事は事実だ
「そんな、ここまで来て…、くそっ!!」
ブランは悔しがる。
当然だ、ここまで来て馬鹿にされ、自分には何もできない。悔しくない筈が無い。
それに私達がやった所でブランにシェアは戻らない、待っているのはブランは女神の力を失う事を意味している。
私は空間中のシェアを使う上に、国を持たないせいかシェアで力の増減は無いからシェア自体は無くてもなんら問題ない。
「さあ、女神共…その哀れな小娘の為に世界を取りたいのならまず信仰を取り戻すことから始めるんだな!!がははははははっっ!!!!」
………うるさいな
心の奥底でそう思い、私は言葉を出す。
「じゃあ私がブランの事を信仰するわ、女神だから女神を信仰できないなんてルールはないと思うし」
私の言葉にアクダイジーンが呆れたような顔をした。
完全に馬鹿にしている顔だ
だけど他の皆も私の言葉を聞いて乗ってくれた。
「なら私もブランを信仰するわ、信頼のおける友人としてね」
パープルハートは笑いながら言い
「私も…ブランちゃんのこと信仰してあげるぅ、大事な友達としてねえ」
「私は、……ま、まあ女神の先輩として信仰してあげてもいいわよ」
アイリスハートもブラックハートも言ってくれた。
「さ、これでブランも女神化できるんじゃない?」
「……力がみなぎってくる。いける……」
ブランが光に包まれる。
姿を現したのは、大きな戦斧を構えた。小柄だけど力強さを感じる白い女神。
女神ホワイトハート
さっきまでは戦いあってたけど
今はもう味方だ、女神が一人増えるだけでここまで心強いことはない
「……できた。できたぜ!!」
「……ありえん、そんな馬鹿な!!」
アクダイジーンが驚愕な顔をする。よっぽど予想外だったのか
「だからいったっチュ!!もう逃げようチュ!!」
ワレチューがカメラを置いて逃走姿勢に入る。
「まあ待て、まだ終わったわけではない」
「…こっちは女神5人よ、あなた一人で勝てると思ってんの?」
たしかに……ただの大臣が勝てる相手じゃない。
ただここまで余裕な表情を見ると、何かあるのだろう
「たしかにわしなら勝てんだろうよ……だから、とっておきをだそうではないか」
するとアクダイジーンが一枚のディスクを取り出した。
紫を基調とした色だけのディスクだ。だけど俺とネプテューヌにはとても見覚えの
ある代物だった。
「あれって……まさか……」
「エネミーディスクという代物でな、とてもめずらしいものじゃよ…」
エネミーディスクというのは、魔物が治められている違法ディスクのことである
魔物を封じ込めて持ち歩ける危ない代物で超次元では基本的に所持を禁止している筈だ。
「エネミーディスクって…何?」
ブラックハートが聞いてくる。
どうやら、この世界ではほとんど知られていない代物らしい
「で、そのディスクにはどんな魔物が入っているの?」
「ほう、これがどんなものか知っているなら話は早い、出て来い!!」
ディスクが紫色の光を放つ。ディスクは砕け散り、影が現れる。
現れたのは、……茶色の線で棒人間を描いたような何かだった
「………え、何これ?」
私は驚いていた、これが……封じ込められていた魔物
ちっとも怖くない、むしろなんかちょっとかわいさを覚えてきた。
「……何アレ、ふざけているのかしら」
パープルハートも呆れている。
「……ふん、今に分かるさ」
アクダイジーンは余裕を崩さない。
「……ちょっとかわいいかも」
私はいつの間にか静かに近づいていた。警戒なんてしていなかったしする必要も
ないと思っていた。
近づいてみる。体を下ろして手で触ろうとする。すると……
「待って!!そいつに触れたら駄目!!」
え、と聞き返す間も無くうっかり触れてしまった。
「思い出したの、あのモンスターは…!!」
ブラックハートの言葉と共に、あの棒人間が輝き始める。
放たれた光をとても眩しく、目に入れてられなかった。
そして光が晴れて私は視界を取り戻す前に―――
私の体に突然、大きな衝撃が走る。
「くあっっ…、え…っ、」
突然の衝撃に防御の姿勢を取ることもできずに私の体は大きく後ろに吹き飛ばされていた。
壁に激突し、体にさらに大きな衝撃が走る。
「当麻っ!!」
声が聞こえる。ネプテューヌの声だ…そして自分で体が吹き飛ばされていたことにようやく認識した。体を起こし前を見ると…
「…え、私……?」
目の前にいたのは間違いなく私だった。自分の女神化した姿は嫌でも間違えない。
「がははははははっっ!!!!あのモンスターは希少種でな、触れた相手を完全コピーするめずらしい特性を持ってるのじゃよ!!」
「……やっぱりね、あのモンスター、昔に会ったことがある。…突然逃げられたけどね」
「臆病じゃからな、あのモンスターは、ただコピーさえしちまえばそのコピーした相手の性格やパターンに記憶、経験を完全に模擬する」
私は立ち上がり、前へ出る。
「だいじょうぶぅ?」
「ごめん、余計な心配させたわね。それよりも……」
相手が自分だなんて、悪夢でも見ているようだ。
自分を倒すなんていいものじゃない、それに一言も喋らずこっちを見据えているのが不気味に覚えてくる。
「…やるしかないか」
覚悟を決める。いくら自分だとはいえやるしかない
「……目覚めが悪くなりそうね」
パープルハートも苦い顔をしている。
「ええ~、わたしとしてはぁ~、何かぞくぞくしちゃうわぁ~当麻君を合法的にいじめられるみたいでぇ」
アイリスハートの言葉にすごい悪寒が来た。
一生のうちでここまで嫌な寒気を覚えたことはない。
ていうか別人とはいえ、自分が虐められているのを見ているのは、いいものではない
「……加減してね、ちょっとすごい悪寒がするから」
私はそういうと、アイリスハートは冗談よお、なんて返すが絶対に嘘だ。
「馬鹿やってないで、来たわよ!!」
ブラックハートの言葉と共に、偽イマジンハートはこっちに仕掛けてきてた。
「……せいぜい、がんばるがいい、ネズミ、カメラは回しているな」
「勿論っチュ」
「これで貴様等が死ねば、他の国も私が管理してやろう、がははははははっっ!!」
アクダイジーンの高笑いが響く
「はああああああああああああああああああああああああああっっ!!!」
イマジンハートは剣を振るう。
振るわれた剣から魔力の刃が放たれる。
放たれた刃に偽イマジンハートは体をひねり、魔力の刃を回避する。
回避した後、そのまま本物に肉薄し腕に魔力を集中し偽イマジンの腕が紫色に光る
魔力の溜め込まれた腕はそのままイマジンハートの腹目掛けて放たれる。
「……。」
放たれた腕をイマジンハートは掴みかかる。
そのままこちら側へ引き寄せ、腹へと一撃叩き込む。
偽イマジンハートは衝撃で後ろに飛びのきそうになるが、それを許さない。
腕を掴んだまま離さず。今度はその掴みかかっている腕を持ち上げ―――
「はあっ!!」
ダンッ!!と地面に偽イマジンハートを叩き潰す。
その衝撃で腕に溜め込まれていた魔力は拡散し消滅した。
「お手本を見せてあげるわ」
地面に叩きこまれた偽者を掴みあげる。
今度は、本物の方が腕に魔力を集中し魔力を溜め込む。
それを先ほど狙われた腹に同じように叩き込んだ。
「………ッッ!!」
ぶつけられた衝撃で魔力が拡散する。
偽者に叩き込まれた魔力は大きな光を放ち―――
バアッッン!!と魔力の爆発を起こす。
偽者の体躯は向こう側の壁へと大きく衝撃で吹き飛ばされる。
「………結構、効いたと思うんだけど」
一発、一発本気で叩き込んだ。
だが、これで倒せるとは思っていない。
きっとダメージはそれなりに通った筈だが、戦闘不能には至らないだろう。
私の予想通り、煙から偽者が姿を現す。
ユニットに傷はついているが、本体がダメージに堪えている様子はない。
「……厄介ね、当麻お得意のタフネスまで模擬されているなら長期戦になりそうね」
パープルハートが苦言をこぼす。
だがそんな苦言にもアイリスハートはSな態度を全く崩さない。
「ねぷちゃんがどうゆう意味で言っているのか分からないけどお、タフならタフでも構わないわよお、それだけたくさんいじめられるってことでもあるのでしょう?」
アイリスハートは笑う、…なんだろう、標的は自分じゃないのに自分に向けられているみたいでなんか怖い。
「そういえば、ノワールとプルルートは今のネプテューヌの言葉を真意を理解できていないみたいね」
それはそうだ、ネプテューヌのいうタフネスというのは、恐らく私のお得意のアレだろう。
「……当麻って体力あるの?」
「………まあ、そんな感じ」
ブラックハートの質問にそう言葉を返す。
今まで一緒に戦ってきたが、私がそういう面を見せる事はまだ無かった気がする。
「来たわよ、みんな!!」
いつの間にか偽イマジンハートがこっちに向かってきていた。
ただ今度は木の柱を担ぎながら全速でこちらに向かってきていた。
「あれって……、柱よね?」
「……間違いねーな、私の城の柱だ、いつの間にへし折ったんだ、あいつ……」
ホワイトハートが私の方を見てくる。
やったのは、偽者なんですけど…
なんていっていると、いつの間にか目の前にその木の柱が投げられていた。
こっち全体を巻き込む形で綺麗な横倒しにされていた。
「邪魔だ!!」
ホワイトハートが戦斧で木の柱を容易く叩き折る。
だが、それと同時に偽者もホワイトハートに接近していた。
「……。」
偽者は剣を振り上げる。
「…くそっ、間に合わな―――」
ブランは叩き降ろした戦斧で防御の構えを取る余裕は無かった。
喰らう覚悟をしたが、それよりも前にその一撃を灰色の大剣が受け止めた。
「しっかりしなさいよ、私達新米にベテラン女神の実力を見せてくれるんでしょ?」
ブラックハートは、偽者を弾き飛ばす。
「……そうだな、先輩が遅れを取ったら笑われちまうな」
ホワイトハートは笑って言葉を返す。
戦斧を構え、今度はホワイトハートから仕掛ける。
「喰らいやがれっ!!」
一歩踏み込む。
そのまま戦斧を振り回しながら偽者の方へ向かって行く。
そして偽者に接近し戦斧を叩き込む。
「ツェアシュテールング!!」
ガキッッ!!と叩き込まれた戦斧の一撃を偽者が受け止める。
が、しかし力の面ではホワイトハートに偽者が勝てる訳はなかった。
「オラッ!!」
偽者は一撃を受け止めきれずに大きく吹き飛ばされ地面に何度も叩き潰される。
「……さすが、ブラン」
私は素直に感心していた。
やっぱりあんな戦斧を軽々振り回しているだけあって凄い力だ。
倒せたかは分からないが、大きなダメージは入っただろう。
そんな事を考えていると、発生した砂煙から人影が姿を現す。
現れた人影は案の定偽者で倒せてはいなかった。
ていうか、喋りもしないしユニットはボロボロだがどこかを痛めている様子は全く見えないので、正直本当にダメージが通っているのか疑問に思える。
「……まだ、やるのね」
ブラックハートは、大剣を構える。
他の皆も武器を構え態勢を整える。
偽者は、片方の足を前に出すと、そのまま右腕を大きく振るった。
剣が一直線に高速で放たれる
私は、即行で体を前に出していた。
剣を振るい放たれた刃を叩き落す。
そして、偽者が武器も持たずに高速でこちらに肉薄していた。
右腕から鋭い一撃が放たれる。
それを何とか回避するが、上手く態勢を取れず足を滑らせる。
「しまっ……」
そのまま体が倒れそうになる。
偽者は機とばかりにもう一度、パンチを放つ。
「くっ…」
すかさず持っていた剣でガードする。
しかし、この態勢だと確実に押し負ける。
「だったら…」
拳を受け止めていた剣に力を入れる。
力で勝つのではなく、拳の力を強引に逸らすように受け止めていた剣をひねる。
「………ッ!!」
上手くいった。
強引に拳を逸らし、直接一撃を食らうのを回避する。
そのまま強引に姿勢を整える。
チャンスだ。
さっきの無理矢理な防御に偽者は体のバランスを崩した。
偶然に生まれた幸運を一撃に転じる。
持っていた剣に魔力を込める。
そのまま偽者に一撃を叩き込む。
「流星の剣撃!!」
ドガアアッ!!と魔力の刃が叩き込まれた。
叩き込まれた場所から、紫色の光が眩く輝く。
「さっきの一撃よりも更に重いわよ、今度は爆発は」
バアッッッッッン!!とさっきよりも一際大きな爆発音が響いた。
さっきよりも更に濃い魔力の炸裂。
「吹き飛びなさい!!」
偽者の体躯は魔力の炸裂に弾け飛ばされる。
すると、今度は地面へと叩き潰される前に、突然光を放ち偽者の体は消滅した。
その光景に戦いを傍観していたアクダイジーンは驚愕の顔を浮かべる。
「何だと、……わしのとっておきが…ッ!!」
アクダイジーンは、完全に後が無くなったのか逃走を試みたが…
「あらあら~どこへ行くのかしらあ?」
アイリスハートに回り込まれる。
「あの偽当麻君、虐めてあげようと思ったけどいくら叩いてもキャンキャン言わないみたいだしぃ…やっぱりあなたでやらせてもらおうかしらあ?」
「おい、待て……許してくれ、反省してるから、…なあ、ちょっ―――」
バリバリバリバリッッ!!!と電撃音が炸裂する。
……悲鳴も混じっているなあ、炸裂音で全然聞こえないけど
「ギャアアアアアアアアアアッッ、許してく―――」
「ほらほらっっ!!もっとわめきなさいよ!!悲鳴をもっと聞かせてほしいわあ~!!」
アイリスハートがとても良い笑顔で中年男性をいじめている。
…自業自得とはいえ、ちょっとかわいそうになってきた。
そんなこんなで、アイリスハートの中年(途中でネズミも)調教が長い時間行われていたのだった。…パープルハートが頭を抱えて苦い顔をしていたのはかわいそうだと思った。
……調教終了後
あれから少し経って、中年大臣とネズミは雑巾の様にボロボロな姿に成り果てていた。
死んではいないみたいだったが、自業自得とは言え同情する(特にネズミには)
あれから戦いが終わってひどすぎる調教中継が全世界に放映された後、ブランはアクダイジーンに今までの悪事を吐かせ、失っていたシェアはブランに戻っていた。
ちなみに上記二名は地下牢に閉じ込めておくそうだ。
俺も含めてみんなは変身を解除し、いつの間にかいつもの下らない談笑に花を咲かせていた
「……えへへ~、なんかすごくスッキリしたきぶん~♪」
プルルートは凄いご機嫌そうだった。
それはあんだけの事をしていればさぞかしご機嫌だろう。
他の皆はとにかく苦笑いして流すしかなかったが
「……疲れたよ~、まさかルウィーに来てこんなことになるなんて思いもしなかったし」
「たしかにな、でもいいじゃねえか、もう終わったことだし」
今更終わった事を下手に繰り返すつもりも無い。
下手に掘り返すとブランが嫌な顔をするだろうし
「それじゃあ、もう帰ろうぜ。ブランは色々事故処理大変だろうし邪魔しちゃいけないだろ」
手伝ってやりたいが、機密情報とかあるかもしれないからこればっかりはやめておいたほうがいいかもしれない
「……ありがとう、本当にお世話になったわ」
「そんなの気にしないでよ、私達友達でしょ!!」
ネプテューヌが言う。
その言葉にブランは照れていたようだがそれと同時にすごく嬉しそうだった。
するとそのままブランが恥ずかしそうにあることを言ってきた。
「それで、……その、私も、プラネテューヌに遊びに行ってもいい…?」
「…勿論、大歓迎だよ~いくらでも来ちゃいなよ!!」
「いつでも来ていいよぉ~、待ってるからぁ~」
ネプテューヌとプルルートの言葉にブランは嬉しそうに「ありがとう」と返した。
…ブランとも仲良くなったしこれにて一件落着かな
「よし、じゃあ帰ろうぜ」
俺達は、ブランに一言言ってルウィーを後にした。
俺達は、ルウィーを救うことができた。だがそれと同時に……
(七賢人が一体どこに潜んでいるのか、注意しないとな)
判明した七賢人は4人、その内一体は壊してしまったから空席だろうが…
残り3人の七賢人に対し深く警戒を強めておこう。
上条は一人、帰りながらそう思った。
魔界魔「次回は短編の予定です」