Fate/eastan phantasm   作:Astrad

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本編がうまく書けないので少し考案していたHFルートを投稿します。
・分岐条件:英雄王の一戦のあと、そのまま有頂天になって間桐邸への押し込み強盗を実行せずに渡英する。


IFルート・閑話集
IFルート集①紫音がうっかりミスをしてしまった世界線


 それは、紫音がロンドンから冬木へ戻った時の事であった。

「これは一体何だ...?」

怪訝な顔をする紫音、だがそれも無理はない。今の冬木の街を包みこむおぞましい邪気、そして魔力の痕跡は明らかに異常なものである。いくら聖杯戦争であってもこれは異常である。

「はてさて、これは恐らくHFに入ったか...?いや待てそうか...!」

 

 紫音は己のやらかしに気づいてしまった。英雄王に装備と情報を授かった事で有頂天になった彼は、間桐臓硯を排除することを忘れ、間桐桜の内側にある盃を回収することを忘れてしまっていた。兎に角、世界の崩壊だけは防がなくては...そう思い、紫音は次の手を打とうとする。即ち、進行度合いの把握である。

 

「御免ください」

衛宮邸の戸を叩く。紫音がとった手段は突撃である。衛宮邸に居住している人間の内訳さえ判明すればルートと進行度の把握が行える。そんな考えの下に、紫音は衛宮邸へ赴いたのである。

 

「はい、何か用ですかって、魔術師?」

応対したのは遠坂凛。都合が良いな、彼女なら事情も把握しているだろうし後はハッタリだけ通用すれば...

「こんにちは、遠坂凛さん。私は、時計塔現代魔術科ロードの命によって聖杯戦争の調査を命じられた諏訪の管理者、蒼崎紫音です。この街に入ったところから夥しい邪気と魔力の痕跡を感じているのですが、説明していただいても?」

 

 諏訪の地の管理者という本物の肩書と、エルメロイⅡ世からの命令という偽物の名目。虚と実を織り交ぜた形で、強めの口調で詰問する。こうでもしなければ若すぎる私をなめてかかる可能性もあるからな。

 

 紫音がそう考えながら彼女の反応を見ると、思いつめた表情をしながら口を開く。

「時計塔からの遣いかぁ。まあ、ここまで来るとごまかしきれないか、いいでしょう。上がってください」

居間へと招かれる。その途中の廊下で遠坂凛がこんなことを呟いた。

「それにしても、魔術協会があなたみたいな子供を送り込んでくるなんて、何しているんだか。」

 

 その言葉は侮蔑ではない、寧ろ義憤である。魔術協会が一般人もマスターも魔術師も関係なく死ぬ可能性がある聖杯戦争に子供を調査として送り込んできたという事に、真面目過ぎる彼女は怒りを抱いているのである。流石にいたたまれなくなった紫音は嘘の一部をバラすことにした。

 

 「あ、ロードから調査を命じられたというのは嘘です。私の先生は興味を持っていても今介入できる状態ではないし、別のことにリソースを取られていますので。」

 

 「はぁ?!」

彼女は困惑に包みこまれる。

 

 「あ、でも安心してください。私は今現在この屋敷にいる貴方ともう一人位ならカップラーメンを作る時間よりも早く倒せるぐらいには強いですから。それに…」

「それに?」

「私が諏訪の管理者であり、現在この地に異変が起きているというのは事実です。共に日本の霊地を預かる管理者として、手を取り合いませんか?」

「あーもういいわ。いいでしょう、こちらも全てをお話します。その代わり、」

 ビシッと擬音がつきそうな仕草で指を突きつけられる。

「貴方にも協力してもらいますからね。」

「ええ。望むところです。どちらにせよこの地の魔を祓わなければ冬木だけの問題ではなくなってしまいますからね。」

 

 「リンー?さっきから、誰と話しているのー?」

居間から声が聞こえる。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの声だ。

 遠坂は襖を開けて誘導する。

 「紹介するわ、この人は諏訪の管理者の…」

 「軍神建御名方が眷属、蒼崎紫音と申します。此度は、この地に巣食う魔を滅する為に貴殿達の前に参上しました、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン嬢」

 

 

 

 

 

 「成程…それはかなり大問題ですね。」

2人から聖杯戦争の行く末を聞いた紫音はそう声を漏らす。キャスター、アーチャーは脱落。ランサー、バーサーカー、セイバー、アサシンは敵方の手に。まさに絶望的な状態だが逃げるわけには行かないし、手がないわけではない。余裕がない状態ではあってもこの際無理やりにでも来てもらわなければならない。

「少し、電話を借りても?」

「どうぞ」

許可をもらってから電話を借り、国際電話をかける。宛先は勿論ロードエルメロイ二世。

「はい、こ「先生、紫音です。大変な事になりました、今すぐグレイさんとフラット辺りを連れて冬木に来てください!」待て待て待て、話が唐突過ぎる。せめてもう少し詳しく話してくれ。」

 

 電話が開通するなり、いきなり全力でまくしたてる紫音。流石のロードも紫音が焦っている状況に困惑したのか、説明を求める。その為、紫音は紫音は電話回線を伝う形で魔術による通信回線を開き、映像通信に切り替える。

 

 テーブルには二世のホログラムが映し出される。向こう側でも、こちらの今の映像が映し出されているはずだ。

 

「始めましてと言うべきか。私は、ロードエルメロイⅡ世。現代魔術科を預かる君主(ロード)の一人だ。もしくは、こう名乗るべきか。先の第四次聖杯戦争においてライダーのマスターとして参戦した、ウェイバー・ベルベットと。」

 

 いきなりロードを呼びだした紫音の行動に驚きつつも、2人は紫音にしたように説明を始め、説明の内容を理解するにつれロードも顔を険しくしていく。やがて説明を聞き終えたロードは一言ファックとつぶやいた後にこう続けた。

 

「成程、状況は理解した。こちらもすぐ準備を始めるが数日はかかる、遠坂凛と言ったか。もし可能なら大聖杯につながる霊脈を封鎖して時間稼ぎを試みてくれ。後、そこの私の弟子はサーヴァントを相手にできるぐらいには強力な手札を持っている、好きに使ってくれ。」

 

「承知しました、ロードエルメロイⅡ世。ですが既に霊脈の操作は...」

否定しようとした彼女は、言いかけた所で言葉を止めた。それは喉がつっかえたのではなく、とある存在を感知したからである。

 

 圧倒的な魔の気配。何かがこの地に現れようとしている。それは恐らく間桐桜か、かつて間桐桜であった何者か。いずれにせよ、人類を滅ぼす魔にして人類が滅ぼさなければいけない存在の幼体が、この地に現れようとしていた。

ジェスター、どうしたい?

  • 即落ち
  • 逃走成功!
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