Fate/eastan phantasm   作:Astrad

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IFルート集②紫音がうっかりミスをしてしまった世界線

 魔と堕ちた人間、間桐桜。HFルートでのヒロインでありラスボスとも呼べる存在。この世全ての悪(アンリマユ)と融合した少女。文字と映像で知っていたが実際に見るとこれほどまでに恐ろしいか。

 

 迎撃に出た私と彼女。しかし彼女は影の触手によって魔力を吸い取られ、衰弱し、気絶してしまっている。

「あなたは誰ですか?知っていますか?家主の許可を得ずに家に上がってはいけないんですよ」

「一応そこの君の姉さんの許可は取っていたんだけれどなっ!」

 

 影の触手が襲い掛かる。眼で見る限り、あれは虚数魔術の要素が含まれている。

 虚数属性は、私が生まれ持った属性。故に、制御を奪えずとも妨害ぐらいはできる!

干渉(ジャック)!」

 

 相手の術式に割り込み、制御を乱す。一瞬軌道を乱す程度にしかならないがそれで十分。加害範囲から抜け出して次の手を打とうとする。だが、触手はしつこく紫音を狙ってくる。

 

「セイッッ!」

腰に携えた双剣を引き抜いて斬り飛ばす。それだけで触手の群れは無害化される。

「何それずるい、何なのよ!!」

あっさりと無力化されたことにヒステリックになり取り乱す桜。しかし紫音は次の手を打つ。

 

「掛けまくも畏き伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に 禊ぎ祓へ給ひし時に生り坐せる祓戸の大神たち 諸々の禍事罪穢れあらむをば 祓へ給ひ清め給へと白すことを聞こし召せと 恐み恐みも白す――!」

即ち、法術。この国における最大規模の魔術基盤たる八百万の神々への信仰を基にした退魔の業。それを祓詞を以て起動する。

「集侍れる人達 諸聞食せと宣る―――!」

行うは大祓詞。行うには長文の詠唱を必要とするのみならず、消費魔力も莫大であれば本来集団で執り行う大儀式。それを紫音の持つ神性の欠片と膨大な魔力を以て省略し、ただ一つの魔性を滅ぼすために用いる。

 

「ああああああああ!」

間桐桜が苦痛に呻き悶える。それもその筈。大祓の詞は古くから退魔の家に伝わる最終奥義。莫大な魔力と儀式を必要とするもののこれを完遂すれば祓えない魔は存在しないほどの大儀式であるからだ。紫音は詠唱を続け、半ばに辿り着くかどうかの所でそれは起きた。

 

「千座の置座に置き足らはして 天つ菅麻を本刈断ち 末刈り切り――」

間桐桜が魂を分離される程の痛みに苛まれながらも手で何かを招くしぐさをする。瞬間、紫音の腹に剣が生える。しまった、そう思いながらも背後にいる何かを蹴り飛ばし詠唱を続け、直感に従って身をかがめる。瞬間、さっきまで首があった所を槍が薙いだ。

 

 黒化英霊たるオルタナティブ・セイバーとランサー。どちらも今の私よりも戦士として遥かに優れている。生き残る為に詠唱を中断し権能魔術による排除を図るか――?否、住宅地で放てば無辜の民に被害が及ぶ、故に授かった武技を以て生存を図る――!

 

 そう考えていたのが失敗だったのだろう。回避と詠唱、その二つに思考能力と演算能力、直感の全てを使用して辛うじて避けることが出来ていた所に、方策を思考することで容量を超えてしまい動きが鈍る。そして彼が相対している敵はその隙を見逃すほど未熟でも愚かでもない。

 

 2人の攻撃が紫音の胴体を薙ぎ、腹を刺し貫く。辛うじて心臓への直撃だけは避けたがそれだけ。紫音は地面に倒れ伏し、意識を失う。最後に見たのは、赤銅色の髪色をした青年が騎兵と共に降り立った所であった。

 

 

 

 

 次に意識を取り戻したのは夕方、冬木教会であった。簡易ベッドに寝かされていた紫音は目を覚まし、周囲を見渡せば横のベッドで眠っている衛宮士郎と書物を読んでいる一人の男がいた。

「代行者言峰...」

「何だ、知っていたのかね。ならば自己紹介は不要だな、蒼崎紫音と言ったか。」

名乗ってもないのに名前を言い当てられた紫音は驚くも、彼はそれに答えるように続ける。

「君の事は英雄王より聞いていた。若く未熟なれども懸命に生きる戦士がいたと。」

そう言いながら小さな小箱を紫音に差し出す。受け取った紫音が開くとそこには手紙と金色の何かが入っていた。

「英雄王から君宛に預かっていたものだ。その手紙を読むといい」

 

 戦士よ。貴様がこれを読んでいるという事は貴様の知りうる未来の中でも最悪の可能性を越えたさらに最悪の可能性を引き当て、そして我はそれに敗北したという事であろう。そうでなければ我はこの箱ごと消え去るようにしていたからな。

 貴様が知っている通り、貴様にした通りに我は人類の試練となるつもりであった。しかし、事情が変わったのだろう。あれは人類を滅ぼす存在であり、我の狙いとは別だ。我は試練を与えるつもりはあっても滅ぼすつもりはないのでな。

 だから、貴様に託す。それは我の宝物庫の代用鍵(スペアキー)だ。我の持つ力と比べれば圧倒的に劣りはするが貴様ならそれで十分であろう。世界を救って見せよ、紫音。

 

 金色の鍵を手に取り、魔力を流してみる。瞬間、知識が流れ込む。其れを扱う為の知識、其れを用いて引き出せる品々の情報。それは余りにも膨大な情報であり、咀嚼するにも時間を必要とし、解析が終わる頃には日が暮れていた。

 

 「んっ」

 彼のうめき声によって我に返る。彼が目を覚ましたようだ。この世界を救うための主人公の1人が。




 紫音は両儀式さんから押し付けられた資料と諏訪子様経由である程度神道よりの法術を納めています。

英雄王から託された代用鍵:本家本元のように高速で射出するとかはできません。ただ蔵にアクセスして必要なものを取り出すことが出来る程度です。まあ、英雄王を召喚する確定ガチャチケットにはなります。

何故英雄王から鍵を託されたのか?
 まず最初に、紫音が一瞬一瞬を必死に、全力で生きている若き武者というのが背景にあるうえで、英雄王の試練を意表を突く形で突破したおかげでもあります。その上で、英雄王と色々と話している時に英雄王から見て評価が+++となったおかげで若干賢王要素が戻って来たおかげです。

 この世界線への分岐要素は、英雄王の好感度が本編よりも高い+紫音が間桐邸に押し込み強盗することを忘れる+紫音が冬木に戻ってくるの3点がメインですね。もし戻ってこなかった場合はどこかの全能お姉さんのどちらかが出張ってきます。


 この世界だと聖杯という要素がなくなるので月姫世界線に更に寄って行く事に加えて、リソースのあての消滅も重なってリソースの蒐集目的で埋葬機関に所属する期間が長期化+本編で予定している変化が更に手前になるので幻想郷への移動という見方では最短ではあります。

ジェスター、どうしたい?

  • 即落ち
  • 逃走成功!
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