Fate/eastan phantasm   作:Astrad

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この作品の東方要素は全ての作品の東方要素の大半は凋叶棕氏の作品を経由して受容されています。
私は霧雨魔理沙だったのかもしれない...?


冒険の断章
怪物の腹の中へ


 「よし、到着!」

 ローマ郊外の空港に私達は降り立つ。東京からカイロを経由する道のりは凡そ1日近くの時間を要していた。

 「ここがローマ、紫音さんとシエルさんの働いている街なんですね。」

 「はい!事前の連絡だと迎えも手配してあるらしいので…と、あれですね」

 シエルが指さした所には教皇庁の紋章が描かれているバンが止まっていた。

 「よし、それじゃ行こうか。」

 操縦士に礼をし、チップを渡して降機する。

 

 バンに近づくと、運転手が降りて来た。

「よう、久しぶりだな紫音。そしてシエル嬢。局長が本部で待っとるよ。して、そちらのお嬢さんはもしや?」

 そう言えば、早苗がこっちに来るのは初めてだもんな。

「どうも、アントニー。そうだよ、私の幼馴染の早苗。紹介するよ、早苗。こいつはアントニーっていう、埋葬機関の便利屋みたいなやつ。付き合いは多分こっち(埋葬機関)の中では一番長いかな。」

「ま、そういうこった。俺はな、こいつが最初にここに来た時から送り迎えをやっているからな。ま、さっさと車に乗れ、早くしないと局長が焦れて飛んでくるぞ」

 うげ。それならさっさと乗るしかないな。

 

 私たちは車に乗り込み、車はローマ市街を抜けてヴァチカン市国に入り関係者用の道路を通って地下駐車場に入る。

 「あれ?見た所普通に見えますけど、いや、何か術式が書いてありますね。何だろ...?」

 車から降りた早苗が辺りを見渡し、目敏く隅にある術式を見つけた。

「大当たりですお嬢さん。こちらから我々の本部への道の始まりです。それでは、開けゴマ!」

芝居がかった素振りで手を翳し、術式を起動する。そうすれば、そこには影も形もなかったはずの扉が現れる。

 「早苗、ちょっといい?」

 「何ですか?」

扉をくぐる前に早苗を呼び止め、少し注意事項を伝える。

 「ここから先、色々と興味がわく物があるかもしれないけど、絶対に逸れない様にしてね。早苗の分の身分証は本部で発行だからそれまでは私かシエルについている様にね」

 「わかりました、誘惑に負けないよう頑張ります!」

 「よし、それじゃあ行くよ。」

 

扉をくぐり、エレベーターに乗り込み更に地下へ降りていく。ガラス張り、円筒形のエレベーターはシャフトが収められているこれまた円筒形の空間を見事に映し出していた。

 

そこは地下と思えない程に明るく大理石で装飾されている螺旋大階段。そこを行きかう数多の人々。老いも若きも関係なく、数多の者たちがそこにはあった。ここにいるのは皆聖堂教会の構成員。人類に仇名す存在と戦う組織としても最大規模の組織の本拠地がそこにあった。

 

 大階段の中心をとおるシャフトを降りていくエレベーター。それは大階段の最下部で止まる事はなく更に地下へと向かっていく。私たちの目的地は更に深い地下の底。埋葬機関の本部は聖堂教会の最下層に位置する為、少なくとも数百メートル以上の地下に存在する。正確な深さは私も知らない。

 

「アントニーさん、後どのくらいなんですか?」

「もう少しってところだな。と、話をしてたらもうすぐだ。衝撃にご注意ください!」

「え?うわ⁉」

 

アントニ―が注意を促した瞬間、地面に激突したかの如き急減速と衝撃が皆を襲う。シエルと紫音は慣れていたが早苗は急すぎて対応できず天井に頭をぶつけてしまった。

 

「うみゅう...頭がくらくらしますぅ」

「大丈夫ですか?早苗姉さん。」

 

ドアが開く。そこには先ほどの大理石を、白を基調とした空間とは違い、木材を使ったまるで図書館のような雰囲気を思わせる空間が広がっていた。

 

「ご苦労、アントニ―。ここからは私が代わる。さて、代行者紫音、シエル。そしてその協力者のミス東風谷。少し話がある。着いて来たまえ。」

 一行の前に現れた金色長髪の女性。彼女は3人に着いてくるように促し、そのまま踵を返して歩き始める。

「紫音さん紫音さん、もしかしてあの人が...」

 今までの紫音とシエルの会話から思い当たる不死があった早苗は、紫音の服を引っ張りながら確認をとる。

「うん。うちらの局長。」

「となると...」

「思っている通り。とても怖いから気を付けて。」

「ひいい...」

 早苗は紫音やシエルが今まで語って来た局長の所業の数々を思い出して涙目になる早苗。思わず逃げ出そうとするがエレベーターはアントニーと共に遥か上。しかもシエルに手を繋がれている以上逃げることは出来ない。

 

 

「入れ」

 通路の突き当りにある局長室、戦闘を歩いていた局長が入るように促す。猛烈に嫌な予感がするが入る以外の選択肢がない為、まっすぐ部屋に入る。

 

 そこは意外にも、まっとうな部屋でちょっとした応接セットと机、そして私室につながる扉がある以外には壁を埋め尽くす本棚がある程度の普通の部屋だ。

 

「座れ」

対面しているソファの片方に局長は座り、もう片方に座るよう私たちに促してくる。

大の大人が3人座るにはやや窮屈な幅しかないが、幸か不幸か私たちはティーンエイジャー程度の身丈しかなく、小柄な為十分な幅がある。

 

「さて、まずは何から始めようか。そう言えば、ミス東風谷。」

「はっ、はい。」

早苗はまさか自分が話しかけられるとは思っておらず、驚きを隠し得ない。局長が何を言うかわからず、戦々恐々としていた3人であったが、続く言葉は意外なものであった。

「君がここに来ることは初めてだったな。身分証だ、籍は埋葬機関、扱いとしては紫音のパートナーにしているからここ以外で余計な詮索をされることはないだろう。」

「ありがとうございます」

意外と優しい対応であった為、あっけにとられ素直に受け取る早苗。

「後は紫音、貴様にはノイから書庫の鍵を預かっている。あいつは就任祝いと言っていたが随分なものを渡したな。後、説教する事はあったかな...」

(何をしようとしているんだ...?というか、理由に関しては聞いていないようだな。)

 

 

 記憶の中から何か紫音に説教することを探しているそぶりを見せていたが見当たらなかったのか、それとも何かを思いついたのか嗜虐的な笑みを浮かべて局長は口を開く。

「そう言えば、夜劫から代行者が襲撃してきたと文句が来ていてな。」

 その一言で固まる紫音とシエル。

「まあ、大体の事情は既に調査済みだ。お前達があれを傍観できる者でないことは知っている。故に説教する事はない。意味がないからな。だが、ポーズとしてペナルティは与えないといけないからな。これを持っていけ。」

 そういうと、局長は立ち上がり本棚から一つの本を取り出して紫音に押し付ける。しぶしぶ受け取った紫音はそのタイトルを見て驚く。

『【城】についての報告書』

「まあ、何もすぐに行けとは言わん。あれの活動が弱まるのは冬だからな。」

 

 

「冬休みの宿題、出来てしまいましたね。紫音さん。」




アントニ― 特に練られたキャラではないが、代行者上がりで聖堂教会の仕事を受けている時に紫音のサポートをしている人。紫音を心配している人間の一人。
ナルバレック局長 あまり描写がないのでヘルシング局長をイメージしている。

ジェスター、どうしたい?

  • 即落ち
  • 逃走成功!
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