母からもらっている小遣いを手に、電車へ乗る。視線を掻い潜り、光学迷彩の魔術を使って監視カメラからも見つからない様に、人の隙間を掻い潜って進んでいく。私は未だ5歳、世間でいうのであれば未就学児であり、1人で出かける行為が許容される身分ではない。故に、誰にも見つかるわけには行かない。
松本駅から特急電車に潜り込み、東京へ向かう。不運にも特急列車の座席は満員、デッキにも立ち乗りをする人間が複数存在する以上、デッキですら安全とは言えない。だからこそ、私は
何故私がこのような真似事をしているのか。それは、第4次聖杯戦争に参加する為だ。第4次聖杯戦争、約束されたバッドエンドの世界。基本的に生存の芽は薄い。だが、幾つかのメリットがある。1つは、
そして3つ目、これはメリットでなく
特急列車は長野県を抜け、山梨を抜け、東京へと入っていく。このまま行けば新宿まで行くことが出来るが、私は八王子で降りる事にした。母が言う事には、新宿近辺には、魔術ヤクザがいるらしい。魔術師と思われて余計なトラブルを巻き起こすのはごめんだ。だから、ここからは魔術を抜いて行動する。
東京に入ってしまえば、幼児や小学生が一人で出歩いているのは珍しくはあってもおかしい事ではない。だから、夜行列車に乗る直前まではただの、背丈が低い小学生を装って動く。堂々としていれば別にばれない。
改札から入りなおし、堂々と進んでいく。そうすれば、別に怪しまれない。そのまま普通電車に乗り東京の中心部へと向かう。そして、暗示で切符を調達し、そのまま夜行列車に乗った。
夜行列車の個室の中で、私は一息ついた。少なくともこの中では魔術を使用する事はない。検札をやり過ごした後、眠りに就こうとしたその時であった。
「お話は理解しました。ええ、こちらとしてもあの聖杯戦争が人理にとっての危機になりかねないというのは承知していますが、流石に人をお間違えでは...?」
なんか、電波を受信してしまった。それも恐らく、ルーラー系の。
「そもそも、宗教からして間違えておりませんか?はい?聖女の肉を降ろして更にその上に私が降りるから問題ないと?寧ろどの宗教に染まっておらず素質も考えれば、この国の中で一番ましな選択肢と?」
受信した電波と話している中で、一つの英霊が頭に浮かんできた。
「わかりました。それでは、私はあなたと行動を共にすることをここにお約束しましょう」
背中に痛みが走る。きっと、令呪が宿ったのだろう。
そして受肉。自らの肉体の内側にはち切れそうな程の力が宿る。聖女の霊基がまず宿り、そしてその上に天使の霊基が宿る。圧倒的な力が体を駆け巡り、紫音は耐え切れずに意識を失った。
翌日、何処からともなく声が響き意識が覚醒する。
「起きなさい、契約者よ」
声に導かれ目を開くも、未だ日は上っておらずそのまま目を閉じる。
「無理...まだ寝る...」
「起きろと言っているでしょう!!」
体内の魔力が掻き乱される。その気持ち悪さに目が覚める。目を開いた先には半透明の彼女がいた。3対6枚の羽根を背にし、平然と佇む彼女。
メタトロン·ジャンヌ。大天使が降臨の為に聖処女の肉体を纏った、数多の英霊の中でも稀有な存在。
「ああ…やっぱり、昨日のは夢ではなかったか…所で、なぜ半透明なので?」
そう私が問えば、彼女はしかめっ面をしながらも答えた。
「まず、前提条件から擦り合わせる必要がありそうですね。私は、メタトロン·ジャンヌ。聖処女の肉体を降ろした貴方に降臨した天使です。」
「成程、つまり貴方は私の肉体に宿っているわけであってサーヴァントとして限界した訳ではないということでよろしいか?」
「ええ。ですから、私は貴方の肉体を借りる身であり、そこから出る事は出来ません。今あなたの前にいる様に見えているのも、あなたの網膜に私の体を投影しているからです」
「とすると、戦になった時には私の肉体をそちらに委ねるという形か?」
「どちらでも。私と貴方の意識は直結していますから、私や彼女の経験もいずれ貴方に流れていくでしょう。故に、大した影響はありません。」
成程、いわゆるデミ·サーヴァントというものか。紫音は情報を咀嚼した結果そのような結論に至った。しかし、一つ疑問が残っていた。
「して、大天使よ。一つ貴方に確認したいことがあるのだが、よろしいか?」
姿勢を正し、声音を作る。
「ええ。良いでしょう」
「私が知る限り、というかあなたが私の記憶を覗いているのであれば知っていると思うが、何もしなくても聖杯戦争の結末として冬木新都の壊滅程度で済む話であり、聖杯戦争そのもののイレギュラーは存在しないはずだ。そもそも大聖杯に基づくルーラーの召喚機能自体、アンリマユによって封じられている可能性が高い...もしかして!」
紫音は考えながら言葉を言葉を紡いでいる。その癖にによって思い至ってしまった。
「その通りです。私は聖杯ではなく抑止力によって召喚された者。現地の者に後押しするだけでは足りず、外部からの介入を必要とするが故に降りた者です」
彼女はその考えを肯定した。肯定してしまったと言うべきであろう。彼の者は聖杯に呼ばれた、聖杯戦争の
「マジかよ...もしかして、私の知る流れよりも悪いという事か?」
思わず口調が乱れる。頭を抱えながらも言葉を紡ぎだし、彼女に確認する。
「そう考えた方がよいでしょう。更に言うのであれば、そもそもこの世界はあなたが知っている者とは全く違います。あなたの言葉でいうのであれば、この世界は月姫とfateの世界線の2つの流れを汲んでいます。故に、人の安息は未だ約束されていません」
その言葉は紫音にとって衝撃的なものでしかなかった。彼は今までこの世界の
しかし、大天使の一言でそれは崩されてしまった。今や彼の精神を支える原作知識は役に立たない事が決まってしまったからだ。
自らの原作知識が役に立たない事を知ってしまい、更に人類自体も繁栄が約束されていない世界線にやってきてしまった事を知った紫音はSANチェック1d20です。
次回投稿は恐らく2007時点の設定集になると思います。
fake編で紫音はサーヴァントを召喚するか?
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己の肉体が解決する(いらない)
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こいつストッパーが必要だな(いる)