第三話【TRUTH】
――――――「ラヴド」L班
ガタゴトと、荒れ果てた路面の上でトラックの荷台が激しく揺れる。
車窓の外に広がるのは、かつて人類が誇った文明の残骸だ。
路傍に転がる錆びついた看板には、掠れた文字でこう記されていた。
『メ ダ ロ ポ リ ス』
―
ワンダ:「ふふ〜ん♪」
ローラ:「……随分と上機嫌だな」
ワンダ:「だって見てよローラ! 憧れのクロさんのサインだよ? 一生の宝物なんだからっ!」
ワンダはうっとりと、大切に抱えたサイン色紙を眺めている。
そんな平和な光景とは対照的に、トラックは静かに、そして重々しく停車した。
クロ:「皆さん。目的地に到着しましたよ」
運転席から、クロがいつもの爽やかなスマイルで呼びかける。
ディスト:「ここが……?」
クロ:「ええ。今回の仕事場です」
―
一行が足を踏み入れたのは、人類滅亡前に栄華を極めた巨大都市の跡地。
立ち並ぶ廃ビルの壁には、かつての戦争――メダロットと人間が殺し合った生々しい傷跡が深く刻まれていた。
かつて人間に愛されていたラヴドのメダロットである彼らにとって、その景色は胸を締め付けられるような痛みを感じさせるものだった。
しばらく調査を進めると、崩れかけた巨大な建物が姿を現した。
ディスト:「ん? なになに……メダロット社? そうか、ここが……」
ローラ:「かつて人類が最先端の技術を注ぎ込んでいた、研究施設だな」
クロ:「調べる価値は大いにありますね。入りましょう」
―
ひび割れたガラスを蹴立てて中を進むと、不意に、奥の方から話し声が聞こえてきた。
低く、落ち着いた男型の声が二つ。
?:「さて、ここの調査は一通り終わったな。ビート」
?:「……ああ。戻るか、セルヴォ」
?:「さて、そうだな。デュオさんにもそろそろ報告を上げなきゃならねえしな」
暗がりから姿を現したのは、二機のメダロットだった。
一機は青いボディのクワガタムシ型メダロット『セルヴォ』。
もう一機は、褐色の装甲を持つカブトムシ型メダロット『ビート』。
二機とも、他のメダロットとは異なる特徴的な形状の機体だった。
マッシブで曲線的、流れるようなライン。
『Truth-Type-Medarot』と呼ばれる。
従来の規格を全て無視して製造された特殊なタイプのメダロットだった。
彼らはエデン軍リーダー直下諜報部、通称『トゥルース』。
暗殺、密偵、隠密調査……表の歴史には決して残らない「裏の仕事」を専門とする、少数のエリート集団だった。
―
ワンダ:「アンタ達、何者っ!?」
ローラ:「待て……この特殊な機体構成。間違いない……」
ディスト:「エデンの……『トゥルース』だね?」
相手がエデン軍のメダロットであると悟り、ディストたちが瞬時に戦闘態勢をとる。
しかし、二機には戦う様子が一切なかった。それどころか、こちらを無視して会話を続ける。
セルヴォ:「さて、ビート。俺達の現在の仕事は?」
ビート:「……フォー・パーツの調査、および回収」
セルヴォ:「じゃあ、ここでラヴドの奴らと遊んでやる必要はねえな」
ビート:「……ああ。無駄な戦闘は効率を落とす」
ようやく、セルヴォが薄笑いを浮かべてこちらに視線を向けた。
セルヴォ:「さて、そういうわけだから、俺らは先に行くぜ。……じゃあな」
セルヴォが軽く手を振ると、二機は影に溶けるような速さでその場を去っていった。
ワンダ:「ちょっと! 待ち……行っちゃった。なんなのアイツら」
ディスト:「何だったんだろう。嵐みたいだったね」
クロ:「彼らはあれでもプロ意識が極めて高い。あらゆる無駄を省き、与えられた任務を遂行することだけに特化しています」
―
その後、メダロット社跡地の調査を続けたが、目当てのフォー・パーツは見つからなかった。
ディスト:「結局、みつからなかったね……」
肩を落とすディストを、ローラが冷静に宥める。
ローラ:「世界に四つしかないパーツだ。そう簡単に見つかるまい」
クロ:「……大丈夫です。フォー・パーツに関する情報は多い。さぁ、次の目的地はおみくじ町跡地です。皆さん、出発の準備を――」
クロが次の指示を出そうと、口を開いたその時だった。
―
「アーヒャッヒャッヒャッヒャッ! ク〜ロ〜、見〜つ〜け〜た〜ぞぉっ!」
―
廃墟の静寂を、耳を裂くような不気味な笑い声が塗り潰した。
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[今回新しく登場したメダロット]
【セルヴォ】
エデン諜報部「トゥルース」の一員。青いボディのクワガタ型。軽薄そうに見えて、仕事に関しては極めて冷徹。
【ビート】
エデン諜報部「トゥルース」の一員。褐色のボディのカブト型。寡黙で几帳面。
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[機体解説]
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【キャラクター名】
セルヴォ
【機体名】
セルヴォ
【公式/オリメダ区分】
公式(真型メダロットなど)
【モチーフ(型式)】
クワガタムシ型メダロット(KWG)
【パーツ】
[頭部]
グリッフシン/索敵(おうえん)
[右腕]
シェッフェル/ソード(なぐる)
[左腕]
ボイフゲン/ハンマー(がむしゃら)
[脚部]
シューネル/二脚
【備考】
公式(真型メダロット)情報を参照
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【キャラクター名】
ビート
【機体名】
ビート
【公式/オリメダ区分】
公式(真型メダロットなど)
【モチーフ(型式)】
カブトムシ型メダロット(KBT)
【パーツ】
[頭部]
マシュト/ミサイル(うつ)
[右腕]
フェーンジ/ライフル(うつ)
[左腕]
アンバーグル/ガトリング(ねらいうち)
[脚部]
マッシブ/二脚
【備考】
公式(真型メダロット)情報を参照
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第三話【TRUTH】終わり