乙女ゲー世界はモブよりなによりガノタたちに厳しい世界です   作:グレイファントム

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第一話:転生。ただし状況は最悪だ。嘘だと言ってよ!〇ー二ィ!

…頭が痛い。

う~ん、昨日は飲みすぎたか?

確かあいつらと久々に飲みに行って…モブせかのアニメ三期の話をして…その後は…

 

「…ぉ!…目を…してよぉ!」

 

なんだぁ?

遠くの方から声が聞こえる。この感じ…子供?しかも女の子だ。

…俺を呼んでいるのか?

ふむ…俺に小さい女の子の知り合いで心当たりはないな…妹の子供は全員甥っ子だし。

じゃ、誰だ?

…だめだ、マジで心当たりがない。

まさか…酔っ払ってよそ様の家に不法侵入でもかましたか⁉

まずい!そうだとしたら本当にまずい!

と、とにかく起きなければ…!

 

「ねえ!お願いだから目を…」

「すいませんでしたああああああああああああ!!!」

 

俺の体の上の方に誰かいることを考慮し、勘で誰もいないと判断した左方向へ向けて飛び上がり、そのまま華麗なDO☆GE☆ZA☆を決める。

社会の波に揉まれて幾年月、社会人として俺が身に着けた土下座は取引先の社長に

「これは…いい土下座(もの)だ…」と言わしめ取引を勝ち取るほどの実力に達している!

これでいったんの時間稼ぎは済んだ!あとはどうすれば…

 

「…よ」

よ?

 

「よかったぁぁぁぁ!!!」

「どわぁ!?」

 

涙をにじませた声がそう叫んだかと思うと、突如として体に何かが飛びついてくる。

へなちょことはいえ一応大人(成人男性)の体幹なら耐えられる程度の衝撃のはずだが、何故か(・・・)まったく踏ん張りがきかず、そのまま倒れこんでしまう。

「いてて…って、え?」

「よかったぁ…ほんとうに、よかったよぉ…グスッ」

どうやら俺に突進してきたのはさっきまで泣いていた幼女のようだ。

だが…明らかに日本人じゃない。

亜麻色の髪に碧眼、まだ幼いながらもその顔は確かに整っている。将来はすさまじい美人になるだろう。

まぁ、それも確かに驚きはした。

が、この状況で俺が驚いたのはそこじゃない。

のしかかってきた少女と同じくらいの体格になっている。否、体が縮んでいるのだ。

 

「なっ…」

 

驚いて自分の手を見るが、それは明らかに昨日まで俺の(昼夜ともに)相棒として使い続けてきた大人の手ではなく、推定5歳程度のまだぷくぷくと丸みを帯びた子供の手。

さらに、今更気づいたが、俺のデコの上にかかっている髪がどう見ても黒い髪じゃない。

目の前の少女と同じと思われる亜麻色の髪、それが俺のデコを風と共につんつんしている。

 

「…なるほど」

この少ない情報量から過去に読み漁ってきたラノベなどの展開を思い出し、それらを統合したうえで俺はある結論を導き出した。

 

…こりゃ、転生したな、と…。

 

 

 

 

 

「…とりあえず、どいてもらってもいい?」

「え?あ、うん、ごめん!」

 

俺ができるだけ優しく声をかけると、少女は慌てて俺の上から退く。

よし。少しづつ落ち着いてきたぞ。

同時に、少しづつではあるが、この体の持ち主の記憶が流れてくる。

…フムフム、この少年の名前は…

 

「それで…だいじょうぶ?【レイト】?」

「ん?ああ、大丈夫だよ」

 

この少女が先に呼んでくれた。

そう、彼の名は【レイト】。

苗字はないのか知らないのか…ただ、身にまとっている粗雑な服を見るに後者の方が可能性としては高いだろう。

そして…

 

「心配かけてごめんな、【オリヴィア】姉ちゃん」

 

そう。

目の前の少女はレイト少年の実の姉である【オリヴィア】ちゃんらしい。

が、そんなオリヴィアちゃんはこちらを見たままじっ…と黙ってしまった。

 

「…オリヴィア姉ちゃんなんてよばれたことなかったけんど…ほんとうにだいじょうぶ?」

「え?あ、あー」

 

イカン!呼び方を間違えた!

こういった〈憑依型〉転生の場合はこういった幼子が真っ先に違和感に気づきやすい。故にこんなところでしくじってはマズイ!

…それはそれとしてオリヴィアちゃんの話し方には少し癖があるな…田舎っぺちゃんなのかな?

って、そうじゃなくて!何か、何かごまかす方法は…よし、これなら…!

 

「…ちょっと背伸びしたくなったんだ。ダメ?」

「え?いや、だめじゃ、ないけど…」

 

成功だ!

弟の上目遣いの「ダメ?」は効果抜群だ!

オリヴィアちゃんの不審そうな顔がもう解けかけている!

 

「それよりほら、もう日が暮れてきてるよ?」

「え?あ、ほんとだ!はやくかえらないとしかられる!」

 

俺が指さした空はもう赤らみ始めている。まもなく日が暮れるだろう。

慌てたように身を起こしたオリヴィアちゃんとともに、俺も小さくなった体を動かし立ち上がる。

と、その直後。

 

「んなっ…!?」

 

俺は目を見張った。その視線の先にあるものが信じられなかったからだ。

よろよろと立ち上がり、一歩、前に足を踏み出す。

…俺の視線の先。そこには

 

空中に浮かぶ島があった(・・・・・・・・・・・)

 

まさかと思い、今一度自らの姉となった少女を振り返る。

そして、気づいてしまった。

 

「オリ…ヴィア…亜麻色の髪…碧眼…」

 

目の前の現実を受け入れたくない。

なぜなら、それを受け入れてしまったが最後、おれは避けられない運命を受け止めなければならなくなる。

だが、知ってしまった俺の脳は、すぐさま結論を出した。

 

「『モブせか』の…オリヴィアの、弟?」

 

ホルファート王国と呼ばれる国の、辺境のド田舎の浮島で。

俺-レイトは、己の姉が近い将来に『聖女』と呼ばれ、数多くの危機と受難に見舞われながらも世界の中心になる人物…

そして、自らが愛してやまない、『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』のヒロインである、『オリヴィア』であるという事実に、気が付いてしまったのだ…。




嘘だと言ってよ、バー〇ィ!
ポケ戦は名作だがそれはそれとしてもう見なくていいかも…
あ、ガンダムネタは随時ぶち込んでいく予定ですんでお待ちを
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