たくさんあってどうしようかと悩みました。
旅館から見える稲妻の海はとても綺麗だった。
スメールからだと見える場所は限られてくるので、ここまでみた海は久しぶりだった。
「夜ご飯持ってきたよ」
「ありがとう」
海を見て感動していると、夢見月瑞稀さん。長いから瑞稀さんって呼ぶ様にしよう。
瑞稀さんから夜ご飯を持ってきてくれた。
どれも美味しそうな見た目である。
「ベル君って稲妻の料理って初めてかな?」
「う〜ん…多分初めてかも…」
「そうなんだ〜じゃ、説明しながら
「うん?食べさせてあげる?」
「うん、そうだよ?」
「いやいや、おかしな事を言ってるのは僕みたいに言わないでもらっていいですか…」
「私…何かおかしな事言った?」
頭に?マークが見える様な感じで僕の事を見ないで欲しい…。
稲妻の料理の説明は有難い。それは本当に思う。
けど、問題はその後の発言である。
何よ食べさせてあげるって…
食べさせてあげるってそれって恋人同士とか家族がやる物ではないだろうか普通は。
それを恋人同士はまだしも、家族でもない人がやるかな
しかも瑞稀さんってかなりの美女だし、そんな事をされたら壊れてしまうよ僕…
「おかしな事しか言ってないと思います」
「本当?」
「うん…」
「私みたいな美人から食べさせてあげるって言ってるのになんで断るのかな?」
自分で美人って言っちゃったよ瑞希さん…
「いえ、自分で静かに食べたいなって説明はありがたいけど…」
「む~私は食べさせてあげたいのに~」
「そんな事を言われても無理な物は無理ですよ…」
そう言っても瑞希さんは不満そうな表情だった。
「っていうか言い合ってたら…料理冷めるんですけど…」
「君が断るから言い合いになってるだけなんだけどなぁ~」
こっちが悪いみたいな感じで言ってくるの…辞めてくれませんかね…
「もう分かりました…」
「って事は?」
「そうですよ。食べさせて貰っていいですか?」
これ以上良い争いをしても無駄でしかないのだ。
だからこっちが折れる事にした。
「いいよ~何から食べる~?」
瑞希さんは箸を手に持ってどれがいいか選ばせてくれる模様。
「じゃ、これで」
その中で指を指したのは天ぷらが乗った料理だった。
「これね、私もおすすめの料理なんだよ」
「そうなんですね」
「緋櫻天ぷらって言うんだよ」
「その名前そのままなんですね」
「そうだよ。けた緋櫻の花びらと新鮮なエビと野菜にとろみをつけてから、揚げてから油を切って作るんだよ」
「へぇ~」
「簡単そうに見えるけど、極上の天ぷらを作るには、技術も必要なんだよ?」
「って事は凄腕の料理さんが居るんですね」
「そう思うでしょ?」
なんか雰囲気が変わったなこれ
「私が作ったの」
「おおー凄いじゃないですか」
「そうだよ!だからもっと褒めてくれれもいいんだよ」
「褒めすぎたら調子乗りそうな感じがするので程ほどにしておきますね瑞希さん」
「むーベル君はもうちょっと私に優しくしてくれてもいいんじゃないかな」
「料理が出来る女性は素敵ですよ」
「それは嬉しいけど…もっと言う事あるんじゃないの?」
「これ以上何を言って欲しいんですか…」
「例えば…恋人とかそれ以上の事とか…」
「…」
「ちょっと!?反応してくれてもいいんじゃないかな?」
「いや…それに関しては触れたら負けかなと思って…」
初対面で求婚を求めてくる女性は、どんだけ性格良くても辞めておけって聞いた事あるし…知り合いのニィロウもそうだったし
「ベル君って彼女居るの?それなら分かるんだけど…」
「居ないですよ」
「じゃ。私の告白を断るのはなんでなのかな?」
「瑞希さん…怖いですって…」
「怖くないよ?私みたいな美人が怖いなんてないよね?」
「はい…そうです…」
「そうだよね?ベル君…?」
もう脅迫でしょこれ…
今にもやられそうな感じがするし
僕を部屋の隅まで追いつめてきてこれ以上は危ないって状況に陥った時。
部屋の扉が開いた。
「瑞希さん…ちょっといいですか?」
「は~い。ベル君、待っててね」
「分かりました…」
瑞希さんは僕にそれだけ言って廊下で話し合っているようだった。
逃げる事は無理そうか…。まぁ…逃げるなんて事はしないけど…
しばらくして、瑞希さんは戻ってきて
「ベル君。さっきの続きしようね」
「続きって…」
「食べさせる事と私の彼氏になってもらう事かな?」
「後半の話はお断りでお願いします」
「む~」
頬を膨らませてこちらに顔を近づけてくる彼女は本当に美女なんだなって思わされるのだった。
スメールの料理は、ニィロウのタフチーンでしたっけ?それしか知らないのです。