追放された最強の悪魔剣士の復讐道中記 -幸紀と星霊隊の24人の女たち-   作:晴本吉陽

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第19話(6)制裁 -明宵と雪奈-

 その頃、ミツニィは村の外れの森へとなりふり構わず走っていた。

 

「ちくしょう、ポラリスめ…!やつのアイディアに従ったらこのザマだ!何が偉そうに『同士討ちを狙え』だ!許さんぞあの紫虫!」

 

 ミツニィはそう言葉を漏らしながら、手を伸ばし、「悪魔回廊」への入り口を開いた。

 

「とにかく、逃げ延びるぞ…」

 

「『フリーレン』!!」

 

 ミツニィが「悪魔回廊」へ足を踏み入れようとしたその瞬間、雪奈の声が響き、ミツニィの足が凍りつく。ミツニィは無理やり足を動かそうとしたが、それは叶わなかった。

 

「なっ!?こ、こいつっ!!」

 

 ミツニィがもがこうとしたそのとき、巨大な霊獣人がミツニィの腕を掴み上げた。

 

「!!」

 

 ミツニィがゆっくり振り向くと、明宵が本を広げながら霊獣人を操る。前髪の奥にある明宵の瞳は、激しい怒りを湛えていた。

 

「…正直言いましょう、私はあなたが憎いです。だから、ただ殺すなんて優しいことはしません。苦しみ抜いて死んでもらいます…!」

 

「ま、待ってくれ!」

 

 ミツニィがそう叫んだ瞬間、霊獣人が掴んでいるミツニィの腕を引きちぎり、胴体と腕を切り離す。黒い煙が噴き出る中、霊獣人はミツニィの逆の腕を引きちぎる。

 

「せいやぁあっ!!」

 

 明宵の裂帛の叫びと共に、ミツニィを無理やり持ち上げる。ミツニィの両足は凍りついており、それによって両足も彼の胴体から離れる。

 

「あがああああっ!!やめ、やめろぉっ!!」

 

 明宵はミツニィの命乞いを聞かず、霊獣人を操る。霊獣人は、そのままバックドロップの体勢で、ミツニィの頭を地面に叩きつけ、彼の首の向きを捻じ曲げた。

 

「凍てつけっ!!」

 

 満身創痍のミツニィの全身を、雪奈が一気に氷結させる。氷の中で、ミツニィの四肢だった部分から黒い煙が徐々に吹き出していくのだった。

 

「…幸紀さんに教えていただきました。その黒い煙は人間でいう血液のようなもの…それが体内から大量に出れば、人間と同じく大量失血で死ぬと…今はその氷で生きながらえていますが、果たして氷が溶けた時、どうなるのでしょうね…!」

 

 返事ができないミツニィに対し、明宵は語りかける。そして、明宵は、凍りついたミツニィを霊獣人で持ち上げると、一番高い木の枝に、氷漬けになったミツニィを刺しこんだ。

 

「…朝になれば陽が差してその氷は溶けます…その時が楽しみですね」

 

 明宵はミツニィにそう言うと、背を向けて歩き出す。雪奈は、そんなミツニィの姿を見て言葉を放った。

 

「可哀想なんて言いませんよ!あれだけ明宵さんに理不尽なことをした罰です!」

 

 雪奈はそれだけ言うと、肩で息をしながら明宵の後に続いていくのだった。

 

 

数分後 村中央

 戦闘を終えた幸紀と、幸紀の援護に来ていた結依、咲来が、村の偵察を終えて幸紀のところにやってきていた。

 

「幸紀さん、偵察終わりましたぁ…村の人たちは残念ながらみんな殺されちゃってますぅ…たぶんさっき幸紀さんがちぎっては投げてちぎっては投げて片付けた悪魔たちのせいじゃないでしょうかぁ」

 

 咲来は泣きながら幸紀に報告する。咲来の報告を受けて、結依は俯きながら言葉を発した。

 

「…ひどい悪魔たちでしたね…明宵さんや、雪奈ちゃんを使って私たちを攻撃させて、挙句村人たちは皆殺しなんて…」

 

 結依もそう言って顔を両手で覆う。泣いているふたりを見た幸紀は、冷静に声をかけた。

 

「泣いたところでどうにもならん。日菜子たちのところへ戻るぞ」

 

 幸紀がそう言って歩き出そうとすると、そんな幸紀の背後から声と足音が聞こえてきた。

 

「幸紀さぁああん!!」

 

 幸紀が振り向くと、明宵と雪奈が泣きながら幸紀の体に抱きついてきた。

 

「??」

 

「痛かった…痛かった…!怖かったよぉ…!!」

 

「本当に…本当に…きてくれてありがとうございます…!!うわぁああ!!」

 

 幸紀の服にしがみつきながら、明宵と雪奈は大声で泣き喚く。幸紀はそんなふたりを見ると、何を言うでもなく、息を吐いた。

 

「…行くぞ。日菜子たちのところに戻る」

 

 幸紀はその場の全員にそう言うと、左の脇腹を押さえながら、自分の服にしがみつく明宵と雪奈をそのままに、日菜子たちのところへと歩き出すのだった。

 

 

 

隊員紹介コーナー

隊員No.6

名前:冥綺《くらき》明宵《あけよ》

年齢:18

身長:153cm

体重:48kg

スリーサイズ: B90(E)/W59/H86

武器:魔導書、使役する霊獣

外見:黒髪で、前髪で目を隠している

能力:人並み外れた強力な霊力と、霊獣人を使役する能力を持つ

家族構成:父母

過去

両親からの愛情を一身に受けて育ち、さらには幼少期は病弱だったこともあって非常に甘やかされて育ってきた。

両親の関係で月暈神社の朋夜や、そのご近所に住む華燐とも関わる機会が多く、ふたりは明宵にとって姉のような存在。

同時に、雪奈と咲来の霊力も研究しており、ふたりが霊力を使いこなすための訓練を一緒にしたこともある。

 

隊員No.7

名前:霜山《しもやま》雪奈《せつな》

年齢:15

身長:148cm

体重:42kg

スリーサイズ:B75(A)/W63/H82

武器:ステッキ

外見:青白い髪のツインテールで、青白い瞳をしている

能力:氷に関する非常に強力な魔力と霊力を持つ

家族構成:祖母

過去

父が悪魔、母が人間だが、生まれた時に両親に捨てられ、母方の祖母に引き取られて育った。

幼少期は霊力と魔力を今よりもコントロールできず、人間離れした容姿も相まって周囲からいじめを受けてきた。

しかし、雪奈の祖母はそんな雪奈に寄り添い、彼女の容姿や霊力を受け入れ、優しく接してきた。祖母の思いやりと、明宵とのトレーニングにより、霊力がコントロールでき、優しい性格になり、周囲に受け入れられるようになった。

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