とある少年の大地結晶【アースクリスタル】   作:えりー

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話という”尋問”

「僕に……話?」

「ああ」

紫苑はこの時、変だと感じた

何故なら、この青年とは初対面の筈だから

なのにさっきまでは他人みたいだったのに、名前を言い当てられている

そして、この青年が不敵に笑っているのがさらに紫苑の警戒心を強くする

するとそれを見ていたのか、青年が

「そんなに固まるなよ。リラックスリラックス」

と言った

「………話って?」

「なぁに、お前に得があるやつさ」

「……僕に?」

何の得があるのだろうか、と紫苑は思った

すると青年は足を組み始めた

そして紫苑を不敵に見つめ、口を開く

「お前の能力はどうなってるんだ?」

「⁉︎」

紫苑は目を見開いた

何故この男は知っているのか

この事は黄泉川と総括理事会しか知らない筈なのに

「おいどうしたぁ?俺は能力の進展を聞いてるんだけど?」

「……僕に能力なんてない」

紫苑はここを免れようと、嘘をついた

だが

「おいおい、嘘はつくなよ〜。”俺はお前をずっと見ていたんだから”」

「⁉︎」

「いや、言い方が悪かった。言い換えるなら調べただな」

「調べた…⁉︎そんなの不可能だよ。僕の情報は何重ものロックが掛かっているんだ。しかもそれを解くのは常人でも難しい。少なくともその割合は0に近い」

紫苑は嘘だと確信していた

プロでも解けないあのロックに、誰も見れる訳がない

そう、誰も

だけど

「残念だが……俺はそういうのは”Level5級”でしてね」

 

____無意味なんだよ。そんなのは

 

「……え?」

「俺がどんなけロックを解いてきたのかわかってる?俺はその技術がないとやっていけないんでね。現にこの俺の技術を見込んでいるやつが多数いるんだから」

だから、と青年は付け加えた

「お前の誕生日、年齢、そして…お前の過去も全て知っている」

「ぁ…ぅぁ…」

「ん?でも情報だとお前は覚えるのが苦手とか書いてあったよな〜……だけど…葛城嶤のは覚えている」

青年はさらに続ける

例えそれが大したことなくても、紫苑に比べればそんなの超えている

「いや〜なんだ。お前ってとんでもない力を持ってて、その力をまだ制御出来てなくて」

「や…めろ」

紫苑の声が届いているのかわからない

だが青年は何の迷いもなく続ける

「その力を狙った研究者に良いように使われて」

「やめ、ろ」

「それで暴走して」

「やめろ…」

今度ははっきりと言った

だが青年は聞こえているのにも関わらず、追い打ちをかけた

「それは止められなくてついには____」

「やめろッ」

 

 

「殺しちゃったんだよ_______」

「やめろ‼︎‼︎」

 

青年の言葉を遮った紫苑

その声は周りにも聞こえ、周りの人々は二人に注目してしまった

しかも昼時、そこには学生も勿論いる

だが二人は気づいていないのか、いや、青年は気づいているが紫苑は気づいていない

紫苑は怒りに包まれているのだ

「それ以上言うと……僕は」

「能力を使うってか?ハッ、確かにお前の能力は恐ろしいものだ。だけどこんな所で使えるか?」

「…………」

「いや、今のお前なら出来るか。いいぜ、やりなよ。周りの人を殺してもいいならなぁ」

「…………まれ」

紫苑の肩は震えている

そこで青年は異変に気付いた

おかしい

この少年に

 

 

 

タトゥーなんてあったか?と

 

 

 

 

「黙れ……黙れよ…」

「……‼︎」

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ」

紫苑は狂ったように言い始めた

周りの人々はざわつき始めた

その時だ

ズズズズ……と、地面が許された

「なんか…揺れてない?」

「地震か?」

周りの人々は地震と思っていた

だが知らない

この地震が続けば、この学園都市は滅ぼされると

そんな事など人々は知らない

「マズイな…非常にマズイ」

流石にこれには青年も焦った

その揺れは大きくなる

 

 

 

 

筈だった

 

 

 

「見つけたぜェ」

その揺れは、白い青年によって止められた

白い青年は手刀で少年を気絶させ、なんとか少年を止められた

その白い青年は

「チッ、騒ぎの所に行ったらこォいう事になってるとはなァ」

一方通行だ

どうやら一方通行は騒ぎの原因は紫苑だとは思っていなかったらしい

だんだんと揺れは収まった

「………で?こいつを追い詰めたのはお前か」

「だったらどうした?」

「………お前はこいつをどうするつもりだった」

一方通行はそう言うと青年はフッと笑い

「さぁ、なんでしょう?」

わざと焦らした

「………」

「そんなに焦らなくてもいいじゃないか。”また会うからな”」

青年はそう言って去ろうとした

だが青年は何かを思い出したように立ち止まった

「あ、そうそう、名を名乗っていなかったな」

人々は気にしなくなったのか、ある人は観戦に行き、ある人は昼食を食べに行った

だからこそ名乗れる

青年の名を

 

 

「俺は野櫻菊翔【のざくらきくと】。また会うことになるからその時はよろしくな…第一位に”第三位”」

 

 

そして青年____野櫻菊翔は立ち去った

 

 

一方通行は野櫻の事を気にかけていたが、それよりも気にかけている事があった

それは

 

「……第三位……だと…?」

 

 

紫苑が第三位という事だ

 

 

 

 

 

 

「あーもしもしー?無事南雲紫苑に接触かんりょー。…何?次は本気でやれ?おいおい、俺あれでも寿命が縮んだんだぜ?………チッ、わーたよ、やりゃいいんだろやりゃ」

そして野櫻は通話を切った

「………さて、死ぬ気でやんなきゃなぁ」




ついに一方通行にバレてしまった第三位という称号

そして一方通行は黄泉川に問い詰める

一方、窓のないビルでは、二人の人物が会話していた____

次回「”守ってくれ”」
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