とある少年の大地結晶【アースクリスタル】   作:えりー

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第一位と第三位

「………何の事じゃんよ?」

「とぼけるな。もォあいつが第三位というのは確定している。今日会ったあいつの言葉でなァ」

「……それが嘘だというのもあるじゃん?」

「それはねェ。……確信が出来たのはもォ一つある」

一方通行は黄泉川の眼を真っ直ぐに捉え

「今日、あいつは能力を使った」

と言った

「‼︎⁉︎」

「いや、まだ序の口と言った所かァ。だがあれが続いてれば恐らくは…」

「________学園都市は崩壊する」

黄泉川は一方通行が言いたい事を先に言った

そしてフゥ…と息を吐く

「まさかとは思ったけど……やっぱり紫苑が…」

「気づいてたのか」

「当然じゃん。振動がこちらまできたからな」

黄泉川は一方通行に座るように命じ

「お前なら話してもいいかもしれない」

一枚の手紙を一方通行に差し出した

それは、Level5の認定証だった

「……やはり、な。あの手帳を読んだ限り怪しいとは思っていたが、まさか第三位だったとはなァ」

「一方通行もさすがに推測出来なかったって事じゃんよ」

「当然だ。あんなガキが第三位って分かるやつはいねェだろ」

一方通行は手紙を置き

「これはいつから届いたァ?」

と黄泉川に聞いた

黄泉川は手紙を仕舞いながら答えた

「一年前だよ。突然送られた」

「一年前って言うと、確か紫苑が来た頃だって言ってたなァ」

「そうじゃんよ。私はあの時、分からなかった。なんでまだ子供の紫苑がこんな重みを背負わなきゃいけないんだって。まだ紫苑は子供なんだ。だから内緒にしようと思ってたけど…」

「バレたって事か」

「というより、紫苑が自分から見たいって言ったじゃんよ」

「……………」

黄泉川は口元を緩ませた

「紫苑は強い子じゃんよ。Level5っていう重みを背負って生きて、まだ十歳のあの子は能力まで封じて…でも紫苑は明るくなって」

「………」

「……私は上層部が分からない」

黄泉川の顔が険しくなった

「子供にまでこんな重みを背負わせて何になるんだ。利用する為になんでLevel5にするんだ。私は、それが嫌だった。Level5になって間違った道に行っているやつもいる。……それがお前でもあるじゃんよ。一方通行。私はお前の過去を知らない。だけど、どす黒い闇にいたことは分かるじゃんよ。…だけど、上層部はその姿を楽しんでいると思うじゃんよ。闇に染まった子供達を研究するだけ、警備員は何も出来ない…屈辱的じゃんよ」

「………………」

「……話がズレたじゃんよ。ごめんな。今日は……寝かせてくれ」

黄泉川は話を切らして部屋に戻った

残ったのは一方通行ただ一人

一方通行は、紫苑と、過去の自分を合わせていた

似ている____。と

 

◻︎

 

ただ仲間に入れて欲しかった

だけどそれは叶わなかった

俺を殴ろうとした相手は変な音がした

相手は倒れて手を抑えた

俺はそれをただ見下しているだけだった

他の二人は誰かを呼びに行った

その時に俺は動けなかった…

 

次に来たのは大人だった

大人が相手らを守るように立ち塞がった

俺はただ立っているだけなのに、と思った

相手が殴ってきただけなのに、と思った

大人達が俺に向かってきた

大人達は見えない壁にぶつかったように吹き飛んだ

俺はただ立っているだけだった

____これが、俺の能力

望んでいなかった、俺の能力だった

 

次に来たのはスーツ姿の大人(SP)だった

あいつらは銃を持っていた

俺は何故向けられているのか分からなかった

あいつらは俺に向かって撃った

俺は向かってくる銃弾を睨んだ

すると、銃弾はあいつらに向かっていった

あいつらは血を流して倒れた

…………なンだ、これは

 

最後にきたのは戦車などの軍機だった

戦闘機が上空を舞っている

俺は歩道橋に立ってそれを見つめるだけだった

あいつらは何か叫んで撃った

命令したんだろう

俺は心底こう思った

____くっだらねェ

 

 

街は壊滅した

俺の力によって

____この力は人を壊す事しか出来ない

____何も守れない

 

 

俺は第一位という称号を貰った

だが興味がなかった

まだ子供だった俺はそんなのには興味がなかった

俺はいくつもの研究所を転々とした

兎に角能力を制御して一人暮らしした

だけど

 

第一位の称号を狙って薄汚ねぇ輩が俺の首を狙った

その数は日に日に増えていって、最後にはそれが日常茶番になっていた

何処で調べたのか、部屋は荒らされている時もあった

何故そこまで第一位の称号が欲しいのか、俺は完膚なきまでにそいつらを叩き潰した

時には殺す時もあった

____何も変わらない

第一位になっても、ただその言葉は人間を傷つける意味のない言葉だった

第一位になれば、最強になれば何か変わるかも知れないっていう俺の淡い期待は簡単に崩れ去った

俺は世界に呆れていた

 

そんな時に、”あの実験”がやってきた

何万体もの妹達(シスターズ)を”処理”する事で、Level6になれる んな夢のような実験だった

だけどそれがなンだ

そんなのには興味がない。どうせ何も変わらない

だけど

 

 

”無敵”という言葉に俺は溺れてしまった

 

無敵になれば何か変わる

 

無敵になれば誰も歯向かわない

 

無敵になれば____

 

 

 

 

誰も____________________

 

 

 

◻︎

 

紫苑は違う

あいつは最強っていう言葉に何も憧れを感じない

逆に紫苑は能力を封じてそれを拒ンだ

俺は無敵になりたいが為に、何万体ものあいつらを殺した

____俺とあいつでは、似ているようで似ていない

 

 

ほンっとう________

 

 

「分かンねェなァ…」




一方通行は過去を思い出し、黄泉川は苦しんでいた

時は九月三十日

紫苑にも変化が訪れた________

次回「九月三十日」
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