とある少年の大地結晶【アースクリスタル】 作:えりー
そして、少年のいた町は崩壊した
誰もいない
誰かいないの?
何でいなくなるの?
お母さん?お父さん?
____何で家がないの?
何で僕は赤いの?
何で煙が立ってるの?
「ぁ…ぁあ…」
それは僕が壊したから
それは僕がお父さんを____から
それは僕が全てやった事だから
何で所々生臭いの?
それは僕が皆を____から
僕が____も同然だ
____でも
何で壊れたの?
僕、何かした?
僕はただ____
……嫌だ
「…一人は嫌だよぉ……」
透明なものが溢れてくる
確かこれは涙
そしてこれは悲しみの涙
「…お願いだからぁ…」
____一人にしないで____
「やぁ僕」
少年の前には、白衣を着た男がいた
「…ぁ…」
「初めまして」
少年はよく分からなかった
目の前が誰なのかも、何をしているのかも
「実は、ここが壊れた原因を探しているんだ。……もう見つかったけどね」
男の言葉に、少年は震え上がる
「…ぼ……くが……」
「言わなくていい」
僕がやったと言おうとした少年を、男は止めた
「先に言っておくよ。君は能力を手に入れた」
「の……りょく…?」
いきなり能力と言われても理解出来ない少年
「そう、この町を破壊出来る力も、全て能力だ」
男は断言した
少年はそれを聞いて
「い、いらない…‼︎そんな…力、なんて…、い、ら…」
否定した
こんな破壊しか出来ない力なんていらない
こんな殺す事しか出来ない力なんていらない
だが男は
「大丈夫だ。ちゃんと訓練すればそれはコントロール出来る。そして」
「その力で、世界を救う事も出来るんだぞ?」
「…すく、う?…せ、かい?」
少年は救うという言葉に、世界という言葉に反応した
「ああ。ここじゃない、学園都市という所がある。そこは君みたいな能力を持つものが沢山いる。そこに行けば、君はそれをコントロール出来るし、一人じゃなくなる」
「…ほ、んと…?」
少年の震えがどんどん治まる
「ああ、どうだ?学園都市に来ないか?」
男は手を差し出す
「…い、く…‼︎」
少年はそれを握る
「…よし、それじゃあ俺の名前を教えよう」
男は少年を立ち上がらせ、名を言った
「俺の名前は葛城。葛城嶤【かつらぎまさる】だ。お前は?」
少年は少し戸惑ったが、口を開いた
「……………紫苑。南雲紫苑【なぐもしおん】だよ…。葛城さん」
「紫苑か。女っぽい名前だな」
「……僕は気に入ってる」
「そうか、悪い事言って悪かった。早速だが学園都市に行ってもらう。いいな?」
「………うん」
よし、と葛城は紫苑を抱き上げ、荒地を歩いた
紫苑は安心していた
自分と同じ子がいる事を
そして紫苑は恐怖していた
自分の力を
そして葛城は知らなかった
紫苑があんな存在になるなんて
そして二人は知らなかった
あんな惨状になるなんて____
学園都市の、とある研究所に連れてこられた少年こと紫苑
そこで彼は、自分の力を知る
次回「少年は力を把握する」