とある少年の大地結晶【アースクリスタル】   作:えりー

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”私が付いている”

どれくらい泣き叫んだんだろう

どれくらいここにいるんだろう

気づけば夜

でもその夜は、今日か昨日か先日か分からない

何も聞こえない

皆の声が聞こえない

優しくしてくれた人も

少し厳しくて、でも面倒を見てくれた人も

よく僕に会いに来てくれた人も

葛城さんも

誰もいない

今思うと葛城さんしかいない

皆はどこに行った…?

幻生さんもいない。幻生さんはどこ?

あの人達もどこ?

ねぇ、誰か

お願いだから教えて

僕は

 

 

 

 

 

一人になっちゃったの?

 

 

 

 

 

「……誰かぁ…」

ああ、また溢れた

透明の水が

こんなの聞く人はいない

でも

「…お願いだからぁ…」

聞いてほしい

誰か、誰か…

 

 

「…助けてぇ…」

 

 

 

「君、何でこんな所にいるじゃんよ⁉︎」

 

 

 

黄泉川愛穂率いる警備員【アンチスキル】は崩壊された部分の第十学区に来ていた

「これは…酷いじゃんよ」

「まさに助かったほうは奇跡ですね」

黄泉川達が言うのも仕方がない

何故なら研究所はいくつか崩れ堕ちれ、そこから逃げ遅れたのか研究員達が血だらけで倒れている。恐らく生きていないだろう

「一体…何が…」

「黄泉川さん。奥に進んでみましょう」

一人の警備員の言葉で二、三人程引き連れ奥に進んだ

 

 

「…おかしいじゃんよ」

「え、何が…」

黄泉川は異変に気がついた

だが他の警備員はわかっていないらしい

「さっきまでは人はいた。だけどここらへんから”人がまったくいない”」

「え⁉︎」

確かに見渡せても生存者どころか、死体も見つからなかった

「…確かに」

「…どうなってんじゃんよ」

とりあえず警戒を止めず、また奥に進んだ

 

 

「…ん?これは…」

「…木、ですね」

黄泉川はボコりと出ている木に気がついた

みればそれは何かに引き継がれていくような

「…この木に沿って進む」

「分かりました‼︎」

黄泉川は根っこ沿いに歩いて行った

 

 

「…長いじゃんよ」

大分進んだが、所々崩壊した建物が映るばかり

「黄泉川さん…こんな感じじゃあ生存者はいないんでは」

「諦めるな。私は諦めないじゃんよ」

黄泉川はさらに奥に進む

 

 

 

そしてやっと終わりが近づいてきた

そして次に黄泉川がみたものとは

 

 

「…助けてぇ…」

少年の小さい叫びだった

黄泉川は驚きの余り声をかけた

「君、何でこんな所にいるじゃんよ⁉︎」

 

誰?

青い服を着た女の人が寄ってきた

「大丈夫か?怪我は?」

「………………………………」

誰なの?

「…だ、れ…?」

「警備員じゃんよ‼︎よく頑張ったな」

警備員?なにそれ?

そして頭を撫でられた

………………

「……ねぇ警備員さん」

「ん?なんじゃんよ」

 

「葛城さんは生きてるの?」

 

 

葛城という言葉に黄泉川は聞き覚えがあった

いや、同級生だ。よく知っている

「葛城…?__________⁉︎」

黄泉川は漸く気づいた

少年が見ている視線に

その視線の先は

 

 

 

白衣を着た男が血だらけで倒れていたのだ

「……え…かつ、ら、ぎ?」

黄泉川は驚愕する

「ねぇ、警備員さん」

それを知らないのか追い詰める

「葛城さんは生きてるの?ねぇ教えてよ」

 

黄泉川は非常に迷った

このまま真実を伝えるか、それとも偽りの真実を伝えることか

なら答えはそれだと黄泉川は決定した

「君、残念だけど…葛城は死んでいる」

少年は絶望の顔になった

「受け止められないのは分かる。だけど受け止めてくれ。この現実を」

 

 

やっぱり死んでるんだ。葛城さん

やっぱり僕が殺した

殺したんだ

殺したも同然だ

「……ハハッ…死んでるんだ…葛城さん」

あれ、透明の水がまた溢れてきたよ

これは悲しみの涙って言うのかな?

「ハハッ…ッ葛城、さん…」

一人になってしまった

 

 

 

誰か

 

 

 

「…お前、家に来るじんか?」

黄泉川の言葉でパッと目を見開いた

「何があったのかは知らないけど、子供をここに置いとかせる訳には行かないじゃんよ」

「…ぁ…ぅぁ」

「大丈夫」

黄泉川は優しい声で、たくましくこう言った

 

 

 

 

「”私がついている”」

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