常闇の邪竜戦記   作:星乃 望夢

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第十二話

 

ジャンヌ・オルタの戦闘スタイルは、呪いを撒き散らすだけではない。

 

巨大な竜の旗を槍のように振るい、間合いを詰められれば腰の剣を抜く。長柄と短剣を使い分ける、変則的な二闘流だ。

 

エリザベートもまた、見た目の可憐さに反して、竜種特有の怪力と、アイドルダンスで培った(?)靭やかな身のこなしで槍を振るう、一流のランサーだ。

 

つまり、どちらも僕が教えられる武技の素養を持っている。

 

「教えることもまた、己の再確認であり鍛錬となる」

 

師匠のそんな言葉に乗せられて、僕はいつの間にか、この二人の稽古をつけることになっていた。

 

空はどんよりと暗く、地面は荒涼とした岩肌。

 

甘えなど許されないこの場所で、僕は漆黒の聖剣を片手に、倒れ伏す二人を見下ろした。

 

「立て、ジャンヌ。エリザベート。まだ四肢は繋がっているだろう?」

 

「はぁ、はぁ……ッ! この、鬼畜……ッ!」

 

「プロデューサーの嘘つきぃ……! レッスンって言うから楽しみにしてたのに、これじゃただの処刑じゃない……!」

 

二人は泥まみれになりながら、恨めしげな視線を向けてくる。

 

だが、僕は眉一つ動かさない。

 

やるからには「影の国」の流儀だ。手加減などという生温いものは存在しない。

 

死ななければかすり傷。蘇生できれば継戦可能。

 

それが、僕が師匠から叩き込まれた愛の形なのだから。

 

「文句を言う元気があるなら剣を握れ。ジャンヌ、旗の重量に頼りすぎるな。懐に入られた時の剣速が遅い。エリザベート、尻尾の振りが甘い。もっと腰を入れて、殺意を持って薙ぎ払え」

 

僕は容赦なくダメ出しをしつつ、追撃の衝撃波を放つ。

 

「きゃあぁぁぁっ!?」

 

「ぐっ……ちくしょう、やってやるわよ!」

 

悲鳴と怒号。

 

けれど、二人は決して折れない。

 

竜の魔女としての意地。竜の歌姫としてのプライド。そして何より、僕という「王」に認められたいという欲求が、彼女たちを突き動かしている。

 

「いい目だ。その闘志、骨の髄まで愛してやろう」

 

僕はニヤリと笑い、剣を構え直した。

 

「さあ、二時間目の開始だ。安心しろ、僕の魔力が尽きるまで──いや、君たちが僕を超えない限り、このレッスンは終わらないぞ?」

 

 

◇◇◇

 

 

ジャンヌ・オルタがオルレアンで使役していた竜種は、特異点という歪んだ環境と、聖杯の力で無理やり呼び出した、言ってしまえば影法師のようなものだ。見た目は怖くても、中身はスカスカの張り子に過ぎない。

 

対して、この影の国で生きている木っ端トカゲたちは違う。

 

曲がりなりにも神代の魔力が色濃く残る土地で生まれ、過酷な生存競争を勝ち抜いてきた、正真正銘の「神代の幻想種」だ。

 

その強さは、そこらの木っ端竜一匹であっても、ジャンヌが切り札にしていたあのファヴニールより何倍も強いし、硬いし、賢い。

 

そんな木っ端トカゲを、一人で狩り殺せてようやく一人前。

 

……それが、僕の中での最低ラインなのだが。

 

「ハァ、ハァ……ッ! なんで、死なないのよこいつらッ!!」

 

ジャンヌ・オルタが毒づきながら、硬い鱗に剣を弾かれている。

 

竜種特有の強烈な対魔力の前では、彼女の怨嗟の炎も、呪いの魔術もほとんど意味を成さない。

 

結果、彼女は純粋な身体能力と剣技だけで、物理的に竜を殴り倒すしかないのだが……決定打に欠け、仕留めきれない。

 

「ドラゴンヴォイスッ! ……うう、鼓膜は揺れてるはずなのに、脳みそまでは届かないわ!」

 

エリザベートには、防御無視の音波攻撃という武器がある分、ジャンヌよりは多少マシな選択肢がある。

 

だが、それでもトドメを刺すには出力が足りない。

 

結局、二人とも未だに木っ端トカゲ相手に苦戦し、傷を負わせることはできても、トドメを刺しきれずに逃げられてしまっている。

 

「……おかしいなぁ」

 

僕は岩の上に座り、その無様な狩りを見下ろして首を傾げた。

 

僕は、10歳の頃にはその木っ端トカゲ殺しているんだけどなぁ。

 

サーヴァントとして召喚され、僕の魔力で強化されている今の二人の方が、あの頃の未熟な僕より身体能力も魔力量も、圧倒的に上の筈なんだけどなぁ。

 

なんで殺せないんだろう?

 

「理不尽よ! あたしはアヴェンジャーで、竜の魔女なのよ!? なのに、なんでこのトカゲ一匹殺すのに、こんなに苦労しなきゃなんないのよ!」

 

「そうよそうよ! 私の美声が効かないなんて、鼓膜の構造どうなってんのよコイツらぁ!」

 

二人は泥だらけになりながら、ギャーギャーと喚き散らしている。

 

その言い分は、この影の国の生態系がデタラメすぎるとか、スパルタが過ぎるとか、そういった類のものだ。

 

けれど、僕にはどうにも合点がいかない。

 

10歳の頃の僕は、魔術回路こそあれど、肉体はただの人間の子供だった。

 

空を飛ぶのだって、杖を使って魔力で浮くのが精々だったし、腕力だって大人の兵士には遠く及ばなかったはずだ。

 

けれど、僕は殺せた。

 師匠から授かり受けた『ゲイ・ボルク』の一撃で、この木っ端トカゲの心臓を確実に穿ち、串刺しにして仕留めていた。

 

翻って、目の前の二人はどうだ。

 

英霊としての強靭な肉体。僕の魔力供給による身体強化。

 

10歳の頃の「人間」だった僕と比べれば、膂力も、敏捷性も、魔力総量も、何もかもが彼女たちの方が上だ。

 

なのに、なぜ殺せない?

 

(……因果逆転の呪い頼りだったとはいえ、急所を狙う技術と胆力があれば通る相手だぞ?)

 

僕の過去の経験と、目の前の現実が噛み合わない。

 

単純なスペックで勝っている彼女たちが、子供の僕に出来たことを出来ないはずがない。

 

僕は首を傾げ、過去の記憶を振り返れば振り返るほど、「なぜだ?」という純粋な疑問の迷宮へと入り込んでいくのだった。

 

「ああもう、うるさいわねッ! だったらアンタがやってみなさいよ! 口で言うだけなら何とでも言えるんだから!」

 

業を煮やしたジャンヌ・オルタが、自身の呪旗を地面に突き刺して吠えた。

 

木っ端トカゲ一匹に手こずる自分への苛立ちと、それを「簡単だ」と言い放つ僕への反発。無理もない反応だ。

 

「……まぁ、出来るけども」

 

僕は事もなげに頷き、彼女の手から旗をひったくった。

 

バランスの悪い長柄の得物。本来は槍として使うものではないが、今の「教材」としては十分だ。

 

僕は適当に見繕った木っ端トカゲの正面へと歩み出る。

 

敵の接近を感知した竜が、大きく顎門を開き、灼熱のブレスを吐こうと喉奥を赤熱させた。

 

「──遅い」

 

軽く、トンッ。

 

予備動作なしの跳躍。

 

僕は竜の頭上へと瞬時に移動すると、そのまま落下エネルギーを乗せた踵落としを、竜の上顎へと叩き込んだ。

 

硬質な音が響き、ブレスを吐こうとしていた竜の口が強引に閉じさせられる。

 

体内で暴発した炎と、脳天への衝撃で、巨体が地面に這いつくばった。

 

「ふっ」

 

僕はその鼻先に着地する。

 

そして、記憶の底にある「10歳の頃の僕」の魔力回路をシミュレートし、当時と同程度の魔力を旗へと流し込んだ。

 

今の僕からすれば微々たる量だが、急所を貫くにはこれで足りる。

 

両腕で旗を引き絞る。

 

狙うは頭蓋の縫合、その延長線上にある心臓。

 

「シッ!」

 

投擲。

 

切っ先たる穂先が、音速を超えて竜の眉間へと突き刺さる。

 

豆腐のように頭蓋を貫通した旗は、勢いを殺さぬまま脊髄を砕き、心臓を穿ち、その巨大な身体を地面ごと串刺しにして縫い留めた。

 

一拍遅れて衝撃音が響く。

 

竜は断末魔を上げる暇もなく絶命していた。

 

「──戻れ」

 

僕は指先でルーンを描き、突き刺さった旗を手元へと回収する。

 

その瞬間、風穴の空いた竜の死骸から、噴水のように鮮血が舞い上がった。

 

降り注ぐ血の雨。

 

けれど、僕は避ける素振りすら見せない。

 

木っ端トカゲの血程度で、僕の邪竜の身が汚れることなどあり得ないからだ。

 

身体に触れた血の雫は、僕が常に纏っている高熱の「竜の魔力」によって瞬時に蒸発し、赤黒い蒸気となって空へと消えていく。

 

ただの一滴も、僕の肌を濡らすことはない。

 

僕は血の霧を払い、呆然と口を開けているジャンヌ・オルタへと旗を放り投げた。

 

「ほら、殺せるでしょ?」

 

カラン、と乾いた音が響いた。

 

僕が放り投げた竜の旗を受け取ることもできず、ジャンヌ・オルタはただ呆然と、足元に転がった己が得物を見下ろしていた。

 

「嘘……でしょ……?」

 

彼女の喉から、掠れた声が漏れる。

 

視線は忙しなく、風穴を開けられて絶命した竜の死骸と、血に濡れた旗の穂先を行き来している。

 

彼女の脳内で、今起きた現象の処理が追いついていないのが手に取るようにわかった。

 

(……そんなに不思議かな?)

 

彼女が使っているその旗は、先端に槍状の装飾があるとはいえ、基本的には殴打用の質量兵器に近い。切れ味などたかが知れている。

 

だが、彼女は知っているはずだ。

 

僕が今、込めた魔力は微々たるものだったと。彼女が普段、怒りに任せてぶっ放している出力の数十分の一にも満たない量だったと。

 

「なんで……? だって、今の……ただの旗よ? 魔力だって全然感じなかった。宝具も使ってない。ただ投げて、刺さっただけ……」

 

彼女は震える手で、恐る恐る旗を拾い上げる。

 

その重さは変わっていない。鋭利になったわけでもない。

 

なのに、僕が振るえば竜の鱗も骨も紙切れのように貫通し、彼女が振るえば弾かれる。

 

「あんなの……理屈が通らないじゃない。物理法則が仕事してないじゃない! なんでアンタが使うと、この旗が魔剣か何かみたいになるのよッ!?」

 

現実と過程の乖離。

 

彼女の常識が、僕という怪物を前にして悲鳴を上げていた。

 

一方で。

 

そんなジャンヌの横で、エリザベートは瞳をキラキラと輝かせ、感動に打ち震えていた。

 

「ブラボー! ブラボーよ、プロデューサー!!」

 

パチパチパチパチ! と、彼女は惜しみない拍手を送ってくる。

 

「すごいわ、今の動き! 最小限の動きで顎を閉じてブレスを封じるステップ! そこからの無駄のない投擲フォーム! まるで流れるようなワルツを見ているようだったわ!」

 

彼女は尻尾をメトロノームのように揺らし、うっとりと頬を染める。

 

「それに何より、あのラスト! 噴き上がる血の雨を、熱量だけで蒸発させて身を守るなんて……! なんて幻想的で、残酷なステージ演出なの! メモらなきゃ! 次のライブのクライマックスはこれよ! 最前列の客席に血飛沫と蒸気を浴びせるの!」

 

殺戮をアイドル活動へと変換するその感性。

 

ある意味で、エリザベートの方がジャンヌよりも怪物に近い適性を持っているのかもしれない。

 

僕は絶句する復讐者と、興奮する歌姫を見比べ、やれやれと肩をすくめた。

 

 

◇◇◇

 

 

「……はぁ? 鱗の継ぎ目?」

 

ジャンヌ・オルタが素っ頓狂な声を上げた。

 

無理もない。彼女からすれば、僕がやったことは「ただの旗を投げたら、絶対無敵のドラゴンの装甲が豆腐みたいに貫通された」という奇跡にしか見えていないのだから。

 

「ああ。さっきも言った通り、10歳の頃の僕は『ゲイ・ボルク』の呪いを使って殺した。あれは因果を逆転させ、心臓に命中するという結果を先に作る宝具だ。だから、鱗が硬かろうが何だろうが関係なく突き抜ける。今よりずっと強引で、未熟な殺し方だったさ」

 

 僕は淡々と解説する。

 

「だが、今のは違う。僕はただ、呼吸に合わせて開閉する鱗の隙間……そのコンマ数ミリの継ぎ目を見切って、そこに刃を通しただけだ」

 

どんなに堅牢な城壁にも、石を積む継ぎ目はある。

 

どんなに分厚いフルプレートの鎧にも、関節を動かすための隙間はある。

 

生物である竜なら尚更だ。皮膚呼吸や筋肉の収縮に合わせて、鱗は常に微細に動いている。

 

その刹那の「穴」に、正確無比に切っ先をねじ込んだ。それだけの話だ。

 

「力で貫いたんじゃない。通り道をなぞったんだよ。そうすれば、豆腐に針を通すのと変わらない」

 

「……っ、さらっと言うじゃないのよ。そんな神業、人間業じゃないわよ……!」

 

ジャンヌ・オルタが戦慄する。

 

だが、僕は彼女と、横で聞き入っているエリザベートの顔を交互に指差した。

 

「ジャンヌ、君もその旗を槍として扱っている。エリザベート、君に至っては正真正銘のランサーだ」

 

僕は視線を厳しくし、師としての顔で告げる。

 

「一点を穿つ。針の穴を通すような精密動作こそ、槍兵の真骨頂であり、絶技だろう? 竜殺しを名乗るなら、それくらいやってもらわないと困る」

 

僕はチラリと、城のバルコニーの方角へ視線を投げた。

 

そこには、気配を消してこちらの様子を伺っているであろう、紫髪の魔境の主がいるはずだ。

 

「僕の弟子がその程度のことも出来ないとなれば……。僕が師匠に笑われてしまうからね。竜の動きが早くて狙いが定まらないなら、僕がやったみたいに、ブレスを吐く予備動作の瞬間に踵落としを入れて、地面に這いつくばらせてしまえばいいんだ」

 

僕は指を立て、呆気にとられる二人へ講義を続ける。

 

「竜という種は、生命力が無尽蔵だ。心臓を突いたとしても、しばらくは暴れ回るし、なんなら個体によっては心臓の傷すら数分で塞いで治してしまう時もある。この影の国で生き残っているような個体なら尚更だ。心臓一突き程度じゃ、死ぬ前に反撃されてこっちが黒焦げになるのがオチだ」

 

だからこそ、必要なのは「即死」のプロセスだ。

 

「けれども、頭蓋を貫いて脳を破壊しながら、その延長線上で心臓を穿てばどうだ? 脳からの命令系統を断ち、同時に炉心を破壊する。これなら、幾ら影の国の竜でも再生する暇もなく絶命する」

 

僕は自分のこめかみと胸を指でなぞり、その射線を示す。

 

「竜が鎌首をもたげた状態では、脳と心臓は一直線上に並ばない。だから踵落としで頭を下げさせ、首を真っ直ぐに伸ばさせたんだ。あれは単に攻撃させないためのカウンターじゃないんだよ。敵を『串刺しにしやすい姿勢』に固定するための、セットアップだ」

 

ただの力技でも、見せびらかすための曲芸でもない。

 

竜の身体構造と生命力を理解し、最も効率的に殺すための最短経路。

 

「それが、僕の言う『合理性』だ。針の穴を通す技術も大事だが、針を通しやすいように状況を作る戦術も同じくらい重要なんだよ」

 

実際にそれを先に形にできたのは、意外にもジャンヌ・オルタの方だった。

 

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」……だったかな。山本五十六の名言、まさにその言葉通りの結果になったね。

 

影の国の荒野。岩肌には、先ほどまで猛威を振るっていた竜が、頭蓋から尾の先まで一本の旗槍で貫かれ、地に縫い留められている。

 

ジャンヌ・オルタは、返り血で真っ赤に染まった己の手と、その先に沈黙した怪物を交互に見て、肩で激しく息をしていた。

 

エリザベートが「力の制御」という竜種特有の壁に当たっている一方で、頼れるものが己の技量のみとなったジャンヌの集中力は、僕の予想を遥かに超えていた。

 

今の一撃は、紛れもなく僕が教えた「理」を、彼女自身の復讐の炎で焼き固めた絶技だった。

 

「……は、……ぁ。……殺した。本当に、殺したわ……。あんな、化け物を、たった一撃で……!」

 

呆然と立ち尽くす彼女の背後から、僕は歩み寄り、その華奢な肩を力強く抱き寄せた。

 

血の匂いと、彼女が放つ魔力の熱が混ざり合う。僕は彼女の耳元で「よくやった、僕の魔女」と囁き、そのまま震える唇に深い口づけを落とした。

 

現実に戻った彼女の瞳が、驚愕から熱を帯びた悦びへと変わる。

 

僕は彼女を地面に横たえ、まだ温かい竜の血と僕の魔力を、その肌に直接塗り込むようにして彼女を抱き潰した。

 

人理も、特異点も関係ない。ここは死者の国、影の国。僕らだけの法が支配する場所だ。

 

「ちょ、ちょっと、あんた……! ここ、外なのよ!? それに、あいつが見てるじゃない……ッ!」

 

ジャンヌ・オルタは顔を真っ赤にして抵抗しようとするが、その身体は既に僕が流し込む竜の熱に、抗いがたく反応している。

 

数メートル先では、衝撃的な光景と「完璧な一撃」を決められた敗北感に、エリザベートが頬を染めて固まっていた。

 

「ふふ、いいじゃないか。頑張った僕の魔女には、最高の『ご褒美』が必要だろう? エリザベート、お前もよく見ておくといい。これが、僕に選ばれ、僕の高みに手を伸ばした者にだけ与えられる特権だ」

 

竜の血に塗れながら、僕はジャンヌの内に覇竜の魔力をこれでもかと注ぎ込んでいく。真っ赤な顔を手で隠しながらも指の隙間から見つめるエリザベートの視線さえも、今の僕らには最高のスパイスに過ぎない。

 

影の国の風が、甘い喘ぎ声と血の匂いを遠くまで運んでいく。

 

こうして、僕の宝石たちは、痛みと悦楽の中でさらに深く、僕という存在に刻まれていくんだ。

 

 

 

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