何年ぶりだろうな、こうやってネットサーフィンをするの。
この世界のVtuber業界は、始めにVtuberを名乗る者が現れて一年位が経ち、それなりの数が現れている。
知っているVtuberがいるか探してみたが、おかしなことに、知っているVtuberが居ない。キ〇ナア〇のポジションは、全く知らない3DボディーのVtuberとなっているし、他の著名なVtuberが誰も居ない。漫画作品とアニメ作品が前世とほぼ一緒だから、他もそうだと思っていたんだがな。
そんな事を考えながら、配信プラットフォームを漁っていると、見知った絵柄のキャラクターが配信中だった。
画面で動いているのは、パツ金の如何にも陽キャです!な女子大生位のキャラだ。
ほーん、アイツこういう仕事もしているんだな、と思い配信を覗いてみると……
「うわーん。誰も凸待ちに来てくれないよー」
は?画面の向こうから、知っている声がする。
:あるかちゃん、やっぱ無謀だって
:こんな時間*1にアポ無し、凸待ちだなんて
:*普通の人は寝ています
コメント欄の言う通りだ、午前4時にアポ無し凸待ちだなんて無謀と言うか、アホだろ。
しかも、配信タイトルには【アポ無し凸待ち企画!10人来るまで、寝られません!】だ、配信時間は既に4時間経っていて、来ている人数は9人だけど、2時頃に9人目が来てから、音沙汰も無しか……うん、もう無理じゃね?
仕方がないから、スマフォからメッセージを飛ばして、通話アプリに招待させる。
「え、嘘!」
:お!
:来たか
:早く、俺等を開放してくれ
:こんな時間に来てくれるだなんて、聖人だろ
「もしもし、本物ですか?」
:本物?
:誰だろ?
:早く寝かせてくれ
:こんな時間に起きているだなんて、碌な奴じゃないぞ
:おまゆう
「おう、本物だよ。まだ、音声乗せて無いよな?」
「ええ、配信にはまだ乗っていませんよ。それよりどうしたんですか急に!」
「いやな、最近Vtuberって人達が現れ始めてたらしいから、なんとなーく配信プラットフォームを覗いてみたら、見知った仕事の絵柄のVtuberが居たから。あぁ、アイツ今はこういう仕事をしてるんだなぁ。って思って、覗いて見たら、声まで知っている物だったから、たまげたわ」
「やだ、恥ずかしい。それで、来てくれたって事は、出てくれるって事で良いんですよね?どういう名義にしますか?本名は論外ですし」
:名義?
:複数名義がある奴なのか?
:ねみ~
「うん?普通に普段使ってるので良いやん?」
「え、マジで言っています?視聴者も待って居ますし、配信に音声乗せますよ。じゃあ、自己紹介どうぞー」
「どうもー、週刊少年ジャックで漫画家していまーす。ペンネームは鋼 鉄心でやっています」
:え……
:女ってマジ?
:人気作家じゃん
:綾霧あるか*2とどういう関係なんだ?
:鉄心先生、女性だったんか
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:次回作、早よ
「わ、わぁコメントの流れが過去一だぁ」
「そうなの?」
「そうですよ!零細Vtuberの所のコメント欄じゃねぇっす」
「へぇ、零細なんだ」
:零細か、難しい所だな
:大手事務所とかのVと比べてるんじゃね?
:かと言って、個人の下と比べると数字持ってるし
:ただ、まぁやってる事が、他もやってるよ!みたいな事ばっかりだし
:みんなもそうだと思うけど、ガワと声が好きな奴が集まってるだけ
:そうだな
:せやな
:それはそう
「言われてるよ」
「君達、そんな事を思っていたの!?」
:あ、やべ
:俺が黙っていた事を、お前等は……
:この業界、どんどんVが増えていってるからねー
「世知辛い、業界なんだね」
「そうなんっすよ!ライバルが沢山、沢山居るんです!只の美少女のガワを被った美声の持ち主なんて本当ーーーに沢山居るんです」
「なら、埋もれても仕方ないね」
「な……事実でも言って良い事と悪い事があるっすよ!」
:……うん
:ひでぇ
:でも、まぁ
:おい、なら改善案を出してみろ!
「こ、コメント欄にもありましたが、改善案はあるんですよね!」
「あるけど、時間も時間だからな、次の配信予定で、私が出れる所あるか?」
「明日も夜配信しますし、雑談の予定だからどうとでも成ります」
「夜?今日みたいな、深夜帯じゃねぇよな?」
「……22時からにします」
「それなら、問題無しだな。それまでに、宿題を出すから考えとけよ」
「宿題?」
「個性を出す為に必要な事だ、お前ロールプレイもしてない素のまんまじゃないか、その身体も美人だけどそれだけだ、今はこれだけ人が来ているけど、これからドンドン個性的なVtuber増えていくぞ」
「う……わかりました考えておきます」
:ところで二人の関係は?
:せや!気になっとったわ
:多分、絵関係なんだろうけど
「あ、コメント欄に関係性気になっている人が居ますよ」
「そんなに、特別な関係じゃ無いよな」
「はぁ!あんた、本気でいってるの!」
「いや、元アシスタントじゃん?」
「そりゃそうですけど!私は、貴女の弟子のつもりだったんですよ!師匠!」
ん?弟子?師匠?
何を言っているんだ、コイツ。
コメント欄の流れが、早くなったが流石に眠いからな、挨拶してボイチャ切るか
「よーわからんけど、そろそろガチでねみぃから、ボイチャ切るぞ」
「ありがとうございました!このノンデリ野郎、起きたらまた連絡します!今日の配信はここまで、チャンネル登録とgoodボタンよろしくお願いします!」
:良かったな、最後は個性的だったぞ