遊戯王GX 五聖獣に選ばれし者たち(更新停止中)   作:竜羽

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事後処理

木宮のライフポイントが0になり、デュエルディスクが俺の勝利を告げる。

それと同時に、サイバー・ダーク・ドラゴンも咆哮をあげながら消えて行った。

実はこいつも俺の精霊だったりする。

普段はめったに出てこないが、デュエルとなると喜々として出てくる。なかなか個性的な奴だ。

とりあえず、この後のことを考えないとな。

 

「わりぃ、翔、十代。負けちまった。」

 

「謝らないでくれよ、翼。いいデュエルだったぜ」

 

「そうっすよ、翼くん」

 

木宮を遊城と眼鏡が慰めているが、眼鏡は忘れているんじゃないか?

 

「さてと、モモエ反対側よろしく」

 

「はい。すみませんね」

 

ジュンコとモモエが眼鏡の腕をつかむ。

 

「え?」

 

眼鏡は状況がよくわかってないのか、戸惑いの声をあげる。

 

「私たちが二勝したわ」

 

「最初に提案しました条件覚えていますわよね?」

 

「「「あ!?」」」

 

そう、このデュエルは眼鏡の身柄をかけた三回勝負で遊城側は一勝二敗、こちらは二勝一敗。ゆえに

 

「あんたを学園につきだすわ!」

 

「そ、そんな~!」

 

眼鏡が悲鳴をあげ、泣き始めた。

付き合うのも馬鹿らしい。

 

「結。頼めるか?」

 

俺が木宮の方を見ながらそう言うと

 

「はいはい。わかってもますよ」

 

そう言って結と虚は騒いでいる連中のほうに向かい、俺は

 

「木宮!こっちにこい。カードテストの件で少し話がある」

 

俺がそう言うと木宮は少し逡巡してからこっちに来た。

俺は木宮を連れて、湖から少し離れた林の中に進んだ。

 

 

 

「ここならいいだろう」

 

俺は立ち止まり、木宮の方を向く。

 

「さて、話してもらおうか?なぜI2社の極秘機密であるシンクロモンスターを使っている?あれが発表されるのは新学期になってからのはずだ」

 

「そ、それは・・・」

 

俺の言葉にしばらく言葉を濁すように沈黙し、顔をうつむかせる木宮だがやがて意を決したように顔をあげる。

 

「実は、俺は・・・」

 

 

 

 

 

俺の名前は木宮翼。どこにでもいる普通の中学生だ。

実の両親はおらず、親戚の家を転々としているけどみんな仲良くしてくれる。

今日は趣味の遊戯王の大会に出場して行きつけのカードショップにいって優勝してきた。

 

「さて、今日もありがとうな、俺のデッキ」

 

俺が使っているのは「ドラグニティ」のデッキ。

風属性の鳥獣族、ドラゴン族のモンスターで構成されていて互いの力を一つにして戦うデッキだ。

少ない小遣いで集めたカードで作った俺のたった一つの大切なデッキだ。

今日の大会もこいつで優勝した。

今日も楽しかった。

もう夜も遅いから、寝るか。

 

そうして眠ったのだが、目を覚ましたらなぜか見知らぬ公園のベンチにいた。

とりあえず自分の身の回りを見てみる。

すると、右腕に

 

「デュエルディスク?」

 

それが、俺がこの世界に来た時の最初の言葉だった。

 

 

 

 

 

「それから、行くあてもなかった俺は荷物の中になぜかあったデュエルアカデミア受験票をもって試験会場に行って筆記試験と実技試験を受けたんだ。シンクロ召喚を使うのはまずいと思ったんだけど、もし負けて不合格になって根無し草になるのは御免だったからさ」

 

木宮の話を聞き、どうやらこいつは俺と同じ世界から迷い込んだっていうことが分かった。

 

「まあ、こんなところかな。俺がシンクロ召喚を使っている理由は」

 

だが、俺と木宮には大きな違いがある。

 

「・・・えっとやっぱり信じられないよな」

 

俺は自分とカードのみでここに来た。だが、こいつはカードだけじゃない。アカデミアの受験票やデュエルディスク。そして、必要最低限の荷物まで用意されていた。

この違いはなんだ?

 

「あのー?カイ?」

 

こいつがここに来た理由は俺とは違うってことか?

 

「おい!」

 

「っ!?な、なんだ!」

 

「なんだ!じゃねえよ!いきなり考え込むし、俺のこと無視しやがって」

 

どうやら考えに没頭しすぎていたみたいだ。俺としたことが。

 

「ちゃんと聞こえている。今のは少し考え事をしていただけだ」

 

「考え事?」

 

「ああ。お前にも関係のあることだから一応話しておく」

 

それから、俺は俺がこの世界の人間じゃないこと。

おそらく、木宮と同じ世界の人間で同じようにこの世界にやってきたこと。

ペガサス会長に拾われ、保護してもらったこと。

この時代ではまだないシンクロ・エクシーズ召喚の開発の手伝いをしていたこと。

そして、アカデミアに入学したのはシンクロ・エクシーズ召喚のテストのためのデータとりと俺への気遣いだということ。

 

「お前、いろいろ大変だったんだな」

 

木宮はなぜか涙をうっすらと浮かべながらそう言ってきた。

 

「大変というか、そもそもお前らのせいで俺の仕事が増えたんだが?」

 

「え?」

 

「シンクロ召喚もエクシーズ召喚もまだ半年くらい先。大体このアカデミアの新学期が始まるくらいに発表されるはずがお前らのせいで予定が狂っちまった」

 

「うっ」

 

俺が半ば睨みながらそう言うと木宮はバツが悪そうに眼をそらした。

 

「しかも、やらかしてくれた誰かさんたちは戸籍もない身元不明者だ。だから、お前たちの調査も俺の仕事に追加されたってわけだ」

 

「ううっ」

 

「とりあえず、お前とこうして話せる機会が来たのはいいことだ。今の問答でお前が嘘をついているってわけじゃないこともわかったしな」

 

「え?なんでそんなことわかるんだ?」

 

「そんな嘘っぽい話をバカ正直に言うから」

 

「あらっ?」

 

俺の答えに木宮は肩をガクッと落とす。コントか。

だいたい、もし嘘をつくならもっと現実らしい話をしてくる。

なのに、こいつは寝て目が覚めたら見知らぬ場所にいてなぜか受験票をもっていて試験を受けたなどという嘘っぽい話を大真面目な顔で話した。

これで嘘なら大したものだがこいつのさっきのデュエルを見た限りの性格じゃあ無理だな。まさか、一人暮らしの時に培った人を見る目がこんなところで役に立つとは。

 

「お前の戸籍なんかは俺が海馬に掛け合って何とかしてもらおう。シンクロ召喚についてもI2社のテスターに登録してもらうよう会長に連絡しておいてやる」

 

「ホントか?」

 

俺の言葉にうれしそうにする木宮。

 

「ああ。今度の月一試験で発表する。ただし、冬休みに本土の海馬コーポレーションやI2社に来てもらうことになる」

 

「ぜんぜん、大丈夫だよ、それぐらい。むしろ行きたい!」

 

なんというか、のんきな奴だ。

 

「あ!そういえばあいつはどうするんだ?」

 

「あいつ?ああ」

 

木宮が言っているのはあいつか。

 

「あのレッドのシンクロ使いか」

 

「ああ。あいつにも声をかけるのか?」

 

「どうだろうな?」

 

「え?」

 

俺の答えに少し驚く木宮。

おそらく俺がはっきりしない返事をしたからだろう。

 

「俺は高校から一人暮らしを始めたと言ったな?」

 

「ああ」

 

「そのときいろんなバイトを経験してな。自然と人を見る目が培われていったんだ」

 

「へ~」

 

「俺から見たあいつはどこか胡散臭い印象を得たんだ。なんというか下心みたいなものを持っていそうな感じだ。だから無暗に接触しようとは思えないんだ」

 

あいつのデュエルは授業なんかで見ているのだが、どこか自分の強さを周囲に見せつけている感じがする。そんな奴にかぎって自己中心的で面倒くさい。

さらにいうと

 

「それから、もう一つ気になることがある」

 

「まだあるのか?」

 

「ああ、フェニス」

 

俺が名前を呼ぶと

 

「はいはーい!」

 

「うわ!?」

 

虚空からフェニスが出てきた。さっきのデュエルで召喚してやったからか機嫌がいい。

 

「はじめまして、木宮翼さん。私、カイの精霊「ドラゴン・ウィッチ―ドラゴンの守護者」のフェニスといいます」

 

「あ、ど、どうも木宮翼です。よろしくお願いします。翼って呼んでください」

 

「はい、よろしくお願いします翼さん。私も気軽にフェニスと呼んでください」

 

「はい!」

 

自己紹介は澄んだみたいだな。

 

「フェニス。あのことを木宮に説明してやってくれ」

 

何のことかは会話の流れでわかるだろう?

 

「はい、わかりました。実はですね翼さん。わたしたちがあの人と接触に注意を払っている理由はあの人の持つカードにあるんですよ」

 

「カードに?それっていったい」

 

「いいですか?すべてのカードには精霊の力が宿っています」

 

「え?!そうなの?」

 

「はい。例えあなたの居た世界のカードでも精霊の力が宿っています。といっても多くは精霊の力が少し宿っているだけで、そこから私みたいに精霊が実体化できるカードはあまり多くありません。しかも、精霊を見ることができる人も多くありませんのであまり知られることもないんですよ」

 

「へ~。じゃあ俺のドラグニティたちにも精霊の力が?」

 

「はい。宿っていますね」

 

そう。俺の居た世界にも精霊はカードに宿っているらしいのだが精霊がでてくるカードは全くないらしい。

 

「しかし、あの人のカードには精霊の力が全く感じられませんでした」

 

「それって」

 

「そうです。本来、作り出されたその瞬間に精霊の力が宿るのにそれがない。このことから導き出される結論は」

 

「コピーカード、またはそれ以外の何か」

 

俺がフェニスの言葉を引き継いでそう言う。

 

「なんにしてもあいつとの接触は慎重にならざるを得ないんだ」

 

そういって俺達はみんなのところに戻った。

 

 

 

 

 

湖に戻るとみんな寮に戻るところだった。

結にどうなったか聞いてみると、眼鏡のことは結のフルボッコで懲らしめたからそれで手打ちっていうことになったらしい。

ついでに三日間食堂で昼食を三人におごることも追加条件になった。

ついでにフェニスのことも俺が説明をして、フェニスも自己紹介した。

みんな精霊のことについて驚いていたけど実際にフェニスが実体化したり、ドラゴン召喚でダーク・ホルス・ドラゴンを召喚したりしてみせたから納得してもらえた。

ついでにみんなに遊城の精霊「ハネクリボー」と結のルイとルカも紹介した。

あとみんなに精霊がついているのか聞かれていたけど、分からないって言っておいた。

実際は木宮には精霊がいるかもしれないのだがまだあいつが気づいていないから言う必要もないだろう。

 




変なところがあったら言ってください。
次は月一試験。相手は誰にしよう?
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