ライフが0になった万丈目は膝をつく。そんな万丈目に二人の兄が近づく。
「準!全く、なんてざまだ!」
そして、膝をついた万丈目に対しそう言い放った。おそらく、カメラが止まっているからと思っているのだろうが、ペガサス会長の指示により絶賛稼働中だ。
だいたいこれはチーム戦。
このデュエルで万丈目が負けたとしても、まだデュエルは終わっていない。なのに、止めろなんて無理があるにもほどがある。
しかも、さっきの「止めろ」という発言もしっかり放送されていた。
これでは万丈目の兄たちの評判は下がるばかりだ。
なのに、今度は公衆の面前で弟をバカにし始めた。
あれだけのデュエルをした万丈目に対し
「所詮、落ちこぼれは落ちこぼれだ」
「やはり、俺達兄弟たちの中でもおまえはできが悪かったようだな」
と、言いまくっている。
ペガサス会長はどこからか通信端末を取出し、連絡している。おそらく、いろいろ手を回しているのだろう。
「黙りなサーイ」
通信を終えたペガサス会長は、静かな声でなおも万丈目の批判をしていた二人の兄にそう言い放った。
意外に迫力のあるその声に二人は黙る。
そんな二人を無視してペガサス会長は万丈目に近づき
「とてもいいデュエルでした、準ボーイ」
「・・・え?」
そう笑顔で言った。てっきり自分のデュエルのダメ出しでもされるのだろうとでも思っていたのだろう万丈目は面食らったような顔になる。
「アームド・ドラゴンを使いこなし、十代ボーイを追いつめたあなたはとても優秀なデュエリストデース。もし、あなたが万全の状態ならば勝っていてもおかしくありませーン」
「万全の状態ですと!?」
「ペガサス会長、それはどういうことですか!?」
ペガサス会長の言葉に二人の兄が問い詰める。
「わからないのですカ?あなたたちのせいで準ボーイは力を発揮できなかったのデース」
「な!?」
「わ、私たちのせい?」
ペガサス会長の言葉に呆然としているな。
「デュエル中に十代ボーイがいていましたが準ボーイはデュエルにあまり集中していませんでした。デュエルにはそのデュエリストの心が映されます。あなた達から寄せられる過度のプレッシャーが準ボーイの心を追い込み、余裕をなくしていたのデース。勝負において、余裕のない者が勝つのはあまりに困難デース。そんな中で準ボーイはアームド・ドラゴンを完璧に操りました。それはとても称賛されるべきことなのデース」
そこで一度言葉を切り、二人の兄をにらみつける。
「そんな彼に対しあなた達はなんと言いましたカ?落ちこぼれ?出来損ない?バッツ!彼は落ちこぼれでも、出来損ないでもありませーン!それはこのデュエルを見ていた者たち全員が証明してくれマース!!」
ペガサス会長のその言葉と同時に、会場の生徒たちの声が響く。
「そうだ!万丈目は落ちこぼれなんかじゃない!」
「サンダー!素晴らしいデュエルでした!」
「兄貴どもはひっこめ!サンダー!いいデュエルだったぞ!」
「前にバカにして悪かった!兄貴どもは帰れ!」
その光景に二人の兄は呆然としている。
「・・・万丈目さん」
そんな二人にテレビのプロデューサーが近づく。
その手には紙束を持っている。
それを無言で渡し、それに二人が目を通すと顔が蒼白になっていく。
「それは、この番組を見ている視聴者の皆様のファックスです」
「な、な、と、止めろと言ったはずだぞ!?」
「それは私がとり続けるよう指示しました。これはチーム戦。まだ決着もついていないのに止めるなど、あなた達はテレビ局の皆さんをリストラさせる気なのですカ?」
ペガサス会長の言葉に何も言えなくなる二人。
おそらくファックスの内容も生徒たちが言ったことと大差ないだろう。
どんどん読んでいくうちに顔が真っ青になっていく。
やがて、二人のうちおそらく、長男の方の携帯が鳴り、それに恐る恐る出ると、顔が完全に真っ白になった。
真っ白になった二人をペガサス会長のSPが運んでいく。
万丈目も少し、つきものが落ちたような顔になった。おそらく、ペガサス会長にデュエリストとしての腕を称賛されたからだろう。だが、少し、二人の兄のことも気になっているようだ。あれだけ非難されてもやはり家族は大切だからな。
『少し、トラブルもありましたがデュエルを続行しマース』
ペガサス会長の司会に再び歓声を上げる生徒たち。
「じゃあ、いってくるよ」
「ああ。頑張ってこい」
「何も残せず、すまん」
「気にするなよ、万丈目。あの兄貴たちのせいで集中してなかったんだしさ。ま、軽く倒して、あの女を引きずり出してやるよ」
なんか、不穏な会話をしているな。あの女って結のことだよな。
『ノース校中堅、マリアム・
ペガサス会長の紹介と共にロープが脱ぎ捨てられる。
結や簪と同じ蒼い髪だが、二人が水色なのに対して、彼女、マリアムの髪は紺色で、赤いハチマキをでこに巻いている。その顔は整っているが手入れをしたものではなく天然の物だろう。服装は自分の髪の色に合わせているのか紺色の外套にシャツ、ミニスカートといったシンプルで着飾らないものを着ている。
「マ、マリアム・
「・・・知り合いか?」
「ええ、ちょっとね。昔大会で戦ったことがあるの」
彼女の名前と姿を見た結が驚き、その理由を詳しく聞く。
「その大会はカイ君にもらった水精鱗たちのデッキのデビュー戦でね。その初戦で彼女に当たったのよ。それで、デュエルしたんだけど・・・」
「それで?」
「・・・ワンキルしちゃった」
「・・・そうか」
水精鱗+海皇はこの時代ではほぼ反則に近い展開力を持っている。ワンキルで来て当然だ。
つまり、彼女が結をにらんでいたのは
「お前へのリベンジか・・・」
「うん。多分」
それにしても
「さて、万丈目がここまでやってくれたんだ。さっさとあんたを倒すよ」
「へへ、そう簡単にやられないぜ」
「「デュエル!」」
マリアム:LP4000
十代:LP2500
手札0
E・HEROバースト・リンク・スパークマン
E・HERO フレイムウイングマン
摩天楼―スカイスクレイパー(フィールド魔法)
ルールでマリアムからか。
「私は《強欲な壺》で二枚ドロー。そして手札から永続魔法《ウォーター・ハザード》を発動!手札から水属性レベル4の《ライトハンド・シャーク》を特殊召喚!」
ライトハンド・シャーク
ATK:1500
「さらに、ライトハンド・シャークが私の場にいるとき、《レフトハンド・シャーク》を手札・または墓地から特殊召喚できる!」
レフトハンド・シャーク
ATK:1300
あれは漫画ゼアルでシャークが使っていたモンスター。ということは。
「二体のシャークをリリースし《エンシェント・シャーク ハイパー・メガロドン》をアドバンス召喚!」
エンシェント・シャーク ハイパー・メガロドン
ATK:2900
二体のサメが消え、巨大なサメが姿を現す。やはり、あいつのデッキはシャークデッキ。
「で、でっけえ!?」
その大きさはデュエルスペースの半分はあるんじゃないかというほどだ。尾ひれの方なんかノース校の観客席にまで入っているぞ。
「ふふ、まだまださ。手札から魔法カード《アクア・ジェット》発動!ハイパー・メガロドンの攻撃力を1000ポイントアップさせるよ!」
エンシェント・シャーク ハイパー・メガロドン
ATK:3900
「攻撃力3900!?」
亮のサイバーエンドに迫る攻撃力だな。
「ハイパー・メガロドンでフレイムウイングマンに攻撃、ギガント・プレデター!」
ハイパー・メガロドンがその巨体に見合う口を開けながらフレイムウイングマンを丸呑みにする。
「フレイムウイングマン!?」
十代:LP700
「さらにハイパー・メガロドンの効果発動!相手に戦闘ダメージを与えたとき、相手のモンスター1体を選択して破壊する。私はスパークマンを破壊!」
「スパークマンまで!?」
フレイムウイングマンを食べたメガロドンが今度はスパークマンも丸呑みにした。
これで十代は丸裸だ。
「カードを1枚伏せてターンエンド」
マリアム:LP4000
手札1
エンシェント・シャーク ハイパー・メガロドン
ウォーターハザード(永続魔法)
伏せ1
「ここから十代君が逆転するのは難しいわね」
「ああ。十代はさっきの万丈目とのデュエルでドローカードをかなり使った。例え、ドローしたとしても今の状況だと、凌ぐだけで精いっぱいだろう」
だが、例え十代が負けても俺たちの負けじゃない。これはチーム戦なのだから。
「俺のターン、ドロー!(く、このカードじゃ逆転できないぜ。・・・でも、待てよ。俺は負けるけど、結なら)俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」
十代:LP700
手札0
伏せ1
摩天楼―スカイスクレイパー
「どうやら、逆転のカードじゃなかったみたいね。私のターン、ハイパー・メガロドンでダイレクトアタック、ギガント・プレデター!」
「うわあああああ!!」
十代:LP0
『マリアムガールの勝利デース』
「姉御―!」
「流石でーす!」
マリアムの勝利にノース校の歓声が響く。彼女もずいぶん慕われているな。
「いや~、負けちまったぜ」
「気にすることはないわよ。万丈目くんを倒した後なんだもの。伏せカードを残してくれただけでもうれしいわ」
「へへ。頑張れよ!結」
「ええ、もちろんよ」
俺も何か言うべきだな。
「結」
「ん?」
「・・・行って来い」
少し、笑いながらそう言うと結は顔を少し赤くしながら
「うん!行ってきます」
そう言い、十代から受け取ったカードをディスクにセットして、デュエル場に上って行った。
「待たせたわね」
「いいや。待ってないさ」
「嘘でしょ?とっても待ったっていう顔しているわよ」
「フフ、わかる?」
「まあね。それと久しぶり。二年前の大会以来かしら?」
「ああ、そうだね。私はこの時を待っていたよ。あの大会でぼろ負けしたあんたにリベンジするこの時をね!」
『それではノース校中堅、マリアム・L・水瀬VSアカデミア本校中堅、更識結!デュエルスタートデース』
「「デュエル!」」
結:LP4000
手札5
伏せ1
マリアム:LP4000
手札2
エンシェント・シャーク ハイパー・メガロドン
ウォーターハザード(永続魔法)
伏せ1
先攻は結。
「(十代君の伏せたカードは・・・うん。このカードとこの手札なら)私のターン。手札の《海皇の竜騎隊》と《水精鱗―アビスヒルデ》を墓地に送り《水精鱗―メガロアビス》を特殊召喚!」
水精鱗―メガロアビス
ATK:2400
「墓地のおくられた竜騎隊とアビスヒルデの効果で、デッキから《海皇の重装兵》を手札に加えて、手札から《水精鱗―アビスパイク》を特殊召喚!」
水精鱗―アビスパイク
ATK:1600
「アビスパイクの効果!手札の《海皇龍ポセイドラ》を捨てて、デッキから《水精鱗―アビスサイレン》を手札に。そして、アビスサイレンを通常召喚!」
水精鱗―アビスサイレン
ATK:0
「レベル4のアビスパイクにレベル3のアビスサイレンをチューニング!深海の都に封印されし者よ。今こそ深き眠りより目覚め、その力を天地に示せ!シンクロ召喚《
ATK:2600
結のやつ、絶好調だな。
「アビスバハムートの効果発動!1ターンに1度自分フィールド上の『水精鱗』と名の付くモンスター1体を破壊することで、このカードの攻撃力は、このターンのエンドフェイズ時まで破壊したモンスターの攻撃力分アップする。私はメガロアビスを破壊!」
ATK:5000
「「「「「攻撃力5000!?」」」」」
生徒たちはバハムートのその攻撃力に驚愕する。
今日はいつにもましてデッキが回るな。
「バトル!バハムートアビスでハイパー・メガロドンに攻撃!クリアスパイラル!!」
「うわあ!?」
マリアム:LP2900
「く、やってくれるね」
「まだ終わりじゃないわよ?リバースカードオープン!罠カード《燃え上がる大海》!」
「!そのカードは」
「さっき十代君が伏せたカードよ」
あのカードは俺と結のデッキのどちらでも入るし、状況によっては十代も使えるため全員ピン差しでいれておいたカードだ。
ちなみにあのカードを入れたのに合わせて今回のデッキはサイバー・ダークだが、少しいろいろ炎王のカードも入っている。
「このカードは自分のフィールド上に水属性、または炎属性のレベル7以上のモンスターが存在するとき発動出来て、それぞれ違う効果をつかえるわ。今の私のフィールドにはレベル7の水属性、アビスバハムートがいる。水属性モンスターがいるとき、このターン効果モンスターの効果を発動するために自分の墓地に送られた水属性モンスターを可能な限り特殊召喚する!」
「なんだって!?」
バトルフェイズ前に発動しなかったのはミラフォを警戒してのことか。もし、ミラフォや激流葬なら無駄撃ちになる。
そしてこのターン、結は思いっきりぶん回したからとんでもないことになるな。
「来て!《海皇龍ポセイドラ》《水精鱗―アビスヒルデ》《水精鱗―メガロアビス》《海皇の竜騎隊》!」
海皇龍ポセイドラ
ATK:2800
水精鱗―アビスヒルデ
ATK:1300
水精鱗―メガロアビス
ATK:2400
海皇の竜騎隊
ATK:1800
「そして、その後自分フィールド上のモンスターを1体選んで破壊する。私が選ぶのは・・・」
そういって結が目を向けたのは
『ち、ちょっと、待ってくださいね、結?なんでそこで私に目を向けるんですか?』
「・・・ごめんなさいね、ルカ。アビスヒルデを破壊するわ!」
『やっぱりですか!ってあっつ!?』
ルカが炎に包まれて消えて行った。
「・・・あんた、なんてひどいことを」
「いや、うん。悪いとは思っているのよ。でもさ、デュエルで手を抜くわけにもいかないじゃない?」
「まあ、それもそうね。でも、後で謝っておきなさいよ?」
「うん、ってあれ?」
マリアムの言葉、少しおかいしな。まるでルカの悲鳴が聞こえたみたいな。
「ねえ、少しいいかしら?」
「なに?」
「あなたって、もしかしてルカの声が聞こえるの?」
「ルカ?まさか、さっきあんたに燃やされた・・・」
「うん。間違ってないけどそれは言わないで。かるく自己嫌悪しているから」
「あ、ごめん。っていうことはあんたも精霊が見えるの?」
やっぱりか。
「まあ、積もる話は後にしましょ。私は残りのモンスターでダイレクトアタック!」
これが決まれば結の勝利だが、
「そうはいかないよ!罠発動《バブル・ブリンガー》レベル4以上のモンスターは直接攻撃できない」
そううまくはいかない。彼女もかなりの実力の持ち主だからな。
「止められちゃったか。なら、私はレベル7のメガロアビスとポセイドラでオーバーレイ!」
二体の水精鱗が光になり、出現した渦の中に入る。
「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!大海の魔王龍《
ATK:2900
容赦ないな、結。
「リヴァイアビスの効果発動!このカードがエクシーズ召喚に成功したとき、自分の墓地の『水精鱗』と名のつくモンスターを2枚まで選択し、デッキに戻すわ。私はアビスパイクとアビスヒルデをデッキに戻す。そして、もうひとつの効果を発動!
1ターンに1度、オーバーレイユニットを1枚取り除いてデッキの上からカードを5枚めくり、その中の「水精鱗」と名のついたカードの数だけ、フィールド上のカードを破壊する。その後、カードをデッキに戻しシャッフルする。ドロー!・・・わたしが引いたカードの中に「水精鱗」は二体!アビスグンデとアビスディーネ。よってわたしはバブル・ブリンガーとウォーターハザードを破壊!」
「くっ!」
リヴァイアビスがその口から水をレーザーのように撃ちだし、バブル・ブリンガーを破壊する。
「この効果を使用したターン、このカードの攻撃力は破壊したカード1枚につき、200ポイントダウンするわ。もっとももう関係ないけど。ターンエンドよ」
結:LP4000
手札2
海皇の竜騎隊
結の猛攻に本校生徒たちの歓声は一層大きくなる。
「すっげえな!結のやつこんなにモンスターを出すなんて」
十代も興奮気味にそう言うが、俺としてはかなり見慣れた光景だな。あの展開力は俺のサイバー・ダークにはないものだ。何度、展開させれて守勢に回ったことか。
「やっぱ、強いねあんた」
「ありがと」
「でも、私もあのころの私じゃない。今度こそあんたに勝つよ!私のターン!魔法カード《天使の施し》を発動!デッキから3枚ドローして、二枚捨てる」
マリアム:手札3
「さらに《強欲なウツボ》を発動!手札の水属性モンスター2体をデッキに戻して3枚ドローする」
これで手札は完全に入れ替えられた。そして、墓地アドバンテージも稼いでいる。動くか。
「墓地に存在するライトハンド・シャークの効果発動!自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは墓地から特殊召喚できる」
ライトハンド・シャーク
ATK:1500
「自分フィールド上に「ライトハンド・シャーク」が存在する場合、レフトハンド・シャークは手札・墓地から特殊召喚できる」
レフトハンド・シャーク
ATK:1300
「さらにこのカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合、レベルを1つ上げることができる」
レフトハンド・シャーク
☆3→4
「さらに私は《ハンマー・シャーク》を召喚!」
ハンマー・シャーク
ATK:1700
レベル4のモンスターが三体だと?・・・まさか!
「いくよ!私はレベル4の《ライトハンド・シャーク》《レフトハンド・シャーク》《ハンマー・シャーク》でオーバーレイ!」
三体のサメたちが光となり渦の中へ飛び込んでいく。
三体のエクシーズ素材を必要とするランク4のサメなんて、あのモンスターしかいない。
そして、まるで俺の予想を裏付ける様にマリアムの右手の甲に現れる32の数字の様なマーク。
「三体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!喰らい尽くせ!《No.32海咬龍シャーク・ドレイク》!!」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK:2800
渦の中から尾ひれの様な物体が現れるとそれは変形していき、赤黒い4枚のヒレに足を持つサメの様なモンスターになる。その胸の部分には32に似た文字が刻まれている。
「No.ですって!?なんであなたがそのモンスターを!(No.を持つ者は欲望を暴走させられてしまう。何とかして、彼女を、って、あれ?)」
俺はマリアムの様子が気になってそちらに目を向けるが
「ん?なによ、私の顔になんかついてる?」
((特に変わったところはない?))
別に何かに操られているような感じじゃないし、力にも振り回されていない。
つまり、彼女は、結と同じ?
「あなた、何ともないの?」
「?別に何ともないけど。デュエルを続けてもいい?」
「あ、ええ(どうゆうこと?まさか、私と同じでNo.を完璧に操っているの?)」
考えるのはこのデュエルが終わってからだな。
「私は魔法カード《攻撃封じ》を発動!リヴァイアビスを守備表示に変更する」
DEF:2200
リヴァイアビスがその長い体を丸めて守備表示になる
また、懐かしいカードだな。おそらく攻撃力のあまり高くない魚族モンスターの補助のために入れてあるのだろう。
「いくよ!シャーク・ドレイクでリヴァイアビスに攻撃!デプス・バイト!」
シャーク・ドレイクがリヴァイアビスの首に噛み付き、破壊する。守備表示だからダメージはないが強力な破壊効果を持つリヴァイアビスを失ったのは結にとって痛いな。
そして、シャーク・ドレイクにはあの効果がある。
「まだだよ!シャーク・ドレイクが相手モンスターを破壊した時、オーバーレイユニットを1つ取り除き効果発動!」
シャーク・ドレイクが自身の周りをまわっていた光の一つを吸収する。
「破壊した相手モンスターを蘇生!」
墓地から蘇るリヴァイアビス。
「破壊したモンスターをわざわざ蘇らせるの?」
結だけじゃなく、見ていた本校の生徒たちも首をかしげる。
「シャーク・ドレイクがよみがえらせたモンスターはその攻撃力を1000ポイント奪われる」
ATK:1900
「そして、シャーク・ドレイクはこのターン、もう一度攻撃できる!」
「なんですって!?」
「シャーク・ドレイクで今度はアビスバハムートに攻撃!もう一度、デプス・バイト!」
「くぅ!?」
今度はアビスバハムートがその牙に破壊される。
結:LP3800
大したダメージじゃないが、切り札級のモンスターたちが破壊、弱体化されてしまった。というか、あのシャーク・ドレイク、原作効果とOCG効果が混ざっているのか?
「カードを1枚伏せてターンエンド」
マリアム:LP2900
手札1
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
伏せ1
「まさか、あなたがそんなカードを持っているなんてね」
「ん?ああ、この子はノース校に立ち寄ったときに拾ったんだよ。海の中で光っているものがあったから潜って拾ってみればカードだったんだ。それがこいつさ」
いや、なんだそれ?まさに「カードは拾った」っていうことか?
「へ~(私みたいにデュエルで手に入れたカードじゃないんだ)面白いわね。じゃあ、わたしもこのまま終わるわけにはいかないから、私のターン、ドロー!」
結の場には弱体化したリヴァイアビスに竜騎隊。どうする?
「墓地のアビスサイレンの効果発動!手札の《水精鱗―アビスグンデ》を捨てて、特殊召喚!」
水精鱗―アビスサイレン
ATK:0
「墓地に捨てられたアビスグンデの効果!墓地の「水精鱗」を特殊召喚する!アビスパイクを復活!さらにアビスパイクの効果で手札の重装兵を捨てて《水精鱗―アビスディーネ》を手札に!ディーネを効果で特殊召喚!」
水精鱗―アビスパイク
ATK:1600
水精鱗―アビスディーネ
ATK:1000
「さらに墓地に捨てた重装兵の効果でシャーク・ドレイクを破壊!」
No.は戦闘ではNo.以外で破壊できないが効果なら破壊できる。
「なるほど。こいつの効果を知っているんだ」
「まあね」
破壊されるシャーク・ドレイク。
「でも、甘いよ!罠発動《激流蘇生》!自分の水属性モンスターが戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時に発動!その時に破壊され、フィールド上から自分の墓地へ送られたモンスターを全て特殊召喚し、特殊召喚したモンスターの数×500ポイントダメージを相手ライフに与える。甦れ、シャーク・ドレイク!」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK:2800
結:LP3300
「く、でもまだまだ行くわよ!私はレベル3のアビスディーネとアビスサイレンでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!深き所より現れろ!《水精鱗-デイゴアビス》!」
水精鱗-デイゴアビス
ATK:2300
クトゥルム神話に登場する神ダゴンをもとにした、大量の脚を持つモンスターが現れる。
「(デイゴアビスがエクシーズ召喚に成功した時、手札の水属性モンスターを1体捨てることで自分の墓地に存在する『アビス』と名の付くカード1枚を手札に加えることができる。でも、今の私の手札に水属性モンスターはいない)デイゴアビスの効果発動1ターンに1度このカードのエクシーズ素材を1つ取り除くことで、相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を500ポイントダウンさせる!私はもちろんシャーク・ドレイクの攻撃力を下げる」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK:2300
「竜騎隊とリヴァイアビスを守備表示にして、カードを一枚伏せてターンエンドよ」
結:LP3300
手札0
海皇の竜騎隊(守)
水精鱗―アビスパイク
水精鱗-デイゴアビス
伏せ1
このターンで決められなかったのは痛いな。おそらく次のターンで・・・。
「私のターン。《埋蔵呪文の宝札》を発動!墓地の魔法カード三枚を除外して二枚ドロー」
マリアム:手札3
ここで手札増強カードか。
「装備魔法《エクシーズ・ユニット》をシャーク・ドレイクに装備!このカードを装備したエクシーズモンスターの攻撃力はランク×200ポイントアップする」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK:3100
「さらに速攻魔法カード《突進》シャーク・ドレイクの攻撃力をさらに700ポイントアップさせる!」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK:3800
「シャーク・ドレイクでアビスパイクを攻撃!デプス・バイト!」
「きゃあああ!?」
結:LP1100
まずいな。
「シャーク・ドレイクの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、アビスパイクを蘇生してもう一度攻撃する!」
「シャーク・ドレイクにオーバーレイユニットはもうないはず?まさか!?」
そう、エクシーズ・ユニット。
「エクシーズ・ユニットにはオーバーレイユニットの代わりになる効果がある!エクシーズ・ユニットを墓地へ」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK:3100
シャーク・ドレイクにもう一度よみがえらせられるアビスパイク
水精鱗―アビスパイク
ATK:600
「これで、終わりだ!シャーク・ドレイクでアビスパイクをもう一度攻撃!デプス・バイト!」
弱体化したアビスパイクにシャーク・ドレイクが迫る。
「そう何度もやらせないわ!罠発動《バブルフェイク》水属性の攻撃表示モンスターが攻撃対象にされたとき、その対象を別の攻撃表示の水属性モンスターに変更できる!私はデイゴアビスに変更!」
「なら、厄介なデイゴアビスに攻撃!デプス・バイト!」
「くぅぅ!」
結:LP300
「カードを一枚伏せてターンエンド」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
ATK:2300
マリアム:LP2900
手札0
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
伏せ1
「私のターン!《貪欲な壺》発動!墓地のモンスターを5体デッキに戻して二枚ドロー!」
戻したカード
海皇龍ポセイドラ
デイゴアビス
アビスバハムート
重装兵
アビスディーネ
結:手札2
「リヴァイアビスをリリース!《水精鱗―ディニクアビス》を特殊召喚!」
水精鱗―ディニクアビス
ATK:2400
「ディニクアビスの効果発動!1ターンに一度アビスと名のつくカードを手札に戻すことによって、相手フィールド上にあるカード1枚もどす。私はアビスパイクを戻してシャーク・ドレイクを手札に戻す!」
シャーク・ドレイクはエクシーズモンスター。バウンスすればアド損になる。
「罠発動《水霊術―「葵」》シャーク・ドレイクをリリースして相手の手札を確認。そのうちの一枚を捨てる!」
「う、私の手札はこれよ」
「へ~、いいカード有るじゃない。でも捨てるのはアビスパイクね」
マリアムの言葉通りにアビスパイクを捨てる結。
まあ、このまま通常召喚されれば負けるからな。
「でも、これであなたの場はがら空き!その前に魔法カード《アビスラッグ》。自分の墓地に存在する「水精鱗」と名のついたモンスターカードを5枚まで選択し、デッキに戻してシャッフルする。その後、カードを1枚ドローする」
戻したカード
アビスサイレン
アビスヒルデ
メガロアビス
アビスグンデ
アビスパイク
「竜騎隊を攻撃表示にしてディニクアビスでダイレクトアタック!」
「きゃあ!」
マリアム:LP500
「竜騎隊でとどめ!」
竜騎隊が迫るが、
「墓地の《ネクロ・ガードナー》を除外してその攻撃を無効にする!」
戦士の幻影がそれを防いだ。
「そんなカードいつの間に!?」
「天使の施しの時よ」
「あのときね。カードを1枚伏せてターンエンドよ」
結:LP300
手札0
水精鱗―ディニクアビス
海皇の竜騎隊
伏せ1
「私のターン」
マリアムの場はがら空き。手札もあの1枚のみ。何を引いた?
「ふふっ、いくよ!魔法カード《死者蘇生》!シャーク・ドレイクを蘇生!」
ここでそれを引くか。
「このまま竜騎隊に攻撃しても多分、そのカードで防がれるかもしれないし、ディニクアビスは残しておいたらまたバウンスされかねないわね」
「・・・なにか他の手があるようないいかたね」
「ええ。こうするのさ!うおおおお!!」
マリアムが突如紫色のオーラに包まれる。
おいおい。まさかあれをするのか。
「私は海咬龍シャーク・ドレイクをカオスエクシーズチェンジ!」
シャーク・ドレイクは再び尾びれのような形になり、エクシーズ召喚の渦に飲み込まれる。
「現れろ!深海の闇より目覚めし牙《CNo.32海咬龍シャーク・ドレイク・バイス》!!」
中央部に紫色の物体を持つ七枚の白いヒレが放射状に広がった姿となり再び現れる。そこから展開、白いシャーク・ドレイクの姿を残しつつも威圧感を増した姿となった。
CNo.32海咬龍シャーク・ドレイク・バイス
ATK:2800
「まさか、カオスエクシーズまで使えるとはな」
「カイ、知ってんのか?」
「まあな。(問題はバイスの効果だが)」
「シャーク・ドレイク・バイスはオーバーレイユニットを1つ取り除き自分の墓地のモンスター1体を除外。フィールド上のモンスター1体の攻撃力・守備力をエンドフェイズまで0にする!私は墓地のハンマー・シャークを除外!ディニクアビスの攻守を0にする!」
「くっ」
水精鱗―ディニクアビス
ATK:0
「シャーク・ドレイク・バイスでディニクアビスに攻撃!デプス・カオス・バイト!」
シャーク・ドレイク・バイスの口から放たれた光弾が無数に分かれディニクアビスを襲う。
「罠発動!《ガード・ブロック》戦闘ダメージを0にしてカードをドロー!」
「防がれたわね。ターンエンドよ」
マリアム:LP500
手札0
CNo.32海咬龍シャーク・ドレイク・バイス
「私のターン!魔法カード《天使の施し》を発動して3枚ドローして2枚捨てる(このカードは・・・)
さっき捨てた《水精鱗-アビスレイヤー》の効果発動!このカードが手札から墓地へ送られた時、フィールド上に特殊召喚できる!」
水精鱗-アビスレイヤー
ATK:900
「さらに《水精鱗―アビスヒルデ》を召喚!お願い、ルカ」
水精鱗―アビスヒルデ
ATK:1300
『ジー』
「あ、あの~、ルカ?」
『さっきはよくもあんなことしてくれましたね』
《燃え上がる大海》の時のことか。
「い、いや、あれはその・・・」
『ジー』
「ごめんなさい」
『・・・』
「・・・」
『・・・はあ、もういいですよ。その代り勝ちますよ』
「うん!私はレベル3のアビスヒルデとアビスレイヤーでオーバーレイ!」
『行きます!』
二体が光になって渦に飛び込む。そして、結の左手に現れる17の数字を模した模様。
「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!《No.17リバイス・ドラゴン》!」
渦から現れた青い球体はその身を展開し、六枚の翼を持つ細身のドラゴンになる。
No.17リバイス・ドラゴン
ATK:2000
「No.!?あんたも持っていたの!?」
リバイス・ドラゴンをみてマリアムが驚く。
「ええ。そして、それだけじゃないわ!はあああああ!!」
「えええ!?」
結が銀色のオーラに包まれる。話には聞いていたがあれがそうか。
「私はリバイス・ドラゴンをカオスエクシーズチェンジ!」
リバイス・ドラゴンが再び球体となり渦に入る。
「混沌の海を統べる覇龍《CNo.17リバイス・スケイル・ドラゴン》!」
現れるのは蒼色の装甲に包まれた銀色の球体。それが開き、装甲を身に纏った銀色の龍に変形していく。
CNo.17リバイス・スケイル・ドラゴン
ATK:2000
二体のCNoが並ぶさまは圧巻だな。現に隣の十代も興奮している。
「リバイス・スケイル・ドラゴンはオーバーレイユニットを1つ取り除き、手札を1枚捨てる」
最後の手札を捨てる結。
「そして、攻撃力を800ポイント上昇させ、相手のカードを1枚手札に戻す!」
「なんだって!?」
「私が戻すのはシャーク・ドレイク・バイス!」
リバイス・スケイル・ドラゴンの六枚の羽根が風を巻き起こし、シャーク・ドレイク・バイスを吹き飛ばす。
CNo.17リバイス・スケイル・ドラゴン
ATK:2800
「これで終わりよ!リバイス・スケイル・ドラゴンでダイレクトアタック!バイス・カオス・ストリーム!!」
「きゃああああ!!」
マリアム:LP0
『勝者!アカデミア本校更識結デース』
ペガサス会長の宣言に本校の生徒たちの歓声が響く。
『そして、素晴らしいデュエルを見せてくれましたマリアムガールにも拍手を』
そして、敗れたマリアムにも両校から多くの拍手が送られた。
「いいデュエルだったわ。腕を上げたわね」
「ははは。また負けちゃったか。でも楽しいデュエルだったよ。またやりましょ」
「ええ。もちろんよ」
こうして、中堅同士のデュエルは結が勝利を収めた。
ノース校に残るは大将のみか。
中堅同士のデュエルでした。うん長い。
途中で最新パックのカードを出しました。もうすぐ発売ですね。
マリアムは爆転シュートベイブレード2002でシャークラッシュというベイと聖獣を使っていた少女です。個人的に好きでしたので出しました。彼女は明日香に続く結のライバルのです。今後も彼女の活躍に期待を。
次回は大将同士のデュエルになります。最後の一人の正体をお楽しみに。
ライトハンド・シャーク
☆4/水属性/魚族/効果モンスター/ATK1500
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは墓地から特殊召喚できる。この効果はデュエル中1度しか使えない。
//効果が強かったので制限を加えました。
レフトハンド・シャーク
☆3/水属性/魚族/効果モンスター/ATK1300
自分フィールド上に「ライトハンド・シャーク」が存在する場合、このカードは手札・墓地から特殊召喚できる。このカードが墓地からの特殊召喚に成功した場合、このカードのレベルを1つ上げることができる。
ランク7/水属性/海竜族/エクシーズ/ATK2900 DFE2200
水属性レベル7モンスター×2
このカードがエクシーズ召喚に成功したとき、自分の墓地の『水精鱗』と名のつくモンスターを2枚まで選択し、デッキに戻す。
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1枚取り除いて発動する。デッキの上からカードを5枚めくり、その中の「水精鱗」と名のついたカードの数だけ、フィールド上のカードを破壊する。その後、カードをデッキに戻しシャッフルする。この効果を使用したターン、このカードの攻撃力は破壊したカード1枚につき、200ポイントダウンする。
水精鱗-デイゴアビス
効果モンスター・エクシーズ
ランク3/水属性/海竜族/攻2300/守1000
水属性レベル3モンスター×2
このカードのエクシーズ召喚に成功した時、手札から水属性モンスター1体を捨てることで、
自分の墓地に存在する『アビス』と名の付くカード1枚を手札に加える。
1ターンに1度このカードのエクシーズ素材を1つ取り除くことで、
相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を500ポイントダウンする。
バブルフェイク
通常罠
自分フィールド上の水属性モンスターが攻撃対象に選択されたとき発動できる。攻撃対象をほかの水属性の攻撃表示モンスターに変更する。
『アビスラッグ』
通常魔法
自分の墓地に存在する「水精鱗」と名のついたモンスターカードを5枚まで選択し、デッキに戻してシャッフルする。その後、カードを1枚ドローする。
水精鱗-アビスレイヤー
効果モンスター
レベル3/水属性/水族/攻撃力900/守備力1300
このカードが手札から墓地へ送られた時、フィールド上に特殊召喚できる。
この効果によって特殊召喚に成功した時、相手の手札を1枚ランダムに墓地に送る。
CNo.17リバイス・スケイル・ドラゴン
ランク3/水属性/ドラゴン族/エクシーズモンスター・効果/ATK2000DEF0
水属性レベル3モンスター×4
このカードは自分フィールド上の「No.17 リバイス・ドラゴン」の上にこのカードを重ねてエクシーズ召喚することもできる。
このカードは「No.」と名のついたモンスター以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。
自分のライフが1000以下の場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分の手札を一枚捨てて発動できる。このカードの攻撃力を800ポイントアップさせ、フィールド上のカードを一枚持ち主の手札に戻す。この効果は相手ターンでも使えるがその場合、1ターンに1度しか使えない。