遊戯王GX 五聖獣に選ばれし者たち(更新停止中)   作:竜羽

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二章 七つの星 聖獣覚醒
伝承


交流戦から数日後の生徒会室。そこはかつてない人口密度の空間となっていた。

まず、生徒会役員の更識結、俺、布仏虚、更識簪、布仏本音。

オシリスレッドの遊城十代、万丈目準。

ラーイエローの木宮翼、金健良。

オベリスクブルーの天上院明日香、マリアム・L・水瀬。

生徒会室は決して狭くはないが、流石に十一人もいると少し狭く感じてしまう。

 

これから始まるのは【第一回精霊紹介をしょうの会】だ。発案者はもちろん結。

 

「さて、それでは順番に紹介していきましょうか。まずは私たち生徒会から。私、更識結の精霊、《水霊使い エリア》のエリアと《水精鱗―アビスヒルデ》のルカ、《水精鱗―アビスグンデ》のルイです」

 

『どうも~』

 

『よろしくお願いします』

 

『よっろしくね~』

 

結がエリア、ルカ、ルイのカードを机に置く。

 

「次にカイ君。お願い」

 

「俺の精霊は《ドラゴン・ウィッチ―ドラゴンの守護者》のフェニス、《火霊使い ヒータ》のヒータだ」

 

『初めての方もそうじゃない方もよろしくお願いします』

 

『よろしく頼む』

 

俺もフェニスとヒータのカードを結のようにおいていく。

 

「次に虚ちゃん」

 

「生徒会書記の布仏虚です。精霊は《The アトモスフィア》のスフィアです。今は体を小さくしていますが本当はこの部屋くらいの大きさですよ」

 

『ピッ!』

 

「次は十代君」

 

「おう。俺の相棒は《ハネクリボー》だぜ」

 

『クリクリ~』

 

(((((か、かわいい)))))

 

「かわい~い~」

 

本音はハネクリボーを見ていつものゆっくりした口調でそう言った。本音以外の女生徒も同じ感想だろうな。

 

「次に翼君」

 

「俺の精霊は《風霊使い ウィン》だ」

 

『・・・よろしく』

 

ウィンはエリアやヒータ、エリアルと同じ魔法使い族の里出身で口数が少なく物静かな少女だ。だが、ヒータ曰く、とてつもなく恥ずかしがり屋だが一途になれるらしい。

実際、翼のことをかなり慕っているようだ。

 

「次は明日香。お願いね」

 

「ええ。私の精霊は《リチュア・エリアル》のエリアルよ。エリアの双子の妹さんでもあるの」

 

『リチュアではアイドルみたいなことをしていました。みなさんお願いします!』

 

エリアルは服装以外ほとんどエリアと変わらないな。

 

「さて、次は私の番ね」

 

結の言葉を待たずにマリアムは自身の精霊を呼び出す。

 

「私の精霊は《シャーク・サッカー》さ。よろしくね」

 

マリアムの言葉と共に小さな、といっても俺たちほどの大きさの青いサメが現れる。

 

「こいつは結構鼻が利くから人探しとかのときは頼りになるよ」

 

サメだしな。

 

「じゃあ、次はジェンリャ君」

 

「ああ。俺の精霊は《光霊使い ライナ》だ」

 

『よっろしくお願いしまっす!』

 

テンションが高いな。ルイととてつもなく息が合いそうだ。

 

「最後に・・・」

 

全員の目がこの場で唯一のこった万丈目に集中する。(簪、本音は精霊がいないが精霊を見ることができるのでこの場にいる)

 

「い、いや~。俺の精霊のことはいいから」

 

『あ~ん。万丈目の兄貴。ひどいわ~』

 

「こら!でて来るなこの雑魚が!」

 

・・・・・・

 

何とも言えない沈黙が生徒会室を包みこむ。

 

「・・・《おじゃまイエロー》か」

 

黄色い体にカ○ゴンの様な顔をした精霊。攻撃力0守備力1000の通常モンスター。

単体では確かに雑魚と言われるが、おじゃまシリーズのサポートがそろうと一気に化ける。

 

「なんとも個性的な精霊ね」

 

「・・・でも、専用デッキを作ったらかなり強くなる」

 

「そういえば」

 

翼は懐からカードケースを取り出す。

 

「この間森を探索していたら古井戸を見つけたんだ。その底にカードがたくさんあってさ。その中にこんなカードがあったんだ。ほら」

 

そう言って見せたカードは。

 

「《おじゃまグリーン》に《おじゃまブラック》?」

 

『本当!グリーンあんちゃんにブラックにいちゃん!?』

 

イエローがそう叫ぶと二枚のカードからグリーンとブラックが出てきた。

 

『その声はイエロー!?』

 

『会いたかったぞ弟よ!』

 

『おいらもよ~!』

 

そう言って抱き合う三体。

 

「兄弟が見つかってよかったな!」

 

「そうですね」

 

「美しい兄弟には見えないけどね」

 

「万丈目、あとでおじゃまのサポートカードをやるよ」

 

予期せぬ再会を持ってこの【第一回精霊紹介をしょうの会】はお開きとなった。

 

 

 

 

 

【第一回精霊紹介をしょうの会】から数日後。

生徒会にいたメンバーと眼鏡、前田、そしてレッド寮長の大徳寺先生は今アカデミアにあるという古代遺跡見学に来ていた。

これはもともと大徳寺先生が企画した遠足の様なもので、十代がどうせならみんなできたらどうだということで声をかけ、結果この人数でやってきたのだ。

 

「この辺でお昼にするのにゃ~」

 

もう少しで遺跡というあたりで大徳寺先生の言葉に従い、昼食の準備を始める。

 

「じゃ~ん。今日も腕によりをかけました!」

 

結は相変わらず豪華な重箱の弁当を作ってきていた。

 

「さあ、食べましょ」

 

「ああ」

 

俺と結は重箱の弁当を遺書に食べる。

相変わらずうまい料理ばかりだ。

 

「ジェン。私たちも弁当食べない?」

 

「そうだな」

 

ジェンリャとマリアムも一つの弁当(おそらくマリアムの手作り)を二人でつついている。

 

「十代。わたしもお弁当作ってきた」

 

「お!本当か」

 

「一緒に食べよ?」

 

「おう!」

 

簪と十代もか。

 

「翼」

 

「ん?」

 

「わたしもお弁当作ってきたの。よかったら食べてもらえないかしら?」

 

「お、おう。もちろんだ」

 

明日香も翼のために作ってきたようだ。

 

「二人とも顔を赤くして初々しいわね~」

 

結は二人を見てニヤニヤしている。

 

「「ぐぎぎぎぎ!!妬ましい(っす)」」

 

俺達8人を見て眼鏡に万丈目は途轍もない形相で睨んでいる。目が血走っているな。

 

「先生はとめさん特製のお弁当なのにゃ~」

 

大徳寺先生が自分のリュックを開けると、

 

「ファ、ファラオ?」

 

飼い猫のファラオが飛び出してきた。

 

「にゃああ!?先生のお弁当が!」

 

大徳寺先生の弁当を全部食べて。

 

「にゃ~、皆さんのお弁当を分けてほしいのにゃ~」

 

そんなこんなで昼食時間は過ぎて行った。

 

 

 

 

 

「ここが古代遺跡ですにゃ」

 

昼食を食べた後、またしばらく歩いて進んだ先に洞窟があった。

周りは長年放置されたのか何もない岩場だ。

その中を懐中電灯の明かりを頼りに進んでいく。

 

「なんだ?」

 

「どうしたの?カイ君」

 

進んでいくほどに俺は何かの気配を感じた。

 

「なにかがここにはある気がする・・・」

 

「カイもか。俺もそんな気がする」

 

俺の呟きにジェンリャも同意する。

 

最初は人一人が通れるくらいの洞窟だったが、やがて大きな空洞に出た。

そこには五つの壁画の様なものがありその壁画は砕けていた。

 

「ここが遺跡だにゃー。なんでもこの壁画は古代の神様の姿が書かれていたらしいのにゃー。でも、地震か何かで崩れてしまったみたいなのにゃー」

 

俺達は思い思いに壁画の近くを見て回る。

すると、突然ヒータが俺の前に現れる。

 

「どうした?ヒータ」

 

『似ている』

 

「似ている?」

 

『ここ、私たちの・・・』

 

ヒータの言葉は途中で途切れる。

なぜなら、突然遺跡が揺れ始めたからだ。

 

「全員伏せろ!」

 

俺の声に従い、みんな頭を伏せる。

 

「翼!風霊術のカードをつかえ!」

 

「お、おう!ウィン頼む!」

 

『・・・まかせて』

 

翼はデッキから《風霊術―「雅」》のカードを発動させ、もしかしたら崩れてくるかもしれない岩から風でみんなを守る。

霊使いである彼女たちは俺たちが専用の霊術のカードをディスクにセットすることでその力を実体化させることができる。

これは結が幼いころにエリアに教えてもらったことで、アカデミアに結が来てから俺も教えられた。

 

やがて、地震が収まったので伏せていた体を起こす。

 

「みんな無事?」

 

簪を守るように一緒に伏せていた結が全員に声をかけると、全員無事だったようで返事を返す。

 

「とりあえずここにいるのは危険なのにゃー。みんな急いで外に出るのにゃ」

 

大徳寺先生の言葉に従って俺達は外に向かおうとする。

 

「なあ、結」

 

「なに?」

 

「この洞窟、来るときと少し変わっていないか?」

 

俺がそう言うと結は周りを見渡す。

 

「確かに少し、整備されている感じがするわね。この壁もこんなのなかったわ」

 

壁画の近くを指さしてそう言う。

そこにはかがり火をたく、木製の燭台が複数置いてあった。

 

「間違いない!」

 

突如声が響き、全員がその方向に目を向けると

 

「フェニス、ヒータ?」

 

「エリア、ルカ、ルイ?!」

 

「ウィン?」

 

「エリアル?」

 

「ライナ?」

 

俺たちの精霊全員が実体化していた。

 

「あれ?ハネクリボー。お前もか?」

 

「くりくり~」

 

「どういうことなんすか?兄貴たちの精霊の姿が僕にも見えるッス」

 

「俺にもなんだな。うわ?!デスコアラ?」

 

「先生にもみんなのカードがしゃべって見えるのにゃ」

 

普段精霊が見えていない先生たちにも見えている。しかも、フェニスたちが何もしていないのにハネクリボーが実体化しているということは。

 

「とにかく、外に行きましょう」

 

エリアがそう言うとフェニス達は洞窟の外に向かって走り出した。それに俺達も慌ててついていく。

 

洞窟を抜けた先には

 

「ここは・・・」

 

入った時とは違い、草木に囲まれ洞窟の周りには神殿の社の様なものがあった。

 

そして、その先には木々に囲まれた小さな村の集落があった。

 

「ヒータ。ここは?」

 

「ここは私たち霊使いの故郷。《魔法族の里》だ」

 

 

 

 

 

その後、俺達はエリアやヒータたちの案内で魔法族の里の長の家に向かった。

そこは他の家より少し大きいくらいの家で、ヒータは何のためらいもなくドアをたたいた。

 

「お~い、居る~?」

 

しばらくするとドアが開いて一人の女性が出てきた。

 

「あら、みんなどうしたの?いきなり帰ってきて。あらあら、エリアルちゃんまでいるじゃない」

 

「「「「「ただいま、ドリアードおばさん」」」」」

 

「はい。お帰りなさい」

 

 

 

 

 

この里の長をしている彼女《精霊術師(エレメンタルマスター)ドリアード》はヒータたちの保護者の様な人らしい。

彼女はヒータたちの突然の帰郷と俺達の訪問に少し驚いていたが、すぐに笑顔で迎えてくれた。

 

「そうですか。あの遺跡に」

 

今はドリアードの家の大広間でお茶を飲んでいる。

二十人以上の大所帯だが何とか全員座れた。

なんでも最近精霊界は空間が不安定でたまに俺たちの世界とつながってしまうことがあるらしい。

もう少ししたら、三つの太陽が現れて元の世界に帰れるらしいのでそれまで休んでいることになった。

 

「あの遺跡は五聖獣の伝説を描いた壁画があるのです」

 

「五聖獣?」

 

十代が聞き返す。

 

「この精霊界が生まれた際に誕生した五体の聖獣です。彼らはすべての天地を創造したと伝えられています。五聖獣の名前や姿は伝わっていませんが、それぞれが水、風などを司っていると言われています」

 

「つまりとてつもないモンスターだと考えればいいのだな」

 

万丈目の言葉にドリアードは首肯する。

 

「はい、五聖獣は自身を操るにふさわしい者を選び、その者にとてつもない力を与えると言います。なんでも五聖獣の力を限定的ではありますが操れるようになるとか」

 

「つまり、水の五聖獣に選ばれれば水の力を、風の五聖獣に選ばれれば風を操れるということなのね」

 

明日香の言葉にもドリアードは同意する。

 

「へ~。見てみたいな。その五聖獣っていうの」

 

十代はなんというか、いつも通りだな。子供の様に目をキラキラさせている。

 

「・・・」

 

木宮は何か考えているな。

まあ、大体察しはつく。あのクリスマスグランプリでのことだろうな。

 

「たっだいま~!」

 

「ライナちゃん。もう少し静かに入りなさいよ」

 

「・・・同意」

 

「別にいいじゃん。こいつに何言っても意味ないって」

 

「ヒータさん。その言い方はちょっと」

 

出かけていたヒータたちが帰ってきた。ちなみに上からライナ、エリア、ウィン、ヒータ、エリアルだ。

五人は里の知り合いに挨拶をして回っていたらしい。

 

「お帰りなさい。みんなどうでした?」

 

「みんな元気だった!」

 

しばし、和やかな空気が流れた。

 

その後、各々で里を見学したり、ドリアードの書庫をみたり、モンスターに乗ったりして時間を潰した。

 

やがて、帰る時間になる。

 

「いろいろ貴重な経験が出来ましたのにゃー。先生としてお礼を言いますのにゃ」

 

「はい。私もエリアたちの様子が見れてうれしかったです」

 

ドリアードと大徳寺先生が話している後ろで俺は木宮に耳打ちする。

 

「よかったのか?あの龍と鳳のことを聞かなくて」

 

「ああ。あれが五聖獣っていう確証はないんだし、姿も名前も伝わっていないのなら聞くだけ無駄だろ?」

 

「そうか。お前がそう思うのならそれでいい。ただ、何かあれば俺にも言え。聞くだけ聞いてやる」

 

「おう」

 

俺たちが会話をしていると大徳寺先生と話を終えたドリアードが十代に近寄った。

 

「遊城十代くんといいましたね」

 

「おう。何?」

 

「これをあなたに差し上げます」

 

そう言ってドリアードが十代に渡したのは黒い、

 

「・・・勾玉?」

 

「勾玉?簪、勾玉ってなんだ?」

 

「・・・昔の人のお守りみたいなもの」

 

「それをあなたに差し上げます。いつかあなたを守ってくれるでしょう」

 

「へ~。ありがとうな。ドリアード」

 

そして、俺達は洞窟の社に集まる。

すると、タイミングよく三つの太陽が現れ、社が光り輝く。

 

「さあ、あなた達の世界に通じました。ご無事に帰れることを祈っています」

 

ドリアードの言葉を背に俺達は光の中に飛び込んだ。

 

そして、気が付くと俺達は洞窟の前で全員倒れていた。

あの出来事は夢でもなんでもなかった。その証拠に十代の首には黒い勾玉がかけられていたのだから。

 

こうして、少し不思議な遠足は終わった。

 

 

 




デュエルなしの回は久しぶりでした。
いろいろ伏線を張って、セブンスターズ編に行きます。
感想・オリカ待ってまーす。
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