遊戯王GX 五聖獣に選ばれし者たち(更新停止中)   作:竜羽

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デュエルとは

翼とダークネスの戦いから数時間後。

俺達、生徒会役員や十代たち、三幻魔やセブンスターズのことを知る者たちは保健室に集まっていた。

保健室のベッドのうち、一つには翼が横になっている。

全身にやけどや打撲の跡がありかなりひどい怪我で全身を包帯でぐるぐる巻きにされているが、幸い命に別状はない。今もベッドの上で安らかな寝息を立てている。

 

もう一つのベッドには、翼と激しいデュエルを繰り広げたダークネスこと明日香の兄、天上院吹雪が横になっている。

 

 

あの夜、俺達は火山の方から聞こえた大きな音、明日香の話しからThe Blazing God Dragon(ザ・ブレイジング・ゴッド・ドラゴン)の咆哮を聞き、駆け付けてみると、そこには翼が横たわり、ダークネスの正体に呆然としている明日香がいた。

いろいろ聞きたいことがあったがとりあえず二人を運び、保健室で鮎川女史の治療を二人が受ける傍ら、大転寺校長、織斑先生とクロノス教諭も同席して事の顛末を明日香に説明してもらった。

 

「まさか、相手がこのような手段に出るとは」

 

「闇のデュエル、か・・・」

 

校長と織斑先生は神妙な顔で考え込む。

デュエルのダメージが現実となる闇のデュエルで生徒が重傷を負った。

教師として、生徒を大事に思う二人には大問題なのであろう。

 

「フン。バカバカしいノーネ。闇のデュエルナ~ド、存在するはずないの~ネ」

 

しかし、クロノス教諭は闇のデュエルの存在は否定する。

 

「しかし、クロノス教諭。現に木宮は重傷を負っている。これだけでも闇のデュエルの証明に十分では?」

 

「織斑先生。怪我だけで闇のデュエルだと言えるわけない無いの~ネ。手品か何かでそう見せただけかもしれないの~ネ」

 

しばらく、織斑先生とクロノス教諭は言い争っていたが、大転寺校長が仲裁に入り、クロノス教諭が出て行ったことで一応この場は収まった。

 

「クロノス教諭のことは置いておいて、明日香。翼が五聖獣に選ばれたっていうのは本当なのか?」

 

俺は明日香に問いかける。

 

「ええ。あの時、確かに翼は五聖獣といっていたわ。それがこの《青竜》よ」

 

そう言うと、明日香は翼の手に握られている1枚のカード、《青竜》に目を向ける。

 

「今のところ、これが唯一の希望かもしれないわね。セブンスターズの使うモンスターは強力なんでしょ?」

 

「ええ。ダークネスドラゴンも強力だったけど、《The Blazing God Dragon(ザ・ブレイジング・ゴッド・ドラゴン)》のもつ威圧感はとんでもなかったわ」

 

明日香はその時のことを思い出したのかわずかに体を震わせる。

それにしてもThe Blazing God Dragon(ザ・ブレイジング・ゴッド・ドラゴン)か・・・。

 

「ほかのセブンスターズも同等のカードを操ってくるかもしれないな」

 

「・・・」

 

「さっきから何考えているんだ?カイ」

 

十代が考え事をしていた俺に声をかける。

 

「・・・《The Blazing God Dragon(ザ・ブレイジング・ゴッド・ドラゴン)》のことだが、あれは開発中のカードだ」

 

俺がさっきから考えていたことを言うと、みんなが騒然とした。

俺はそのまま続ける。

 

「I2社で未だ開発中のカードが使われたんだ。俺はペガサス会長に連絡を取る」

 

「ええ。その方がいいわね」

 

しばらく話し合いをした後、いつまでもここにいては二人に迷惑かもしれないということで俺達は二人に付き添っている明日香を残して解散する。

最後に大転寺校長が

 

「敵は得体のしれない力で木宮君たちを襲ってきました。今後も似たようなことが必ず起きるでしょう。もし何かあっても一人で解決しようとせず、私たち大人や周りの友人たちを頼ってください。もう私は生徒の傷つく姿を見たくありません」

 

そう真剣な目でいい、全員了承して寮に戻っていった。

 

ちなみにダークネスの持ち物を調べた際、七星門の鍵が二つほど出てきたのでそれを校長に返した。今度は盗まれることの無いよう厳重に保管するとのことだ。

 

 

それから二日後の朝。俺が起床するとタイミングを見計らったかのように携帯端末に着信が届いた。

 

送り主はペガサス会長で、至急I2社の本社に一人で来てもらいたいとのことだった。

俺がそのことをみんなに言うと、なんというかやっぱり、

 

「いやいやいやああ!私も行く!!」

 

結がごねた。

別に連れて行くこともできるだろうが、生徒会の会長と副会長が同時にいなくなるのはかなりまずい。

しかも今はセブンスターズとの戦いの真っ最中。この事件が解決しなければ無理だろう。

とりあえず、三時間かけて結をなだめて、なるべき早く帰ることを約束する。

そして、昼ごろに、I2社からの迎えのヘリがやってきた。

 

「結。留守の間、学園のことは任せるぞ」

 

ヘリに乗り込む前にそう言っておく。

 

「うん!任せて!!」

 

結はうれしそうにそう応えてくれた。まったくお前は本当にいい女だ。

 

「十代、それにほかのみんなも頼むぞ」

 

「ああ、もちろんだぜ!」

 

十代が代表して応えるのを見ると俺はヘリに乗り込んでいった。

 

 

 

 

 

カイ君がI2社に向かった日から三日後の放課後、私、虚ちゃん、簪ちゃん、本音ちゃんは生徒会室で仕事に勤しんでいた。

もう日がどっぷりくれている。仕事もだいぶ片付いて来た。

でも、やっぱり

 

「カイ君に会いたい」

 

「五十三回目です」

 

書類の一つ、テニス部の要望。

【『無我の境地』に至りたいので修行に行きたいです。アカデミアの滝での修行の許可を!】「漫画の読みすぎ。地道に努力しなさい」と返答をして、ハンコを押す。

 

「カイ君に会いたい」

 

「・・・五十四回目」

 

書類の一つ、バスケ部の要望。

【『キセキの世代』を引き抜きたいので本土への渡航の許可を!そして、会長付き合ってください!】・・・。

丸めてゴミ箱へ幻影(ファントム)シュート。

 

「カイ君に会いたい」

 

「五十五回目~Zzz」

 

書類の一つ、一般生徒たち多数からの要望。

【最近湖のほとりに妖しい女の人がいます。しかもその人の口から牙が生えているんです。絶対吸血鬼だよ。何とかしてください!】

警備員に「湖のほとりで不審者がいるようです」と連絡。

 

「カイ君に会いたい~~!!」

 

「・・・会長。もう五十六回目ですよ。いい加減にしてください」

 

だって、カイ君に会いたいのはしょうがないのよ!もう三日もあっていないのよ!

 

「お姉ちゃん」

 

「ん?何?簪ちゃん」

 

近づいてきた簪ちゃんは私の前に立つと

 

「えい」

 

私に抱きついて来た。

 

「ふぇ?」

 

「よしよし」

 

そのまま私の頭をなでる簪ちゃん。

ああ、なんか気持ちいい~。はふぅ~~。

 

しばらくそうしていたら、だんだん気が落ち着いて来たわ~。

 

カイ君に撫でてもらうのもいいけど、簪ちゃんに撫でてもらうのもいいわね~。

 

「う~ん、ありがと~簪ちゃ~ん」

 

私も簪ちゃんを抱きかかえる。

 

「ふにゅ~」

 

同じようになでなでしてあげる。

 

「「はふぅ~、ふにゃあ~~」」

 

う~ん。和むわ~。

 

なでなでなでなでふにゅ~~。

 

「大変よ!クロノス先生が!」

 

私たちが和んでいると、明日香が入ってきた。

かなり焦っていたみたいだけど私たちの姿(姉妹が向き合って頭をなでさせ合っている)を見ると一瞬呆けた顔になって

 

「・・・あなた達何しているの?」

 

若干の呆れを含んだ声でそう言った。別にいいじゃない。気持ちいいんだし。

ねえ、簪ちゃん?

 

「うん・・・」

 

 

 

 

 

その後、簪ちゃんから(名残惜しかったけど)離れた私は明日香に何があったのか聞くと、生徒会役員全員で一目散に生徒会室から飛び出した。

なんと、セブンスターズの一人と名乗るカミューラというデュエリストとクロノス教諭がデュエルを始めたということだった。

急いでデュエルをしている湖に行くと、緑色の長髪に赤いドレスに身を包んだ女性と地面に倒れ込んだクロノス教諭の姿があった。

クロノス先生の後ろには十代君たちが心配そうに見ている。

 

クロノス:LP1700

手札0

古代の機械城(永続魔法)

 

カミューラ:LP3200

手札0

ヴァンパイア・バッツ

ヴァンパイア・ロード

伏せ1

不死の王国―ヘルヴァニア(フィールド魔法)

 

「ふん。このような弱いデュエリストだったとは。実技最高責任者が聞いてあきれるわ」

 

女性、多分カミューラはクロノス教諭に対しそう嘲る。

それに対し、みんなは怒りを覚える。もちろん私も。

 

「それは違うぜ!戦った俺だからこそ分かる。クロノス先生は強いんだ!」

 

「最上級モンスターを手足のように扱うクロノス教諭が弱いわけがない!」

 

全員の思いを代表して十代君と万丈目君がそう言い切る。

十代君、あなたって子は本当に。いつもあまりいい印象を持っていないクロノス教諭もデュエルで通じた仲間の一人って思っているのでしょうね。そんな純粋で眩しい心を持っているから簪ちゃんも十代君に心を許しているのかもしれないわね。

 

「ドロップアウトボーイ・・・いや、シニョール十代・・・」

 

「クロノス先生!見せてくれよ。先生のデュエルを!」

 

十代君の言葉に続くように私たちも先生を応援する。

 

「そうです、先生!」

 

「先生!」

 

「クロノス先生!」

 

私たちの声に応えるように、クロノス教諭はふらつきながら立ち上がろうとする。

 

「クロノス教諭!」

 

織斑先生!

 

「あなたはこのようなところで倒れる人ではないはずです。確かにあなたはやる気のないレッド寮を差別するような発言をしますが、いつも生徒のことを考えて授業に臨んでいます。そんなあなたが弱いなどと言われて黙っていて言い訳がありません!立ちあがてください!」

 

「織斑先生。そうなノーネ。わたくしにはこんなに素晴らしい生徒たちに、同僚がいるノーネ!」

 

そして、立ち上がった。

 

「このクロノス・デ・メディチ、断じて闇のデュエルなど認めるわけにはいかないノーネ!なぜなら、デュエルとは本来、青少年たちに希望と光を与えるもの!恐怖と闇をもたらすものではないノーネ!」

 

その言葉は私たちの胸に深くしみこんでいった。

そう、デュエルがあったからこそ私たちはこのアカデミアに集まった。そして大切な友達をたくさん作れたんだから。

 

「だから、闇のデュエルは存在しないと、存在してはいけないと言っていたのね」

 

「クロノス先生の信念だったのですね」

 

「そのとおりです、クロノス先生!」

 

「流石です先生!」

 

「ワタクシのターン。魔法カード《強欲な壺》を発動!デッキよりカードを二枚ドローしますーノ」

 

クロノス:手札2

 

「ワタクシは《古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)》を《古代の機械城(アンティーク・ギアキャッスル)》の効果によりリリースなしで召喚しますーノ!」

 

古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)

ATK:3000

 

「さらに魔法カード《死者蘇生》!このカードで墓地の《古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)》を復活させるノーネ!」

 

古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)

ATK:3000

 

クロノス教諭のフィールドに並ぶ二体の最上級モンスター。その姿は圧巻ね。

 

古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)でヴァンパイア・バッツを攻撃するノーネ!アルティメット・パウンド!」

 

ヴァンパイア・バッツの攻撃力は自身の効果「このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の全てのアンデット族モンスターの攻撃力は200ポイントアップするという」という効果で元々の攻撃力800から1000になっているけど、古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)の敵じゃないわ。

 

カミューラ:LP1200

 

「く、ヴァンパイア・バッツにはデッキから同盟カードを送ることで破壊を無効にできるけどこの効果は使わないわ(伏せてあるミラーフォースもアンティーク相手では意味ないわね)」

 

それを使えば古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)の攻撃でライフは0になるからね。

 

古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)でヴァンパイア・ロードを攻撃!ギア・ブレス!」

 

古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)の口から放たれた息吹(ブレス)に吸血鬼の王は吹き飛ばされる。

 

「くぅう!」

 

カミューラ:LP200

 

「私はこれでターンエンドナノーネ」

 

クロノス:LP1700

手札0

古代の機械巨竜(アンティーク・ギアガジェルドラゴン)

古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)

古代の機械城(永続魔法)

 

 

「おのれ!私のターン!うふふ、いいタイミングね《天よりの宝札》を発動!互いの手札が6枚になるようにドローするわ!」

 

「ここで最強の手札増強カードだと!?」

 

「くっ」

 

カミューラ:手札6

クロノス:手札6

 

まずいわ。カミューラのフィールド魔法《不死の王国―ヘルヴァニア》の効果は!

 

「私はフィールド魔法《不死の王国―ヘルヴァニア》の効果を発動!このターン、通常召喚を放棄する代わりに、手札のアンデット族モンスター1体を墓地に送ることでフィールド上のモンスターをすべて破壊する!」

 

破壊されていくクロノス教諭のアンティーク・ギアたち。

まずいわね、アンデット族モンスターには墓地からの蘇生カードが多いわ。

 

「そして《生者の書―禁断の呪術―》を発動!墓地の《ヴァンパイア・ロード》を復活させて、あなたの墓地の古代の機械巨人(アンティーク・ギアゴーレム)をゲームから除外するわ」

 

ヴァンパイア・ロード

ATK:2000

 

ヴァンパイア・ロードの攻撃が通れば、クロノス教諭のライフは0。手札に《速攻のかかし》でもあれば別だけど、クロノス教諭はもう打つ手はないのか、手札を見ていない。

 

「諸君!しっかりと見ておくノーネ。そして、忘れないでもらいたいノーネ。たとえ、闇のデュエルで負けるようなことがあっても、闇に屈することだけはしてはいけないノーネ。闇は光を決して凌駕できないノーネ。そう信じて、決して心を折らないことを、私と約束してくだサーイ」

 

「クロノス先生・・・」

 

「先生・・・」

 

「うふふ。最後の授業は終わったかしら?」

 

「いつでも来るノーネ!」

 

「ヴァンパイア・ロードでダイレクトアタック!」

 

ヴァンパイア・ロードがクロノス教諭に闇の波動をぶつける。それを受けたクロノス教諭は倒れてしまう。

 

「ボーイ・・・ガール・・・光のデュエルを・・・」

 

そう言い残し、クロノス教諭の姿は光になって消えた。カミューラの方を見るとその手にはクロノス教諭に似た顔の人形が握られていた。

これが闇のデュエルの敗者のまつろ・・・。

 

「ふん、やっぱり趣味じゃないわね」

 

そう言うと、カミューラはクロノス教諭の人形を放り捨てる。

 

「お前!」

 

その行為に十代君は怒って飛び出そうとするけど、

 

「カイザー・・・結」

 

私と亮君で抑える。

 

「うふふ。明日も待っているわ」

 

そう言うと、カミューラの後ろ、つまり湖から何かが浮き上がってくる。

 

「なんだ?あれは」

 

「・・・城だ!」

 

西洋風の、豪奢なお城。

そのお城から赤いじゅうたんが湖の上に伸びてくる。

その上をカミューラは悠々と歩いて行った。

 

 

 

 

 

翌日、私は自室でデッキを調整していた。

あの後、私たちは会話も少ないままそれぞれの寮に戻っていった。

人形に変えられ、捨てられたクロノス教諭は織斑先生が責任を持って校長先生のもとに届けてくれた。

 

『結。本気でやるの?』

 

入念にデッキをチェックしていく私にルカが話しかけてくる。

 

「ええ。クロノス教諭があんなふうにされたんですもの。生徒の長たる私が黙っている訳にはいかないわ」

 

校長先生たちは勝手に相手をするなといっていたけど、先生をあんな目に合わせたカミューラを許すことはできない。

何より、私はこのアカデミアの留守をカイ君に託されている。

生徒会長として、更識家次期当主として、なによりカイ君の女として、黙っている訳にはいかないわ。

 

『そっか』

 

『結の心が決まっているのでしたら私たちが言うべきことは何もありませんね』

 

『思いっきりやりましょう。そして絶対に勝とう』

 

そうね、ルカ、ルイ、エリア。あなた達も頼りにしているわよ。

 

それからも私はさらに調整に没頭し、気がつけばもう夕方だった。

部屋からこっそり抜け出して、湖のほとりに向かう。

 

「流石に寒いわね」

 

まだ春先のこの季節に夜の水辺は寒いわ。

 

私が寒さに少し体を震わせていると、湖のお城のほうから赤い絨毯が現れる。

 

「入って来いってことかしら。上等よ」

 

私はその上を歩いていく。

だんだん近づいてくるお城は吸血鬼の居城にぴったりの外観で、とても不気味。

 

そのお城の門に近づくと、ゆっくりと扉が開く。

扉の中に入り少し進んだダンスホールのような場所にカミューラは待ち構えていた。

 

「いらっしゃい、お嬢ちゃん。今夜の相手はあなたかしら?」

 

「ええ、そうよ。この私、デュエルアカデミア生徒会長、更識結があなたの相手をするわ」

 

「ふふふ、気の強いことね。いいわ、デュエルをしましょう」

 

カミューラはその言葉と共に蝙蝠の羽根を模したデュエルディスクを展開する。

私も自分のディスクを展開。デッキをセットしてオートシャッフルする。

 

「このデュエルであなたが負ければこの人形に魂を封じ込められるわ。ふふ、安心して。あなたみたいなかわいいお嬢さんはきれいに飾ってあげる」

 

「おあいにく様。私にはもうお相手がいるからそのお誘いは断らせてもらうわ」

 

「ふふふ、本当に気の強いこと。その強気もいつまで続くかしらね?では」

 

「「デュエル!」」

 

結:LP4000

カミューラ:LP4000

 

先攻はカミューラか。

 

「私のターン。モンスターをセット。カードを一枚伏せてターンエンドよ」

 

カミューラ:LP4000

手札4

セット1

伏せ1

 

前回のクロノス教諭とのデュエルを見る限り、カミューラのデッキはアンデットデッキ。墓地からの蘇生効果が多く、かなり厄介なデッキ。

カイ君が話してくれた別世界でもシンクロ召喚と組み合わせることでかなり強いデッキが出てきたって言ってたっけ。

なら、墓地が肥える前に叩く。

 

「私のターン!永続魔法《ウォーター・ハザード》を発動!」

 

まずは私や明日香、マリアムのデッキにとってのブースター的なカードを発動させる。

 

「ウォーター・ハザードの効果で手札から《水精鱗―アビスノーズ》を召喚!」

 

水精鱗―アビスノーズ

ATK:1500

 

「さらに《水精鱗―メガロアビス》を手札の《水精鱗―リードアビス》と《水精鱗―アビスグンデ》を墓地に送り特殊召喚!」

 

水精鱗―メガロアビス

ATK:2400

 

「この効果でメガロアビスの召喚したとき、デッキから「アビス」と名のついた魔法・罠カードを1枚手札に加えるわ。私は装備魔法《アビスケイル―ケースト》を手札に。さらに墓地に送った《水精鱗―アビスグンデ》の効果で墓地のリードアビスを蘇生!」

 

『おねがい、力を貸して!』

 

水精鱗―リードアビス

ATK:2700

 

ルカの力でリードアビスが復活する。

 

「装備魔法《アビスケイル―ケースト》をアビスノーズに装備!攻撃力を800ポイント上げる!」

 

水精鱗―アビスノーズ

ATK:2300

 

「アビスノーズでセットモンスターに攻撃!」

 

セットモンスターはピラミッドを背負っているようなカメ《ピラミッド・タートル》。リクルーターは厄介ね。

 

「ピラミッド・タートルのモンスター効果。このカードが戦闘で破壊された時、デッキから守備力2000以下のアンデット族モンスター1体を特殊召喚できるわ。私は二体目のピラミッド・タートルを守備表示で召喚!」

 

ピラミッド・タートル

DEF:1400

 

「でも、アビスノーズの効果も発動!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊して墓地に送ったとき、手札の水属性モンスター1体を捨てることでデッキから「水精鱗」と名のついたモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚できる!私は《水精鱗―ラティアビス》を特殊召喚!」

 

水精鱗―ラティアビス

DEF:3000

 

重そうな盾を構えた古代魚の戦士が現れる。

 

「そして、手札から捨てた《海皇の重装兵》の効果発動!ピラミッド・タートルを破壊!」

 

ピラミッド・タートルの効果は戦闘破壊された時だけ。

ならこうすればいいだけ。

 

「くっ、おのれぇ!」

 

悪いけど、さっさと決めさせてもらうわよ。

カミューラの場にモンスターはいないし、あの伏せカードが罠カードでもアビスノーズの装備したケーストを墓地に送れば無効にできる。

メガロアビスとリードアビスで攻撃すれば、私の勝ち!

 

「メガロアビスとリードアビスでダイレクトアタック!クリアスラッシュ&クリアクラッシュ!」

 

二体が武器を振りかぶり、同時に振り下ろす。

 

「速攻魔法発動!《終焉の焔》。私の場に黒焔トークンを二体守備表示で特殊召喚するわ」

 

黒焔トークン×2

DEF:0

 

虚ちゃんもよく使う速攻魔法。罠カードじゃなかったのね。こんなことならミヅチにしておけばよかったわね。

 

「メガロアビスとリードアビスで黒炎トークンを攻撃!ターンエンドよ」

 

結:LP4000

手札0

水精鱗―メガロアビス

水精鱗―リードアビス

水精鱗―アビスノーズ(アビスケイル―ケースト装備)

水精鱗―ラティアビス(DEF)

ウォーター・ハザード(永続魔法)

 

「お姉ちゃん!」

 

突然聞こえたその声に入口の方に目を向けるとそこには、

 

「簪ちゃん!?」

 

息を切らせ、肩で息をしている簪ちゃんがいた。しかもその後ろからは十代君たちがついて来ていた。あ、織斑先生までいる。

 

「な、なんでここに」

 

「お姉ちゃんに差し入れのカップケーキを渡そうと思って部屋に行ったら誰もいなくて。みんなに聞いて回ってもだれも知らないから。そしたら」

 

「エリアルが儀水鏡の魔術であなたの居場所を占ったのよ」

 

簪ちゃんの言葉を明日香が引き継ぐ。

 

「そうなの」

 

「・・・更識姉」

 

ヒィ、お、織斑先生!?なんかとてつもなく怖いんですけど・・・。

 

「貴様、生徒会長でありながら言いつけを破ってこんなところに来て、あまつさえ危険なデュエルを行うとは。覚悟はできているのだろうな?」

 

「い、いや、そ、そ、それは」

 

なんか織斑先生の周りがゆがんで見える。威圧感?怖すぎますよ!

 

「まあ、いい」

 

「へ?」

 

いきなり織斑先生の威圧感が消えた?

 

「お前の考えることくらい私にもわかる。だから勝て。あとで、反省文を50枚書いてもらうからな」

 

「織斑先生。はい!わかりました」

 

ありがとうございます。織斑先生。

 

「うふふ。安心なさい。そんなもの書く必要はないわ。だってあなたは私の人形になるんだから。私のターン」

 

「状況的には更識君の圧倒的有利だ。しかし」

 

「手札・伏せカードのないお嬢様に対し、カミューラの手札は5枚。逆転されかねません。お気を付けてください。お嬢様」

 

「私はフィールド魔法《不死の王国―ヘルヴァニア》を発動!」

 

周りが墓場になる。まずいわ。

 

「ヘルヴァニアの効果により私は手札の《ヴァンパイア・ロード》を捨てて、フィールドのモンスターをすべて破壊する!」

 

「その効果にチェーンしてラティアビスの効果発動!このカードがフィールドから離れる時フィールドに存在する「アビス」と名のついたモンスターを墓地の送ることでこのカードはフィールドにとどまる。私は《アビスケイル―ケースト》を墓地へ」

 

最悪の展開だけは防げたわね。前のターンにエクシーズしなくてよかったわ。

 

「ちっ、だったら私は魔法カード《生者の書―禁断の呪術―》を発動。ヴァンパイア・ロードを蘇生し、あなたの墓地のリードアビスをゲームから除外!」

 

現れるヴァンパイアの王。私は墓地からリードアビスを取り除き、カードケースにしまう。

 

ヴァンパイア・ロード

ATK:2000

 

「さらにヴァンパイア・ロードを除外し、現れよ!偉大なるヴァンパイアの始祖《ヴァンパイア・ジェネシス》!」

 

ヴァンパイアの王はその体をいきなり巨大化させていく。

 

ヴァンパイア・ジェネシス

ATK:3000

 

正直、ヴァンパイア・ロードの面影が全くないわね。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ」

 

カミューラ:LP4000

手札0

ヴァンパイア・ジェネシス

不死の王国―ヘルヴァニア(フィールド魔法)

伏せ1

 

「私のターン。このままターンエンドよ」

 

結:LP4000

手札1

水精鱗―ラティアビス

ウォーター・ハザード(永続魔法)

 

正直、状況は悪いわね。ここでヴァンパイア・バッツでも出されたらまずい。

 

「私のターン。ふふ、少し趣向を変えてみましょう。フィールド魔法《ダーク・ゾーン》を発動!闇属性モンスターの攻撃力は500ポイントアップし、守備力は400ポイントダウンするわ」

 

ヴァンパイア・ジェネシス

ATK:3500

 

そう来たのね!?

 

「まずい!」

 

「お姉ちゃんのラティアビスより」

 

「守備力を攻撃力が超えた」

 

「さらにリバースカード発動《闇次元の解放》。除外されている闇属性モンスターを特殊召喚するわ。私が呼び出すのは当然《ヴァンパイア・ロード》!」

 

次元の彼方から帰還するヴァンパイアの王。

 

ヴァンパイア・ロード

ATK:2000→2500

 

「ヴァンパイア・ジェネシスでラティアビスに攻撃!ヘルヴィシャス・ブラッド!」

 

血の雨がラティアビスを破壊する。

 

「ヴァンパイア・ロードでダイレクトアタック!」

 

ヴァンパイア・ロードが黒い霧の中に姿を隠す。

 

「お姉ちゃん!後ろ!」

 

「え?」

 

簪ちゃんの言葉に後ろを振り向こうとするが、それより先にヴァンパイア・ロードに。

 

「くっ、痛ぅ!?」

 

「いやあああ!!」

 

「結!?」

 

ヴァンパイア・ロードに首を噛まれる。これが闇のデュエルのダメージ。かなりきつい。

 

結:LP1500

 

「ヴァンパイア・ロードが相手に戦闘ダメージを与えたとき、私が宣言した種類のカード1枚を相手はデッキから墓地に送る。私はモンスターカードを宣言するわ」

 

「くっ、私は《水精鱗―アビスタージ》を墓地に」

 

「ターンエンドよ」

 

カミューラ:LP4000

手札0

ヴァンパイア・ジェネシス

ヴァンパイア・ロード(闇次元の解放)

ダーク・ゾーン(フィールド魔法)

闇次元の解放(永続罠)

 

「私のターン!」

 

このままじゃまずい。

お願い、私のデッキ!

 

「ドロー!」

 

引いたカードを恐る恐る見る。

 

「来た!」

 

それは今の状況では最高のカードだった。

 

「《深海のディーヴァ》を召喚!ディーヴァの効果でデッキから《真海皇トライドン》を特殊召喚!」

 

深海のディーヴァ

ATK:200

 

真海皇トライドン

ATK:1600

 

「ふん。今更そんな雑魚モンスター二体で何ができるというの?」

 

その余裕顔、崩してあげるわ。

 

「トライドンの効果発動!このカードと自分の海竜族モンスター1体をリリースすることでデッキ・手札から《海皇龍ポセイドラ》を特殊召喚することができる!」

 

二体の海竜が水流に包まれ、一つになる。

 

「深海より咆哮を轟かせ、現れなさい!大海の覇者《海皇龍ポセイドラ》!」

 

そこから現れるのは、大海を統べる龍、ポセイドラ。

ポセイドラはヴァンパイア・ジェネシスを威嚇するように唸る。

 

海皇龍ポセイドラ

ATK:2800

 

「来た!」

 

「お姉ちゃんのエース!」

 

「そのまま押切りな!」

 

「そして、その後、相手のモンスター全ての攻撃力を300ポイントダウンさせる」

 

ヴァンパイア・ジェネシス

ATK:3200

 

ヴァンパイア・ロード

ATK:2200

 

「なんですって!?でも、まだヴァンパイア・ジェネシスの方が攻撃力は上よ!」

 

ふふ、それはどうかしらね?

 

「ポセイドラを墓地に送り、《海皇神龍ポセイガイオス》を特殊召喚!深海のそこより覚醒せよ!海皇神龍ポセイガイオス!」

 

ポセイドラはその姿をさらに大きく、強大なものにしていく。

背中からは翼も生え、まさに神にふさわしい姿となる。

 

海皇神龍ポセイガイオス

ATK:3000

 

「ポセイガイオスの攻撃力は自分の墓地に存在するレベル3以下の水属性モンスター1体につき200ポイントアップするわ。今の私の墓地には4体のレベル3以下の水属性モンスターがいる。よって800ポイントアップ!」

 

海皇神龍ポセイガイオス

ATK:3800

 

「攻撃力3800ですって!?」

 

「ポセイガイオスでヴァンパイア・ジェネシスを攻撃!海皇蒼龍破!」

 

ポセイガイオスの口から放たれた強烈な水流が、ヴァンパイア・ジェネシスを破壊する。

 

カミューラ:LP3500

 

「ターンエンドよ」

 

結:LP1500

手札0

海皇神龍ポセイガイオス

ウォーター・ハザード(永続魔法)

 

「私のターン。ヴァンパイア・ロードを守備表示にして、モンスターをセット。ターンエンドよ」

 

ヴァンパイア・ロード

DEF:1100

 

 

カミューラ:LP3500

手札0

ヴァンパイア・ロード(DEF)

セット1

闇次元の解放(永続罠)

ダーク・ゾーン(フィールド魔法)

 

「私のターン!《貪欲な壺》を発動!墓地のメガロアビス、ラティアビス、アビスノーズ、ポセイドラ、アビスタージをデッキに戻して二枚ドロー」

 

結:手札2

 

「《憑依装着―エリア》を召喚!」

 

『覚悟はいい?』

 

憑依装着―エリア

ATK:1850

 

「エリアでヴァンパイア・ロードを攻撃!アクア・スプラッシュ!」

 

ヴァンパイア・ロードをエリアが水魔法で吹き飛ばす。

 

「誇り高き、ヴァンパイアの王を二度までも!」

 

「ポセイガイオスでセットモンスターを攻撃!海皇蒼龍破!」

 

破壊されたモンスターは・・・。

 

馬頭鬼

DEF:800

 

厄介なモンスターね。

 

「カードを1枚伏せてターンエンド」

 

結:LP1500

手札0

海皇神龍ポセイガイオス

伏せ2

 

「私のターン!《天使の施し》を発動!デッキから三枚ドローして、二枚捨てる」

 

手札増強カードか。まずいわね。

 

「さらに《天よりの宝札》を発動!効果は分かっているわよね?」

 

「また、ここでそのカードだと!?」

 

カミューラ:手札6

結:手札6

 

「ふふ、あはは!!来たわついに来たわ!私は墓地の《馬頭鬼》の効果を発動!墓地のこのカードをゲームから除外することで墓地のアンデット族モンスターを1体よみがえらせる!私は《ピラミッド・タートル》を蘇生!」

 

ピラミッド・タートル

ATK:1200→1700

 

「なぜ、ヴァンパイア・ロードを蘇生しなかったんだ?」

 

三沢君がそう呟く。確かに不可解だけど・・・ちょっとまって、まさか!?

 

「さらに墓地のチューナーモンスター《ゾンビキャリア》の効果発動。手札を1枚デッキの一番上に戻して蘇生!」

 

ゾンビキャリア

ATK:400

 

やっぱりチューナー。

 

「《不死のワーウルフ》を召喚。そして、レベル4のピラミッド・タートルと不死のワーウルフにレベル2のゾンビキャリアをチューニング!」

 

ゾンビキャリアが二つの黒い輪になって、城の闇の中に沈んでいく。

 

「光に見放されし哀れな鬼よ、闇夜に潜んで、その邪悪なる存在を知らしめろ!シンクロ召喚!今こそ復活の時!降誕せよ、アンデットの神!The Evil Night Gaunts!」

 

深い闇、そこからそれは這い出してきた。

背中から生えている巨大な蝙蝠の羽と顔の無い頭、そして全身から紫色の炎が噴出している。

見るもおぞましい化け物。

 

The Evil Night Gaunts(ジ・イービル・ナイトゴーント)

ATK:2700

 

「ダーク・ゾーンの効果で攻撃力は500ポイントアップ。さらにこのカードは1ターンに1度、自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。私が蘇らせるのはヴァンパイア・ジェネシス!そして、ナイトゴーンは表側表示で存在する限り、自分フィールド上の他のアンデット族モンスターの攻撃力をフィールド上のアンデット族モンスター1体につき100ポイントアップさせるわ」

 

The Evil Night Gaunts(ジ・イービル・ナイトゴーント)

ATK:3200

 

ヴァンパイア・ジェネシス

ATK:3700

 

「無条件での蘇生効果だと!?」

 

「やはり、とんでもないモンスターだな」

 

「お姉ちゃん・・・」

 

「大丈夫よ。例えエリアが破壊されてもまだ結のライフは残るし、伏せカードもある。結ならきっと勝って見せるわ」

 

明日香の言うとおり、私の伏せカードは罠カード《アビスフィアー》。たとえ、ライトニング・ボルテクスなんかでがら空きになっても大丈夫だし、さっき引いた手札には《速攻のかかし》もある。

 

「ふふふ、これで終わりよ。私は魔法カード《幻魔の扉》を発動!」

 

「《幻魔の扉》?」

 

聞いたことのないカードね。

みんなも知らないらしく、疑問に思っている。

 

すると、カミューラの後ろに禍々しい装飾の門が現れる。

 

「幻魔の扉の効果!まずは相手のモンスターを全滅させる!」

 

「な!?禁止カードの《サンダー・ボルト》と同じ効果ですって!?」

 

『きゃあああ!?』

 

「エリア!?」

 

エリアとポセイガイオスが破壊される。

 

「その後、このデュエル中召喚、特殊召喚されたモンスターを自分及び相手の手札、デッキ、墓地から選択し召喚条件、蘇生制限を無視して自分フィールド上に特殊召喚する!私が蘇らせるのはあなたの墓地の《海皇神龍ポセイガイオス》!」

 

海皇神龍ポセイガイオス

ATK:3000

 

なによ、そのインチキ効果は!?

 

「そんなカードもはや反則カードじゃないか!」

 

万丈目君がそう言う。

こんなデュエルのゲームバランスを崩壊させるようなカード、あっていいはずがない。

 

「もちろん代償はあるわ。このカードは私自身の魂を生贄にすることで発動する。このデュエルに負けたら、私の魂は幻魔に捧げる供物となってしまうのよ」

 

「そんなの実質ノーコストよ!」

 

簪ちゃんが普段じゃ絶対出さないくらい怒りをあらわに叫ぶ。

十代君と同じくらいデュエルが大好きな簪ちゃんはこんなカードを使うカミューラを許せないみたい。

 

「元気のいいお嬢さんね。そういえば、あなた達は姉妹だったわね」

 

「そうだけど、それが何?」

 

私がそう返すと、カミューラは笑みをより深くする。

 

「ふふ、丁度いいわ。闇のデュエルらしくしてあげましょう!」

 

カミューラが分裂。もう一人のカミューラは簪ちゃんの方に飛んでいく。

 

「逃げて簪ちゃん!」

 

私はそう叫ぶが、

 

「きゃあああ!?」

 

「簪!?」

 

「簪君!?」

 

「更識妹!?」

 

捕まってしまった。

精霊たちが簪ちゃんを捕まえたカミューラを引きはがそうとするけど、幻魔の扉から力の供給を受けているからなのか、びくともしない。

 

「簪ちゃんをどうするつもり!?」

 

「このカードのコストは私の魂。でも、折角だからこの子に私の身代わりになってもらうわ」

 

その言葉に私は愕然とする。

 

「そ、それじゃあ・・・」

 

「ええ。私が負けたらかわいい妹さんが死んじゃうわね」

 

そ、そんなの・・・。

 

「お、お姉ちゃん・・・」

 

「簪ちゃん・・・」

 

私には・・・もう、何もできない。

 

「ふふふ、さあ、最後のお別れは出来たかしら?ヴァンパイア・ジェネシス、The Evil Night Gaunts(ジ・イービル・ナイトゴーント)、ポセイガイオスでダイレクトアタック!」

 

三体の攻撃が私に迫る。

 

その時、簪ちゃんが私の目に映る。その眼には涙が溢れている。

 

ごめんなさいね、簪ちゃん。

あなたを助けられなくて。

 

こんなダメなお姉さんで本当にごめんなさいね。

でも、簪ちゃん。

 

「あなたは私の大切な自慢の妹よ。だから・・・」

 

クロノス先生の言っていたデュエルの光を信じて絶対に、負けないでね。

 

 

結:LP0

 

 

 

 

 

I2社の本社。

そこのカイの自室で、カイは仕事に勤しんでいた。

セブンスターズに盗まれたカードに対抗するために、アカデミアのみんなのために開発したカードの作成をカイは手伝っていた。

一息入れようと、机の上に置いたコーヒーカップに手を伸ばし、持ち上げるが、

 

取っ手がいきなり割れて取れてしまう。

 

「・・・結?」

 

カイは嫌な胸騒ぎを覚える。

奇しくもそれは結のライフが0になった瞬間だったことをカイは知らない。

 

 

 




VSカミューラでした。長いな。
クロノス先生のメインイベントだったので結構大変でした。
そして、最後に結のデュエル。
いろいろ思うことはありますが、カミューラならこうするかなと思いまして。
ここから簪が、そして十代がどんな反撃にでるかお楽しみに。
もっとも文才ないのでみなさんが満足できるようにかけるかわかりませんが、頑張ります。

次回予告
結の敗北に自責の念を感じ、絶望してしまう簪。
そんな簪を見て、十代はある決意をする。
ヒロインの涙を止めるため、立ち上がれヒーロー!

次回「希望の光」

明日香「デュエルスタンバイ!」


オリカ紹介

海皇神龍ポセイガイオス
効果モンスター
星9/水属性/海竜族/攻3000/守2000
フィールド上に存在するこのカードの名前は『海皇龍ポセイドラ』としても扱う。
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上の『海皇龍ポセイドラ』1体を墓地へ送った場合に特殊召喚できる。
このカードの攻撃力は自分の墓地に存在するレベル3以下の水属性モンスター1体につき200ポイントアップする。
また1ターンに1度、手札からレベル3以下の水属性モンスター2体を捨てることで、
フィールド上の魔法・罠カードをすべて墓地へ送る。


The Evil Night Gaunts(ジ・イービル・ナイトゴーント)
シンクロ・効果モンスター
星10/闇属性/アンデット族/功2700/守2000
アンデット族チューナー+チューナー以外のアンデット族モンスター2体以上
このカードはシンクロ召喚またはこのカードの効果でしか特殊召喚できない。
このカードが表側表示で存在する限り、自分フィールド上のこのカード以外のアンデット族モンスターの攻撃力はフィールド上のアンデット族モンスター1体につき100ポイントアップする。
このカードが破壊された場合、自分フィールド上のアンデット族モンスター1体を破壊することで、このカードを特殊召喚できる。
また、1ターンに1度、自分の墓地に存在するアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。

//モチーフはクトゥルフ神話に登場する生物ナイトゴーント。
外見の特徴は背中から生えている巨大な蝙蝠の羽と顔の無い頭、それと全身から噴出している紫色の炎です。
蘇生効果発動時はその頭がクリオネのようにガバァと開き、墓地のアンデット族の魂を肉体ごと食らって復活する。
召喚口上:光に見放されし哀れな鬼よ、闇夜に潜んで、その邪悪なる存在を知らしめろ!シンクロ召喚!今こそ復活の時!降誕せよ、アンデットの神!The Evil Night Gaunts!


幻魔の扉(原作オリカ)
通常魔法
相手フィールド上に存在する全てのモンスターを破壊する。その後、このデュエル中に召喚、特殊召喚されたモンスターを自分及び相手の手札、デッキ、墓地から選択し
召喚条件、蘇生制限を無視して自分フィールド上に特殊召喚する。このカードを発動したプレイヤーがデュエルに敗北した場合、魂を生贄に捧げる。
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